114 【半突発R-18】Snow white Festival【飛び入り歓迎】
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「 ぁふ、……ッん、ぅ……?
―――― ンぁ、あ、 ぁ……っ! 」
―― なにか、言葉を投げられているのが聞こえて。
彼の声も言葉も、なんにも逃したくはないのに
蕩かされた頭と理性が言うことを聞いてくれないのだ。
指で触られた時、絶頂へ導かれた弱点さえ責められれば、
蜜壷は男を誘うためにとめどなく愛液を溢れさせ
すっかり降りきった子宮へ招くように収縮を繰り返す。
怒張の先端が最奥に届く度、
膨らんだ入口は、熱を逃さぬよう吸い付いて。
耳に届く言葉の意味なんて、最早半分も理解出来ないけれど
彼が絶頂に至りそうな気配を感じ取れば
―― いいよ、と全てを受け入れるように咲って、
「 ………… っ、?
なん、れ ……? 」
なんで、という簡単な三文字も碌に発音出来ない。
幼子のように回らぬ呂律をどうにか正そうとして、
その真意を問う、――前に。
兎は、彼の言葉の意味を。
文字通り体で理解することになる。
「 ひぁっ、ぁ、…… 〜〜〜〜〜〜ッッッ!? 」
媚びるように蠢く膣内へ彼を迎え入れ、
一際強く奥を穿たれる快楽に溺れかけたところで。
胎内へ吐き出された彼の欲が、それ以上にあつくて
―――― ちかちかと視界に星が瞬いた。
今までのどれよりも大きな絶頂に、
精を吐き零す彼の怒張を食い千切らんばかりに締めつけて。
はふ、はふ、と必死に息を整えようとするけれど
身じろぐたびに甘やかな絶頂の波が引いてくれない。
「 んむ、……ッふぁ、あぅ……っ
や、 きもちいいの、とまら、な……っ 」
なんでぇ、と子どものように泣いていれば、
彼が唇を甘く吸う刺激にもまた達してしまう。
本物の兎のようにまっかに潤んだ双眸で、
叫びも喚きもしない代わり、
自分を快楽に沈めるばかりの人魚へ追い縋った。
「 もっと、あいして……っ?
おねがい、…… ここ、あついの…… 」
その原因がまさか、胎へ出された彼の精液だとは
愛しい恋人との情事に溺れた女では気付けない。
―――― 彼が渋る様子でも見せるなら、
力の抜けた腕で押し倒そうとでもするだろうし
「口でしてもいいから」と、
あの手この手で頷かせようとするのだけれど。
それが叶えられるにせよ、そうではなくとも
媚薬めいた効能が抜け切らぬうちに
兎は気を失ってしまうことになるのだろうが。*
[子宮を揺らす奥も膀胱に近い性感帯も
彼女が悦ぶ場所は何処も愛してやりたかった。
自身が生物で無ければ、果てるのすら惜しいくらい
それだけ、欲望に乱す彼女は愛くるしくも蠱惑的で。
体の奥まで撫でてやりたいと複雑な愛情を抱かせた。]
――ッあ、……!ぅ
[腰が惹きつけられるくらい激しい媚肉の蠕動に
精を余さず絞り出されている錯覚を覚える。
これは名器だ、と野暮な感想を頭に過ぎらしても
溺れそうな熱で頭を白くさせてしまい、心音ばかり近い。]
[命のみなもとを注ぐ合間にも、果てが見える筈の瞬間すら
彼女の絶頂は下降を知らず後を引くだろう。
甘い蜜を文字通り体の奥で知った女は、
しとやかな乙女では居られなくなるのは解っていた。
解っていたけれど、加齢を重ねても若い彼女の友人と異なり
老成もする己の精神は次なる快楽よりも彼女の身を案じて。
もっとだと強請る甘い声には、と呼気を切らして]
っ……待て、 おかわりは、やるから。
