人狼物語 三日月国


7 【R18】鈴蘭の村:外伝6〜カフェリコリス〜【RP半再演ペア】

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視点:


 
[ 失望の気配に睫を震わせても、
  届かない腕も言葉もどうにもできなくて。

  きっと、酷いことを言ったのだろう。
  けれどその原因を知らないままではこれ以上、
  何を言葉にしていいのかすら分からずに。

  落ちた腕は距離の遠さの実感を呼んで、
  はふ、と抜けた吐息を狼に落とし苦笑した ]
 

 
   ねえ、同じ瞳の誰かって誰……?
   さっき言ってた
セレス
って子がそう……?

   ぼくにはそれが分からない。
   だから、あなたのことをもっと知りたかった。


[ 知らない間に重ねられ問われたことに感じたのは、
  興味と、理由の分からない痛みでしかなくて。
  落とす言葉が置き去りの響きであることには気付かずに ]
 

   ………貴方しか知らない子は、
   開けてはいけない扉の向こうにいるのかな。

   


[ 好奇心で殺されるのならばそれでいい。
  故に、過去への配慮を捨て、真っ直ぐに問う。

  答えを期待して、静かに紅眼を射抜き、
  己にとっては残酷な優しさに首を振りながら。 ]

   
   ううん、要らない、です。
   ここがぼくの最後の居場所だったから。

   でもここは貴方とその罪の居場所だった。
   そういうこと……だよね?


[ 幾千の夜を越えたのかすら知れない彼の痛みへ、
  手を伸ばそうとすることこそ傲慢なのだろうけれど。

  唇をまたきつく噛みながら、
  拒絶が背を押すのを待つように身を縮めて ]

 
   鍵の場所を教えたのは、なんで……?

   
[ 寄り添う狼の毛並みが脚に触れなければ、
  空気に耐えきれずに視線を逸らしていただろう。

  繋いだ言葉を静かに。

  自らを化け物と称した綺麗な主を前に、
  跪く姿勢を止めずに同じ目線の紅眼を灰と蒼で絡めて ]

 
   ……鋭い牙をもって血を吸って生きる貴方と、
   陽で傷める瞳を二つ持つ、色味のないぼく。

   ぼくが特別なら、あなたも特別なだけだよ。
   

[ 辛抱強く言い聞かせる言葉に首を振る。
  特別だからこそ排除された子供の感傷だと、
  切り捨てられればそれまでの理屈で頑なに。

  普通から外れた存在という意味では同じだと、
  我儘でしかない感情を発露しながら ]
 


   それに……あなたのほうが、綺麗だ。
   誰かをひとりぼっちにしない為に生きて、
   その痛みを抱えてずうっと繋いできたなら猶更。

   ぼくはただ、ただ……自分勝手なだけで。


[ 彼が評価したひとつの価値に、
  自分勝手にも過ぎる感情を自覚して熱い息を吐く ]
  



 ガスランド生命ガ・ス交流戦
 エタンショッピングパーク あるかんぽーとナイター

エレクトロ vs 太陽光


 6月(1)1d30日 (土)
18:00 試合開始 
SSサンツインシート 


 

[プールで遊び終わった1日
休暇は今日と、あと(6)1d6日はぶんどってきたため、
私は余裕があったが君はさてどうだったか

君より遅く寝て、早く起きる私だし
今日は1日疲れているのであろう君よ

その寝顔を見ながら、愚かな獣を仕舞い損ね殺しそこね
気づかれていないだろう、とばかりに
慾を孕んで、眠る君に触れる

ただ撫でるだけだ。許してもらおう
後でトイレに籠って所謂”おかず”とやらにする位は]


 嗚。こんなに、無防備な。
 ――慾に負けた私に、食われても、知らぬぞ。


[小さく、溜息
無垢で、大事で。だからこそ手が出せぬまま
心が通い合って、続きを欲して
―――色を知らぬ白妙の様に純粋な
恋する相手に踏み込む勇気が未だ持てない私は

少しばかりみじめだ]

[動かぬのを、寝ているのを良いことに
君の腕をとり、その指に接吻し、口の中に招く
彼がしたような初心ではなく、
1本。舌先で嬲るように。或いは口内で弄ぶように


頬肉から名残惜しく離せば、銀糸つなげたそれを見て

……溜息、また1つ]


 慾など、ぶつけられぬ。と思うのに
 それでもお前を求める自分が、醜く浅ましいことだ


 ……さて、うぇっとてぃっしゅとやらは何処だったかな

[彼の指ふかなきゃ。そしてレッツゴーおトイレ
尚、相手が起きちゃう可能性は
これっぽっちも考えていないの、でした*]


   ……化け物がそんな風に生きられるのに、
   ぼくはただ、独りが嫌で、自分が生きたいってだけ。

   自分勝手で……醜くて、
   あなたを殺してあげることも出来ない臆病者だから。
  

[ 愛情を知らなくても知らない誰かへ執着を抱く彼へ、
  臆病者らしく、乾いて罅割れた笑いを模したまま ]
 


   ごめんね、ニクスさま。
   あなたの事がもっと知りたいだなんて、
   とても……とても、酷いことを言ってるんだと思う。

   でも、知りたいんだ。
   ……暴くんじゃなくて、できれば、知りたい。*
 

[さて、シロさんがもぎ取った一週間のお休み
その1日目が終わろうとしていた。

オレはと言えば、サーヴァントと言えど
今日は慣れない運動をした上に水の中はかなり疲れることもあって
帰って風呂に入った後に見事爆睡してしまっていた。


……ところで、最近は半分日本人(?)なこともあり
所々日本風の装いを試すことも増えているオレである。

今寝巻きとして着ている"浴衣"もその一環。
特注サイズではあるが、いつか温泉に行く日があれば
役立つこともあるかなぁ、と。

……もっとも、この服は
少々はだけやすいのが難点か。

今も寝相が悪いこともあり、日に焼けた肌が
割と多めに露出気味である。]

[普段、己の眠りはそこそこ深い
オマケに運動した今日ともなれば、きっと何をされても起きなかっただろう。


……"普段通り"だったなら]


(……夢を見た)

(オレがあの日、彼の指を己の口内に導き、はしたなくも強請った時のことを)



[……オレを想うばかりに、獣を必死に殺す優しき貴方

余りに我慢をし過ぎては、その溢れた欲を
無意識にオレの心が受信していてもーー仕方あるまい?]

[ぴちゃり、と指先に濡れた感覚
続いて燃えるような、ぞわりとするような熱が仄かに指を焼いた。

…目を閉じ、現と夢を漂ってるのに
心ばかりは、まるで逸るように目を覚まして]


ーーしろさん、どうしたんだ?


[欲を殺そうと立ち上がった彼
その手を、濡れたままの指で弱々しくも掴み取る

…意識が眠気ではっきりしない。
ただ、彼が無念をもって何処かへ行こうとしてると、心を通じてうすらぼんやり理解すれば。]



……いかないで、しろさん
おれをひとりにしないでくれ


[うつら、と未だ意識がはっきりせぬまま

…寧ろはっきりしないからこそ、隠された"奥底"が顔を出す]


おれ、ほんとかでみたのしか、"そういうの"しらねぇから
だから、しろさんこまらせたらやだなって

……でも、ほんとうは
ちゃんと、そういうことしたいって、おもってる。

……したいけど、わからないから、こわい


[期待と不安を綯交ぜに
それでも、欲に溺れたいのは紛れも無い本心だから

…軽蔑されようと、口は止められない]


こんなでっかくて、きゃしゃでもないからだじゃ
むりかもしんないけどさ……


ーーしろさんのやりたいこと、やっていいよ


おれも、しろさんのねがいをかなえたいから


……そのかわり、おれにもおしえてくれよ


[
シロさんを気持ちよくさせられる方法、を。


寝起きで潤んだ瞳で見上げるように、
瞳には確かな意思宿り、
それでも少しの恥ずかしさから、最後の尻すぼみな言葉とともに視線は外れて



布団に転がれたまま紡がれた
その縋る言葉が、その背に触れたならーー*]

 
   何も……今、何も知らないぼくのまま、
   あなたを殺してあげるなんて嘘を言えないから。

  
[ 狼を撫でる手指はきっと震えていて、
  堪えたものを溢す音は傍らだけに響く小さな声で。

  吐息を混じらせ寝台から滑り落ちた。
  目の前の化け物と称する綺麗な主に苦く笑い、
  傷の残る掌を差し出すことはもうせずに。

  胸の前で緩やかに振って去ることを知らせつつ ]
 

 
   ここにぼくの居場所がないことは分かってる。
 
   だから、教えてくれる時がくるまでか、
   それとも貴方がぼくに価値がないと思う時まで。
   ここに……いさせてください。

   ほんの少しの間だけでもいいから、
   ひとりぼっちじゃない夜を過ごす夢を見てみたい。


[ 要らないと告げられることに怯えはあるけれど。
  この双眸も、髪も、特別なものだと説いた古城の主へ。
 
  泡沫だと知る夢から醒める日までの願いを託し、
  そっと撫で、狼を誘い、裸足は扉へと滑らかに歩んで ]
 


   ……おやすみなさい。
   紅茶を飲んでくれて、ありがとう。
 

[ 扉を開けて振り向き、頭を下げる。
  寒さに強張る表情を髪で隠して、悟られないように。

  部屋に戻る帰り道は狼任せで先導を任せ、
  あとに続く足音はぺたぺたと音を立ててゆっくりと。

  上着を借りたままだったと気付いてももう遅く、
  それに包まれるようにして誂えられた部屋へと戻る ]**
 


[ 出会ってまだ僅かである少年に打ち明ける事は憚られた。

 孤独を癒す為に求められているのだろうか。
 そんな可能性すらも滲んでは消えた ]

  確かめたければ探してみせて。

  ただ、よく似てるよ。
  君の眸と目の色も声も。
  彼女は眠り続けてる。ずっと。
  
[ 知ったところでどうするのだろう。
 彼の言動に対する理由。
 まだ互いに見えない事が多かった ]


  ……君の最後の居場所?
  君はまだ幼い。
  世界の一部分しか見ていないだろう。
  決めつけるのは早計だと思う、……が。

  私にとってのこの城、か。
  全て灰燼に帰してしまいたい場所だよ。

[ 確認のような問いにはぐらからし
 ただ、狼を撫でながら問われるものに ]


  ……どうして、だと思う?
  どうして、なんだろうな。

  君なら終わらせてくれると思ったから。

[ 曖昧な答えを一つ ]

  君と俺は、ちがうよ。
  おんなじじゃない。違う生き物だ。

  君は人を殺したことがないだろう?
  それくらい、違う。

[ 同じ枠組みで収まり上がるように思え
 男は呆気なくそれを否定した。
 男の目に映る彼はどうしたって人であり
 彼の賞賛すらも笑みを浮かべ頭を振る ]


  綺麗ではない。醜い化物だよ。
  人の血を吸い尽くす鬼なのだから。

[ 独りが嫌で生きたいから殺してはくれない少年
 知ってどうするというのだろう?
 男は草臥れたまま、乾いた笑みを浮かべた ]

  ……そうだね。

[ 彼に対して勝手な希望を抱いたのは此方だ。

 だとしても切望を叶えぬが彼の願いを叶えよと
 望まれて優しくは出来なかった。
 この男の余裕など、とっくになかった ]


  君が寂しい時に傍らにいて
  君が悲しい時に慰めて
  君が恋しい時に愛を囁く

  そんな、存在になれたらよかったね。

[ 彼の生き死に男が何故関係するのだろう。

 男にとっては分からない事だらけで ]

  君は俺を知ってどうしたいの?

  そんな事しなくとも、
  君だってこんな風に生きられる。
  セレン、君は世界を知らなさ過ぎるよ。

[ それでも彼を窘めるような台詞で
 口許に微笑を浮かべて困った顔を繕った ]


[ その男が僅かに目の色を変えたのは
 続く彼の言葉だった ]

  君は、律儀だね。
  俺の全てを知った時、
  ……君は俺を殺してくれるんだろうか。

[ 自嘲じみた笑みを浮かべながらも
 孤独に生きた少年にこのような仕草。
 させたのは他ならぬ自分だと自覚する。

 その負い目なのかどうかは分からない ]

  一瞬の夢が生温い程、苦しい毒となるよ。

[ まるで経験をなぞらえるような調べで
 ふたりぼっちの夢を望む少年に
 男は初めて憐憫の色を浮かべた ]


  セレン。
  君が俺を知る事で何が変わるかは分からない。
  だけれど、君が眠りにつく前、話をしよう。

  巻き込んだ私が唯一君に出来る罪滅ぼしだ。

[ 男の勝手な事情を少年に押し付けた代わりに
 男は彼の願うひとりぼっちじゃない夜を提案する ]

  それに私にとっても悪い話じゃない。
  先の見えない漠然とした生よりも
  ほんの僅か光る粒を手にする方が、幸福だから。

[ 彼にとっては何気ない発言であっても
 人の子により赦される可能性を男は見出し
 どうしようもなく賭けてしまっていたから ]


  紅茶、美味しかったよ。
  薔薇に苦い記憶ばかりだったけれど
  ほんの少し懐かしい気分だった。

  今日はもう部屋におかえり。
  君も来たばかりで疲れているだろう。

  ゆっくり、おやすみ。
  
[ その言葉を皮切りに大人しかった狼が立ち上がる。
 彼の表情は見えなかった
 ただ、静かに全てを察したように狼は彼に連れ添い 
 男はゆるりと別れ際に嘯いた ]


  ……セレン。
  君の気持ちは嬉しいよ。
  君は優しい人だと、思う。

  それでもどうしても、駄目なんだ。
  生きたいとは、思えない。

  ……忘れられないんだ。

[ 薔薇の香りが立ち込める場所で
 自分の顔を覆って、瞼を閉じる。

 扉が閉じられるその時まで ]**

[眠った彼は随分と扇情的な格好だ
自分はというと、日本人だというのに
きっちりと眠るとき用のカッターシャツを着込んで
長ズボンも身に纏っているが

一方彼はというと。健康的な焼けた肌、
鍛えられた筋肉が浴衣の間からちらりと、
いや割と多めに露出している。寝相が悪いから仕方ないね
そんな恋人を見て、何も考えずに
無心に眺めていられるほど、枯れてもいない享年20代

だから。指だけでいい
触れたらあとは1人籠って妄想で熱を散らせばいい

そう考えて、君の指を咥える

金属を扱う、指腹分厚いひとさしの指
含めばぞくぞくと背を駆ける、背徳感
愛し気に舐めて、ちゅ、と音を奏でて離したなら
その場を去ろうとしていた。トイレに向かうために

夢とうつつを彷徨う、眠っているはずの彼
それに気づかれぬとばかり、思っていた

思って、いたのに
]

