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【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 食堂/シトラとの ── [ やってしまった、と思った。 あまりに明け透けな指摘は、 彼女の無自覚の部分を刺激してしまったようで。 言葉の断片をぽろりぽろり零していくのを、 内心はらはらと見守るしか出来なくて。 横槍を入れても余計に混乱させてしまうだろうから、 彼女が心を落ち着けるのを静かに待った。 頼りなげに紡がれていく言葉に、 時折静かに相槌を打ちながら聞き届けて。 やがて我に返ったように ホットチョコレートを注がれれば、 ありがとう とそれを受け取り、静かに傾ける。 胃の腑にあたたかいものが落ちるのを感じ、一息。 ] ……なるほど、よくわかったよ。 貴女の思うことも聞かせてくれてありがとう。 じゃあ、私の意見を言わせてもらうね。 (320) 2022/12/25(Sun) 0:44:05 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 甘やかな香りと湯気が立ち昇るカップを掌で包んで、 ふう、とまた一息落としてから。唇を湿す。 ── 嫌だとか寂しいだとかの気持ちを、 彼女は 「違う」 と否定しようとした。 自分の心に蓋をして見せないようにして、 それをそうすべきことだと認識している、ように思った。 彼女の優しさなのか、 過去に起因するものなのかまではわからないけれど、 そのいっそ頑なな意思からふと解れた疑問に>>272 ] (321) 2022/12/25(Sun) 0:44:17 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベルあのね。 思うことは、決しておかしなことじゃないよ。 だって貴女は綺麗なだけのお人形じゃない、 心を持った人間の女の子でしょう? それなら、 どんな気持ちを持ったとしても貴女だけのもので、 誰が否定していいものじゃない。 それがたとえ大事なアリアであってもね。 [ とはいえ、アリアは彼女が自分を押し殺して、 都合がよくて耳障りがいいだけの心でいて欲しいなんて 望まないと思うけど、と続けて ] (322) 2022/12/25(Sun) 0:44:30 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベルそれにね、こんな自分を知られたくない なんて黙ってて、それでどうなるの? 何も言わないままで、我慢していい子でいて、 アリアにいつか本当に“他の誰か”が現れても 後悔しないって言える? ……自分より他に、なんて考え方は辛いだけだよ。 どれだけ力不足でも自信がなくても、 自分こそが誰より幸せに出来るんだって思わなきゃ。 シトラの謙虚さは美徳だと思うけれど、 もっと自分も幸せになれるように生きないと、 貴女と貴女を大事に思う人が可哀想だよ。 [ 私からすれば互いを一番に想い合う仲だと思うけれど、 というのは胸裡に留めて。 彼女の心を溶くのはアリアからの言葉だけだろうから。 ] (323) 2022/12/25(Sun) 0:44:43 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル私が魅力的かは大いに首を傾げるけれど…… やきもちなんてしょっちゅう焼いてるよ? …………私ね、あの子が誰かと 楽しそうにしてるのを見ると嬉しいんだ。 捨てられないもの、大事なものを沢山持って、 世界を好きになって欲しいって思ってるから。 でもそれはそれとして、少しでも長く一緒にいたいし、 何でも一番に分かち合いたいし、 もっと自分のことを見て欲しいって……思う……ので、 それが好きってことで、仕方がない んじゃないかな? [ ああ、恥ずかしい。余計なことまで口走った。 コップの湯気で熱くなる頬を誤魔化せないか…無理か ] (324) 2022/12/25(Sun) 0:44:56 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベルだからね、シトラが自分の心に素直になって、 それで私のことが許せなくなってもいいと思うよ。 それを否定する権利はないし、甘んじて受け入れる。 謝罪でどうにかなるものじゃないのもわかってる。 だから………… 私は、シトラの気持ちが聞いてみたいな。 勿論、アリアに伝えたその後でね? (325) 2022/12/25(Sun) 0:45:23 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル──────……さて、長居し過ぎたかな。 私はそろそろ自室に戻るよ。 