【人】 坊っちゃん バラニ[子供たち二人を膝にのせて、語る話は佳境へと進む。 『ほら吹き』なんて大人たちにひそひそ言われる僕の話にこうしてきらきらと瞳を輝かせて聞き入ってくれるのをみると、なんとも言葉に表せない、温かな気持ちになれる。 勇者の、彼や彼の仲間たちが歩んだ道は、決して楽なものではなかったけれど。 この小さな輝きは、膝の上の重みは、彼らの歩みがあったからこそここに存在するのだと思えたから] ……おっと。 [増えた聴衆に駄賃代わりのパイを要求すれば、途端そそくさと足早に立ち去る人影がちらちらと。 折角の祝祭なのだし、一つ太っ腹なところをみせてくれてもいいだろうに、なんて。 そう思って女の子の頭をそっと撫でたところで>>248] (380) 2021/12/09(Thu) 21:52:40 |
【人】 坊っちゃん バラニ[そうして彼、ポルクスのほうはというと。 ……勇者になれなかった僕に、何の役が回ってきたかといえば。 あるときはゴブリンだったり、あるときはスライムだったり。 別のときは動く毒キノコだったり魔王の尖兵だったり。 要は魔王の配下の弱いモンスター全般をやらされていた。 だから勇者ごっこのとき、僕はよく彼と一緒にいたし、勇者役の子供たちから、よく助けてもらっていた 特に一度、魔王対勇者5人とその一行との戦いになって、赤青黄緑白の勇者5人に囲まれたスライム(僕)を助けに駆けつけてくれたときは本当にお世話になりました、うん] (385) 2021/12/09(Thu) 22:02:37 |
【人】 坊っちゃん バラニ……僕は、ポルが一番『勇者』に似てると思う。 僕の知ってるあの人は、ポルみたいな人だった。 [顔立ちとか背丈とか性別とか、そういうものとは関係なく。 ただ、彼が自分にかけてくれる言葉の温かさに、 嘗ての自分が出会ったあの勇者の面影を見た。 僕の記憶の中の勇者は、確かに男前だった。 でも、それ以上に。 強くて優しくて、眩しい。 ……そんな勇者に、自分もなりたかったんだ。 あのときの自分も、そして僕も] (390) 2021/12/09(Thu) 22:09:27 |
【人】 坊っちゃん バラニ[閑話休題] 相変わらず、人をのせるのが上手いなぁポルは。 [彼自身は自覚はないようだが、 彼の声と言葉は不思議と人の心にすっと入り込む。 商人としてはなかなか天賦の才能ではないだろうか。 因みに僕の父親曰く、 『お前の舌が滑らかになるのは勇者だの魔王だのほぼほぼ御伽噺に限られすぎて使い物にならん』 のだそうで。 いっそ商人よりも吟遊詩人に向いているとあまりに親不孝を嘆かれたので、ここ数か月は父と祖父についてあちこち回りながら実家の商売について学ばされている。 そうして久しぶりの休暇を満喫しようとぼんやりしていたところを子供たちに捕まって…という次第。 それじゃあ久々の再会に、ちょっと本気を出そうかななんて思った矢先、近づいてきた少年に目線を向ける>>261] (394) 2021/12/09(Thu) 22:12:27 |
【人】 坊っちゃん バラニ……? [見たところ、取り立てて変わったところのない少年に見える。 けれどなにかこう、大事なことを忘れているような、 そんな小さな違和感を覚えて。 はて、と小さく首を傾げていれば、 どうしたのー?なんて、膝の上の子供たちに袖を引かれていただろうか] あ、ううん。なんでもないよ。 [そうしているうちに二人が話し始めたものだから>>262>>290 幼馴染に話を任せて、暫く耳を傾けるほうに専念した。 商談めいたやり取りの合間、 話題に出てくるイクリールやゲイザーの店の話。 まぁ彼女たちは美人だよな、と内心頷いていれば。 ふと、彼の腰に差した剣に視線が向いた。 そうして漸く、感じていた違和感、もとい魔力の出所に気づく] (398) 2021/12/09(Thu) 22:16:09 |
【人】 坊っちゃん バラニ……、…………。 [無言で瞬きすること数回。] (ふぁーーーー!?) [内心絶叫した。 よもやこんなところでこの剣を見ることになるとは思わなかった。いや確かにここはあらゆるモノが揃うと言っても差し支えない街だが] え、えぇえと、その剣はどうしたのかな……? [彼が手にした銀貨に構わず、 ついその剣を指差して聞いてしまう。 思わず声が上擦ったけれどそんなことさえ気にならない] (399) 2021/12/09(Thu) 22:19:13 |