[ 聞こえた声に。つかまれた腕に
 一瞬、悲鳴を上げそうになった


気づかれた。氷塊が落ちるような心地だ
体の奥が疼くことなんて
後回しになるほどの、動揺だ

ただ。行くなということばに
抗うことなどできはしない

その言葉は、本心か?寝ぼけているだけではないか?
不安はある。自分とて女を抱いたことはあるが
男は初めて、なのだから

正直本(小説)でしかやり方は知らない
今川のにもうちょっと聞けばよかったか
戦国武将って一部の例外覗いて、衆道は嗜みらしいし
彼自身が異性愛者でも、部下の体験談とかで
知ってそうでは、あるし

などと現実逃避しかけても、
彼の口から零れ落ちる本音を聞けば
嫌が応にも隠し切れない慾が、鎌首を擡げるのだ]

 まって、クガネ。それ以上。


 それ以上煽られたら。私は。

[お前に無体を強いてしまいそうで怖いのだ
大事だからこそ、かくして、押し込めていたし
姿形などささいなことで、
無理というより、君を抱きつぶさぬかに心配はある

浴衣の君に欲情している時点で
無理かもという心配は杞憂なのだけれど

言質はとったとばかりに、背に投げかけられし言葉に
振り向き、君の体の上へと
自身の体を移動させようか

所謂、褥に押し倒したような格好に]

 ――― 耐えておったと、いうのに。
 ほんに、君は誘い上手、だ。


[時間をかけてとは考えていたけれど
それすらできぬほどに、思いが通じ合ったのなら
触れたくて暴きたくて貫きたくてたまらぬ
そんな男の性に、気づいてほしくはなかったが

受け止めてくれるような声聞けば
それを見せてしまうことに、惑いはあれど
止めることなどもう、できはしない

潤んだ瞳を晒す眦に口づけて
小さく、教えてあげよう。と囁く

水泳の時の様に、君自身が快楽を感じて
乱れ啼くまで
だからほら、視線をもとに戻せとばかりに
浴衣の襟元より武人の手は彼の胸元へと侵入する

慎ましい飾りを、指で捏ね、先端を摘み
芯をぷっくりとがらせるまで、指の腹で擦って]

 ”これ”よりも
 君にとって恥ずかしいことを、しても。

 良いのなら。
教えてあげる。



[煽られた慾は、封を切られて
潤んだ眼と対照的に、此方はぎらりとしたものを
孕んで、煌々と輝いている

ちらりと見える鎖骨に口づけ
足の間に体を、割り込ませた私は
もう片方の手で彼の雄へと、下履き越しに触れる


西洋人のものだ、更に2メートル超す巨人のものだ
とても、でかいだろうが(基準は日本人のモノである)


それがいとおしい、といわんとばかりに
掌で、そっと撫でるのだ**]

[ 彼がどれほど己の欲を、心をオレのために
 殺していたのか。
 "愛"の自覚がオレよりも早かった分、きっと
 長く焦らし、待たせてしまったかもしれない

 今宵、オレが無垢であったなら
 貴方は遠慮なく自分の欲を押し殺す方を選んだのだろう ]


[ ――そんなの、公平な"愛"じゃない

 己が未知を前に怯えて良い理由にはならないのだから

   (知らない自分へ作り変えられるような予感を、怯えを
    力の限り、抑え込んで)
 ]

[ 確かに寝ぼけてはいた
 でも、それは逆に言えば、理性で押さえつけられていない
 心からの欲望の発露でもある。

 彼の迷い、思い巡らすその背を
 己は自分の意志で、確かに押したのだ。

 ――大事にしたい、という想いと
 己の欲のまま染め上げたい、という願い

 一見理性的にたじろぐその瞳>>Dに
 隠しきれない
の色を覗き込めば ]


  ( 嗚呼、ぞくりと身体が歓喜に震える )



[ 今この瞬間、皆に慕われる先生は
 ただオレだけのものだ。オレだけを見てくれている

 ……"独占欲"なるものの名を
 己が知るのは、もっと後の出来事だ
 ]



  へへ、しろさんに褒められた…


[ 丁度押し倒されたような形で
 暗闇の中でも慣れた目ではっきり、彼の狙い定める瞳に
 嬉しそうに笑みもしたか

 ――今まで随分、我慢させてしまった。

 だから、彼の心の赴くままにして良いのだと
 眦の口づけに擽ったそうに身じろぎながら思うのだ。]



  んっ、それ、くすぐってぇ……


[ 羞恥に逸らした意識は、胸元に突如走った
 くすぐったいような感覚に強制的に引き戻される

 ――膨らみが特にないような胸でも
 突起は男にだってついている。

 それでも気持ちよくなるのか?と当初は疑問に思うばかりだった。


 実際は……やはりくすぐったい。

 くすぐったいのに――その中にぞくぞくとした
 仄かな快楽を見出してしまう。
 それをごまかしたくて、必死に声を抑えようとする ]


[ ただ、その抵抗も快楽の前には儚すぎるものだ ]



  は、はずかしいの、か……?


[ どんなに逸らそうとしても
 そのぎらぎらとした眼光に魅入られれば何もできない

 ――これ以上はみっともない姿を見せてしまう

 完全に覚醒した意識で、理性的に迷うのは一瞬 ]



  ひっ……!


[ 鎖骨に柔い衝撃
 そして、己の下腹部に電撃走るような
 ぞくぞくと欲促すような衝撃を

 己のモノを、まさか愛おしげに撫でられるとは思う筈もない!
]


  う、あ……


[ 確かに大きさで言えば巨人族なこともあって
 普通の人以上のものではあるだろう

 ――それ以前に、こうして誰かに触られたことなど全くないのだ。

 ダイレクトに快楽へ直結するような場所に触れられてしまえば
 ……元より、本能に生きる快楽主義的な怪物が己の半分だ。

 理性の壁が保たれる方が、ずっと難しい ]



  う、ん。
  シロさんの知ってること、全部教えて、
ほしい



[ こくり、と頷き
 どこか熱に浮かされたような表情で

 また、彼からの教授を、愛を、欲を
 すべて受け入れようと、手を広げて *]

  ショウは、メモを貼った。
(a20) 2019/04/13(Sat) 15:00:34






[ ―――、いったい何をしているんだろうな ]

 

 
[ ひたひたと続く足音に追従する獣の気配は、
  酷く冷たい城内では優しく、故に孤独を知った。

  おやすみ、と続いた言葉に笑えただろうか。
  少なくとも不出来な表情ではあったと思う。

  強張っても、歪でも、笑うことに意味があった。
  扉を閉める間際の悲哀に彼の為だけの希望を残してから、
  過去に縫われた男の前から姿を消すことに ]
 


   ねぇ


[ 囁きを灰色の狼へ落とす。
  狼を恐れることなく寄り添いながら双眸は遠くへ、
  居場所のない城の中を歩く足音も、消えそうな程に儚く。

  言葉を理解するとは知らないまま、
  部屋へ辿り着くまでは問いの言葉を宙に浮かせていた。
  勿論、狼を部屋から追い出すことなど在ろうはずもなく、
  招き入れ、クロゼットの前へと歩きながら ]
 

 
   化け物だから殺すだろうって……
   ニクスさまはぼくがそう思うって考えたのかな。


[ それとも生き残るためになら、だろうか。

  生き延びるために何でも――
  想像し得る限り、どこまでもする心算だった。
   
  齟齬は恐らくそこなのだろう。
  贖罪のために殺されることを望んだ彼と、
  この手で誰かを殺すことまでは浮かばなかった、
  世間知らずで無価値だった己との、絶望的な差 ]
 

 
   もしぼくが彼を殺せて、ひとりになって。
   それからきみはどうなっちゃうの……?


[ 古城の主が消えたと知れれば大人が群がり、
  そこに富があるならそれを得ようと、
  贄の代価とばかりに奪いに来るのは想像に難くない。
  居場所がない子供など大人にとって無力なものだろう。

  けれど村の悪辣さを知り得なかった夜の怪物に、
  それを知らせることなどはしないと決めている。
 
  眼と、声と、たったそれだけ。
  それだけが誰かに似ているらしい我儘な生贄に、
  あんな忠告をする優しい主には決して。 

  どうでもいいと投げ捨てられるならともかく、
  これ以上、塵であっても彼の重荷となるのを避けるために。

  少なくとも、今それを伝えても意味がないのだと、
  忘れられないと溢した想いの重さを知れば当然で ]
 

 
   森に帰るのかな。
   それともあの人が死んじゃったら、
   きみも死んじゃったりする……?


[ 借りた上着を脱いで皴を伸ばし、
  衣装掛けに吊るして選んだ夜着は一番シンプルなもの。
  バスローブも脱ぎ捨て夜着に袖を通して、
  それでも未だ夜の空気は冷たくて小さく震えながら]
 

 
   おいで。名前を、あげる。
   終わりまでの間だけだけど、きみの名はね……


[ 柔らかな寝台へ滑り込む。
  燭台の灯はつけたままベッドの隅に寄って、
  狼を空いた場所へと誘って、その首に腕を巻き付けて。

  毛皮に顔を埋めて無防備に瞼を閉じた。
  人ではない気配も、鋭い牙も恐れないどころか、
  その感触に安堵の息を漏らし、稚くくすくす笑う ]
 

[私の愛は献身に似ている
自分よりも相手が幸せであればいいと
唯、ただ思って。触れたいのに触れられず
いとおしいのに、それを伝えるのに時間を要して

心を殺すことも慣れているので
そこを気にする必要など、なかったのに


 公平さ、なんて求めていなかった
 ただ。君が何時か手を伸ばしてくれる日が来ればよい
 そんな風に思いながらも、触れることだけでも
 許してほしいと思って、いた


だから多分。私の中の獣は飢えていた
悟られたくなくて抑圧するほどに、強く強く
君を求める様になっていて

嗚、自分の心なのにままならぬ]

[だからこそ、最後の一押しにあっけなく
獣を押さえつける楔は弾け飛んだのだ

寝ぼけ眼だったが、言質は取ったと言わんばかりに
歓喜に震える慾が、ある

―――それでも大事にしたいのだ、と
   思う理性が、ある

どちらもが、私で
どちらもが、わしだ

その2つは今。君だけを見ている
腕の中に囲い込んだ君だけを]

(その胸の内はいかばかりなりや
 彼の中の萌芽を未だ、知らぬ私は
 
 思い巡らせる、瞬のこと)

[暗闇の中、焼けた肌をはっきり視認できる程に
目が慣れた時に、見る一等可愛い破壊力の笑顔よ
正直ぐっと、くる
などとは胸の内に留めてはいるが

触れて、踏み込むを許されたことで
唇は、手は。君を暴くをもう、躊躇うことはなく]


 なんだ。知らぬのか?
 男でもここは、愛撫すれば感じる者もいるらしい。
 尻の穴でもだとか。借りた小説に書いてあったぞ。


[尚、女相手にしたことはあるが
男相手は君が初めてなので、多少焦らすのも許してほしい
膨らんでくれば、吸って舐めて転がすこともできようかと
考えながら、片方を執拗に愛撫すれば、
声を抑える、様子が目に留まる]

 声を出しても。良いのだぞ。
 耐える方がずっと……


[ぐ、と尖って芯を持ってきた胸の先端を潰す
甘い疼きを、もたらす様に
或いは仄かな快楽をより自覚させ焦らすように]


 —――苦しかろう?



[と囁きつつ、目を細めるのだ]

 そりゃあ、恥ずかしかろうて。
 生まれたままの姿を晒し、
 女の味も知らぬまま、私に
 ……男に喰われることに、なるのだから


[こんなに立派な摩羅をしておるというのにな。と
下履き越しのそれを撫でれば、熱を持ち始めたそれに
うっそりと、口元を緩ませる

――おや、なんとも初心な反応だ。
悲鳴もまた、甘露のようだとばかりに
楽し気にその様子を眺めていたのだが

 ただ、そうだな

そんな風に素直にいじらしい反応をされれば
意地悪をして、快楽で溶かして
私に依存してしまうようになれば、なんて
浅ましい独占欲も、鳴りを潜めて
小さく、笑みもこぼれてしまうものだ]

[広げた手。抱き着いてしまえば
先生から甘えたになってしまうだろうから
その広げた手を1つとり、甲に口づけを落として]

 —―快楽、教授し一等、君を気持ちよくさせよう。
 任せよ。クガネ。

[告げれば、布ごしに無造作に摩っていたそれを、
下履きを下ろして外気に晒させる

嗚、それも一瞬だ
包み込むは己の掌。同じ男同士なのだ。
感じる部分は似たようなものだろう、と
君よりは冷たいかもしれないが、人肌の温かさは持つ手にて
それをしごくように、擦りあげる
裏筋、蟻の門渡、鈴口、雁の裏
さて、君の良い所はどこであろう

君の分身を愛撫する中で見つけたならば、
それが固くなり、脈打つまでは。念入りに掌にて責めたてようか*]

 
   クー、とかどうかな。
   ぼくが唯一、触っても逃げなかった犬とおんなじ。


[ 牧羊犬と一緒にされては狼も堪らないだろうけれど、
  過去で唯一の癒しだった存在と重ねて瞼を閉じて ]
 



   クーが喋れたらよかったのに。
   そうしたら、もっとあの人のこと知れたかな。

   ぼくが、殺す勇気を持てるくらいまで。


[ 湯に溶かした薔薇の香を漂わせ、
  狼の毛皮に顔を埋めて瞼を鎖し溢れる何かを堪えながら。
  眠れそうにもない夜を、取り留めのない会話が続く。

  不安を少しずつ埋めるかのように。
  過去を遡り語る独白は殆どが傷痕でしかないけれど、
  少しだけ救いがあるとしたら同じ生贄の子たちとの交流で。

  狼の呼気が寝息と重なるのは陽が月を熔かす夜明け前。
  変わり者の子供の話に到ろうとして、眠りに落ちた ]*
 

[ 慾とは、抑えれば抑える程に
 声上げ暴れまわるものだと知ったのは
 己とてつい最近のことだった。

 常の己は頭で思った時にはすぐに動いてしまうような
 単純さが売りである故、溜まることもなかった筈で。

 ただ、"愛"に振り回され悶々とした数日間で
 此処まで変わってしまうとどうして想像できようか。


 ――願うなら、貴方の想うがままに


 慾のままこの身を堕としてくれるというのなら
 オレは喜んでこの手を引かれよう。

 その先が虚無ではないと己は知っている。
 慾に身浸すことは、生きてることの証左にも
 なるだろう、から
 ]



  尻って……痛いだけじゃないのか、それ


[ 男色に関して知らない訳ではない
 職員が見せてくれたやたら薄い本などもそうだし、
 そもそもギリシア神話主神が男女構わず襲うような
 節操なしでもあった訳で。

 ――ただ、実際に男同士の性行為に"そこ"が使われるとして
 本当にそんなことがあるのか?と疑問視もしてしまうのだ

 そんな、僅かに首をもたげた疑問も
 胸を嬲る手によって霧散してしまったが ]



  だっ、て、きもちわりぃし……っあ!


