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【人】 ]]『審判』 チェレスタ―― 食堂/シトラと ―― [無事でよかった>>292と言ってくれる人が、 近くにいることは幸いだ。 チェレスタの言葉から、言いたいことを汲み取ってくれたことについては、>>293 よく気がつく子だと思いながら、神妙な顔つきで頷いた] ……そう、思う。 揃っても滅ばなかったって思ってくれる人だって、 どこかにはいると思いたいよ。でも―― もともと証持ちに優しい人って少なかったし。 その人だって世界の状況を見れば考えを変えちゃうかも。 [あくまで客観的な風に事実を述べる。 自分が見て聞いて触れたものを伝えれば事実の補強になるけれど、 シトラは優しい子だから、自分のことのように傷ついてしまうかもしれないからやめた] (356) 2022/12/25(Sun) 10:20:19 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[宗教を信じていようがいまいが、 証持ちの内面を知らない者達にとって私たちは、 遥か昔の物語の登場人物の生まれ変わりにすぎない。 だから、中身がすっかすかの人形を攻撃するかのように、 証持ちを傷つけることができるのだ。 証持ちは空の器でなく同じ人間なのだと知らないから、 否――知ろうとしないから。 私たちを傷つける心は憎悪ではなく無知と無関心だ。 好意の反対が無関心であるのと同じこと。 ヒナギクが広告塔に立ったことで世界は変わったのかな? チェレスタには判断できそうもなかった。この心は一度無知と無関心に殺されかけたからだ。 長い時間をかけてじわじわと] (357) 2022/12/25(Sun) 10:20:56 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[ただのチェレスタは好きなように歌うことを夢見た。 少なからず世界を広げる努力もした。 洋館に遊びに行き始めたのもそのひとつだ。 だけど。 ひとりでも大丈夫になれるようにと歌い続け、証持ちであることを隠して舞台に出て。 時折洋館に遊びに行く。 そのような日常を繰り返していれば否が応にも気付いてしまった。 いくら頑張ったところで、希望など、砂粒程度にしか存在しない。 証持ちだからという理由で私を見てもらえなくなるこの世界には。 それでも何かを変えたいと、 世界は無理でも自分の周りは変えたいと思ったことはあった。 だけど世界の色んな所を巡って、変えられたという実感を積み重ねるよりも、 歌うことを楽しめなくなってしまう方が早かった] (358) 2022/12/25(Sun) 10:27:07 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[シトラの感じたことは間違いでもなく、>>293 シトラの知らない理由で、チェレスタは何かをする前から諦めようとしている。 だが、諦めることに慣れているはずのこの心に、 自覚しないうちにひびが入っていたらしい。 名前を呼びかけられて、己が何を言ったかに気付き、>>295 その後はちゃんと強がってることに自覚はあるけれど、それしかできなくて。 やがて声を聞いた。チェレスタを励まし続けるシトラの。>>296 あれ、と思った。 シトラが勇気を出し始めたのは、チェレスタの認識だと、 アリスの誕生日のお祝いに歌を歌う計画が始まってから。 でも、あの時と比べて今は、勇気を出すまでもなく、 自分の言葉で話せているんじゃなかろうか。 (時々つっかえながら、ではあるけど)] (359) 2022/12/25(Sun) 10:44:36 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[いつから、だろうか。 勇気の種が急速に芽吹いて伸びるには、栄養が要る。 それらはこの数日で急激に得られたものなのか、それとも、 ずっと前からシトラの中に蓄えられていた思いが、ここで養分となったのか。 いっそ両方だったらいいな、と思う。チェレスタの「大丈夫」も含まれていたらなんか嬉しい……なんて] うん、……私も信じたい、なあ。 あの人たちは、強いから。 世界になんて負けたりしないって……。 [私もまた会いたい、とは言えなかった。 だけどチェレスタの中ではこう言えただけでも偉大な一歩だった] (360) 2022/12/25(Sun) 10:45:38 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ……聞いてくれてありがとう。 頼りないなんてことはないよ! こうやってホットチョコレートを、振舞ってくれるのも、 みんなの助けになると思うし。 あと、その……、 強くなったね、シトラ。 どう、とはうまく言えないんだけど……。 [うまく言えないのでホットチョコレートをゆっくり味わうことにした。 甘い香りが何故だか目の奥をツンとさせるけど、 せっかくの一杯をしょっぱい味にするわけにはいかない。 目は潤んでないのでセーフである] ……ふー。 うん、美味しい。 [美味しいと感じることは幸いである。 この心はまだそう感じることができている] (361) 2022/12/25(Sun) 10:52:49 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ[いつか、また大きな壁を心に作ってしまいそうな時。 それをシトラに吐き出せるかどうかはまだ分からない。 未来は未知数であるからして。 しかし、今のチェレスタは「良いこと」について訊かれればまるっと吐き出した。>>297 すなわち、エーリクの部屋を訪問し、どのような話をしたか。 途中でしょげた顔は見せたものの、話せてよかったのだから、 締めくくりの表情は穏やかなものだった] ……シトラは、――ええと。 シトラも。どうだったの。 なんだか大丈夫な気がするけど。 [箱庭における『節制』と『運命の輪』。 洋館におけるシトラとクロ。 もちろんこれらは同じでなく、そうして、結末も同じでないと。 今頑張ってるシトラの姿が証明してくれるように思えた。 