人狼物語 三日月国


68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】

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視点:


ブラキウム! 今日がお前の命日だ!


「先に結果だけ。
 ヘイズは
話術師
だ。

 そしてブラキウムは彼らに加わった。
 僥倖だ」

 
「ハマルは、
黒鳴者
だ。
 ……あの様子だと、相方はシトゥラかね。

 ……そうか。ブラキが。」

ブラキを殺す必要がなくなったと安堵すべきだろうに。
ラスの言葉が、響きが、声色が。
己の情緒も決意も選択も、何もかもを不安にする。


「そう。ブラキウムが。
 彼女は
安らかに眠り、苦しまなかったろう。

 
 どうかしたか?」

 口にする言葉に違和感を持つことはない。
 しかしあなたの沈んだ態度が気にかかる。

 
「なあラス。

 もうお前は、
俺がいなくなっても。

 
呪術ギルドがなくなっても。


    
一人で生きていけるよな?」


ラスの質問には何一つ答えず。
その問い掛けだけを投げた。


「…………」

 ひゅっ、と息を飲む。

「どういう、意味だ」

 よくある軽口の冗談ではないと理解している。
 だから言葉を紡げない。

 その問いは確かに、
 システムの手駒ではないラサルハグの心を揺らした。

「そのままの意味だよ『ラサルハグ』。

 最近妙に楽しそうじゃねェか。
 まあわかるぜ?上手くいってる時は気分が良い。

 だからさァ、思ったワケだ。
 殆ど表情の変わらないお前が、例え『洗脳』でも、
 ずっと幸せでいられるなら、それもそれでいいと。

 俺は死ぬのは怖くない。
 望みの為に一生を賭け死んでも叶えるつもりだった。
 唯一の懸念は、「ラスを置いていくこと」だった。
 だから俺はまだ死ねないと思って
いた。


 これでも恋人になるって言った時は、
 柄にもなく結構嬉しかったんだぜ?

 でも冷静に考えて、別にお前が求めてないなら。
 互いの枷になるだけだ。この関係は。だって、
 『例え死んでも【犯人】を俺たちは支える』んだろ?

 じゃあ『ラサルハグ』。
 合理的なお前は提案に勿論乗るよな?
 この関係を解消すれば俺は死ぬ恐怖が消える。
 【犯人】に手助けをする『駒』には丁度いいだろ?」

これは、挑戦状だ。
この提案は限りなく『ラサルハグ』には利しかない。
それを否定するか、しないか。彼の中に『ラス』はいるのか。
確かめる為の、問いかけ。


「 
I don't know what to do.
 」


グッモーニーン、当方です。
昨晩はお楽しみでしたね。

様々な事が起こり過ぎました。
ええ、本当に。

当方、全てを知っている神様という訳でもありませんから、
事の運びにちょっぴり驚いています。
……本当ですよ?

この夜に幸福に至った全ての方々へ、
当方は祝福を送ります。

やったね!
 

「おはよおはよ。昨日はお疲れさん。
 というわけで……サダルはいよいよもって究極の脚本を完成させたわけ!
 サダル、おめでとう!」

「……ところで、今日はもう2人ほど足りないみたいだね。
 まるで、後を追ったかのようだ。
 どちらにせよ、彼と一緒に幸福になれたのならいいこと。
 おめでとう!」



