113 【身内】頽廃のヨルムガンド【R18G】
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「なんか昨日今日で三人くらいの相手と踊った夢見たにゃ」
「……疲れてるんじゃないか?」
これは結構なマジトーン。
「ともあれ野良猫は上手くやったらしい。
俺は急ぎ突き出すような輩は見付けてはいない。
なら、次はホドの番か」
「……」
「彼女は」
「……そう。そうかもしれません。
そうだったのかも、しれませんが」
「……迷惑になる事なんて」
深く息を吐いた。
「…………疲れではない。
私も似たような夢を見た。こんな偶然ありはしない。
精神干渉の類か何かなら厄介だが、
今の所意味不明な記憶が流れただけで問題はない。
とは言え警戒しておいて損はないだろう。
そちらも気をつけろよ、野良猫。
無論、今日は私が動くさ。特に相手も変える気はない。
が、状況が変われば他にする可能性だってある。
その辺りはまた改めて連絡する」
「…………」
ス……と視線を逸らして見えないもの…
つまり言ってしまえば
二人のMNDの値
を見る動き。
それか、フェレンゲルシュターデン現象。
その後に、なるほど。みたいな顔をした。
まあその場合自分もあまり他人事ではないのだが。
「…まあ、精神干渉なら多少は理解がある。
万が一の際は…少々荒療治にはなるが、どうにかできるだろう
とはいえ何事も万が一が無いに越した事は無い。
あんた達に言う事でもないだろうが…気は抜くなよ」
貴方の声を聞き、静かにうなずく。
「……おれは………彼が、平等とやらを望んでいるのか」
「すこし、気になった」
「―――望んでいて、もらわないと」
望むというより乞うような言葉。
「彼女達は、なんのために」
| 「ありゃあ〜〜〜……」
事が始まっているらしいことは解る。 掲示板を見て上半身ごと首を傾けた。
「てゆーか、コレゆーこと聞くの? ロッテだったらむかついて多少殺しちゃうかもぉ。 てゆーかてゆーかぁ、なんか女の子狙いっぽい? むしろ殺した方がよくない?」
クソでかい声でひとりごちるので、衛兵がそそくさと去っていく。
正義だなんだと言う気は無い。 ただ気に入らないだけである。あれこれ言説を垂れようが、死んでしまえば口も動かない。そのくせ偉ぶって弱い者いじめをする滑稽さを、教えてやるだけむしろ親切だと思う。 命乞いも数多と聞いてきたが「え〜!かわいそぉー!」の一言で殺してきた。リーゼロッテはそういう女である。 (@9) 2021/12/11(Sat) 2:05:07 |
| 「えぇ〜〜〜〜〜っ? 先にチェスティーノさんとか見せしめにしたんじゃぁん。 アイシャちゃんみたいな子を見せしめにするんじゃ〜ん。 分かってないんだよぉ、 自分たちもイノチのキキに陥るってコト。 なんかそーゆーのってぇ、フケンゼンだと思う!」
エアハートを振り返って、ぷりぷり!と怒る仕草と表情。 リーゼロッテには政治が分からぬ。しかし邪智暴虐はなんかむかつく。 ひと月ばかりこの街に留まった程度だが、なるほど腐敗している。…らしい。リーゼロッテにはこのお触れと私刑との違いが分からぬ。
「罪悪感? なんで?? 生きてるんだから死ぬんだしぃー。その死ぬタイミングが たまたまロッテだっただけってゆーかぁ。 逆になんで人相手だけ罪悪感?っておもうけどなぁ〜」
つまり、虫も家畜も魔物も殺しているのだから、と言いたい。
「エアハートさんはぁー、罪悪感あっちゃうタイプ?」 (@10) 2021/12/11(Sat) 3:51:38 |
| >>33 エアハート 「なんかぁ、お前もこーなるんだから言うこと聞けよ〜、 そんで一生コキ使ってやるぜゲヘヘ〜、 みたいなのがタンジュンにむかつくトコない? そぉそぉ、個として見ないのは別にいーんだけどぉ。 それってじょーずにやってればのハナシでぇー。 そんなんだからカクメーとか 考えられちゃうんだよねぇー」 いち兵士として、戦士として運用される側の人間である。 リーゼロッテも、おそらくはエアハートも。 しかして自我は異なる。彼の言葉を反芻して、指すところに合点がいって両の手をぱちんと打った。 「あ、な〜るほどなるほど! えっとねぇー、ロッテはぁ、 ロッテをコーゲキとかシンガイとかしない子は好き♡ だからイジメられてるとかわいそぉって思うのね。 けどそーじゃない子は危ないから殺してもオッケー! 国とか勢力とかカンケーないの。 ロッテちゃんを守れるのはロッテだけなの♡」 この重戦車は、重戦車であるが故の生き方しか知らず、 またそうして生きることに一切の疑問を抱かず生きてきた。 リーゼロッテはいつだってひとりである。 (@11) 2021/12/11(Sat) 4:26:55 |