【人】 坊っちゃん バラニ[彼が勇者について話を聞きたがっているのを知れば] そうだなぁ……。 [少し困った顔をして、頬を掻く] あの人について確かに知らないわけじゃないけど。 てもそれはあくまで生前の、 それも魔王を倒すまでの彼のことだからなぁ。 [聞く人によっては違和感を覚えるだろう言い方だが、 ほら吹きとしての僕を知っている人にとっては、 見慣れた光景かもしれない] その剣に助けられたことも確かにあったんだけどね。 [膝の上の子供たちに至ってはまたはじまった、みたいな顔でごろごろしている。] あまりお役に立てる気はしないけど、もし、それでもよければ。 (402) 2021/12/09(Thu) 22:23:59 |
【人】 坊っちゃん バラニああ、生前の彼についてなら もちろん幾らでも話してあげるよ。 [何しろ、彼と縁のある人と話せるなんて、 そう滅多にあることじゃないからね]** (403) 2021/12/09(Thu) 22:24:28 |
【人】 坊っちゃん バラニ『大丈夫だよお兄ちゃん、皆そう思ってるよ』 『そうそう。 大昔のこととかわかんないけど、 ナイフとフォークより重い物が持てないお兄ちゃんが 勇者のお仲間なわけないって』 ひどいよ二人とも、 僕だってナイフとフォークくらい持てるよ。 [それより重いもの…という意味では、 確かに否定できないものがあるけど。 そもそもこの子たち、僕を擁護する気はあるんだろうか。 …ないね、うん] (452) 2021/12/10(Fri) 2:26:44 |
【人】 坊っちゃん バラニ『ときどき剣の練習もしてるところ みたことあるけど、なんでか全然上達しないもんね』 『ねー』 って、いつのまに見られt……まぁ、そうだろうね。 [ここまで言いきられてしまうといっそ清々しい。 はああぁ、と大きく溜息一つ吐いて。 それから、魔剣の主である彼のほうへと視線を向ける。 少なくとも、今、魔剣は彼の手によって抜かれた。 否、彼を魔剣が選んだということになるのか。 それが何を意味しているのかはわからない。 が、選ばれたことには何かしら意味があるのではないだろうか。 かつての勇者が聖剣や魔剣に選ばれたときのように] (453) 2021/12/10(Fri) 2:27:32 |
【人】 坊っちゃん バラニあの人がどんな人だったかって言われると、 そうだな……。 [勇敢だったとか、 長身痩躯の凛々しい美青年だとか、 天下無双の強さだとか。 『勇者』の彼を語る言葉は 後世の吟遊詩人たちが既に言葉を尽くしている。 ―――だから、今、この場で僕が彼を語るとするならば] (454) 2021/12/10(Fri) 2:29:23 |
【人】 坊っちゃん バラニどうしたって放っておけない気持ちになる、 そんな人誑しだった。 どうしようもないくらい、憎めない人だった。 [いっそ、恨めたならば。 素直に憎悪を燃やせたならば楽だったかもしれない。 それができなかったから、僕は今、こうして此処に居る。 非力で臆病で、どうしようもなく情けない姿のまま] (456) 2021/12/10(Fri) 2:33:58 |
【人】 坊っちゃん バラニ[……たとえ、願いが叶わなくても。 胸のうちに抱えた想いが報われなくても。 それでも"俺"は、 あの二人の幸せを願わずにいられなかった。 たとえそれが、自分の未来を捨て去ることになったとしても] (457) 2021/12/10(Fri) 2:36:14 |
【人】 坊っちゃん バラニ[ふぅ、と小さく息を吐いて] ……今、その剣が君の手にある意味は 残念ながら僕にはわからないな。 でも、此の剣が他の誰でもなく君を選んだ。 そのことには何かしら意味があるのだろうと思う。 [尤も、どんな、と言われても僕も困ってしまうけどね? 何しろ僕は選ばれたことがないのだから] (458) 2021/12/10(Fri) 2:37:17 |
【人】 坊っちゃん バラニ或いは。 君が此処にやってきた、そのための筋書きとして その剣は君の手に握られたのかもしれない。 一つ言えることは、これから先、 君の運命を切り開くのは、君の物語を紡ぐのは 他の誰でもない、君自身ってことだね。 かつて、その剣を握っていた勇者が己の物語を紡いだように。 [抽象的に過ぎたかもしれない。 それでも、間違っている気はあまりしない。 さて、彼から何か問いかけはあっただろうか? もし、他に何か聞きたいことがあればそれに応えようと思案するし、ないようならば、そのまま彼がどうするか見守ろう。 とりあえず、勇者が野営のときに小麦粉とフライパンを持ち込んでパンケーキを焼こうとした挙句、派手に爆発させた件についてはこのまま墓に持って行けそうだ ]* (459) 2021/12/10(Fri) 2:39:12 |
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