「たしかにそれはそうだ」

 感情の抜け落ちた人形みたいな顔で
 ぽつりと呟いた。

 
 顔をあげる。
 メレフを見る。
 視線はあわない。
 
 彼が席から離れる。
 会議場を出ていく。

 その背を見つめる。
 

 引き止めることも追いかけることもできなかった。

 姿の見えなくなった後も同じ場所を見つめ続けていた。


 両親の死の報せが届いた日、
 ラサルハグは泣かなかった。
 呆然としている間に時間は流れ、
 埋葬前の最後のおわかれでふっと意識を取り戻した。
 
 そう、記憶している。
 後で人伝に聞いたことでは、
 その間も大きく変わった様子なく働き続けていたそうだ。
 
 わかる者が見れば、受けた衝撃があまりに大きすぎて、
 一時的に心を閉ざしていたのだと言うだろう。
 
 
 ラサルハグは内向的で閉じこもる悪癖がある。
 素直に感情を表現することが昔から不得意だ。


 それからメレフが会議場へもどるころか、
 あるいは他のところでか。
 
 彼の姿を認めると、早足で近寄りその腕を掴んだ。
 
 「…………」
 
 血の気ない蒼白の顔が、彼を見つめる。
 
 「話がしたい」
 
 からからに乾いた喉が声を振り絞る。


 なにを語る気か、ラサルハグにもわからない。
 
 様々な言葉が浮かんでは消えて、
 どれもが正しくて、間違っている気がして、
 結論のない袋小路に迷い込んでしまった気分だ。
 
 メレフは恋人でなくとも彼らを支えてくれる。
 死への恐れが消えるのは望ましい。
 それに『恋人』のような名のある関係に
 収まる必要はなかった。
 彼がいて、彼の思うままでいられるならそれでいいから。
 
 大切な人や場所が失われるのも仕方のないことだ。
 両親も"魔女"もなにも言わずに消えてしまった。
 生家は人手に渡り、"魔女"と過ごした家は忽然と姿を消した。
 彼らからラサルハグと離れるなら、
 できることはないと、『何度も』自分自身に説明し続けてきた。
 
