【人】 英 羽凪…………アイス。 [夏だからだろう。 隣にあるアイスの自販機に、目がいった。 そういや高校の頃、暑い日は屋上にこっそりアイス持ちこんだこともあったっけ。 今にも涙が落ちてきそうな空の日は、決まってじとじとと湿気が肌に纏わりついてきたから。>>167 半分に分けられる棒アイスを、割って後輩へ渡したりして。 その時聞いた家庭の事情は、深く突っ込まなかったけど。 親は選べないよなぁ、とだけぼやいて苦笑した俺は、後輩の目にどう映ってただろうか。 卒業してすぐ、新しい職場での仕事で頭がいっぱいだったし。 姉の結婚が決まった頃ほとんどテレビなんて見なかったから、一時期世間を騒がせたスキャンダルはただただ遠い世界の出来事だった。 後輩のことを思い出す暇もなかったのは、偶然だったけど。 卒業が近づいても連絡先を教えなかったのは、わざと。] (441) 2020/07/25(Sat) 12:05:19 |
【人】 英 羽凪─ 502号室 ─ [戻ってアイスを冷蔵庫に放りこんだなら。 部屋に備え付けの電話が鳴った。] はい、英です。 ええ繋いでください、お願いします。 ──……姉ちゃん? 大丈夫、今日もちゃんとご飯食べたって。 えーと、オムライスとか。 [繋いでもらった外線から聞こえる、姉の声。 聞き慣れた小言に目を細め、耳を傾ける。] (443) 2020/07/25(Sat) 12:06:31 |
【人】 英 羽凪え、今日は楽しそうな声してるって? んー……そうだな、今日は色々あったかも。 クッキーがいつもよりおいしかったり、 ちょっと外にも出てみた。 うん、うん……そんな心配しなくても バタバタ何度も倒れないって。わかってる。 [またね、と締めくくってさほど長くない通話を終え。 受話器を置いてベッドに腰掛ければ、数秒間ぼんやりと。 いつもこうだ。 こうして毎日電話を掛けて様子を確認されるほど、心配してくれることに対する嬉しさと申し訳なさと。 受話器越し、姉の声の向こうに聞こえた俺とは違う生活音に、思い出す空虚感。] (444) 2020/07/25(Sat) 12:06:42 |
【人】 英 羽凪……夕飯、どうしようかな。 [なんか店に食べに行く気にもならないし。 でもなんとなく今日は、気分転換をしたいような。] ………………。 [視線を向けた窓の外は、すっかり陽も落ちて。 少し考えてから、もう一度受話器を持ち上げたなら。 フロントへ電話をひとつ。 汗もかいたし軽くシャワーを浴びてから、出掛けようか。*] (445) 2020/07/25(Sat) 12:06:51 |
英 羽凪は、メモを貼った。 (a106) 2020/07/25(Sat) 12:12:28 |
【人】 英 羽凪…………はぁ? 呼吸なんて、いつでもしてるだろ。 生きてるんだから。 [何笑ってんの、こっちも濡れたんだけど。 向けられた笑顔を、呆れた目で見下ろしながら。 どうせ濡れたついでだと、空いた片手を彼女へ差し出した。] まあでも、驚かせたみたいで悪かったな。 [手を取るなら、水から引っぱり上げるし。 必要なければ引っ込めるだけ。 体力が落ちたと言っても、俺より小柄な女の子ひとり支える力くらい、ありますとも。] (460) 2020/07/25(Sat) 13:17:31 |
【人】 英 羽凪[さて、彼女はどちらを選んだだろう。 どちらにしても、俺は足をひんやりとした水に浸けたまま。 手頃な沢辺の岩へ腰掛けて。] もういいや、このままここで食べよ。 あんたも食べる? アイス。 [持っていたビニール袋の中身をごそごそ漁り。 取り出したそれらを彼女に見せてみようか。 棒つきのソーダアイスと、バニラモナカ。 いらないなら両方俺が食べるだけだ。*] (462) 2020/07/25(Sat) 13:20:15 |
【人】 英 羽凪[ふわふわと舞う仄かな光を眺めながら。 アイスを半分ほど食べたところで、さっき取り出したもう一つのパックも開けて並んだ彼女との間に置いた。] こっちも、食べたきゃどうぞ。 [中身は、クラブサンドが数切れ。 さっきホテルのフロントに頼んで作ってもらったやつだ。 なんでアイスの後に出てくるかって? サンドイッチは溶けないけど、アイスは溶けるからに決まってる。*] (489) 2020/07/25(Sat) 14:25:08 |