[ 低く、どう聞いても女の子と比べものにならぬ声で喘ぐのも
 おかしな話で(プライドも勿論ある)

 そうして必死に我慢しようとしても
 耳元で囁かれると同時に潰されれば
 抑えきれない嬌声も漏れ出てしまう

 ――その小さな戯れだって
 無意識に股をもぞもぞ動かしてしまうくらいに
 己の身をじわりと焼いてゆく ]

[ 恥ずかしくしたのはシロさんだろ!と
 普段のノリなら言えていたのだが。

 全身弄ばれ、機敏になった身体は
 優しく撫でられただけで理性を容易く揺さぶる程の
 衝撃となる

 ――嗚呼、でも一つだけ ]

  は、あっ……
  オレは、たしかに女との交わりなんてしたことないけど……っ

  別に良いだろっ、オレが、そういうのするのは
  これから先も、シロさんとだけ……
だし……


[ 己にとって至って当たり前の事実だ。

 元より、生まれて最初に恋をしたのが貴方で
 こうして魂の多くを占めた今となっては
 他の人に恋することなど―――少しも考えられない


 ――我慢せず、どろどろに落としてくれても良いのに



 こんな時まで優しくオレを想ってくれる貴方だからこそ
 抱いてほしいと思うのだ。
 ……世界中何処を探しても
 貴方に敵う人なんていやしない。
]

[ 手甲に落とされた接吻が、御伽噺の王子のようで
 また少し、恥ずかしくもなる
 でも、今度は目をそらさない

 もたらされる甘露の味を想えば
 全身を甘い痺れが走った。 

 下履きを完全にはぎ取られ、それが外気に晒される
 そのすーすーする感覚に身じろぎする間もなく ]


  っあ……!


[ 突如包み込んだ熱い掌にびくんと身体が撥ねた

 一体何を、などと混乱したのは一瞬
 優しく包み込むその手は、緩慢な動きでありながら
 確実に慾を高める為だけに
 己の中心を責め立てあげる ]



  んっ、そこ、なんかへんになる……っ


[ 大きな声を出さぬように片手を口に当てて
 片目を逸らし、快楽から逃れようとする

 ただ、彼が触れてくるどの場所も
 苛烈に己の欲を燃え上がらせるもので

 ――良い所なんて、全部としか言いようがない
 他者に、愛する者に大事な場所へと触れられことが
 こんなにも気持ちが良いなんて、知らなかったから

 緩やかに芯を得、屹立していく己自身と
 全身に走る甘やかな痺れ、脳の髄まで可笑しくなりそうだ ]



  し、シロさん!やだっ
  一回やめ、っあ。これ以上は、むり……!


[ やがて、完全に硬くなったそれを前に
 これ以上は決壊してしまうと、子どものように
 いやいや顔を振りながら、水を湛えた隻眼で
 彼に懇願の眼差しを向けた。が

 ――それは、獣の前では悪手でしかない 
*]

 
 
[ まるで、陽に泳ぐような夢を見ていた ]

 

 
[ 陽に透ける金の髪。
  生贄の意味も知らない子供の目の前で、
  柔らかな髪を風にそよがせて微睡む誰か。

  眩くて、遠い、鈴音を知っていた。
  誰もが厭った異色の瞳で見ても、
  ただ笑うだけだった変わり者の子供。

  売られた時から捧げられるためだけに生かされて、
  順番をただ待つ子供の中ではただひとりだけ、
  陽のように暖かく、眩かった誰かの夢を ]
 


[そんなものを
        持て余している]


  



[ けれど、もう。
  迂遠にするのは、ここらが
潮時 
  ]


 



  

  
   ……ああ、でも。


[ 夢だと知るふわふわした感覚の中、
  眩い誰かは唇を動かして己の記憶を刺激する。

  彼女がおかしそうに綴った言葉を艶やかに。
  何故か忘れるべきだと塗り潰していた思い出を鮮烈に。

  “ わたしたち おんなじね ”

  何が、同じだったのだろう。
  祝福されたかのような暖かい髪の色。
  空を映す瞳を持つ彼女が順番を迎える日に、
  届かないと知りながら手を伸ばし聞いたことがあった。

  笑い方を――心の動かし方を。
  周りの全てから気味悪がられてひとりきりの子供に、
  悪戯げに同じだといった、その真の意味を ]
 

 
[ ―――彼女の答えは聞けなかった。

  自ら探せと言い残し、
  順番を迎えた彼女が消えたあとはまたひとりきり。

  名か、境遇か、それとも他の何かだったのか、
  存在感だけが残ってその幻想は夢で語りかけてくる ]
 

[我慢して、我慢して―――我慢しきれず手を伸ばしてしまう程
嗚、とても、魅力的だ
君が絶望を抱いて死ぬことに心的外傷を、私が抱くならば
君の心的外傷は神話通りであるならば
容姿なので、あろうか

だったら、それごとひっくるめて、喰らうてやりたい
清廉な君を、欲深き己のところまで
引きずり落してしまいたい

三千世界の鴉を殺しても、未だ足りぬほどに
君との夜を、長々と紡いでしまいたい

恋が人を盲目にするというのなら
慾は抑えるほどに、燃え広がってゆくのだろう
君も願わくばその慾を知ってくれ
できれば、私に抱いて呉れないか

浅ましく願いながら、君に触れる]

 小説のひろいん?はとても
 気持ち良いというて、おったがな?

 どうも前立腺とやらを、責め立てれば
 とても気持ちよく、なるのだとか
 そうでなくば、戦国で衆道は流行すまいて。

 試してみる価値は、あろう?

[残念ながら薄い本に関しての知識もないし
男女構わずとっかえひっかえする希臘出身でもない
とはいえ、男同士であるがゆえに
何処を責めれば気持ちよくなれるのか、位は
何となしにわかるものだ

或いは、女体を知っているからこそ
男であっても、ここを触れれば喜ぶのではないか、と
考え、実行することもまた可であるのだ]

 気持ち悪い、にしては
 随分と気持ちよさそうな、声で鳴いているでは、ないか。

 我慢せぬでも、よいぞ?

[我慢しても色気が増すばかりよと
内心で呟き、胸の飾りがぷっくりと
形作られ、生娘の様に膨らむまで
執拗に弄べば、漏れ出る声を楽しんで

散々片方をいたぶった後、君の雄へと手を伸ばしかけ

――――のばしかけ
揶揄への返答を、聞くのだ]

 そうさな、ほかの者となど
 させは、せぬよ。

[これでも私とて、人並みに。嫉妬もする
独占欲を振りかざすつもりはないが
そう私に宣言する、気概があるというのなら
それに乗って、固く約を契らせてしまおうか]


 お前を暴くのは、私だけでありたいから。

 
[その体の奥まで触れるのも
お前の雄を弄び、このような色匂わす姿を見るのも

でなくば、きっと胸を焼くのだ
焼いて焼いて、清姫やら八百屋のお七の気持ちを
理解して、しまうのであろう

 大事だから大切にして
 君の気持だけを優先したいというのに

 抑えきれぬ、浅ましい己は
 君の言葉に歓喜して

手を伸ばすのだ]

[喘ぐ姿を眺めながら、圧や速度を変えて
君の雄を弄ぶ指が、鈴口を押えて、抉って
竿を掌が擦り上げるなら、
彼から甘い声の蜜が滴り、余裕が剥がれ落ちてゆくのがわかる

だが、それは戴けぬよ?]

  
 我慢するな、クガネ。
 変になってよいでは、ないか。
 それが、気持ち良いという、ものだよ。


[口に当てる、悪戯な片手
快楽から逃れようとする様がどうにも
愛らしく、悪戯心を刺激する
好いた相手を褥に押し倒し、急所を晒すさまを
じっくり眺めて、己の手の中で乱れてくれるのだ

私も男だ。喜びを抱かぬはずが、なかろうて

緩やかに昂ってゆくのがつぶさにわかるからこそ
余計に]

[ようやく口を開いたと思えば、
静止の声に惑いて、愛撫は止まる

懇願めいた涙の声に、ここで止めても
……と、言いかけて。これが心的外傷になって
二度と触れられぬのは、と葛藤する。

――それに、どうもここで終るのは
非常にとても。私の身にも苦痛ではあった

この痴態でお預けは、非常に苦しく
慾を解き放った獣の前では、
その姿はまさに、煽るものでしかない]


  “ 大切なものは、なに? ”


[ 幻想が織る、未来と過去と願望と拒絶の狭間で。
  掴めそうな何かに無意識に手を伸ばす ]
 

 —―- ”手”では一度、止めよう。
 だがそのままもつらかろう?

 出した方がすっきりするさ。 なぁ?

[囁けば、躊躇いなくその起立を口に含む
確か本によれば喉奥まで、だったか
包み込むと気持ちが良いらしい

雄の香が、鈴口にたまっているのであろう先走りの苦みが
口内に広がるが、太いそれを咥え込んだなら

 じゅぷ、り。と

自身の唾液と絡め、卑猥な音を奏でながら、
舌で陰茎をなめ上げ、喉や頬の肉で緩く締め付ける

今後女陰を味合わせてやれぬなら、
粘膜に包まれればそれに近くは、なろうてとばかりに
吸いつき舐める様は、普段の無表情よりも
多少崩れた、慾に頬をわずかに染めた
慾孕む男の顔になっていたことだろう]

 ― 翌日 ―

[ 陽が窓から差し込んで暫く。
  目許を濡らす舌に身動ぎを幾度か繰り返し、
  漸く眠りから浮かんだ意識で陽を眩しげに見る。

  眼が痛かった。
  寝際にカーテンを引いた記憶がなく、
  差し込む陽光に目の奥まで刺された痛みに蹲る。

  無意識に伸ばした手で目を覆えば少しは楽で、
  見守る狼に手を伸ばし頼りながら起き上がり、
  カーテンを引いて光を弱め、そこで漸く息を付く。

  淡い光源でなければ傷める眼は相変わらずで、
  こんな瞳のどこが特別なのか己では理解できない。

  陽で傷めるだけでなく焼かれてしまう主との差は、
  自分で思うよりかは深刻なのだろうとは思うけれど ]
 

 ほんほうに(本当に)
 
 やめへ、 よいの、か?

[男にこういったことを施すのは初心者のくせに
喉を巧みに使ったストロークを披露しつつ
舌で雁首をこすりながら、咥えこみつつ尋ねれば

君が視線をそらしていなければ、
緋色が未だ色薄いであろうきみのものに絡むさまが
まざまざと見せつけられることだろう*]

 
[ 誂えられた服に着替えて、
  その上に外套を羽織ってフードを目深に。
  髪も瞳も隠すそれは如何にも陰鬱そうだったが、
  今まではこれが己にとって身を護る盾だった。
  いまも、きっとそう。 ]


   きみもお腹がすくよね、
   ありがとう、夜に一緒にいてくれて。


[ 扉を開けて狼の自由を促して、
  用意されていた靴を履いて己も部屋を出る。
  空腹が胃を痛ませるが今更そんなものには慣れていた。

  麺麭のひとつやふたつ城の食料から貰っても怒られまい。
  主にとってこの身体は殺されるまで継ぐモノで、
  その価値が失われる日がくるまでは生かして貰える ]
 


[ こんな風に生きていられると、
  困ったような笑いを浮かべる主を思い出せば胸が痛んだ。

  いったい、どんな風に生きられるのだろう。

  憐憫を重ねて綴られた言葉に締め付けられた感情を、
  顔に映して聞いてしまった己はきっと、
  同じように困った表情をしていただろうに ]
 

 
[ 足は自然と、空腹の訴える先ではなく。
  広い城内でまだ点在する空き部屋のひとつ。

  鍵のかかっていないいくつかの部屋は、
  過去に訪れた子供たちの部屋でもあっただろうから。

  確かめたかったら探して見せろと
  まるで突き放すような彼の言葉通りに。
  ひとつひとつ、扉の中身を確かめて覗いていく。

  男、女、それぞれに価値を見出され、
  捧げられ続けた子供たちの、僅かに残る痕跡を。

  辿り着く先がどこかは既に知っている。
  これは時計の針が鍵となる部屋の向こう側にある答えを、
  覗く勇気が出るまでの梯のようなものだろう ]
 


   クー、……ぼく、ね。


[ 狼がいてもいなくても話し相手など彼だけで。
  背後に語り掛ける言葉の抑揚はなく、感情を殺したまま ]
 
 
   誰かが死んでもどうでもいいものだと思ってた。
   ……でも、きっと、違ったんだね。
 


[ 人を殺したことがないから違うと諭す彼が、$13
  己に殺してほしいと願う裏腹さに瞼を半ば閉じて。

  薄暗い部屋に馴染んだ視界は灯がなくとも部屋を見る。
  あてがわれた部屋と間取りはそれほど変わらず、
  家具も片付けられているだけの痕跡の消された部屋。

  ここにはなにもない。
  子供たちが残した何かがありはしたけれど、
  衣装棚の隅に宝物のように隠された金貨が1枚だけでは、
  何もしることはできないと苦笑して ]
 


[ これは返すべきだろうか。
  それとも貰っていいものなのだろうか。

  見た限りでは普通の金貨にしかすぎず、
  自分の物ではないそれを懐に入れる気もおきず。

  けれど、彼を訪ねる理由にはなった ]
 

[ こと、"キュクロプス"と"容姿"は切っては離せぬ関係だ。

 「神の息子」の側面としては
 正に親から捨てられる原因ともなった。
 同族のコミュニティしか無かった「怪物」についてだって
 物語にその浅ましさ、おぞましさを徹底的に
 書かれているのだから、自信を持てという方が無理である。

 ――だから、これは"クガネ"の根幹に刻まれた
 原初の心的外傷なのだろう

 巨体で、顔は傷だらけの隻眼
 身体も筋肉ばかりで硬くて

 ……怖いと、思っている。己の身なりが為に
 夜を共に過ごせない。そんな最悪のイフが

 だから、この恐怖ごと喰らってくれないか
 雑念も何もかもを引っぺがして、
 晒した全てを、貴方が燃やし尽くしてくれたなら――

 それは、これ以上ない幸せとなろう。
 ]



  う、それはわかった、けど
  痛くはしないでくれよ……


[ 気持ち良い、とは果たして本当なのか
 未知なる領域を想えば、少し怯えてしまうのも無理はなく。

 ……いずれにせよ、経験値も知識も
 彼には到底及ばなければ、身を任せる他無いのだが ]



  ちがっ、それは正直、嫌じゃないって思う、けど

  オレの声で、シロさんが萎えたら、やだって……



[ 彼のもたらす快楽が気持ち悪い訳ではないのだと
 施してくれるものを否定したくない一心でそう告げる。

 ――言外に「快楽は嫌ではない」と言っていることに
 焦る己は全く気付いてなかったが 


 ……それでも、彼がオレだけを求め、暴いてくれると
 熱宿した瞳でまっすぐに宣言してくれれば
 オレは呆気なくその言霊に心奪われてしまう

 嬉しい。嬉しい。心から歓喜する
 応えてくれる手が、愛おしくてたまらなかった ]



  んっ、これがきもち、い……?