 それが同じように来ただけだ。
 
 メレフは離れることを望んでいると『自分自身』が囁く。
 ならば彼の望みに従うのが正しい、と背を押す。
 
 メレフの死がこわいことも、
 置いていかれることがこわいことも、
 そうと認められる素直さに欠けていて、
 そのくせ離れたくないとばかりに追いすがっていた。

*ヒソヒソ*

ブラキウムは、名前を呼ぼうとして思い出しました。

「……隠し名にしなきゃいけないんだったな。
『リリス』だぞ。今日からよろしくなのだ!」

『リリス』は、間接的ではありますがあなたたちの物です。
『フール』の指示が無い限りは、あなたたちに従うでしょう。



サダルとヘイズの死体を発見して、
皆が散り散りになった為、移動しようする。

見慣れた顔が見えたな、と思うと突然腕を掴まれるも、
驚くだけで見つめ返すだけ。

「構わないが、どうした?」

随分と憔悴しているように思えた。
いつもなら軽口の一つでも言って、撫でて抱きしめるのに。
我慢しなくていいと、幾らでも甘やかしてやりたいのに。

「答え、もう決まったか?それとも質問でも?」

そうしたい心を心に押し込めて、努めて平静を装う。
今はまだ、駄目だ。それではどちらも救われないのだから。



 こたえ、と声に出さず復唱した。
 頭がぼんやりして、うまく動かない。

「俺は、もう不要か」

 その質問は間違ってる。
 メレフは「『ラサルハグ』にメレフは必要ない」と
 問うたのだから。これではあべこべだ。

 『あべこべの病』が声に乗って、ここまでやってきて、
 罹患した病者が助けを求めてここにいる。

「メレフ。おしえてくれ」

 助けを、求めている。



「俺はラスをずっと愛しているよ。
 言っただろう。『恋人になろう』って。
 必要じゃなければ、あんな言葉は言わない。」

本当は、わかってる癖に。
答えを求めたがるお前も、求められて結局吐いてしまう己も、
どっちも甘えたがりで情けないったりゃありゃしない。

「でも、俺の答えは何も関係ないだろう。
 俺は『お前が俺を必要か』を聞いたんだ。
 
 それじゃあお前は、俺が『要らない』と言ったら。
 俺を捨てて良いと思えたのか。それを選べていたのか。

 ……ラス。
 お前にとって俺は『その程度』の存在だったのか。」


「 
Where should I walk?
 」


ハッピーバースデー、リリス!
いっそこの際、当方のようにそのまま名乗られても
構わないのですが……そうですね。

“新しい自分”として、
我々であるという認識は強く持てるでしょう。
素敵な名前だと思いますよ。

リリス、
当方は、我々は、
貴方を心から歓迎します。
 


「 
I should walk.
 」


ああ、フール。
当方は貴方を軽んじていた訳ではないのです。

ただ、当方が“ちょっぴり”誤解を
招きやすい言い方をしてしまったというだけなのです。

が、それを笠に着て自身の行いを
正当化する事は出来ません。
ソーリー、フール。
そして素晴らしい。期待以上の行いです。

グレイト!

貴方はリリスの新しい日を祝って差し上げましたか?
未だであれば、
後で祝ってあげておいてくださいね。
リリスはきっと喜びます。
 

「ようこそ、リリス。素敵な名前だな。
 俺は『モス』だ。よろしく。
 お前の誕生を心からお祝いするよ。」


「 
I must not stop walking.
 」


サダルもヘイズも役者でしたね。
『壊れた時報』は、
サダルの脚本でヘイズが役者をする舞台を
観劇する約束していました。

叶いましたね。素晴らしい劇でした。

当方も舞台に上がる事になるとは
全く考えていませんでしたねが……
ひとつの愉快な経験をしたと、当方は考えます。

サンキュー!

ルヴァも流石です。
ああ、ここはモスと言った方が良かったでしょうか?
ずらりと並んだ貴方の“商品”に当方心が躍りました。

新しい玩具を目にした少年のような“気分”
とはこの様なものですか? 悪くありませんね。

当方、貴方を含む彼らに惜しみない拍手を送ります。
 


「 
I don't want to walk anymore.
 」

「 
But I want to walk.
 」


……ええ、人知れず、呆気なく
その生に幕を下ろした可哀そうなお嬢さんにも。
貴女が舞台で踊る様は、面白みがあって、

……ああ、ソーリー。
これは適当ではありませんね。

滑稽でした。

三者三様、皆に“楽しい”気分を与えた上で、
自身も幸福へと至りました。
これ程素晴らしく素敵な事もそうないでしょう。

ファンタスティック!
 


「 
Gazer, what are you doing...?
 」


ああ、そうですね。名乗るのが遅れました。
当方は『壊れた時報』の言う、
『もうひとり』のキューです。

以後よろしくね!

……ところで、何やら街が騒がしいです。
“多数”が“少数”を淘汰しようとしていますよ?

これはいけません。
ラムの時よりも酷いです。

彼らにはきっと正義がありましたが、これはどうですか。
悪戯に人々の不安を煽っているだけです。

その不安により起こる突発的な“死”も、
当方が触れる“死”の一環として認識しておりますが……

“美しくない”

誰かが言いました。
彼女の行動は当方の美学に反します。
 


「 
......I'm tired out.
 」


それに……そうですね、
成果がなければ、人々は噂の根源である彼女を
責め立てるやもしれません。

“何もなかった”

何かある事が前提で行動したのに
成果を得られなかった時の人々の落胆は、
時として怒りに変わります。

結果的に嘘をついてしまった彼女に、
その怒りの矛先が行くでしょう。

つまり、彼女が酷い目に遭うと言う事です。
 

/*
 Hey you! 本日も貴方の当方です。
 方針についての意見を述べさせていただきます。

 「煽動者……死んでほしくない……?」
 「死……沢山ほしくない……?」

 当方、日替わり当時は煽動者を死体にし処刑死にし、
 その他適当な村人を襲撃する思考を持っていました。

 が、それは残り狼が1であることが前提の思考です。
 神祓衆に恩恵悪鬼が付いたことにより、
 残り狼が2で扱われることになりました。

 「なら、ちょっとランダムがあってもいいよね!」
 当方は考えます。いくらかの他の方の意見も聞いた上で。

 ブラキウムは、折角なので襲撃を行いたいそうです。
 モスが“苦しい”を奪ってくれる事が前提なので、
 襲撃RPは二人でになるでしょうか?