【人】 英 羽凪[吹き出した。] ぷ。はは。 代わりにって、それ俺が渡したやつだろ。 いいから食べたいだけ食べたら 俺は残ってるの食べるだけでいいし。 [どうも、と軽くなったパッケージを受け取って。 ソーダアイスの最後の一欠片を口の中へ。] そりゃあ、ホテルのルームサービスで 出てくるやつだしおいしいだろ。 肉も分厚いし、パンとかも手が込んでるよな。 [次は、大分柔らかくなったモナカも口に放り込み。 ソーダより甘いバニラの味をもぐもぐしながら、クラブサンドを齧る彼女を横目に見る。] (523) 2020/07/25(Sat) 16:13:20 |
【人】 英 羽凪[おいしそうに食べる顔。 なんだっけ。誰かと分かち合えるおいしさ、だっけ。] ……俺も食べようかな。 [俺も手を伸ばして、クラブサンドを一口。 冷えた口の中を温めるように、焼いたパンの優しい味のあと。 肉と野菜が仲良く重なってやってくる。 ああこんな味だったんだ、って今更。] んー? ああ蛍…… [ゆっくり咀嚼しながら隣の声に顔を上げれば、淡い光が鼻先を掠めて。>>511 草陰から草陰へ、ふわふわ、ゆらゆら。 なんとなく外で食べようかと思っただけだったし。 涼しいけど足はびしょ濡れだし。 隣にいるのは名前も知らない人だけど。 クラブサンドが思ったよりおいしいから。 なんだか得した気分で、目を細めて。 視線を落とした手元、残った棒にはアタリの文字。] (524) 2020/07/25(Sat) 16:16:15 |
【人】 英 羽凪あ。アタリ出た。 [沢の水で軽く洗って。 ほい、と約束通り彼女に渡そうか。] ホテルの自販機コーナーで買ったやつだから フロント持ってけばもう一本もらえるんじゃないか。 [クラブサンドをもう一切れ口に放り込みながら。*] (525) 2020/07/25(Sat) 16:21:55 |
【人】 英 羽凪大丈夫じゃないか? その格好なら高校生に見えなくもないし。 ……なんてな。 ホテルマンなら笑うの堪えてくれるだろうから、 堂々と行って来くるといいよ。 [実際、高校生もあるかなと思ってたのは内緒だ。 笑いを堪えながら、今度こそ離れていく女の子の背中に手をひらひらと振り返した。 結局名前を聞き忘れたな。 そう気づいたのは、残りのクラブサンドを食べ終えた後のこと。**] (548) 2020/07/25(Sat) 17:33:09 |
英 羽凪は、メモを貼った。 (a126) 2020/07/25(Sat) 17:35:35 |
【人】 英 羽凪─ 蛍の沢 ─ [一人になった後もしばらく。 ゆらゆらと揺れる淡い光を眺めていたけれど。] ──…っしゅん。 さすがにちょっと冷えてきたかな。 [飛び出たくしゃみに鼻をすすり。 沢に浸かりっぱなしだった足を持ち上げた。 シャワーを浴びた後、着替えたばかりのジーンズも膝から下が濡れて変色していて。当然、スニーカーも同様である。 これでホテルに戻ったら廊下とか汚しそうだな。 まずフロントでタオルを借りよう。 軽くなったビニール袋を片手に、立ち上がり回れ右。 ホテルの方へ歩き出して、少し。] (580) 2020/07/25(Sat) 20:38:48 |
英 羽凪は、メモを貼った。 (a136) 2020/07/25(Sat) 20:44:54 |
【人】 英 羽凪[そうして、真由美さんへ視線を戻せば。] うん、今からホテル戻るとこっす。 真由美さんも、あまり体冷やさないようにね。 それじゃ、俺はお先に── [ぺこりと頭を下げて踵を返しかけ、蛍、の声にもう一度振り返ったなら。 白いワンピースを照らすように、ふわふわと淡い光が揺れていて。] (614) 2020/07/25(Sat) 22:02:54 |
英 羽凪は、メモを貼った。 (a139) 2020/07/25(Sat) 22:08:31 |
(a151) 2020/07/25(Sat) 23:36:07 |
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