ホットチョコレート美味しかった、ご馳走様。 [ 落ち着く時間、或いは考える時間が必要かなと思う。 彼女にとって必要な言葉でもそうでなくとも、 優しい言葉でなかったことだけは確かだから。 引き留められなければ、まだ少し甘やかな液体が揺れる * ]カップと共にそっと辞去しよう。 (326) 2022/12/25(Sun) 0:45:48 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 洋館廊下/ユグとの ── [ 食堂に辿り着く少し前。>>126 先客だろうか、その人の姿を廊下で見つける。 それはよく知る姿だけれど、深くは知らない人。 この洋館での“わたしたち”への反応は様々だ。 そういうものかと受け入れてくれる人、 驚きながらも知ろうとする人、 何となく察して疎遠になる人。 そもまともに自己紹介が出来ていない人。 彼については、 複雑な事情を知りながら、どこか遠慮がちに距離を取り、 それでもこちらを見てくれていた……ように思う。 理解出来ない怖いものだから遠ざける、ではない、 そんな不思議な距離感は新鮮で、嫌いではなかった。 このタイミングで会ったのは何かの縁だろうか? このタイミングを逃したらもう話す機会がないのでは? そう思ったので、少し迷って声をかけることにした。 ] 貴方もシトラのホットチョコレートを? ……少しお疲れみたいだけど、大丈夫? (333) 2022/12/25(Sun) 2:45:35 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 洋館廊下/ユグとの ── そうなんだね、私はこれから戴こうかと。 疲れるのは無理もないよ、あんなことがあったんだし。 …………うん。でも、そうだね。 温かいものとシトラとの会話のお陰かな? 顔色はそこまで悪くなさそうでよかった。 [ こんな距離でじっと見るのは初めてかも知れない。 そういえば同い年だった、と誰かの話で聞いたような。 などと取り止めのないことを考えていると、 ] ……え? お祝い? 誕生日はまだなんだけどな…… [ 不意に想定しない質問を受けたので、 なんだか間の抜けた返しになってしまった。 質問に至った経緯を語られれば、ああと得心いった顔 ] (345) 2022/12/25(Sun) 4:41:44 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル…………貴方は本当に優しい人なんだね。 [ 思い切って話しかけてみればよかった。 そうしたら、もう少し“彼”とこの子について、 もう少し何か出来ていたのかもしれなかったのに。 ] そうだね、折を見てここを離れるつもり。 でもこれからのことは話し合って決めたいから、 まだどういう風になるか全然わからないんだよね。 ……餞別は、どうかなあ…… [ 多分嫌がると思う。とは言えずに言葉を濁した。 代わりに、 ] (346) 2022/12/25(Sun) 4:42:11 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル…………そういえば、あなたにも随分と気を遣わせて しまってたね。“わたしたち”のこと。 [ こう切り出せば、 貴方が計らい私が享受した気遣いの距離のことに 行き当たるだろうか。 ] もう、“わたしたち”じゃあないんだ。 改めまして……私はベルだよ、よろしくね。 [ この事実を知っている人はいても、 こんな風に自己紹介をするのはそういえば眼前の少年が 初めてだ。 少し気恥ずかしく、彼と因縁浅からぬ相手というのも、 また奇縁とでも言うべきか。 望まれるなら、“わたしたち”が幼少期に作り出したものと 気付かず生きてきたこと、神が“わたしたち”を否定して、 今は只の私であると、重くならない程度に伝えようか ] “わたしたち”のことを尊重してくれてありがとう。 あなたの優しい距離感、嫌いじゃなかったよ。 * (347) 2022/12/25(Sun) 4:43:50 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 洋館廊下/ユグと挨拶 ── 優しさに優劣はないと思うし、 優しさは誰かに傾けるものだから。 私は確かに貴方の優しさを受け取ったと思うから。 それでいいんじゃないかな? ……なんて、偉そうかな。 でも、あまり無理をしないでね。 皆を祝福したいという志は尊いものだと思うけれど、 分け与えるだけじゃなくて、 ちゃんと自分を大事にしないと駄目だよ? [ 自分というティーカップに注ぎ、溢れた分を誰かへ。 他人に与える愛は、自分を満たしてはじめて成り立つ。 一生懸命なあまり、擦り減らし削り取るくらいに 頑張ってしまいそうな気がして、少々の老婆心を。 ] (428) 2022/12/25(Sun) 20:27:24 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル……ああ、そっか。私に餞別。 なんでかな、私だけにって考えがなかったよ。 多分、貴方のことを思うと、 あの子……ゼロが一緒に思い出されるからかな? [ 控え目な日常会話の記憶より、彼らの因縁の方が この洋館での生活において鮮烈だったから。 わかった、考えておくね。と礼を言い添える。 ] (429) 2022/12/25(Sun) 20:27:43 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ どう話をしていいかわからなくて、とあの頃の吐露を 受けると、その子供めいた素直さに目を丸くする。 なんだろう、歳近い筈の夜よりも、 どちらかと言うとクロと接している様な心持ちになる。 ] ……ユグは正直だね。 それについては貴方は悪くないし、 ちゃんとわかってるよ。大丈夫。 [ 不器用にも感じる心遣いを受け取って、微笑んだ。 ] (430) 2022/12/25(Sun) 20:27:59 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ 改まったように名前を呼ばれ、 頭を下げて願いを託してくるユグを暫し見つめ── ] …………なんだか妬けるなあ。 貴方、まるであの子のことを大好きみたい。 [ ふふ、と思わず破顔。 同じ絆持ちでも、『恋人』と『魔術師』とは大違いだ。 茶化したつもりはないけれど、笑ったことは謝罪して ] …………わかった。任されたよ。 [ 大仰な宣誓は必要ないだろう。 その代わりに想いを確りと託されよう。 あの子は嫌がったりなんでって思うかもしれないけれど、 一人でも多く夜を想ってくれることは私の喜びだから ] (431) 2022/12/25(Sun) 20:28:27 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ そうしてユグが頭を上げる頃、 先の「見送る」という言葉にふと閃いて、 ] ユグ、早速で何だけど、餞別を決めたよ。 よかったら、 いってらっしゃい って、言ってもらっていいかな? これからどうなるかはまだわからないけれど、 ここが帰る場所の一つになればいいなって思うんだ。 夜……じゃなかった、ゼロにとっても、 多分、わたしにとっても。 でも、その言葉があれば、 また帰って来られるかもしれないから。 …………お願い出来るかな? [ 先のことはわからないけれど、 見送ってくれるならば迎えることも託せる気がしたから。 彼の答えが何であれ、 この時間への感謝を告げてから食堂に向かった。 * ] (432) 2022/12/25(Sun) 20:28:50 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── 洋館廊下/ユグと最後に ── [ 大切、共に生きたかった仲間、 という言葉を受け取れば、>>494 自分のことのように嬉しそうに笑ってみせた。] ありがとう。 貴方が居てくれて本当によかった。 [ 居心地のいい場所にして待っていたい、 と帰る家で待つ人の存在は初めてだったから 少し面映い。 よろしくね、と返して食堂へ向かおうとして── ] (509) 2022/12/25(Sun) 22:58:23 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル[ いってらっしゃい、 の予行演習を早速届けてくれたから、>>497 ] はい、いってきます。 ……ああ、ひとりだけの餞別が不公平なら、 次はいってらっしゃいを二人分、お願いするね。 [ それなら嫌でも受け取ってくれるでしょ? と悪戯っぽく笑ってみせた。 * ] (510) 2022/12/25(Sun) 22:58:43 |
【人】 Y『恋人』 クリスタベル── またねの挨拶より ── [ 今日この一日の終わりに、 その背中を呼び止めることが出来たなら。 ] お疲れ様、ナハト。 あのね、疲れてるところ悪いんだけど、 ちょっと夜更かししない? [ 最初の頃>>0:644に比べて 一人で上手に焼けるようになったマドレーヌと ティーセットを置いたトレイを見せて誘ってみようか。 話したいことは沢山ある。 でも、何もない静かな時間も好き。 途中で居眠りしてくれてもいいよ? そうしたらそっと撫でて子守唄を歌うね。 なんとかしてこの夜を繋ぎ止めたい、なんて。 今日は我儘を言ってもいいよね? * ] (539) 2022/12/25(Sun) 23:53:37 |
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