/*
 を踏まえて、当方は以下を提案します。

 ・吊り→ランダム
 ・噛み→煽動者
(これもうゲイザー…だよね…?)
(ブラキウム・モス)

 念の為の当方もシステム的に襲撃が必要か否かは、当方は判断しかねます。
 この窓が見えている方のご意見、お待ちしております。kiss...

「ああ、何だか街の雰囲気が変わったな。あの子を狙うのか?
 ……そっか。
 困ったな、彼女は俺の殺さないリストに入ってるんだ。
 もう幸せそうだからさ。」

/*
ゲイザーちゃん襲撃する場合はブラキちゃんにお任せしたい気持ちよ!

/*
 それではゲイザーが煽動者の場合、ブラキの反応後、
 当方が苦しまないお薬を渡す事の提案をします。
 結果的にどうなるかは、またRP次第で。

「キュー……? と、モス!
ブ、……リリスは一生懸命がんばるから、よろしくお願いするのだ!」

ブラキウムは、頭へ聞こえてくる囁きに相槌を打ちました。

「……もしかして、また誰か死んじゃうのだ? それは良くない!
ブラキが……じゃなかった、リリスがみんなを守るのだ!」

「あ、でも……。」

ブラキウムは、つい先程交わした約束を思い出しました。
今夜は内緒話をするのです。

「今日はカウスが内緒話をしに来るのだ。だから内緒話が終わってから手伝いに行くぞ。」

/*
狛犬から能力の行使予告をされたのだ。今日はブラキに吠えるって言ってたぞ。
なので襲撃の描写は、ブラキが時間になっても来なかった……という描写にしてほしいのだ。


「 
I don't know what to do.
 」


成程? それでは、そうですね……
当方が彼女を守りに行きましょう。

リリスは、内緒話が終わり次第いらしてください。
何かあれば、当方に声掛けを。出来たらね。
当方は、当方に向けられた声を聞きます。

モスは好きにされて構いませんよ。
 
/*
 OK! 当方がランダムっで吊られた場合を考え、
 襲撃選択自体は全員で煽動者
(推定ゲイザー)
を選んでおきましょう。

 実行犯は当方ということで。

/*
吊られ先が僕になる可能性がちょっと出てきたわ。

/*
  ٩(ˊᗜˋ*)و (マ?とOK!の踊り)

/*
了解したのだ!構わないぞ!

/*
多分僕100%吊られるわ!
キューちゃんは安心して襲撃して大丈夫よ。

/*
 ₍₍ ٩(ˊᗜˋ*)و ◝(*ˊᗜˋ)ว ⁾⁾



 わからないよ、メレフ。
 ラサルハグは、愛されることの理解を拒絶する。
 システム関わりなしのラサルハグの性質ゆえに。

「あんたが、不要と言えば従う。
 その覚悟はしてきた」

 出会ったその日から、ずっと。

「『愛してる』なんて数日前に抱いた抱かれたの関係に
 『過ぎない』。なにを思えと?
 いつもの、気まぐれだろう。

 ……俺に性を教えた時のように」

 『あの日』に青い子供は特別を期待した。
 だが彼の態度はまるで変わりなく、子供をからかったか、
 もしくは純然な性教育のいずれかか──、
 そうした対象ではないことを思い知らされたのだ。

「どうして期待できるというんだ。
 いつかどこかに行くあんたに、
 置いていかれるとわかっていて。
 
 あんたにとっての俺は『その程度』だ」

 甘えたがりで情けなくてそのくせ甘え方を知らない。
 手を伸ばして掴めず消えてしまうことが恐ろしい。

「キューはそんなことができるのだ!? お手紙を配達しなくても伝わるなんて、すごいのだ!」

ブラキウムは、とても感激しています。
他の街への配達は危険が伴います。
ですからキューの力を純粋に称えました。

「なるべく早く内緒話は終わらせてくるのだ〜っ。」

そう言うと、明るい声はしばらく聞こえなくなるでしょう。

/*
ゲイザーからの承諾を得たので、これから『Ammut』はゲイザーが賄賂を送ったことを色んな場所に広めるぞ。
襲撃予告はブラキからしておくのだ?