少し体を休…、め
[心臓が悲鳴を上げそうだと言い訳を伴おうともしたが、
男が想像するより彼女の欲は深く
久しぶりの性交に心ばかり逸り体がついていかない身は
細腕にすら引き倒される低落で、なんとも情けない。]
ラヴァ、っ……、う、あぁ、
[魔力を取り戻しつつある体力は御覧の通りだが、
上に跨る彼女の魅力を前に忠実な下肢は再び頭を持ち上げる。
気丈にも男を征服せんとする女は実に色めかしい。
横たわれば必然と流れる胸も見下ろす体勢であるから
存在感を誇張し撓わに揺れているし、
熱を戻しつつある己の性器に密着する女の蜜口が淫猥だ。
それに――男を脆くさせる彼女の甘えたがりの表情も、
綺麗だ、愛らしい、我を忘れさせる威力ばかり。]
[女の腰を支えようとする片手の寄り添いは
忠実な彼女の下僕然とした愛情から来るものだが。
下にして喘がせる愛玩が似合いの彼女を知っているが
己を貪ろうと身を乗り出す彼女は、見知らぬ光景で。
羞恥に顔を火照らせた情けなさを噛み締めながらも
欲を求めてしまう右目は、海水を目尻に余し潤んでいた。]
それ に、恥…かしい…、
[ほとんど消え入るような声で、
この場においては、逆効果にしかならない呻きを零して*]
女のやわい細腕は、存外簡単に彼を押し倒した。
―――― 休もうと言っている言葉は聞こえていたけれど、
胎内の熱に突き動かされる女には、
単なる愛おしい男の声でしかなく 制止を受けられない儘。
「 …… っ、ふふ……
そんな、顔も するんだ……? 」
消え入るように微かな声を聞いて、
はいそうですかと頷けるならこんなことはしていない。
涙の海に滲んだ右目を見つめ、いたずらに笑って
ぺろりとまっかな舌を覗かせた。
立場を逆転されても女の腰を支えようと伸びる腕は、
どこまでも忠実で見上げた飼い犬めいた精神だ。
男を押し倒すような姿勢を崩し、後ろへ下がると
兎は「口で」という言葉に反応していた熱へ触れる。
緩やかにウェーブを描く髪を耳へ掛け、
ちいさな口を開けば、女は彼の昂ぶりをはむりと食んだ。
「 んぷ、……ん、む……ぁふ… 」
そのまま徐々に口内へ怒張を迎え入れるように沈め、
裏筋へ舌を這わせ、ちゅう、と先端ごと吸い上げる。
口に入りきらなかった根本は指先で擽るように撫ぜて
兎族特有の人間より温かな口内と舌で、
彼の熱を包み込むようにあまく味わえば。
そう呟くように言葉を落とすと、再び熱を咥え込み
つるりとした舌を精一杯使いながら
じゅぷ、とはしたなく響く水音のことなんて気にも留めず
緩やかなストロークを繰り返し、時折強く吸い上げて。
散々好き放題に快楽で苛め抜いてくれた人魚を、
どうにか善がらせてやりたい――と。
内心で抱いた欲のまま、女は兎が好物を頬張るように
彼が喉奥へ白濁を零すまで、口の奉仕を続けるのだけれど。*
| ―――― その後の噺 ―――― 祝祭が終わっても、女は結局人間には成れなかった。 垂れた兎の耳は変わらず毎日風に揺れて、 尻尾は驚いた時にぽふんと膨む。 溢れそうな魔力を消費し、道端の猫と睨み合って 変わらず誰かの世話を焼いての繰り返し。 呪いに苦しんでいた子猫の少女は、 あの後どんな様子で魔術師を訪っただろうか。 ―――― 無様でもいいから生きたいと叫んだあの願いが どうか何の柵も無く叶えばいいと、願って。 (282) 2021/12/17(Fri) 21:43:28 |
|
淫魔の友人がこの街を再び発つ前に、 女は彼の元を訪って、パイ屋の特大パイを御馳走した。 もしかすれば彼は驚いたかもしれないし、 ―― 等価交換ではないと言われたかもしれないが。