「……そう、だな」
番犬にも思うことくらいはあるようすだが
うまく言語として変換できずにいた。
しかし今優先しているのは、人の──貴方の役に立つこと。
番犬は今後もそのために動くのだろう。
"貴方が貴方に、自身の望みをゆるせるようになって欲しい"
回想。うまく受けとれずにいるままの。
番犬は人の役に立ちたい、貴方の望みが自分の望みだ。
……それでじゅうぶんでは、ないだろうか。
「……ヘル。なにか、」
命令はあるかという言葉は飲み込まれる。
「……………………。
あとで……………チキンでも食うか?」
さいごに、突拍子もない言葉が出た。
他に気の利いた言葉を引き出せなかったともいう。
「はい」
飲まれた言葉。暫しの沈黙。
そうして貴方が発した言葉に、頬を緩めた。
「……はい。食べましょう、ガルム。
おいしい物は良いものです。
誰かと共に食べられるのなら、さらに良いものになる」
貴方がヘルの言葉を考えて、提案をしてくれた。
それを嬉しく感じた。
「……………………
…………………。」
おとずれるみょうな間は、思考している証拠だ。
その端に安堵したような吐息が漏れた。
「…………では。
おれが、うまいものを……
捕まえて来る
」
おいしいものが良い。ならば素材からとでも言いたいのか
何かが、根本的にずれているが、それはまぎれもなく、善意のつもりであった。
「
捕まえて来る
」
思わず復唱。今から?どこで?なにを?
間違いなくこれはガルムの善意だ。眩しいほど純度100%。
そして、ヘルはガルムの狩りの腕前を一切疑っていない。捕まえて来ると言うからには、捕まえてくるのだろう。
しかし、いったい何を?どれがうまいのか狩場で迷い始めはしないか?そもそも、どこで調理するつもりなのだろう?
「…………」
熟考。
「
では、調理場を探しておきます
」
善意には善意を返す。
ずれを指摘するどころかそのまま突っ走り始めたふたりの明日はどっちだ。
「ああ、捕まえてくる。だから……待っていてほしい
……、では……調理場は、たのむ……」
あなたにも協力を頼むほどには、間違いなく、本気だった。
上手いチキンの素材である何かを、狩ってくる。
そう宣言したからには遂げて見せる。
無事に、美味しい明日がやってくるといい。
「…………それで、次は誰を、」
小銃を抱えなおす。ひとまず美味しい食事の話はさておき
できること、やるべきことを、遂行する。
「……ミズチ」
ぽつりと呟いた。自分で決めたというよりは
突然脳内に振って来たような。以前と同じ様式でそうするようだ。
| 「えぇ〜?なになにぃ?ダンスパーティー? てかペトルーシャさん顔ヤバ!もったいなぁーい。 約束どーりロッテからもカンパしてあげるぅ」
討伐依頼から帰ったそのまま、受け取った報酬金の目分量半分を死霊術師のテーブルに置く。 滅し方なら分かるが治し方は知らない。 下手なものを買って寄越すより、自身で調達する為の資金を遣った方が互い楽であろう。
もっとも、その首輪。 遠からぬ死が約束されるのであれば、少し早い手向けに過ぎないのかも分からないけれど。
「チェルちゃん踊ってあげたらいーんじゃない? 気ぃまぎれるかもぉ? ゴーモン中もユカイなダンス思い出してね〜、的な?」 (@12) 2021/12/12(Sun) 17:06:05 |
貴方が美味いチキンの素材として魔物も視野に入れているとは露知らず、これは調理場……必要なら調理してくれる人も探しておくだろう。
美味しいならば
「わかりました。私は……」
暫し、悩むように間を置いて口を開く。
「今日は、彼の役者を調べてみます」
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