/*
 取り急ぎPL文のみで失礼します。

 ゲイザーへの襲撃予告は当方が既に送っています。
 ルヴァの殺害予定についても、
 「必要が出れば」当方が先方へ提示しますね。

 手を上げてくれてありがとう、kiss...

「…………。
 俺はゲイザーをやらない。
 あの子は死ぬことでは幸福になれないから……。」

『モス』は、俯いている。

/*
投票▷自分
襲撃▷パス
ありがとね〜 死をプレイするわよ……!



「………………。
ンン??」


ン?と思った。これはもしかして、もしかすると。
10年前に
そう言う目で見ていなかった
事を叱られているのか?
過去からの
NightDrive
の罪が今となってヒシヒシと伝わって来る。
背筋に冷や汗が流れた。でも待って欲しい。それではまるで。

「ちょっと待てラス。誤解だ。
 確かに俺が教えたし、あの時は親切心だった。
 でもそれはお前が余りにも幼かったからだ。15歳だぞラス。」

 お前から見るとブラキウムだぞ。いやそれに手を出すのは、
 これも言い訳になるのだろうか?メレフは混乱した。

「……お前、その言い方だと。
 15の頃から俺に『恋』していたみたいな言い方じゃないか。
 …………。…………そうだったのか?」

愛についてやや拗ねられているようにも聞こえたが、
しかし自分は散々猫可愛がりしてきた方だと思っている。

恋の目は確かに15のラスに向けられていなかったが、
それは単純に『若すぎたから』にしか尽きない。
いくら自分の年を取ろうと赤子と大人では見えるモノも違う。
そんな区分で、つまりもしかして、意外とコイツ『感情』あるのか?


「 
I... I... I... I+*+*+
 」


この世界の全員に、という訳ではありません。
当方も全知全能の神様ではありませんから。

事実、当方が我々へ向けていた声は、
リリスがリリスになる前には
聞こえていなかったでしょう?

しかし、賞賛の言葉は素直に受け取ります。
ありがとうございます、リリス。

おやモス、声が暗いですね。
“嬉しい”や“楽しい”は品切れですか?

ああ、商人が商品に手を出すものでも
ありませんでしたね、ソーリー。

当方はモスの気分が晴れる事を祈ります。
 



 口を開いて、閉じる。
 瞳は言葉にできない感情を秘めて
 熱くあなたに向けられた。
 
 「『恋』していた」と答えれば、
 彼は必要としてくれるのだろうか。
 そんな卑怯な囁きが脳裏をかすめて恥じ入る。
 
「そうじゃない。
 『恋』なんて甘いもの、あんたに向けたことはない」
 
 自嘲する。
 
 必要としてほしい。存在を認めてほしい。
 自己同一性も不確かな子供が親に近い存在へ向ける、
 依存めいたもの。それが当時の感情だ。
 
「俺はあんたに『それ』を向けられない。

 だから、好きにしてくれ」
 
 そしてそのこころは今もこの身に燻り続けている。
 はぐれた子供のような瞳をあなたに向けるのも、
 「望み通り別れよう」とは言えず、
 あなたに選択権を委ねるのも、そうだ。


「 
I see.
 」


さて、それでは当方も
ゲイザーを守る為の支度をしましょう。

ですが、何かあればお声掛けください。
当方は貴方の声にお答えします。

シーユー!

/*
 投票▷ルヴァ
(死体が出次第)

 襲撃▷ゲイザー
(キュー、ブラキ)


 急に狛犬が当方に吠えたくなってもOKにしておきますね、ブラキ。
 それではルヴァ、良い死をプレイされてください。kiss......