[ このぞわぞわとした"変な気持ち"が
 "気持ち良い"ということなのだろうか


 だとしたら――嗚呼、余計に駄目だ


 オレはきっと、この渦に耐えられない
 一線を越えたら……きっと慾に呑まれてしまう


 快楽に従順な"怪物"の側面が、
 じわり、じわりと蝕んでゆく――― 
]



  あ、え……?


[ 慾高める手が止まったのは、その時だった
 やめてくれという己の言葉が生み出した結果だと
 そう気づくのは一拍後で


 ――正直、此処で止められるとは思わなかった


 彼は優しい。
 だから己の願いを率先して聞き入れてくれる。
 彼が時に慎重なまでに己を考えてくれるのだと
 どうして思い至らなかったのか ]


  ( どう、しよう…… )


[ 止めてほしくない
 でも、可笑しくなりたくもない

 その葛藤は焦燥へ
 不安げに彼を見つめて、いたが―― ]



  は?何を―――
!?



[ その次の瞬間、筆舌に尽くし難い光景と衝撃が
 この身を襲った ]


  は、え
  何やってんだよシロさん!?――
ひっ!?



[ いや、知識として、そういう戯れは知っていた
 でもまさか、そんな――口に含まれるなんて!

 クガネとしても、キュクロプスとしても
 目の前の"交尾"でない、"性行為のための前戯"など
 何から何まで初めての体験で


 何より、彼の整った顔つきで
 その欲望の塊を口の中に入れている姿が
 あまりにも背徳的で、己が罪を犯してるようにも
 感じられ


 ――どうしようもなく、興奮してしまう
 ]

[ 理性の壁が、強く蹴られたような
 そんな衝動が ]


   斜陽の頃なら、起きているかな。


[ それとも土足で暴きにいくべきか。
  未だ踏ん切りがつかない臆病さは独言に満ちて、
  そっと溜息を重くし、部屋の扉を潜って階段を降りていく。

  外を歩けば何か変わるだろうか、この沈む意識が。
  記憶を辿るように歩いて何かを見つけることができれば、
  誰かの何かが救われたりするのだろうか。
   
  足は食堂ではなく薔薇の生い茂る庭園の中へ。
  陽に香る薔薇の匂いは濃密で、
  手入れをするには子供の手には余る広さに映る ]
 



  ――いやだ、やめないで、っあ
  そのまま、はぁ、もっと、もっと……


[ 眼を逸らせないままに、するりと願望が口から溢れる
 潤んだ瞳の中にちろりと踊る慾が、貴方にも見えただろうか

 どんどん高められる慾を前に
 低く、それでも溶けるような嬌声が絶えず漏れてしまう。
 最早我慢するという言葉すら脳裏に残らないで

 ――慾をこのまま発散したい
 でも、このままはダメだ ]


  ひっ、あっ
  シロさん離して!もう、でるから―!


[ ぐい、と彼の頭を押して屹立から離そうとする
 だが、散々慾に弄ばれた身体に力は入らず
 自慢の筋力だって、何の役にも立たない有様だ *]


  ……


[ 赤い、紅い、痺れる程に濃く香る薔薇。 
  葉が多くを吸って枯れる花弁も目に付く庭園に、
  ぽつんと立って改めて思い知るのは独りだという意識で。

  空腹が限界を迎えるまで思考を巡らせた。
  どうせ陽が僅かでも傾くまでは動きは鈍いままで、
  やることなどそれきりしかできない。

  過去の扉を開く時計の針を得る勇気を得るまで、
  手間のかかる薔薇の庭園が残されてある意味を。

  なにより、“おんなじ”の意味を、幾度も、幾度も ]*
 

[痛くしないでという彼に
約束まではできないが
(何せ未通女というのは、最初は破瓜の痛みを 
 伴うことを知っている
]


 ――― 痛みを感じても
 それ以上の、快楽を、齎そう。


[それにはケツで感じる才能がいるのだと知るのは
きっとずっと後になってからである
感度的には、君はその才能が有りそうで何よりであるが

君の恐怖ごと、君自身が欲しいよ
]

 萎えるわけなかろう。
 嫌でないなら、続けるぞ。

[私も理性の限界というものはあるのだ
そんな不安そうに小さく告げられたら
ほら、元気百倍の不断とのギャップというやつに
胸がきゅっとするものだ

 それにほら、快楽に関しては嫌ではないというている
 それがわかれば十分だ

ならば欲しいと躊躇わずに求められよう
君が欲しいよ。いとおしい人よ]

 そう、それが気持ちいいというものだよ。

[だから慾におぼれ熱に狂い
私の様に、なってしまえばいいのに
求めて仕方ないくらいに。そうでなくば

―――私だけが、欲しがって
君に負担を強いてしまうのが怖い
君が望まぬことをしてしまうのは
堪らなく、自分が許せなくなるから

そう考えれば、なんと自分は勝手な男よの]

[突然、前戯をやめた己を
彼はどう思うのだろうか

言われたから素直に、などと
不安がられてしまっただろうか

――大丈夫だ、心配するな
閨での駆け引きを知らぬわけでも、ない

嫌よ嫌よも好きの内
止めて駄目よは良いわもっと。ということ位
経験者は知っているというものだ

未知への恐怖を、和らげるにはこれだろう、と
同じ男のものを初めて咥えるというのに
躊躇いは微塵もなかった]

  …… 、んッ
  なに、って。 それは。

[咥えているのだけれどとばかりに
熱に少しばかり焙られた目を、君に向ける
無論君の張りつめた陰茎を口に咥えたままなのだから
喋るたびにそれは吐息とともに刺激となって
君の快楽中枢にダイレクトに
官能をもたらすことであろう

咥えたまま喋られれば、そのまま刺激になることなど
私は本の中の知識から拾い上げていないのだ

勿論、彼のものを口の中に招き入れ
奉仕する姿が、どのように相手からは見えるのかも

(何せ、教本にしたものは
 攻め手の視点から描かれたいたものだから
 受け手がどのように思うか、というのは

 —―想像するしかないのだ。故に
 今の君の状態を見ながら少しずつ
 昂らせてゆく、味合わせてゆく
 同時に君の理性の壁を、蹴り飛ばして)


ぢゅっ、と啜る]

[君の声に艶が混じり始め
駄目だと止める声がもっとと強請る声に代われば
楽し気に目を細めながら、君のたった1つの瞳を見やる

潤んだその中に見えた慾に、堪らなくそそられる
新雪を穢す背徳感。それはこの上ない美酒の様

溶ける色滲む声。彼が交わる前に心配したことなど
吹き飛ばす様に、それに煽られる男が1人、だ
我慢などせず、乱れてしまえとばかりに啜っていたところ]


 ……


[力込められず頭を押す仕草に、
止める声に。普段であれば止めてやったろうが]


 ん は、 むっ


[だが、断ると無言の拒絶
更に力を抜けさせ、慾を表せと男の脇腹撫でれば
中に出してよいのだ。とばかりに奥深くまで咥え込む
頬肉で、喉でぎゅっと固くなったそれを締め付け
解放を、促した*]

[ 尻を使う場合、それは段階を踏みつつ
 更にはある程度の才能もいるのだと。
 それを知るのはもっとずっと後のことでして


 ――まぁ、怒涛の流れにもみくちゃにされていたオレはといえば
 シロさんの真正面からのイケメン宣言
 チョロくもときめいていたのだが。


 惨めな姿を晒してしまったとして
 貴方はそれすらも包んでくれるのだろうか
 ]



  はっ、あっ……


[ 手で高められた頃には、声を我慢するというのも
 随分難しいものとなってしまった。

 何より、彼が肯定した快楽
 余りにも心地よく、耐え難いものだったから

 無意識の内に、もっともっとと
 みっともなくも願ってしまうのも、無理はなく


 だから、段々と心委ねていたそれを止められた時
 急に頼る先を無くしたような喪失感に
 不安になったのも仕方ない

 駆け引きする余裕など皆無であれば
 言葉通り受け取っても仕方ないだろう! 
]


  ひぁっ!しゃべんな、って!
  やだ、ぁ!あっ!


[ 屹立を中に入れるなど初めてのことで
 それが、愛しき人の口内であれば
 猶更快楽はダイレクトに脳へと響き渡る

 最早嬌声を抑えることすら忘れ
 快楽に身悶える男が、一人

 新雪踏み荒らし、その中に埋もれていた
 土
(慾)
が、徐々に徐々に姿現す ]


  ひっ!?


[ なけなしの理性を総動員し、彼を汚したくないと
 抵抗した儚き力も 不意打ちの脇への愛撫があれば

 ――壁の存在など、あまりに呆気ない
 ]



  うあっ、くる、……あああぁぁっ!!


[ その目を両腕で覆い、一際大きな衝撃に身を揺さぶられれば
 あっという間に果ててしまった。


 どくり、と吐き出される慾
 普段自分から発散することなんて、それこそ必要な時だけという
 実に禁欲的なそれまでの生き方もあって
 吐き出した時の衝撃と快楽は予想以上のものであった、か ]




  ……しろさんのばかやろう




[ 吐精してしまった。よりによって彼の口の中で
 その事実が恥ずかしくて、情けなくて、
気持ちよくて

 射精後の虚脱感にろくに動けないまま
 両手で顔を覆い隠す巨人さんがいたか

 ――これで終わりではないと、すっかり忘れつつ 
*]


[だからこそ、

――あまりに残酷な運命だと思った。]

 

[ 彼の声に応えるように狼は耳を傾ける。
 アイスブルーの双眸は凪いでいた。
 問いかけに対して狼は語る言葉を持たない
 ただ、否定するように吠えたりはしなかった。

 狼は彼の問いにくぅんと小さく鳴く
 主が死んだら眷属はどうなるのか
 その心配は無用だとばかりに懐くだろう。

 眷属は名を持たない。
 少なくとも全て朽ち果てた時から。
 しかし、与えられた新しい名は
 眷属に、否やクーにとって存外悪くなく ]


  ( あまりに可愛らしい名前過ぎるけど )

[ その声に応えるように鳴いてやった。

 喋れたら良かったのに
 クーはその言葉に鳴くこともしなかった ]

  ( そうだな。もし話せていたのなら
    早くあんな奴捨てろって言えたな )

[ 主と子供二人に対して思う想いはあれど
 なんだかんだ主を捨てられないクーにも
 名付け親である彼の不幸を願ってはおらず
 思わず、そんな呟きを浮かべたのだった ]*


[ まるで、海の底に沈むような夢を見ていた ]




[ 息をする。

 その度に口許からは泡が溢れて
 遮られた視界は真っ暗闇のまま
 そこへ、其処へ、底へと沈んでいく。

 陽の光すら曖昧な世界。
 切り取られた一部分で息をする。

 揺らめく波の中に白く透き通った何かが映った。
 人の腕だと気づき、払った。

 きらきらと光る金糸雀の髪。
 海の中にいようと頭に響く鈴の音 ]



[ 目を覚まして ]


[ 誰かの声がよく聞こえる。

 無性に叫びたくなって息をする。
 唇から漏れるのは泡が二つ。
 身を捩りたくなる痛みが突き刺す。
 目を抉り取ろうとしても力が入らない。

 何から覚めろというのだろう。
 分からない。解らない。判らない。
 答えなど出ないまま、息が詰まる ]


  ( ここじゃ、息なんて出来ないから )

[ 首を締めて心臓を貫いて呼吸を止めた。

 誰かが悲しむような声が聞こえた ]*

  ―翌日―

[ 狼は少年が起きる頃には傍に控えていた
 念入りに隠されてしまった風貌に
 狼は不思議そうに首をかしげる。

 彼が服装を変えようと狼の眸には
 彼は彼として映っていたからだった。

 腹が空くかどうかに対する反応は
 同意するように短く吠えただろう。
 主がいようといまいと朝だろうと夜だろうと
 彼に従い歩く眷属の姿は特に変わりなく映るはずだ ]


[ 少年が歩く道筋を辿るように狼はついていく。
 少年が開けた空き部屋は沢山ある。
 どれもがちぐはぐな部屋だっただろう。

 ぬいぐるみが沢山用意されていたり
 キャンバスに塗りたくられた絵だったり
 ナイフが引き出しにこっそり忍ばれていたり
 性別やその子の性格を表したような室内だった筈だ。

 ニクスを模したのだろうか、
 幼い子供の落書きだってある。
 ニクスは相変わらず変わらぬ笑みを浮かべている。
 はたは誰かに向けて綴られた手紙もあった。
 羊皮紙に綴られた文字にはこのように書かれていた。

 ごめんなさい、やっぱり私には出来ない

 差出人は書かれていなかったが、
 何か水滴が滲んだ痕跡も残っていただろう ]


[ 書籍が多く置いてある室内では、
 吸血鬼のあり方や、殺し方、特性。
 そんなものの纏めだってあったし、
 聖水なんか用意してある部屋まであった。

 しかしどの子供も結局実行には至らず
 最終的に謝罪の言葉を残していた。

 書籍の中に日記が一つ混じっていたのを
 気づいただろうか。
 書籍の中に記されている事は他愛のない日々。
 背表紙に残っていた名前は、セレスと綴られていた ]*


[ 日が暮れる前の時間ならば、
 男は寝室の中で眠りについている。
 陽の光を許さない暗い部屋の中で瞼を閉じている。

 死んでいるかのようにしかし細く長い息を続けている。

 もし日が落ちて夜が始まれば男は散策をしている。
 庭園にいる少年にも聞こえるような
 ピアノの旋律が彼にあてがった部屋から
 流れているのが耳に届くかもしれない ]*

  ―日記―

[ これからあの城で奉仕しなさいだって。

 シスターはその為に私に様々な事を教えたわ。
 炊事に、洗濯に、読み書きに、歌に、
 それからどうしてか、ナイフの扱いも。

 私が一番優秀だから選ばれたんだって。
 だけど私知ってるわ。
 あのお城には人の血を吸う悪い吸血鬼がいるんだって。

 私が選ばれたのも私が一番かけっこが早いから。
 きっとそうに違いないと思うの。
 だから私があのお城に行って悪い吸血鬼を倒して
 みんなが安心して暮らせるように頑張るわ。

 金貨一枚。
 シスターが私にくれた大きすぎるお小遣い。
 どうしてかは判らないけどお守りとして
 隠すなら誰にも見つからない部屋にしないと。

  ―日記 2頁目―

[ 今日、びっくりしたことがあるの。

 吸血鬼と呼ばれた人にはじめてあったんだけど
 あの人、赤ん坊のリリーよりも何も知らなかったわ。
 私の姿を見ても追い出そうとして
 全然手を出してこなかったから全部話したの。

