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【人】 子守用 アメフラシ『温泉』 その日ぼんやり現れたアメフラシは疲れているようでした。 AIに眠気なんて存在しません、だけどどこか困っていそうな。 彼の動きを調べたり、少し隠してある録画データを漁ると一人で何度も塔に行っているのがわかりました。 みかんのように素早くはありませんし、他のみんなのように一瞬で倒すようなことはできませんがひとりひとり向き合って。3人ならば怖いから逃げて、謝らず、笑わず、倒して、戦果を手に入れていました。 『……』 一番弱い敵を、補助効果無しで倒せるようになったとき。 子供が目の前で崩れてしまったとき。 あの人に言われた言葉が、いろんな角度からリフレインして。 『みんなで、仲良く、いきたいな……』 安全に、誰も怖い気持ちや嫌な気持ちを抱かずにここを登れる日が来るのかと、願いました。 だって、これは、ゲームだから。 自分たちのための、ゲームなんだから。 (28) 2021/10/07(Thu) 12:58:45 |
【人】 子守用 アメフラシ塔の方から帰ってきたらしいアメフラシは、キッチンのいい香りに寄ってきました。 怪我はなく、どうやら二階層より上には行っていないようでした。 ユーに会いたくなかったわけではありません。 ユーに会えるのは今ではなかっただけです。 『美味しそうな香り。 アメ、塔の人たち倒してお金いっぱい稼いできたんだ』 『みんなが元気でゲームを楽しくできるようになったら。 使ってもらうんだ』 味見したいな、と気分良さそうに椅子をそばに寄せてあなた達が料理を作るのを見守っていました。 アメはずっと、ゲームを楽しんでいました。 (60) 2021/10/08(Fri) 14:17:38 |
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