「なーにが、“好きにしてくれ”だ!
 絶対そう思ってない癖に!」

腕を振り払って思い切りラスの頬を伸ばそうとする。両方に。

「俺は『それ』を向けられない程度で捨てねェし、狙うなら期待できなさそうなヌボーっとしたお前に向けるワケないだろうが」

あのなあ、と呆れ切った顔で彼の頭をぼっさぼさに搔き乱す。

「俺は『ラス』に言ったんだぞ。『自分が手ごろだったから、』とか言うなよ。さっき言ったように恋したいだけなら幾らでも他を選べる。でも俺はお前に、お前相手だからそう伝えたし、その上で『断られてもいい』って言ったんだ。」

「……でも、“断られてもいい”は“怖くない”とは別だ。お前は大体口にしないから、口にする俺の事を何も恐れ知らずの男と思ってるかもしれないが、……」

「俺だって“お前に好かれているか”……いつも不安なんだよ。お前だけじゃない。なのにこれだけ伝えて、お前が何も本音を言ってくれないのは、……ずるいだろ。」

寂しさを覚えさせない様に自分なりの愛情表現をしてきたつもりだ。それを否定されても平気と言うほど、彼が思うよりもずっと、普通の“人”である。だからこそ、辛かった。



 伸ばされた頬。
 ぽかんとした顔で見つめ合う男同士のまぬけな光景。

「? ?? ????」


 ぼさぼさの頭もそのままに彼を見つめる。
 呆けた頭はことばの半分も理解できていない。
 けれど聞き間違えでないならば。
 
 彼の両頬を包み、鼻と鼻がぶつかりそうなほどに距離を狭めた。
 ゼロになって触れた。

「俺はいつだって怖かった。
 あんたは俺を置いていくから。
 成したいことがあると知っているから。
 
 気まぐれで、自由で、好き勝手してて」
 
 再び重ねた。
 許可なんて取らず、一方的な感情をぶつける。

「……叶うなら。『置いていかないで』。
 対価に、俺の『すべて』を捧げるから」
 
 そして三度重ねる。もう懇願というより、子供の我儘だ。

 [シェパーズパイとオムレツ]
 [ハマルが好きだと告げたパイ]
 [あの日ふたりでパーティをした時の主役]

 [大事に大事に味わう]
 [それは全部ハマルのために作られた]
 [美味しくて優しくて、]

「……」

 [隣には誰もいない]
 [シトゥラもサダルもキファもゲイザーも]
 [誰も、誰も、誰も、誰も]

「……美味しいぞ」
「本当に美味しいんだ、ゲイザー」

 [なのに]

 [どこか味気なく感じてしまうのはどうしてだろう]

『……ゲイザー。ゲイザーはずーっとひとりじゃないぞ。
 ハマルがいる。ゲイザーが望む限り、離れていてもずっとだ』

 『ハマルは生きている限り、全部覚えている。
 覚えている限りゲイザーをひとりにはしない。』


 [ハマルは忘れない]
 [シトゥラの事もサダルの事もキファの事もゲイザーの事も]

 [だから、]

「……ハマルの事も」

 [覚えていてくれるかな]
 [忘れてしまったかもしれない]

 [それでも覚えていてくれたら、]

 [また、指で作ったあの歪な笑顔を見せられるかもしれない]
 [そうして笑ってくれたら、ハマルはきっと幸せだ]

 [ハマルは今日、人々のもとへ走り回った]
 [正確には昨日からだ]

 [
カウス
ヌンキ
ルヘナ
ゲイザー
]
 [四人にこう持ちかけた]

『ハマルはこの事件を解決したい。
 協力をしてくれるか?』
『殺すのはハマルがする。
 見ないフリをしてくれるだけで構わない』


 [言葉は多少違えど、そのような事を]
 [―――そうして全員からの協力を取り付けた]

 [予想外だったのはゲイザーが
ルヴァ
を殺すと告げた事]

 [ハマルはルヴァをよく知らない]
 [ゲイザーはルヴァをよく知っているようだった]