2匹目の羊をプレゼントしてくれるよういつか頼んだ少年の姿が、 今は新しい箱庭にあるとは知らず*] (362) 2022/12/25(Sun) 10:54:21 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ―― 誰かの旅の始まる前に ―― 頼み? 用事もないから別にいいけど。 [そうやって二つ返事で引き受けた後、>>366 何やら話が長くなりそうな気配を感じて、依頼人ことゼロを自分の部屋に通した。 果たしてその予感はそれなりに当たっていたわけだが。 「ゼロとベルが洋館を出て旅に出る」 そのことを聞いたチェレスタは、隠しきれぬ驚きの表情を浮かべたものだ。 彼がともに旅をする相手について、あくまで“クリスタベル”であると認識していたからだが。 逆に言えば、彼らがともに旅に出ることについては驚かなかった。 離れ離れの道を選ぶのがむしろ奇妙だと、そういう意味でもあり] (457) 2022/12/25(Sun) 21:39:48 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ生の体験談。 こういう話を他の証持ちにする時が来るとはねえ……。 [これも『箱庭の神』がやって来たことの弊害か。 複雑な心境はなるべく追いやった後に話をした。 お礼に関しては「思いつくものがない」と正直に述べた。 お金は旅するうえで大事だからもらうつもりはなかった。 それ以外なら……交渉次第で自分のものにしたかもね。 旅の話なら前にもしたことがある。 だが、その話には旅の心構えなど付随してはいなかった。 一座がやってた旅のスケジュールまとめみたいなやつ……の写しがあればわかりやすかったんだろうけど。 なかった、ので記憶を基に再現した走り書きくらいは渡したかな。 他にも思いつく限りの話をした] (458) 2022/12/25(Sun) 21:42:03 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ……む、一回くらいでいいの? 私の歌、ここを出たらとってもレアものになっちゃうよ。 なんなら君の大事なひとと来た時にその一回を使いなよ。 もちろん何回でもいいけど。 [歌が好き、と言われるとちょっとは調子に乗ってしまうチェレスタである。>>367 「歌が好き」がたとえ嘘でも、 あの時私の歌を聞いてくれた君の姿を忘れるつもりはないけど。 もうひとつ頼みができたと言われれば首を傾げ。>>368 目の前で展開されるマジックを見た。 チェレスタのいた一座は歌や踊り、あるいは身体を張った曲芸がメインだったので、 マジックには明るくない。 案の定じーーーっと見ててもタネのひとつも分からなかった] (459) 2022/12/25(Sun) 21:42:42 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ……すごい、 けど、お金取りたいならまず人目を惹かないと。 前口上を言ったりとか、あと…… あっ [ふいに手を叩くと、部屋の隅に走り、 隅の方にある箱の中身を引っ掻き回した末、 ラッパを手にして戻ってきた。 金属の管がぐるりと一周した形状のシンプルなもので、 手を当てる部分に古びた布が巻いてある] (460) 2022/12/25(Sun) 21:43:53 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタこういうラッパを吹いて人を集めたり。……ふふ。 良かったらこれはあげるよ。 私は使わないもの。 [チェレスタはかつてラッパが楽器の中では一番好きだった。 子どもの頃は古びたラッパで、客寄せの練習をしたこともあったが、 いつしかラッパのことはあんまり好きじゃなくなって、 手の中にあるこれも、記憶とともにしまいこんでいたのだった。 ただの思いつきだし、ゼロの手に渡らなくても気にしないというやつである*] (464) 2022/12/25(Sun) 21:47:36 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ―― ただの歌うたいにはなれない者の見る夢 ―― [チェレスタの部屋には楽器が数多くある。 しかしそのすべては今は音を立てずに眠っている。 ベッド傍のチェストには小さなハーモニカと一匹だけの羊のぬいぐるみ。 それらと寄り添うように置かれている硝子のオルゴール。 ある青年が戻ってくるまでの預かりものであるそれが、>>443 今は静かに音を奏でている。 あとは、筆記具の動いている音だけがある。 便箋に向けてそれなりに綺麗な字を綴っているのは部屋の主であるチェレスタだ。 ……手紙を書いている。一座の者へ宛てて。 彼らは、やはり、思った通り、滅びかけた世界を見て回りながら、 悲しみを少しでも忘れ去れるような、楽しい舞台を提供しているらしい。 彼らがまた、洋館の最寄りの街に戻ってきた時、 これを託すべく手を動かしている。 その一部がこれだ] (533) 2022/12/25(Sun) 23:49:33 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ『 書き残そうと思います。 あの日、箱庭の神が現れてからの証持ちの物語を。 私だけでない、他の証持ちからも少しずつ話を聞いて。 もちろん完璧な物語とは言えません。 すでにこの世界を去り、箱庭に行ってしまった者もいます。 でも、22人が揃って、色んなことと向き合ったからこそ、 世界が滅びなかったこと。 そのことをどうしても世界に残しておきたい。 そうして、できた物語は貴方達に託します。 』 (536) 2022/12/25(Sun) 23:50:02 |
【人】 ]]『審判』 チェレスタ『 物語を、歌劇、いやちょっと違う、民謡? そんな感じにするのはあなた達の方が詳しいと思いますから。 そうして歌として、私たちの物語を、 語り継いでくれると、嬉しいです。 …私やあなた達、今代の証持ちの皆が生きている頃には、 何も伝わらないかもしれないけれど。 いつかきっと、大丈夫な時が来るって今は信じられるから。 いつかの未来で、歌ができたのなら、 真っ先に私に教えてほしく思います 』 ** (537) 2022/12/25(Sun) 23:51:43 |
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