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【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[お互いこっそり不安を抱えて搭乗し>>1:28、 お互いの存在に少し救われたり、 小さな事かもしれないけれど確かな思い出を作って終えた飛行機の旅。>>1:29 その末にまず辿り着いた洋館の手前で、 亀のおばちゃんは俺を驚かせつつ、ホウスケに「はちゃめちゃだ」という印象を与えた様だ。>>1:30 でも本人はそんなのお構いなし。 感動の再会シーンなにそれおいしいのお寿司の方がおいしいわってな具合でホウスケに持たせた寿司>>1:31をリビングのテーブルの上に広げ、喋りながらも上品にひょいひょい口に運んだ。 ふくろうは美味しいのかとか聞いておきながら今食べているエビの方がおいしいと言わんばかりにスルーして、ホウスケが何も言えないのをいい事に調子よく喋る。 相変わらずマイペースだなとこっそりため息をつく俺は、 その姿が自分と似ている事には気付かない。 ホウスケが嬉しそうに頷くかわいい姿>>1:32もおばちゃんはスルーしたから、またひとつ零れそうになるため息を、いくらで流し込んで飲み込んだ] (19) 2021/02/23(Tue) 19:16:36 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[おばちゃんの整った文字が書かれた転職への切符。 俺は所在地をざっとチェックしたが、 ホウスケは俺よりじっと長らく眺めている。>>1:33 自然にホウスケの方に紙を渡したが、 何の動物かとか、勝てるかとか想像しながら名前を見ているとは夢にも思わない。おばちゃんが 「わからない事があったら後日でもまた聞いてね。……そろそろ電話持とうかしら」とか呟いたりしていた。 前科ゲロとかジェンヌ大鑑賞会>>0とかでホウスケは(物理的にも)すり減っていたけれど、俺はそれにあまり気付けなかった。音量は自分の為に下げた。 マイペースな二人に挟まれたホウスケを、部外者が見たらちょっと同情するのかもしれないが、残念な事にここには他に見ている者がいない。やりたい放題だった。 女装を見たみたいと言うとまんざらでもない様子のホウスケ>>1に、もう少しふふっと笑った。俺は別にそんな趣味はない。 ただホウスケならどんな姿でも見てみたいと思うだけ…… でも自分の色んな姿を見られるのは正直気恥ずかしい。 亀のおばちゃんが持って来たアルバムに食い付くホウスケ>>2を見たら、尚更] 「あらいいわよ、一枚五万円ね。 って言いたいところだけど 一万円にまけてあげるわ!」 [亀のおばちゃんはアルバムからホウスケが見つめていた写真を取り出し、ホウスケの目の前にひらひらさせ、ホウスケが財布を開けようとするまで粘ってにやにやしていた。「冗談よぉ!」とハスキーな声で笑い飛ばして、ホウスケに写真を押し付けた。 その一連のやり取りだけでも俺は気恥ずかしかったけれど、 ウォーターソーセージ時代の写真を見た後にホウスケがこっちをじっと見つめて来て、それも何だか照れくさい。 何だよかわいいだろ、と言ってやりたかったけど、 ウォーターソーセージって言われてる事を思うといつもみたいに声が張れない。なんの呪いだよ、ウォーターソーセージ] (20) 2021/02/23(Tue) 19:16:44 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[質問を投げ返されて、何か言いたげでも言葉少なになるホウスケ>>2の横で俺はもぐもぐ寿司を食べていたが、ラッコに比べて大きいかはわからないけど俺にはホウスケの大きかった……とかこっそり考えていたらこっちに矛先が向いた。 彼女の目線なんてどうでもよかったから、ホウスケがちょっと身を乗り出した事に首を傾げた。 亀のおばちゃんはあらあらって感じで微笑んでいて、 俺はますます首を傾げた] (21) 2021/02/23(Tue) 19:16:48 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[帰る前にドレッサーのある部屋に連れて行かれて、 下世話な事をしだするみかに抵抗してどろんどろんしていたら、 ホウスケもやってきてアニマル大運動会が一瞬だけ開催された。 