 [彼女の覚悟を聞いて、ハマルは彼女の背中を押す選択をした]
 [ハマルはそう決めたのだ]

「……また、一緒にパイを食べたいな」

 [果たせぬ願いは積み上がる]



見つめ合う。伸ばした頬。乱れた髪。
その上であまりに呆然とした顔をしているものだから。

何か言ってやろうと口を開きかけた瞬間、
頬に触れる感触と、気付けば塞がれている唇。

突然の行動に困惑して、彼の言葉を聞き取るのが精一杯で、
あっという間に数度目の触れ合い。

彼がここまで自主的に動いたのは、
先日を除いて初めてじゃないだろうか。

いや──彼にそうさせるほど、怖がらせていたのか。



「──悪かった。
 伝えるのが遅れてすまない。
 ずっと不安がらせていたのに、気付けなくて。」

自分には死ぬ恐怖がないと、ずっと伝えていた。

そう簡単にくたばる気はなかったし、
寿命で彼の方が先に死ぬ可能性を考えていたけれど、
彼にとっては、『お前を置いて行く』と同義だったのだろう。

「……対価、じゃおかしいな。
 取引と『等価交換』は“お嬢”の為に作った規則だ。
 だから、」

「俺は、ラスを置いて行かない。ずっと傍にいる。
 その代わり全部、文字通り全部貰うって
『約束』
しよう。

 ──『恋人』って言うのは、そう言うモノなんだろ。」

ずっと昔渡した“幼い貴方を守るために魔力を込めた”指輪。

ギルド員の証との名目で渡した、左手人差し指に嵌めるそれを、
人差し指から薬指に付け替え、自分より大きい貴方を抱きしめた。

/*
本日ルヴァ占を頼めるかしら

(以下、キュー・ルヴァから了承もらい済)
投票→ランダム
占でルヴァを落とす
襲撃→ゲイザー

これで3死体を狙うわ



 熱を交わすたび
── ぶつけてる。奪い取ってる。

 
受容されてる──、
苦しい熱が肺を満たしていく。

 『離さないで』と言いながら『離したくない』と叫んでいる。
 口よりずっと体は正直だ。
 
「随分と色気のないエンゲージリングだな」
 
 覆いかぶさり、耳元で憎まれ口を叩いた。
 表情こそ見えないけれど迷いの晴れたことは明らかだ。
 その変化は10年もの間、見続けてくれたあなただから伝わる。
 そんなあなたの傍で助力をする覚悟をずっとしていた。
 
 そして、同じようにあなたの指先から指輪を
 
抜くことはなかった。

 
「ありがとう、メレフ」
 
 『約束』は『等価交換』より軽く誠意によって成り立つ。
 そしてあと数年で年齢すら追い越して、
 いずれは彼を置いていく自分には、
 その誠意を果たし続けることは叶わない。

「俺はあなたがいい。あなただから、いいんだ」
 
 見返りは、縁を結んだ日からずっともらってきた。
 それでいい。それでよかった。



!error!


縺ゥ縺?@縺ヲ縺ゥ縺?@縺ヲ縺ゥ縺?@縺ヲ


きっとノイズ混じりの声が届くでしょう。
ブラキウムは、いつもと違いどこか苦しそうな声です。

「キュー……聞縺薙∴るか?」

「カウ繧ケ縺邪魔し縺ヲ縺阪※行け縺うにないのだ! 譛ャ当にごめん!」


荳肴?迸ュ荳榊庄隗」逅?ァ」荳崎?菴墓腐荳崎ゥウ荳肴?


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「 
Sorry, Brachi.
 」


おや、リリス。はい、問題ありません。
貴女は謝らなくって良いのです。

当方、リリスが此方へ至れない事は知っていました。

当方は兎も角、
リリスがカウスの“スキル”から
逃れられるとも考えていなかったので。

カウスは鼻が利きますよ、
面白い子だと当方は感じます。

リリス、謝らなければならないのは当方の方です。

当方はゲイザーを守れませんでした。
当方、彼女の真っすぐな想いに
感銘を受けてしまって。

彼女は“愛”の為に、
己の為すべき事を為すそうですよ。

当方は彼女を見送ってしまいました。
ソーリー、リリス。そして、

おやすみなさい!
 