「 メレフ、あのね …… ありがと。 私は御伽噺の女の子にも、人間にもなれないけど あの時助けてくれたの――嬉しかったよ。 」
唯のラヴァンドラを、友人として慈しんでくれた ―― 彼の不器用にも思える優しさは けれど確かに、寂しがりの兎を助けてくれたから。
(283) 2021/12/17(Fri) 21:43:32 |
|
―――― 少し時間を置いてから、魔術師は暫くの間 人魚を伴って姿を消した。 目的地は極少数の友人にだけ伝え、 旅には向かない身の上で、それでも彼と歩くことを選び。
街から出たことのない女は、あちこちへ興味を示し けれど逸れることを恐れて人魚の手は離さなかった。 「誘拐されたら困る」と本気の顔で告げて、 そしてその誘拐対象は女ではなく人魚であることも 付き合いの長い彼には理解るだろう。
(284) 2021/12/17(Fri) 21:43:37 |
| 彼は妹を見つけられただろうか。 無事に――使命など関係のない、家族の再会を果たせたなら その時ばかりは女も彼から手を離し 家族のみの空間にしてあげようとしただろうけれど。 …… 本当は。 女の知らない、温かいだけの家族の形を見るのが怖くて 妹に再会した彼が どんな道を選ぶのかが分からなくて 見ないフリをしようとしただけ。 識らなかった頃には帰れないから。 (285) 2021/12/17(Fri) 21:43:40 |
| けれども結局女の危惧とは裏腹で、人魚は女と共に 住み慣れたエオスの街へと帰って来てくれた。 ―― それがどれだけ嬉しいことなのか、なんてこと 彼はずっとずっと知らない儘で、良いのだけれど。 「 リル! 」 兎は月を見て跳ねる、――と東の国では歌われるが この街の兎は、訪った親友を見て跳ねる生き物だ。 >>262 ぱっと顔を輝かせ、自宅の扉を開き そこに立つ彼女をぎゅうと抱きしめよう。 (286) 2021/12/17(Fri) 21:43:44 |
|
私の大切なお友達。 人間になりたいという願いも、私の存在も 初めて肯定してくれたかわいい貴女。
世界への復讐を希っていたと、もし私が識れたなら ―― 私もきっと彼女の全てを受け入れる。 それが誰かを傷付ける結果になることでも、 それで彼女の全てが掬われるのならば、と。
復讐に心を堕としても、誰かを殺めても …… 貴女は、私の。
(287) 2021/12/17(Fri) 21:43:46 |
|
…… なんて、沢山の手土産を持参してくれた彼女へ いたずらっぽく囁いてみせれば。 あの時のように可愛い反応を見せてくれるのか、 或いは受け流されてしまったか。
「 リル、こっちきて! 一緒にご飯食べよっ 」
どちらにせよ女は、彼女の腕を逃がさないように抱き締め 家の中へと招き入れた。 …… やや過剰に思えるスキンシップの理由は、 いつの間にか彼女が傍へ置き始めたホムンクルスなのだが。 そんな子供じみた嫉妬心は隠してしまって。
(288) 2021/12/17(Fri) 21:43:56 |
|
「 …… ねえ、その子の名前は? 甘いもの用意してるんだけど、好きかなぁ。 」
―― 兎は出来る兎なので。 そんな風に、可愛いばかりの友人へ尋ねてみては 恐る恐る交流を計ることも、あっただろう。*
(289) 2021/12/17(Fri) 21:44:00 |
――…、ラヴァ、性根が悪くなったか?