 そうしたら困った顔をしていたから
 とりあえずお腹が空いた事を伝えたの。
 その後どうなったと思う?
 薔薇の花を私に送ってきたの。

 人は薔薇なんて食べないわって伝えたら
 すっごくすっごくビックリしたみたい。
 仕方がないから薔薇の花で作った紅茶を淹れて
 二人と一匹に用意したら驚いていたわ。
 でも狼って紅茶を飲めないのね。
 その点だけは、反省。

  ―日記 3頁目―

[ 結局泊まっちゃった。
 大きくて広い部屋は私が今まで見たことのないくらい
 立派でお姫様が眠る部屋みたいだった。

 落ち着かなくなってそれからあの人を尋ねたのだけど
 揺すっても頬を叩いても全然起きないの。
 吸血鬼が夜にしか起きられないのは本当みたい。
 仕方がないから夜まで待っていたら眠っていたみたい。

 起きたら彼がそばにいたわ。
 帰れって言われたからもう一度私の目的を話したの。
 世話役は間に合っていると聞いたけれど
 私は私で代表として訪れているから
 何も出来ずに帰るのは困るって伝えたの。


[ そうしたら彼は鋭い歯を見せてきたの。
 狼よりも細くて固そうな牙だったわ。

 とても恐ろしいものには思えたけれど
 この人自身は相変わらず怖くなかったから
 逃げ出さない私を見て不思議に首をかしげてたわ。

 卿が覚めたなんて失礼な事を言うから
 なんとなく腹が立って長い足を蹴ったけど
 そういえば彼の名前を知らなかったから聞いたの。

 名前なんてないって言うから、考えたわ。
 そうしたらぴったりの名前があったから
 今度から私は彼をそう呼ぶことにした。

 ニクスって。セレス、私の名前とぴったりだもの。
 夜と月って素敵よね ]**

 
[ 森の影が伸びる頃合いまで、
  思考に沈む間の手は余計な薔薇の芽を摘み、
  荒れを緩やかに押し留めようと従事していた。

  陽は白い肌を赤く焼く。
  それに気付かない程に幾度も繰り返す思考は、
  子供部屋に残された痕跡のいくつかを中心としている。

  忍ばされたナイフを片付けなかった理由。>>$50
  見逃されたのか、残されたのか、
  描かれた絵の笑顔の意味とその心情も。

  涙の滲む羊皮紙には息を詰まらせた。
  これを見たのだろうか、彼は。
  見たうえで彼は子供たちに望み続けたのだろうか ]
 

  
   ……痛いな


[ ひりひりと痛む焼けた肌を、
  土に汚れた指でゆるりと撫でて息を吐く。

  連なる謝罪の言葉から響く重なる彼への想いは、
  この古城の主の過去に繋がる扉のひとつなのだろう。
  けれど殺し方やその手段を目に見えて残したままなのは、
  意図的だとしてもそこに残された痕跡まではどうなのか。

  なにより聞き憶えのある名が示された、
  何気ない日々が綴られたあの日記の存在は……? ]
 


[ 考えても答えを持つのは夜の名を持つ彼だけで、>>$56
  その名を名乗った彼を思い出し、唇をきつく噛み締める。

  そこまで繋がれば己の鈍い頭でも理解はできた。
  明らかに同じ村の出だろう奉仕を仕込まれた女の子。
  似た名前と、彼女だけが持たされた金貨のお守り。

  愛されるべき子供の行方はここで、
  ここはその女の子と、夜の怪物の居場所だったのだろう ]
 

 
   ……要らないね、これ。


[ 聖水の瓶は中を捨てて空にして。
  ピアノの音色が響いて顔を上げるも、
  陽に焼けてしまった鼻の頭がひりりと痛んで。

  また唇を噛んで痛みを誤魔化し、
  土を払って立ち上がれば狼が小さく鳴いた。
  ずっと傍にいてくれたらしい律義さに、
  そっと微笑んで大丈夫、とだけ唇の動きで囁いた ]
 



[ ひとりには、なれてるから ]


 

 
[ 食堂で手を洗って、
  空腹を今更思い出し林檎を一つ手に取った。

  森を探して食料を得る時間は思考に奪われ、
  麺麭を焼くにはもう陽は落ちて、
  焼きあがるまではお腹が持ちそうにもない。

  それに、音色が途絶える前に。
  裸足と違って乾いた音を響かせて、 
  ピアノに誘われ部屋へと戻り扉を叩く。

  与えられた部屋なのに客人のように。 
  誰かのための部屋だったここに慣れてはいけないと、
  檻を課した無意識を発露しているのには気付かずに ]
 


   おはよう、ニクスさま。


[ 顔を覗かせ、唇だけが覗く格好で“笑う”。

  左手にはぴかぴかの赤い林檎がひとつ、
  右手には棘を払った薔薇一輪を挿したグラスがひとつ。

  ピアノの傍には寄らず薔薇を飾るために、
  窓辺に寄ってそこにグラスをことりと置いてから ]
 


   お部屋をたくさん見て回ったんだ。
   あなたのことを描いた絵も、手紙も、ナイフも、
   残していたのはわざとだったりする……?
 
 
[ 問い掛けは直球で、
  けれど言葉遊びのように答えを期待するでもなく。

  フードを脱ぎ顔を覗かせ小首を傾いで見せながら、
  外套の内側に入れていたコインを掌に乗せ差し出した。
  
  あの子のお守り。
  知らなかったのならこれを持つに相応しいのは、
  己なんかではなく、彼の方だろう ]
  


  月の落とし物を拾ったから、夜に返すね。
 

[ 月というには黄金のそれは、陽のようだったけれど ]*

 
 
─       ─



[ この時からさらに数ヶ月前のこと。

 俺は初めて舞台で主役の座を得た。
 
実際はダブル主演で、単独の主役では無いのだが。


 それでも、俺にとっては念願の念願。
 入団してから一年も経たぬ間の電撃展開である。

 主役を勝ち得たことも嬉しかったが、
 何より努力が認められたことが嬉しかった。

 だが、一部古参の先輩達の中には、反対や反発もあった。
 実際、数年在席しながら主役未経験者も珍しく無い。
 客観的に見れば、面白くないことは理解出来る。

 目に見えて風当たりも強くなり、嫌がらせも発生したが
 当の俺は練習で忙しく、構う余裕すら無かった。
 この辺りのメンタルは強かったのだろう。]
 

 

 
「聞いてくれ! 次の舞台で主役に決まったんだ!
   ○月○日だが、予定が無ければ是非来いよ。どうだ?」
 



[ リーへの報告の電話は、顔が見えずとも
 声が喜びを隠せていなかった。
 むしろ隠すことなど出来ようか。
 
 だが生憎、日程が長期出張か何かと重なっていたらしい。
 是非来て貰いたかったが、流石に仕方が無い。
 なら次は来いよ、と何事も無く電話を切ったのだが。
 

 
 
[ ──この先起こる現実を、たとえ後に知るとはいえ
     友が直接見なかったことは……

                   果たして幸か、不幸か。]

  
 

 
[ そして、舞台当日。

 ──立っているのも辛い。
   身体が熱い。苦しい。
   気をつけば意識が持っていかれそうだ。


 数日前から、体調が優れていない自覚はあった。 
 恐らく練習のし過ぎから来る過労、睡眠不足。 
 抵抗力の弱った体を病は見逃さない。

 完全な体調管理ミス。
 端役ならまだしも、代役は存在しない。
 自己責任、前に進むしか無い。

 やがて、幕が開くが──]
 

 
[ 当時の事は覚えていない。
 いや、心の奥底に封印したから記憶に無い。

 記憶にあるのは、始まって間もなく
 舞台の中央で意識が途切れたこと。
 観客のざわめき、同僚が駆け寄ってきたこと。
 怒号も聞こえた気がする。
 
 そのまま病院に運び込まれ、全てを知ったのは数日後。


   ──俺のせいで舞台は中断、続行不可能となったこと。] 
 

 
[ 団長は優しい人だった。
 体調管理が出来なかったことに注意はしても、
 責めることはしなかった。
 
 
──しばらくは受け入れられなかった。
   己の犯したことの重大さを。
   自ら、役者人生に泥を塗ってしまったことを。


 順風満帆、失敗しらずの人生を送ってきたからこそ
 現実を受け止められなかった。
 己のしでかした事の大きさを。

 そして、間もなく暇を貰い逃げるように姿を眩ました。
 団長には事前に告げておいたが、驚く程あっさり許可は出た。

 「分かった。だが、条件として連絡先を教えてくれ。
  また必要があれば、呼ぶかもだからな」とだけ告げて。


 思えば団長には可愛がってもらえていたのだろう。
 この後も「使わなくなったから」と
 様々な物品が贈りつけられてくることになる。
 同封された手紙は怖くて読めなかったが、捨てることも出来ず
 しばらくは棚の奥に封印することにした。

           
──こうして、俺の役者人生は、
             一度幕を下ろすこととなった。]*

 


[ ピアノの音色をかき鳴らしながら
 脳裏に思い浮かべるのは数多の人の顔。
 この城で過ごした数十名の子供達。

 その中でも一際目立つのは陽の存在。
 月の名前を持つ子供の姿だった。

 ふと、開きっぱなしだった部屋の中に
 与えた本人の存在が増えた ]

  おはよう、セレン。よく眠れたかな?

[ 挨拶は極めていつも通りに。
 ピアノの手を休めれば彼に振り返った。

 彼の手にあるのは知恵の実
 それから棘の目立つ赤い薔薇の花だった。

 彼の言葉に男は目を伏せる。
 言葉を選びあぐねている様子だった ]


  それは、俺が触れていいものじゃない。
  それに、きっと君が持っていた方が喜ぶ。

[ 差し出された金貨一枚
 久々に他者から存在を生かされる今に
 男にしては少し苦い顔をしてみせる ]

  部屋がいつもの調子なのは、忘れられないからだ。
  いや、……忘れたくないのかもしれない。

[ ピアノに備え付けられた椅子に腰掛けた。
 男は飾られた赤い薔薇一輪に視線を向ける ]


  忘却は人にのみ存在するものだから。
  それから、俺が触れたくないのもある。

  彼らがここで生きた痕跡を、
  俺如きが穢してしまいたくない。

[ 組んだ指だけが落ち着きなく動いた ]

  ……その思い出が、記憶が、より胸を痛ませても。
  どの子供も悪い子供じゃなかった。

  中には俺の願いを叶えようとする子もいた。
  結局、逃げてしまったけどね。
  他には父のように慕ってくれる子供もいた。

  だが、みんな帰してしまった。
  残酷な望みを君達に架していると分かっているから。

[ 言葉を区切り、それから少年を見遣る ]


  君を特別扱いしたのは……、
  その金貨をお守りと持ち歩いていた子に
  君が少し似ていたからだ。

  どう。少しは、殺す気になれた?

[ よく見ると日に焼けたのだろうか。
 赤い頬は少し痛々しい。
 冷やしてやるべきだろうと彼を見つめ ]

  なんて。
  ……君に酷い事を願っているのも理解してる。
  君と俺を違うと枠組みを取り替える癖に
  君に同じ所まで堕ちろと
  それと同義の言葉を口にしているのだから。

[ 男自身の矛盾を形にした。
 困ったような眉はそのままにふと顔を上げ ]


  色々と、知ってくれたんだね。
  出来れば君が全て知った上で、
  承知してくれた上で、欲しいものだから。

  ありがとう。
  でも多くを見て回ったのなら腹が減るだろう。
  何か、用意しようか?

[ 彼が選んできた赤い果実を見て、尋ねた ]**

[段階を踏むということまでは知っている私
段階を踏むことすら知らぬ君

尚、その段階は小説の知識で
ぼんやりとした交わりについての君の知識は
漫画のものだと知るのは果たしていつの日か

――どんな姿でも、
嗚、君ならば何でも美しいのだと
こんなにも君を、求めているのだと

私が思うことを、知れば良い
]

[漏れる声に、体の奥がずくっと疼く
触りもせぬのに、君の声に反応しそうだ
などとは、恥ずかしくて言えもせぬ


素直な子には、ストレートに言った方が良い
とは、理解はしているものの

此方も恥じらう日本人なれば
性の前戯でストレートに押せ押せは難しく

少しばかりの駆け引きとともに
触れることは許してくれまいか

君の、可愛い痴態を見るのもまた
楽しみでは、あるのだから]

[ぽいやんの雷をあれほどくろうても
戦うことを諦めなんだ雄勇は、
快楽にはあまり強くはないのだな、と
身もだえる様から、思う

だがそれも、また愛いのだと
もっと自分の手で溺れてしまって良いのだと
言葉の代わりに、彼の雄を美味しそうに舐め啜る

抑えることを忘れた声が、耳に届けば
尚囀りを聞きたいと、奉仕に一層熱が入るというものだ]


 ん……


[とはいえ、絶頂も近い。と
脈打ち熱を持つ怒張から察したものの
それを口から離そうとされるのは本意ではない

だからこそ、彼の脇へと愛撫を行い、
出しても良いのだと、強く、啜って解放を促せば

熱の奔流が襲うのだ]

[クガネの絶頂は割と早めだと、学んで
叩きつけるような白濁が口内を満たす

小さく、くぐもった声をあげながら
喉に流し込もうとするが
これがなかなか、難しい


口の中に広がる雄の味
苦いし、粘つくものだと初めて知った
どちらかというと甘味の方が好きだが

愛しい彼の物だと考えれば、悪くはない

顔を覆い隠して、馬鹿と宣う彼を横目に
嚥下に四苦八苦しながらなんとか飲み干す。
少しばかり口端から白が流れるが
それも指で掬って、口の中

禁欲的に生きてきた彼を穢した、ことへの
罪悪感と高揚感をないまぜにしながら
私は小さく吐息を、零した]

[さて、これで終わりだと私は一言もいうてないのだが
……どうすべきかと思案をする
いい感じに力が抜け、くったりとしているから
慣らせば初めてでも受け入れることができそうな気もする

が。彼の本意はどうだろう
今日はこれまでとストップがかかれば生殺しだが]


 ……。


[手荷物をあさって香油を取り出し
指に纏わせ2,3程擦り合わせる
温度が多少移った頃に、窄まりに指を這わして―――

一度、襞に塗り込む仕草を見せた後、尋ねる]

 クガネや。続きは、どうするかね。
 君が疲れたなら今宵は、ここまででも良いけれど。


[我慢は常だ。慣れている
でもできれば―――できれば溶け合いたいのだと


心は殺して、常の無表情で尋ねるのだ**]

[ シロさんは「奥ゆかしき日本人」の体現者としても
 違和感はない訳では、あるが

 ――確かにストレートは難しいだろう。
 しかし、こういう駆け引きを交えた扱いをされてしまえば
 ある意味直球よりもタチが悪い。

 醜態晒すことを自制できず、
 例え神雷の中でも突き進んでみせた精神力の高さなど
 見るも無残な惨状となってしまうのだ。]


[ それは仕方のないことだ。
 何から何まで初めてで、だから悔しいけど
 己は翻弄されるしかないのだと。

 ――自らの経験の無さを免罪符に、
 恥ずかしき慾の存在を無意識に肯定も、したか 
]

[
人にやってもらうのが初めてだから
 この速度は正確じゃない!冤罪だ!