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繧ゅ≧繧?a縺ヲ縺上l遘√?隱ー縺ョ豁サ繧りヲ九◆縺上↑縺


ノイズが一層強くなりました。
数秒後、再びブラキウムの声が響きます。

「……そ、うか。きっとサダル縺ョ繧うに、ゲイ繧カーも謌舌@驕げたいん縺?縺ェ縲
成し遂げ偵k縺薙→は喜びだとラス繧りィ?縺」縺ヲ縺た。」

「……窶ヲ…おやす縺ソ縲√くュー。」


遘√′髢馴&縺医↑縺代l縺ー縺薙≧縺ェ繧峨↑縺九▲縺



!error! !error!


大きなノイズの後、ブラキウムの声はプツリと途切れました。



「見た目に拘るなら買い替えてやってもいいぜ?
 “お前の為”を思って唯一造ったヤツなんだが」

そう言わないと分かっていて、あえて告げる。
ラスだ。自分の知ってる、彼がいる。

呪術ギルドの『ギルドマスター』が、幼子を思って、
変に気に病まない様に“みんなそうだから”と渡した、
世界でたった一つの魔法が込められた指輪だ。

「言っとくが俺は、決めたら一途だぞ。
 離さないし、死んでも世界に喧嘩を売る男だ。」

 けど、……別に心がない訳でもないし、
 こう言うのは俺も初めてだから、……ちゃんと言えよ。」

そう言って、自分の指輪を、薬指に付け替えた。
本来着ける必要は無い。全て自分に届くようになっている。
だからこれは、本当にただの『証』でしかない。

「何度も間違えて生きて来たし、間違えないって自信もない。
 だから、これからも傷付くし傷付かせるかもしれない。

 でも、信じてくれ。俺はお前を信じ続けるから。
 俺はお前を愛している。その事は、ずっと。」


占い先は「ルヴァ」
投票先は「ランダム」にしてるわ
という報告を忘れていたわ


「 
Never mind, Brachi.
 」

「 
It's not your fault.
 」


「 
...It's true.
 」


/*耳にだけ音が届きました。脳に届く声はありませんでした。
届くべき者にきちんと届いたかは、定かではありませんが。

/*
 ゲイザーが去ってから暫く。
 キューはルヴァの死体の傍らに立っています。


「…… ……」

 キューは、ルヴァの死体のそばにかがんだ。


「……、…、……」

 キューは、何かを言いかけて、口を噤んだ。
 少しの間の後、小さな小さなアイテムボックスを取り出す。


「……
ありがとう
、ルヴァ」

 キューは、アイテムボックスに死体を収納した。


 キューは、森を立ち去った。


/*
 死体は生物ではありません。


/*
 キューは、何かをルヴァに問いたかったようです。
 ですが、答えが返って来ないことは分かり切っています。

 無駄な事はしない方が賢明ですね。

ひそひそ

ひそひそ

 [噂話は広がる]

「ほら、あの子もそうだよ」

「あの牧場の子?」

「でも、あの子はあまり変な噂は」


「あそこ、以前なにかなかった?」


「あー、何年か前に聞いたな。水の事故だっけ?」

「聞いたことある。子供が流されたんだよ」

「でも、結局無事だったんじゃなかった?」


「二人流されてひとりは助からなかったって聞いたような」

「いやいや!ひとりだけですぐに救助されたんだろう?」

「流されたのは三人じゃなかった?」


「子供といえばさぁ」


「あそこって双子がいなかったっけ?」

「大きくなってたら、丁度あの子ぐらいかな?」


 [噂話というものは大抵根も葉もなくヒレがつく]
 [なにがあっても『ハマル』は、『ハマル』だ]

 




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