[役得だと淫靡な光景に見蕩れるのは条件反射というもの。
息も揃わぬうちにペースを乱されるのは男として
納得しづらい部分はあるので、複雑そうな面差しで。
理性のある彼女が今の状態を見てでもいたら、
卒倒しそうだと思考の端で。
この報復は是非そうしてくれようと思い描くほど
己の招いた『薬』の効果に何処か達観しながら
男を屈服させて得意げな草食動物を見守る。
マウントを取った彼女の顔が両脚の間に埋まるのに
落ち着かない気分ではあるが、この可愛らしい生き物に
もっと欲しいと甘えられたら最早お手上げの降伏に尽きる]
っ……? は…、
いや、…っ ラヴァンドラ、待て、
[オーラルの経験は有るが、スライムを溶かしたかのような
異様な滑りけと、蜜壷を彷彿とさせる体温の高さに
これが平常なのかと不安で震えた。
接吻で知った彼女の口内や舌は確かに熱かったが、
果てを見て敏感な部位で受けるとその感覚も真新しく。]
ンンっ……?!
[裏筋を辿る軟体にざわりと背が擽られる思いだ。
彼女の腔内に押し込められた熱源は脈動を確かに伝え
吸われるとカウパーで暖かな口蓋を濡らす事だろう。]
っは…、――、ぁ……
[鈴口を擽る刺激と共にこちらを窺う女に
示しがつかない心境は落ち着かず、
いやでも染まった顔を覆うようにして。
どんなに欲に濡れても、我を見失っても
愛しい兎の浮かべる笑みは、甘く。]
……………悦い、
[そう答えるしか無いだろう。
羞恥混じりであるし、ぶっきらぼうにもなるが。]
あ――…、待て、あんまり、
[全部口に、 …その言葉を反芻する間も無く
しかと咥えなおされてしまい、熱の筒で扱かれると
快感が早足で駆け巡るようで、
与えられる刺激だけでは無く、余りにも淫猥だった。
何処を餌にしているのだと悪態をつく余裕は奪われ
はぁはぁと上がる呼吸をどうにか整えようとするが
甘い快楽に腰まで痺れて、体が重い。]
|
――――― 途中からの記憶が無い。 いつの間にか気を失っていた女が目を覚ます頃には、 すっかり身体は清められて 気に入りの部屋着を着せられていた。 ( …… 丁寧に下着まで履かせられているのは 顔をやや赤く染め、思わず俯いたが。 )
そのままゆっくりとリビングへ足を運べば、 四角形の匣を――実験中の魔術師めいた真面目な顔で 見詰める人魚がいるものだから。
(316) 2021/12/17(Fri) 23:21:39 |
| 「 ………… 、 …… おは、よ? 」 頭でもぶつけたのかと真剣に心配したけれど どうやら魔道具のひとつらしい、と思い至って いややっぱり何を……と首を傾いだけれど。 >>291 視線を流した先、 テーブルに並べられた昼食へ気付けば きょと … と目を見開いた。 (317) 2021/12/17(Fri) 23:21:43 |
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それから、すこしだけ照れたように言葉を紡ぐ人魚へ 女にしては珍しく思考が追い付かないような様子を見せ、 …… 温められた甘いオムレットと 不格好に笑う彼を見比べては、へにゃりと眉を下げた。
「 ―――― … ほんと? 私と家族になってくれる……? 」
目覚めれば愛しいひとがいる朝も、 共にご飯を食べる毎日も、――独りで街を見下ろす夜も もう何もかもを諦めなくて、いいのだろうか。
どこにもいかないで、と縋った私の指先で 貴方をずっと抱き締めても、許される?
(318) 2021/12/17(Fri) 23:21:48 |
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降り積もった雪と、肌を刺す冷気 白銀に埋もれた種は未だ芽吹かず 全てが静寂に呑まれた、この街で
(319) 2021/12/17(Fri) 23:21:52 |
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「 ――――― ありがとう、テレベルム
貴方に会えて、良かった。 」
私は愛しいばかりの貴方の頬へ触れ、 それから重ねるだけのキスを落とした。
(320) 2021/12/17(Fri) 23:22:08 |
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いつか私たちの物語が終わる、その日まで。
兎は愛しい家族の隣で 今日も魔法を掛けている。
(321) 2021/12/17(Fri) 23:22:13 |
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