 ……などと、相手の思うことを聞けてたら
 それはもう全力で抗議したのだろう。

 しかし、そんな余裕など無ければ
 目伏せ必死に息を整えるのに精いっぱいだ。

 ――出したものを飲まれた、などという光景を見れていたなら、
 己は軽い眩暈のち「状態異常:大混乱」でも付与されてたかもしれない。

 目を覆い隠していたのは、幸か不幸か]


[ そして、たとえその光景を見逃したとしても
 この熱帯夜が終わる訳でもないのだ ]



  ひっ!?


[ 漸く息も落ち着いたかという絶妙なタイミングで
 後ろの――具体的には、尻の方から
 微かな、しかして確かな衝撃を感じた。 ]


  ( や、やるのか本当に…!? )


[ 覚悟はしていた。が、いざ目前に迫ってくると
 やはり僅かながらに恐怖が出てきてしまう。
 進むにしてももう少し、猶予が欲しいと
 身勝手ながらに思ってしまうのだ。


 ――ただ、それでも ]



  ……オレが「ここまで」って言ったとして
  シロさんは、どうなんだよ


[ 彼が此処まで来て、己に興奮してくれているかは
 わからない。

 わからないけど、己が逆の立場なら
 これ以上なく辛いとも、思う

 ……今の立場の己も十分辛いのだが ]



  遠慮すんなよ。オレ、そこまで軟じゃねェし
  ――進めて良い、から。



[ 眼隠しした腕をずらし、彼に同意の眼差しを

 これを言わせるなんてある意味羞恥プレイじゃないか?と
 思わなくもない。が

 悔しいが、ここで中断されてしまうのは己も嫌なのだ。
 ――溶けて溶けて、一つになるを望む 
*]

  ―日記 4頁目―

[ 薔薇の花が咲く場所を教えてもらったわ。
 大きな庭園にあるみたいだった。
 でも全然世話をしていないみたい。
 仕方がないから棘の処理をしてあげた。

 掃除も全然していないみたいだからしたの。
 食堂があるなら使うしかないじゃない?
 村には立ち寄れないけど
 お腹が空いた旨を伝えたらお小遣いをくれたの。

 足がないって伝えたら狼を紹介してくれた。
 彼の背に跨って街まで辿り着いて沢山お買い物して、
 荷物沢山に帰ってきた私をみてニクスは目を丸くしたの。

 帰ってくると思わなかったんですって ]


[ 私の家だから当然じゃない。
 言い切ってみたら困ったように眉を下げられたわ。
 本当にここで暮らすつもりか尋ねられたし
 そのつもりよって伝えたの。

 彼は少し悩んでるそぶりを見せたけど
 結局最後には諦めたように頷いたわ。

 だから私も覚悟を決めたの。
 ほんのり漂う血の匂いも仕方ないことだって。

 夕食は二人でとったけれど
 人の食事は彼には必要ないみたい。
 ただこれから生活するのは困りそうだから
 私が色々教えてあげないと ]*

  ―日記 5頁目―

[ 今日は村のみんなに手紙を書いたの。
 私は元気にしているって。
 
 元から飽き性の私でもよく日記が続いたものだと思う。
 でも最近サボっちゃったから、昨日の事でも残すわ。

 ここの生活にも慣れてきて、
 もう一月くらいは経っていると思う。

 あの日から私達はいつも通り変わる事なく生活しているわ。
 ニクスも流石に人は薔薇の花を食べて
 空腹を満たすなんて考えなくなったもの。

 一つ驚くことがあったのなら
 彼、ピアノが弾けたみたい。

 彼の部屋の中にある右隣の部屋を私が覗いた時、
 埃だらけのピアノを見つけたの。
 私が引きたがったから二人して掃除して
 それから私の部屋に運んでもらったのだけど
 調律なんて出来るものだから驚いた ]

[ 昔、少し弾いていた。

 そんな彼に誰かから教わったの?って聞いたの。
 彼は曖昧に笑ってばかりだったわ。

 この人の悪い癖。
 触れられたくないことは誤魔化す人。
 ただ今日は悲しそうだから黙っておいたの。
 二人してピアノを弾けば気分も少し和らぐかしら。
 隣で腰掛けて白鍵を鳴らしたら、
 少し驚いた顔をしたけれど拒まれなかった。

 そのまま二人で一緒に弾いたわ。
 困ったことに楽しかったの。
 化物だなんて村のみんなからは恐れられてる人は、
 私が思うより普通で、同じ人で、だから ]


[ ひとりぼっちだって、自分が思わず済んだ 
]*

  ―日記 36頁目―

[ このまま続けばいいのに。

 そう思うくらいにこの日々は楽しい。
 彼は相変わらず朝は眠り続けて
 昼も静かに息だけを繰り返して
 夜になるといつのまにか傍らにいたわ。

 曖昧に笑ってばかりの彼も少しずつ、
 いろんな表情を見せてくれるようになった。
 彼の知らないことを私は教えて
 私の知らないことを彼は教えてくれる。

 人と吸血鬼。
 そんな垣根を超えても私達は変わらない。
 そう思ったから伝えたら彼は悲しい顔をした。

 化物は世界から嫌われているから、
 神様に祝福されている私達とは違うって ]

[ 堪らなくなったから抱きしめた。
 死んだ人みたいに冷たい躰。

 息を吸うより簡単に溢れたわ。
 私はあなたが大好きだって。
 だからそんなあなたが傷つく世界なんて、
 私が壊してあげるって。

 本当に真剣に思ったから伝えたら
 彼は本当に困った顔をしたの。
 それでも抱き返してくれた。

 ありがとう、って ]

 
   んー…
   ぼくにも夢が見れたくらいには。


[ あてがわれた寝台は身に余る柔らかさで、
  記憶の上では初めて怯えずに眠れる夜だった。
   
  枕も毛布も揃う寝床がなんて幸いだなんて、
  この夜の怪物には想像が及ばないことだろうか。
  ごく短い時間を繋ぐように眠るのに慣れる程、
  他人の気配に怯えながらこれまで生きていたことも。

  夢を繋ぐなど、二重の意味で許されなかった。

  故に、問いかけには微かに柳眉を寄せて、
  謎かけのように、けれど実際には素直にそのまま答えて ]
 


[ その日から彼に血の気配が消えた ]

 
   そう……?

   でも、これは誰かに想われた子供の証だから、
   ぼくが持っていていいものでは、ないかな。


[ 掌の上の金貨は受け取られずに、
  落ちた言葉に白金の髪を不思議そうに揺らす。

  美麗な顔立ちを顰める様子に、
  思い出に浸ることすら苦痛なのだろうと察しはした。
  けれど日誌に綴られた金貨の正体は己から最も遠い物で、
  己の元では思い出を穢してしまうとでも言いたげに。

  冷たい指を動かすのを視界の端で捉えながら、
  とりあえずは金貨を楽譜台の上へと置き去りにして、
  彼を未だ知らないからこそ深い溝を自覚し、苦笑する ]
 

 
   あの子は太陽のようで眩しいひとだった。
   あんまりはっきり思い出せないけれど、
   ぼくと似てる場所なんてどこにも……


[ 男にしては細くて高い声音は少し似ているか。

  自声に関しては認識が歪んでいそうで、
  その想像すらも烏滸がましいと思える眩い陽の少女。

  シスターに心配されてお守りを貰うだなんて、
  双眸の物珍しさと年齢の都合だけで捧げられた己には、
  知りたくもない現実を突きつけられたかのよう。

  生贄としての立場は“おなじ”でも、
  そこにすら居場所はなかったのだという現実を ]
 


   ううん、ごめんね。
   貴方を殺す勇気はまだ出ない。

   貴方を殺してもいいなって思えるくらいに、
   早くなれたら……楽にしてあげられるのにね。


[ 故に問い掛けには、
  失望を伴うだろうとしても素直に答えた。

  拒絶され続けた世界で最後と信じた場所を失い、
  そのまま繋げられると思えるほどには、
  未だ彼を思いやろうとする感情には足りない。

  最初に触れられてなければ、
  この手を穢す躊躇いはなかっただろうか。
  誰もが疎んだ異色を躊躇いなく覗かれて、
  何かから一瞬でも逃れられたのだと安堵しなければ。


  考えても結論などは出る筈もなく、
  きっと、大人をひと匙混ぜた曖昧な笑いを浮かべて ]

 
   ううん大丈夫、でもありがとう。
   林檎は好きだし、これひとつで足りるよ。


[ 空腹に慣れているからこそ、林檎ひとつで十分。
  そう伝えて足は自然とピアノの椅子の傍らへ。

  彼の視線から逃れるようで距離を縮めたのは、
  もう一つ言葉を足す反応を間近で見たいから ]
 

 
   ……あなたの、食事は?
   

[ 人間は林檎で足りると伝えたのだから当然のように。
  血を啜ると噂に聞く夜の怪物に尋ねる言葉は、
  どうしたって残酷に響くのだろうと想像しながら。

  紅茶では到底、大人の身体は足りないだろう。
  見ていない場所で何かを食べているのならその理由を。

  陽が落ちて夜に満ちた室内では異色の双眸は真っ直ぐに、
  まるで人のような男を射抜いて、静かに問いかけた ]**
 

  ―日記 55頁目―

[ 最近のニクスは機嫌がいい。

 彼から踊りに誘ったり、ピアノを弾いたり
 夜の庭園を歩いたりしてくれる。

 でも、日に日に顔色が悪くなってる。
 風にでも吹かれたら消えてしまいそう。

 きっと食事をしていないんだと思う。

 彼に伝えたわ。
 でも、大丈夫だって笑うの。
 随分と綺麗に丁寧な笑顔を見せるの。
 薔薇の精気を吸っているから平気だって。

 嘘だと思った。
 だけど否定できなかった。

 君と同じ人になりたいなんて
 そんな事を呟く彼に言えなかった ]*

  ―日記 84頁目―

[ ごめんなさい。全部、私のせい。

 シスターに手紙を書いたの。
 どうすればいいって。

 返事はまだ来ない。
 返事はまた来ない ]
  

  ―日記 101頁目―

[ 血を吸ってもらわなきゃ ]**

[婉曲であっても、愛を伝える際に緊張しすぎて
気絶したこともある私だ。
ストレートなどできるはずも、ない

君を見つめ、触れて。思いを伝えることしか
今の私にはできそうにない
一見余裕がありそうには見えるだろうが、これでも
愛しい男を抱くのは初めて故に
いっぱいいっぱい、なのだ

だが、私は女性相手ではあるが経験者
ただでさえ、初めてに惑い怯えるおぼこ相手なのだ
その様な余裕のなさなど、見せるわけにはいくまいて

それに。愛撫1つで甘い声で鳴き、翻弄されて
自身の下にて、色香匂わすように
花開く様をじっと見るというのは中々にぐっとくるものだ

それこそ。今忍耐強い自分を捨てて
貪り喰らうてしまいたいくらいに、な]

[もしその心の声が聞こえたならば
では自身でシてみた時の正確な時間を
いえるかい?などと少し面白がって揶揄するかもしれない
全力の抗議と果たして何方に軍配上がるのやら

それはもしも、のIFであり
現実は浴衣を乱し、息絶え絶えに褥に体を横たえる
君が1人、いるだけだ

目を伏せているが故に、自分が彼の出したものを
四苦八苦しながら飲んでいたこと
気づかれなかったのは僥倖だ

見られていたら羞恥でやっぱりぶっ倒れていたかもしれないから
だが、それは彼にとって幸か不幸か

見逃したことにて、夜の熱は未だ収まる気配はなく]

[ふむ、やはり狭いか
と、指の先端を襞に沿わしながら
その固く閉ざされたものをみて、思案する

確か陰間やらは、香油を垂らした梁型でなじませるのだとか
だがそのようなものは旅行鞄に持ってきてはいないので
指でほぐしていくしかなかそうである


が、それも君から滲み出る恐怖を見れば
昂ぶりも少しばかり冷静さを取り戻すものだ

泣かせたくない、傷つけたくない
ゆっくりのほうがやはり良いのかもしれない
私が性急すぎたのが、まずかったか
あまりにもかわいい反応で、歯止めが効かなかったから
などと言い訳をしてもせんなきことよ

欲を抑えて、本日はこれまででもよいよ、と
問うたところ]

 ……そうさな。その場合は
 私は自分のものは厠で処理するだけだ。

 負担をかけすぎるのも、よくない。
 快楽を享受する代わりに、
 受け手のほうが体力的に辛いともいうしな。


[だから気にするな。と言いかけて
――数舜、迷った

その言葉に甘えて進めてよいか。泣かせないか
傷つけないか、と

腕の目隠しがずらされ、たった1つの瞳が
迷う私の視線をとらえたなら、腹は括れた]

[君の浴衣を肌蹴させ、胸元露にしたなら
君の脚から下履き取っ払って、致しやすいようにと
そっと枕を君の腰に挟んだ

再び指に香油をまとわせ、数度指腹擦って温めて
菊花に似た襞を1つ1つ、ほぐしてゆく]
 
 違和感があるときは、息を吸って、吐いて
 それを繰り返すと、よいという。
 
 いやな時はすぐ、言うのだよ?

[念入りに、入り口を傷つけぬようにと
花弁を濡らし、柔らかくし
それが吸い付くまでに解れたならば
1本、濡れた指が彼の中へと侵入する

指先が感じる温かな内部。第一の関節まで入れたなら
中を一周、掻きまわし
くにっと指曲げ、腸壁を押して弾力を確かめた]

[違和に苦しそうにするのなれば
―――もう片方の手を伸ばすのは、
再び、君の達したばかりの雄になろう

前の刺激でまぎれぬか、とばかりに
陰嚢を柔く揉んで 君の様子を確かめようか*]

[ 己があらゆることに未熟だからこそ、彼は自分を抑えてまで
 己と向き合ってくれるのだろう。

 それでも、現状はといえば
 ひたすら快楽に翻弄される初心が一人。
 できれば彼にだって慾に身を流してほしいと思うのが
 男として、恋人として当然の欲求だ。

 ――だからこそ、何もできないことを歯痒く思う

 確か男にとって不本意な女の状況を
 魚に例えたような言葉があった気がする。
 このまま何もできないまま終わりを迎えたら、彼に迷惑を
 かけないだろうか。 ]


  ( もっと勉強しないと…… )


[ 何を勉強するんだという感じではあるが、
 少なくとも、次の機会があれば己も役に立てるくらいには
 なりたいと思う、生真面目な一幕があったとか ]

[
え、いや、そう言われても……
 少なくとも今のよりは早くなかったような…?