ラッコの時は決して人語を喋らない(かわいくないから)自分ルールに則り、ホウスケの姿を認めても「ぎゅ、きゅ」と鳴いた。 食物連鎖の上の方に位置するもの達の運動会だが、 単純に重くて大きいのが勝った。 「大丈夫よ手加減してるから〜」と、ホウスケに傾けられたウミガメがごろんと転がったと思えば、愛らしい少女の姿に化けてけらけらしている。 まぁ確かに本気で潰されそうになった事は多分ないんだけど…… いらいらと荷物をまとめたせいでホウスケに礼を言いそびれたが、おろおろするホウスケを力強く「帰るぞ」と言葉で引っ張った] (22) 2021/02/23(Tue) 19:16:51 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[怒りも冷めやらぬ間に見送りに出て来られても、お祝いを渡されても、俺は何も言えなかった。 でも感謝はしているから、素直に受け取った。 ホウスケは大人だなぁ、と彼の対応を横目に見る。 彼が思い浮かべた夢も、俺には考え至らないものだった。 初めて名前を呼んでくれたるみかの見送りには憤りを溶かして、手紙による"次"の約束を口にした。 そこにホウスケがもうひとつ約束を重ねてくれた>>8から、 実家に背を向けて先に歩き出してから、 ふふ、とこっそり笑った] (23) 2021/02/23(Tue) 19:16:55 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[静かに、どこか情緒を感じる道を下り、 人々の賑わいに紛れて獣の匂いを隠してゆく。 「気に入ってただろ、遊んでたもん、ホウスケで」とるみかの態度を思い出して苦笑したり、一緒に頭を抱えた後に包みの話になって「なんだろ」とちらっと隙間から覗いたら何やら煌びやかな、それでいて外に出すには憚られる様な色が僅かに見えて、ここで開けてはいけない気がして「後で開けてみる」としまい込んだ。 着いた宿では、るみかがご馳走してくれた寿司とはまた違った美味しさの海鮮を楽しんだ。 ホウスケのふくふく笑顔と一緒に、 極上の味をひとつ思い出に刻む。 ホウスケのとっておきのグルメ情報には「ねずみってあまり人間も食べないじゃないか」なんて返して、今までもこれからも「食べてみよう」なんて気は一切起こさなかったけれど] (24) 2021/02/23(Tue) 20:19:07 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[お風呂を勧められて、 一緒に入るのを嫌がった訳ではないけど、 結果として断ったかたちになったんだろう。 あの日ホテルで同室を避けたみたいに。 でもあの時とは随分違った関係になった。 もう婚姻も結んだし一緒に住んでいるのに、 何だかぎくしゃくして俺は部屋に戻って来た。 いや完全に今ガウンの下に着ているもののせいなんだけど。 ホウスケの視線には気付かなかったけれど、 彼も返事に詰まったみたいで一層変な空気になった気がする。 え、なに、俺変じゃないよな、と部屋にある鏡の前に立ってみたけど、ガウンが透けてる訳でもないしちょっと胸元ゆるいかもしれないけど何もはみ出てないし素足だって今更だろ強いて言えば頬が火照ってるかもしれないけど正常な現象だろうと早々にベッドに移動した。 氷をぼりぼりしながらこうしよう、とか、あれは?とか、でもその前にどうしたら?とか、悶々考えてたら何か変な気分になってきた。 ベッドに珍しくうつ伏せに寝転んで、 う〜〜〜と枕に顔を埋めて呻いていたら、ホウスケが戻って来た。早いな!] (25) 2021/02/23(Tue) 20:19:12 |
【人】 愛らしさで人類を支配するラッコ 瑠璃人[心の準備ができていないんだけど。 でもむくりと身を起こしてベッドに座ったまま、ホウスケを振り返る。ほっぺつやつやだな…… ごり、と音をたてて口の中に残っていた氷を砕いた。 どきどきと緊張が高まる一方だけど、 このままではいられなくて、 なるべく平静を心掛けて口を開いた] ホウスケ、こっち、来てくれ。 [氷のせいでちょっともごもごしたからかっこつかないけど。 彼は髪を乾かし切っていただろうか。 まあ、俺は自身や寝具が濡れるのは構わない。 そんな身勝手な気持ちで、 近付いてくれたホウスケの手を引いて、ベッドに上がらせた] (26) 2021/02/23(Tue) 20:21:11 |
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