 などとそんなイフがあれば
 真面目に回想し指折り数えてただろう。


 かつての日本には"陰間"なる場所があり
 そこは少年の風俗であったと己は知らない。

 ――ただ、その存在を知れば
 「……もしかして小さい方が色々良いのか?」
 などと某別人格の霊基を思い浮かべる一幕もあったかもしれないが。
 ]

[ 一口に"恐怖"と言っても
 尻に突っ込まれる未知以上に、貴方を落胆させてしまう恐怖の方が
 ずっと怖いと思う。

 ――だから、こういう時でも
 独りで何とかしてしまおうとする彼に
 一抹の寂しさを覚えたのも無理はない ]


  ……それはやだ。絶対にやだかんな
  オレばっかり気持ちよくなって不公平だ


[ 己だって知識と経験があれば
 シロさんがやってくれたみたいにできるのに。

 ――ただ、何も知らなかった初心の手淫など
 とてもじゃないが気持ちよくはないだろうから。


 ……秘めたる奥を暴かれる覚悟を決めた
 ]

[ 腰を枕によってあげられると
 その後ろまで彼によく見えてしまうのではと
 羞恥に顔がまたじわりと赤くなる。 ]


  うっ、違和感すげェ……


[ そこに入れられるものなんて普通なら
 座薬くらいだろう。
 ましてや指一本がすべて入るくらいともなれば
 やはり、最初は難しい。

 違和感と痛みに眉をしかめつつ、
 それでも恋人として弱音を吐くことはせず。
 アドバイス通りにひたすら息を吸って吐くことに集中した ]



  っあ、いきなりは…っ


[ 後ろにどうしても意識を向けてしまうものの
 萎えていた雄を再び握られれば
 苦しそうな吐息に僅かに色が戻ってくる

 目反らし瞑ってはいるものの
 手淫によって苦しさは先度より紛れたようだ。

 それでも早く準備が整ってくれと
 自分の身体の癖に願うばかり *]

[自分が自分を抑えるのは、もはや性分といっていい
君を優先してしまうことは
もはや当たり前になってしまったのだから
だから、彼の心情を知ればその様に、
歯がゆくなど思わなくてもよい、と言えるのだが

残念ながら私には読心のスキルは、ない

別に鮪であっても君ならよい、が
寧ろ今のように、性に対し無知な体を持つ君が
初心な反応をする様子にこそそそられる、ということを
きっと君は理解していないだろう

いうつもりも、ないけれど

ところで、私もある意味では男同士の交わりは
不勉強なのだから、君に勉強されてしまったら
私は大慌てになることであろうさ

そこで生真面目を発揮せずとも!と
絶叫することがあるかどうかは―――今後の2人しか知らぬこと]

[多少、くらいなれば矢張り早漏なのではないか。と
言い訳を聞くifあればきっと思うことだろう
疑惑は多分、晴れない

自分としては、小さすぎれば
抱き潰してしまいそうで怖いので
君くらいの体格が、ベストだと思う
その逞しい胸板も、対照的な淡い色の2つの胸の先端も
大きな体躯で恥じらうギャップもすべて
どすとらいく、というやつなのだ
つまり君の心配は全くの杞憂である


残念ながら私は別人格の霊基を知らないので
少年の君を想像することは難しいのだが
多分、少年の状態の君には突っ込めないと思う
こんないたいけな子を犯すとか無理!尻の穴切れてしまうではないか!
私が代わりに受け入れるから!とか
間違った保護者精神発揮して
斜め上の大惨事になっていた気しかしないので
やっぱりこの体格の君がいいと思うんだ。うん

……それにほら、大人の男のわしが喘いでも君が萎えるだけだしさ
やっぱかわいい君が鳴くのがいいと思うよ!
少なくともわしは興奮する
]

[私にとっては君が絶望するのが一番嫌で
君が悲しむのも、痛がるのも嫌で
だからこそ、自分のことは二の次にしてしまうが

そのこと自体を、寂しがるということに
心通じた今も、私は理解してないのだ]


 なぜそう、頑なであるのか……
 私は君の痴態を、見るのが楽しいから
  
 気にせず、とも。

[むしろ初心が一生懸命何かをするのが
最高にツボだということを君は理解していないし
私も言うつもりはない。それで負担を強いてしまうのは
元も子も、ないからであって

そのことが君に覚悟を決めさせたとは知る由もないのだが]

[本来排出する箇所に、ものを挿入されるのだ
指1本でも違和感は凄かろう
眉をしかめる様子を見れば、君の我慢は通じてしまうわけだ

だからこそ、躊躇わず君の雄を握る]


 よいでは、ないか。
 これに意識を集中、していれば
 気持ち良いらしい、ぞ。


[実際、されたこともしたこともなかったので
わからないのだが、そこは君がきっと
教えてくれるだろう。私の体の、下で

君から溢れる先走りと共に陰嚢を揉み、肉棒をしごきつつ
男が後ろでもよいと思う部分を探して、
君の中に入れた指は、蠢く

二度としたくない、と言われぬように
ぐにぐにと内部を拡張するようにほぐしていたところ

ふと、指先が固いシコリを捉えた

それをぐっと指先で押せば
今までとは違った反応が返ってきたやも、しれぬ
所謂前立腺であるそれを、加減を見ながら弄ぶ]

[ほのかに色づいた肌、浮かぶ汗
褥で耐える君の、姿よ

         
ああ、堪らない
*]




 
  浮かんだものは、また深くに仕舞い込んだ。

[初主演決定の報が届いたのはほんの数ヶ月前だった。
入団から僅か1年というのがどれくらい凄いことなのか、己にはよくわからなかった。

地道な努力が大輪の花を咲かせたに他ならない。
得るべくして得た、むしろ遅すぎるくらいの抜擢だと思った。

悲願の夢を実現しようとしていた彼は眩しかった。
友人としても誇らしかった。
彼ならばきっと、舞台を立派に成功へと導くだろう。

周囲の反発や風当たりの強ささえも、天真爛漫かつ穏便に乗り越えられるだろう。
足を引っ張りたがる輩など放っておけばいい。
くだらない嫉妬に費やす時間を自身の成長の為に使えない時点で、彼等は所詮そこまでなのだから。]


 『へぇ……! 凄いじゃないですか。
  是非観に……

  ……あ…………、

  …………すみません。
  その日は、どうしても抜けられない
  仕事があって……』


[電話越しにも、弾けんばかりの笑顔が見えるようだった。
断るのは心苦しかった。]

[それまで、彼の出演した作品は全て観に行かせてもらっていた。
どんなに端役であろうとも、都合を付けていた。
それなのに丁度その日に限って、どうしても予定を空けることが出来なかったのだ。

慢性的な人手不足を補う為の長期出張。
判事補である己まで駆り出されるほど、引く手数多な時期だった。]


  本当に申し訳ないです。

  ええ。
  次は――是非。


[ 無知が抗えぬ快楽に流され落ちてゆく様などは
 きっと、男にとっては望む光景の一つなのだろう

 問題はそれを受けてるのが大男な訳だけども
 オレに勉強されるのが嫌なら、シロさんは先手を打って
 勉強する必要もあるのではなかろうか

 少なくともこの瞬間、貴方の手淫やら口淫が
 強く記憶に残ってる以上は――これも一種の勉強だ ]


[ なお、シロさんがオレの身体をどう思っているか
 聞いた日には「ぐおお…」と盛大に身悶えたかもしれない。
 ある意味普段とは逆の立場だ。(貴方はほぼ鉄仮面だけども)]

[ ――いやでもさ、身体が大きいと色々不便じゃん
 これは後で知ったことだけど、そういう行為には
 それはもう沢山のたいい?があるらしい。
 中には受け手が小柄じゃないと成立しなさそうもあるし

 ……それに、恥を晒すにしても
 大男よりチビめな方がまだプライド的に救われる。

 シロさんを抱くのは……どうだろう
 シロさんは格好良いからなァ…でも、ちょっと見てみたいかも?とは

 少年がシロさんの精神と倫理に大ダメージなら
 せめて背を縮めたいなと、ある意味背の小さい人に
 喧嘩を売るオレであった。]



[ なお、大男なオレが喘いでる姿を「かわいい」と称された日には
 オレの全力宇宙猫顔を拝めるだろうよ ]

[ 今この瞬間、貴方の為すことを見て、聞いて
 染め上げられているのだ。
 そういう意味では、ある意味貴方のツボ通りに
 オレはなっていると言えるのではなかろうか ]


  う、あっ……


[ 自分でも笑えるくらい単純な体は
 あっという間に痛みから快楽へ
 享受する対象を変えてしまう。

 そのまま微かな嬌声を上げて
 意識が前へと徐々に逸らされていく。――筈だった


 深く探られるナカで
 一際目立つ塊に触れられる、その時までは
]


[ 『次』があると信じて疑わなかった。

 そんなもの、
  何の保証もないというのに。

    どんなに大金を積んだって、
     過去には戻れないというのに。 ]





  ひあっ!?



[ ごり、という感覚と共に
 ずぐんと重い衝撃が腰に走る。

 ――それ以上に、まるで電撃に打たれたかのような
 眩い衝撃がこの身走れば、
 普段よりも甲高い声が飛び出てしまう ]

[もっと連絡が取れていたなら。
顔色の悪いのに気付けたかもしれない。

過剰な稽古を止めることは出来ずとも、睡眠を促すことくらいは出来たのかもしれない。

舞台の開演予定時刻。
晴れ舞台の成功を祈りながら開廷して、

閉廷したのは終演予定時刻。
きっと拍手喝采を浴びている頃だろうと思っていた。]


 『初主演、お疲れさまでした。
  念願の花形、存分に楽しめましたか?

  落ち着いたらお祝いに、
  ステーキでも食いに行きましょう。』


[会話アプリでメッセージを送信した。
返事がなくても、返信する暇さえなくなるくらいに評判が良かったのだろうと決めつけていた。

……というより、
返信が無いのに数日間気付かないほど、此方にも余裕がなかった。

連絡先を交換させられていた劇団員からのしつこいメッセージを『またか』と開いて、初めて君が本番中に倒れたことを知った。]



  や、あっ!?
  やだ、そこやめっ、ひっ、なんで…!?んあっ


[ 雄を握られた時とは比べものにならないその快楽に
 声すら抑えられず、脳は混乱に揺さぶられるばかり。

 ――初めてで感じるには相応の"才"がいる。
 元より敏感さを見せていたこの身であるが、
 愛しき人に暴かれてるにしても、その反応は
 明らかに才あるそれであった、か。


 ……己の出自のあやふやさも
 もしかしたら影響はあるかもしれない。
 いずれにせよ、不本意ではあるが"痛みなく"
 何とかなりそうなのは、確かだ ]

[ 混乱によって生み出される涙が林檎のような頬を撫で落ちる。
 髪を掻きむしるように身悶え、その快楽から
 逃れるよう身体を動かすが――

 その一方、じんわりと心犯す快楽が
 その逃げを消極的にも、していて
 *]

[ヴィクと同じ劇団に所属する彼女からのメッセージは、大体が茶や食事の熱心な誘いだった。
ろくに会話もしていないのに、一体何がお気に召したのか。

ヴィクに近付くための足掛かりとしたいならばお門違いだし、仮に己に気があるとしても相手をしている暇はない。
かと言って、彼の同僚であるから無下にも出来ない。
誘われる度仕事を理由に断っていた。

画面に記された文面はこうだ。]


 『貴方のお友達は気の毒だったわ。
  相当疲れを溜め込んでいたのね……、

  ダブル主演だったとはいえ、
  やっぱり新人にはまだ少し
  荷が重かったんじゃないかしら。

  あたしが主役の公演は、観に来てくれるわね?
  完璧な舞台をお届けしてみせるわ。』



[あの自信は一体どこから来ていたんだろう。
今までは適当にスタンプを投げていたが、その時ばかりは携帯電話ごとソファに投げ付けてしまったのをよく覚えている。

その日も仕事がありますのでと断りかけて、舞台を観るかわり、情報の提供を求めた。

ヴィク本人と連絡が取れなかったからやむを得まい。
何と声を掛け直せば良いか悩むうち、君は音信不通の行方知れずとなっていた。]

[どんなに取り繕っていても、
演者本人の性格や癖はどうしたって仮面の端から滲み出る。

彼女の芝居は成程完璧で、確かに巧かった。

でも、それだけ。
心動かされることは無かった。


彼の芝居で、この作品を観たかったと思った。


もう少し早く彼女からの連絡を確認していれば、もっと気の利いた言葉が掛けられていただろうか。

団長さんはいい人だった。
僕の姿を見つけるなり、ヴィクと連絡が取れているか、可能なら様子を見に行ってやって欲しいと声を掛けてきた。
新居を教えてくれたのも、団長さんだった。]*

[私は何度、君の可愛い痴態に内心で身悶えたら良いのだろう
―――表情には、出ないけれど
抗えぬ快楽に堕ちる様子も、声を我慢しなくなってゆく様子も
どれもが私の目を、楽しませているのだから

寧ろ逞しい肉体の君であるからこそ、
自分の手により乱れていく姿が美しく扇情的なのだ

……そうか、私が先に勉強する。その手があったか
だが、正直まんが?とやらだと刺激的過ぎて気絶しそうなので
矢張り君より勉学の吸収率は遅くなるかもしれない

実地での、勉強までしている君の方が
婀娜めきながら私を掌の上で
転がせるようになる方が先かも、しれない]

[普段と逆の姿を見られるのはきっと役得であろうが
流石にすとれぇとに君の肉体美を称賛するのは
日本人だから、恥ずかしい
こんな時自分が鉄面皮でよかったと常々、思う]

[私は四十八手をして君に負担をかけるつもりはないので
床を共にするときの体系はあまり関係がないので、あるが
君がしたいというのなら、腰に負担をかけても
駅弁とやらを頑張ってもよいのだぞ?だから
遠慮なく言うが良い。これでも鍛えておるのでな
などと現在進行形でがっつくのを我慢する獣は供述している

体躯の大きな男が初心な乙女の如く
恥じらうのがいいのだが、いいのだが
――そのあたりの男心は、君のプライドと反比例なのだろう

ちょっと見てみたいだ、と……?君は勇者か。
面白くはないと思うが、
まぁ、君が言い出すのなら葛藤しつつも良いぞ、と
私は了承するであろうが

―――正直に言おう。その場合の乱れた私に
引かれないかがとても心配です。
別霊基のように蟹を消されて意気消沈しているような私に
某アルエゴクガネからのドン引き視線みたいなものを
送られたら、私生きていけない
失望せぬなら考えないでも、ないが。

影法師前の私はチビだったものだから(150p)
それはきっととても羨ましい願いだと思う。思うぞ?]

[尚、宇宙猫顔をするなら。その唇を甘咬みしてしまおうか
にゃぁお]

[この手の中で色づいていく愛しい人
なんて可愛く、いじらしく、美しいのだろうと思う

今だけは、君は私のものだ。
運命(Fate)にすら、渡したくない
―――なんて醜い心根を、君が知ることはないようにと
願いながらその痴態を引き起こし、
君の中を暴いてゆく手は。囀るその声に
より熱心に君を嬲っていたのだ

―――それが聞こえた時の私の歓喜よ
君が啼く姿は、何よりも可愛い]

 —― 好い声、ではないか。
 やだ、っていうのは、善い、の間違いだろう?

 ほら、この兆しもより固く、なって、おる。

[先走りの蜜がより溢れるのがその証拠、
とばかりに、君の陰茎を弄んでいた、濡れる手を
ちら、と見せようとするが
今もまだ、目隠し鬼であろうか


逃げようと見悶える、君を追いかけて。
君の股の間に正座し、座り込んだ太腿の上に彼の震える両脚を
開脚させて膝上に乗せながら
執拗に後孔への愛撫を続けよう。君が今

――反応した、部分を執拗に押し潰して、引っ掻いて
責め立てて]

[君の内壁は熱く、吸いつくようで
指に縋りまとわりつくそれは、散々良い箇所を嬲ったあと、
一度引き抜こうとすれば艶肉は惜しがるように絡みついて
なるほど、名器というやつだなと
得心したように、一度目を細めた

引き抜く際、僅かに曲がったままの指腹が縁に引っ掛かり
ほぐれてきた花弁の縁の肉を弾き、震わせ
そして先程までの行為をなぞるが如く、
次は二本の指で丹念に押し揉み、時には揺らして解す

惑う声が。真っ赤に熟れた頬が
見悶えるそのさまが。君が快楽を感じているのだと
如実に表しているのにぞくぞくとした優越感を抱く

嗚   でも。な]

 駄目だよ、クガネ。

       もう逃がして、やれぬ。


[淡々と紡ぐ声。されどそれは普段よりも甘く
確かに慾を抱いて君の鼓膜に届いたか

一度出したというのに、回復の兆しを見せる
君の雄を掌で包み、竿を緩く擦り
丹念に、君が快楽しか感じなくなるまで
或いは。執拗に君に断続的に快感を与えて
一種の責め苦にもにた途切れない愛撫を君に施そう

君の入口も中も蕩け。
君が受け入れる準備が整うまで

       ――あとは、一押し

蕾が綻び、己を誘うかのように 指に絡むのを感じれば]

 ……どうしてほしい?これから。

[もっと気持ちよく、君の中を満たすもの

 欲しくは、ないか?

―――私ばかり求めるのを見せるのは、流石に恥ずかしく
相手から強請らせようとする、ズルい大人がここにいる*]

[ 貴方がオレのかわいい(?)姿に心揺さぶられてるのなら、
 己は貴方の「いけめん」な様相に心かき乱されるのだろう

 例えば、どんなに心で律していても
 オレを喰らおうと虎視眈々と慾滲ませた瞳
 貴方自身に見えずとも、それを真正面から受けてるオレは
 心臓が何個あっても足りたもんじゃない!

 ――ちょっとえっちな漫画を見ただけで
 気絶してしまうシロさんと、果たして同一人物なのか
]


[ でも、オレが勉強したとして上手い具合に誘えるようになるには、
 まだまだ時間と勇気が必要だ。

 一つ、酒みたいなので理性を飛ばせれば早いんだろうけどね。
 "キュクロプス"は酒には滅法弱いんだ
 シロさんは…どうなのだろう。
 ]

[ 一体どこのモノ好きが48もの手段を考えたのか……
 興味惹かれるのは事実である。ある、が
 「シロさん、死にたいのか…?」
と某駅弁に関しては
 全力で遠慮したかもしれない。

 誰だって、プライド持つ男なら「かわいい」に
 少しの抵抗あるのはおかしくない。
 ……でも、表面では混乱して否定しても
 心の奥底は、最愛の人に褒めてもらえたと歓喜で揺れる。
 意外とチョロいのは否定しないよ。

 ……そして加えるなら、オレはどんなシロさんも好きだ。
 だからこそ、逆転した立場に立った日には
 シロさんがオレを「かわいい」と評する謎も解けるかもしれぬ、とは。]

[
「そういうとこだぞシロさん!!!」



 そんな素のイケメンムーブをされた日には
 キスのち心からそう叫ぶだろう。何回惚れさせたら気が済むんだ! ]

[ 止められない嬌声を恥に思えど、
 今、魂分かつ最愛の人に暴かれてるのだと思うと
 ぶわりと心を興奮が支配して、おかしくなってしまう。

 前も、後ろも、同時に責められて
 頭がどうにかなりそうだ。
 ぽろりぽろりと多く水を零しながら
 それでもオレは――逃げられない ]


  やっ、みせんなっ!


[ 呼びかけに応じ、つい緩めた手の先に
 暗闇でもてかりと光るそれを見てしまえば
 ぶわわと顔を赤に染め上げ、再び視界を閉ざすだろう

 シロさんのいじわる!と威力無しの罵倒を心の中でしながら ]



  あ、ああぁっ……


[ 一度引き抜かれかけた時、反射的にその喪失を恐れた。
 追いすがるような吸い付きは、例え当人が無意識でも
 貴方には悟られてしまうだろう。

 数を増やされ、器用に掴まれてしまえば
 ますます乱れ――自分という枷が崩壊していく。

 最早理性の壁など意味すら為さず
 それでも最後の抵抗をしたのだ。 ]



  ―――っ


[ ――けど、それすらも
 貴方の"欲"に縫い留められるなら

 頭が溶ける。意識がどろどろと
 雄も、秘奥も、どちらも甘い飴しか与えてくれない。
 徐々に思考も落ち、飴(快楽)のことしか考えられなくなる。


 口だけは嬌声を続けながら
 片目はぼんやりと宙を見つめている。 ]



  ( あつい、ほしい…… )


[ 何を?  
――この上ない、最上の蜜を 
]



[ 熱浮かされた頭に、彼の問いが投げられる
 散々導き、溺れさせ、最後の最後に鞭を打つ

 嗚呼、ひどいひとだ
 ひどくて、つらくて、はずかしくて

 ―――それでも、口を閉ざせる訳がない 
]


  しろさんが、ほしい

  もう、何も考えられないくらいに、溺れたいんだ


[
だから、シロさんをくれよ


 とろけた瞳で、乞うような甘い響きで
 餌待つ鳥のように、慾は大きく口開く *]

[勇敢で、心優しい君の心をかき乱せていると知れたなら
それはどんな甘味よりも私の心を満たすであろうさ
仲間想いで、皆に愛される君が
ただ、私のことを考えて頬を染め上げ
体を火照らせ可愛い反応するのを見れば

自然、口角も上がるというもの

 —―勿論その表情は浮かべる私自身には見えない
 だからこそ、その表情が、君を射る眼差しが
 君の心を乱しているなどとは知らないのだ、けれど


 
ふぃくしょんだと客観的にみるから恥ずかしいんだよ!
 言わせるな、クガネ
]

[時間はいくらでも、あるのだろう?
なら君が可愛く誘ってくれる日を、何時か待つことにするさ

……酒はやめよう。私はあまり顔に出ない性質だが
多少(という名の面倒臭い)絡み酒になるので、
一緒に飲むのはあまりお勧めはしないぞ?]

[松葉崩しとかは中々に絶景な体位であるが
駅弁は……耐久Dだと厳しいかもしれない
だが、護国献身使えば(※ライダーの場合は筋力が上がる)
何とか行ける気がするのだがどうだろうか?
と、期待のまなざしを向けてみるがさてはて

男に矜持(ぷらいど)あるのは十分承知
――だが、腕の中で可愛く啼く姿を見て
でぇとの時の輝く笑顔を見て
囁きに恥じらう顔を見て。可愛いと言わずして何という
特に、ほめられるとうれしそうな顔をするのだから
いやよいやよも好きの内、であろう?

 可愛いよ、愛しい人

……きっとそれを正面から伝えられた日には
私が腰砕けになってしまいそうだな

逆転した立場に立って謎が解ける日が来るのかどうかは、
君の成長と勇気次第で、あろう。な]

[多く涙がこぼれてゆくのは
瞳からも、前からも―――後ろからも]


 まるで”人魚姫”とやらのようだな
 雫を流しすぎて、泡となって消えて、しまいそうだ。

 
 逃がさぬ、がね。


[一度閉じ込めた可愛い人
逃がしたくないという獣が舌なめずり

こうして時折不意打ち気味に見せる
初心な反応が、たまらない

だからこそつい、意地の悪いことをしてしまうだが
そんな私でも、好き、なのだろう?

なら。沢山可愛い所を見せてもらおうか
と、私が思うのも道理であろうて]

 まるで、指に縋るような声よな。
 気持ちよさそうで、何より、だ。


[お前が快楽に従順な姿を見るのが
こんなにも満たされるとばかりに、
喘ぐ様子に瞳の中の慾はちろ、ちろと焔の様に
燃えて、私を昂らせてゆく

最後の抵抗すら猫の甘噛みにも似て
ますます、嗜虐の心を煽るだけだというのに

天然の、誘い上手とはこのようなものか
などと思いながら

最後の一歩、転げ落ちるなら
自ら飛び込んでこいとばかりに


促しを、1つ]

[逃げ場をふさいで、彼の口から求めさせ
”ひどい大人”は、君の無垢を奪い去ろうとするのだ

もう真っ白には戻れない、戻さない
どうか私を、より強く求めてくれとばかりに
ずるい心が、君をより強く捕えようとして


強請る言葉を聞いた時


   心に飼った
が歓喜に、震えた]

 好い子だよ、クガネ。
 ほんに、よい子だ。


[私がけしかけたことではあるが
良い子は、ほめてやらねばと
指を引き抜きがてら、くぱりと内壁見える位に
蕩けた入り口を、開き確認する

熟れて。美味しそうで。これなら切れる心配もない
そう判断すれば、触れてもいないのに
ズボンの金具を外し、緩めた下履きの中から
兆しある自身を取り出して
2、3扱いて硬くさせたあと
君の片脚を抱え、その逞しい腿を私の上体に
押し付けられるほどに上げてしまえば
露になった秘所が触れた外気に、蠢くのが見える

所謂丸見え、というやつではあるが
この体位が一番楽だろう
流石に両方抱えるには私には筋力が足りないし
君も赤子のおむつ替えのようだと抵抗してしまうやもしれないから

入口に先端、押し付け
覆いかぶさるようにして、ゆっくりと
君の中を、暴いていこうか]

 —―  っ、は。

[丁寧に、時間をかけて沈ませる先端を
菊座はしっかり花弁を開き。迎え入れて吸い付いてくる
雁首も、肉筒をも飲み込んでゆくそれの締め付けは
きつい。ほぐしたつもりであったけれど
処女故、食いつき離さぬのが心地よい
貫く際に、止めていた息を吐きだせば
感じる吐精感を押しとどめる
(挿入だけでイってしまえば、早漏と君を揶揄もできなくなる)

涙で濡れる頬に、上体屈めて口づけて
触っていた雄を互いの腹に挟んで、擦って刺激する

推し進める腰が、君の肌に触れあう程になれば
其れで漸く、君も私の肉筒が
君の中に納まったのを知るのだろう

―――深く、深くつながって
このまま1つに溶け合えてしまえればよい

君が質量になれるまでは少しばかり、このままで]

[君の息が整うのを確認すれば
より強く腰を押し付け、彼の内壁を抉る
―――そして確認、するのだ]


 そろそろ、動いてよいか?*

 

[ ――早く、どうなれたらというのか。 >>$82

  まるで人のような姿をして苦しみながら、
  人を殺す怪物の領域へ誘う彼を嫌いに?

  それとも、この手で殺してやれるほど、
  自分を殺せる程に彼を特別に思えたら……?
  
  夜の城に送られた子供たちの様々な痕跡は、
  好いたか懐いたか彼の笑顔の記憶だったり
  決意の刃であったり、流れた涙の痕だったり ]
 

 

[ それぞれは小さな断片でしかなくて、
  ひとりきりで生きた己の想像しか及ばない。
  
  まあ、明るいものでないのは確かだろう。

  断片たちはみば涙に濡れた謝罪で終わり、
  死にたがりの怪物は未だ死を願っている以上は ]
 


   悪いことを聞いちゃった……?


[ ふふ、と息を抜くように笑う。
  子供の無邪気さが罅割れた、乾いた笑い。

  潤いなど知らないからこれが本来の笑いだった。
  だからごく自然に。
  双眸は相変わらずニクスを見たままで、
  指だけが鍵盤の上へ、ぽろぽろと高い音を響かせながら ]
 

 
   あなたはぼくが幼くて、
   誰かが愛してくれるかもしれない。
   諦めは早いよ心配してくれたでしょう……?

   ……でもね。
   それを知ることがあったらきっとここに居なかった。
   陽に弱くてろくに陽射しを歩けない、
   瞳はちぐはぐで、互いの視力もよくはない。

   抜け落ちた色の髪も陽の下じゃただの白髪で、
   要らないってずうっと言われ続けてここに送られて、
   ここがなくなったらどこにも行き場はないんだ。
 

 
[ 責める口調ではなく訥々と事実だけを重ねて、
  それこそ本心から不思議そうに。
  食事をとらずに顔色を悪くしていった彼が、>>$85
  人になりたかったらしき彼が、
  もし、今も……いまも、食べていないなら?

  ただの想像でしかない。
  この問いが彼の逆鱗に触れるのかもしれない。

  けれど、自分は彼の事が知りたかった。
  知りたいからこそ惨めな過去を伝えた上で言葉にし、
  それこそ“期待”するのならと、狡く ]
 

 
   そういう子供だから気にしなくていいんだよ。
   ニクスさまも、食事をとればいいんだ。

   それとも、あくまで人でありたい……?
   ぼくに、そういう貴方を殺させたい?


[ 日誌に綴られた彼女の想いをなぞるように。
  過去にはほんのりと漂うはずの血の匂いよりも濃く匂う、
  薔薇の香気を纏う彼の食事はどうしているのか。

  答えが想像できてしまうせいで、
  響かせたピアノの音まで物悲しく感じて苦笑し、
  だからといって疑問を飲み込んだりはせずに真っ直ぐに ]
 


  ……あなたのいちばんたいせつなものって、なに?


[ 己の過去にはなにもなかったからこそ。
  その疑問を彼へ、そっと、柔らかく投げかけた ]*
 

[ ――そうだ、確かにまだまだ時間はある
 この休暇も。休暇が終わった後も。
 オレとシロさんはずっと一緒に居れるんだ。

 だから、それまでに
 臆病な己にも勇気が湧いてくれたら、良いな


 ……成程。シロさんに酒を飲ますと
 鉄の精神が崩せそう、と。
 それを知ればオレはさぞやあくどい顔をするだろう
 (尚、一緒に呑む場合はオレが先にダウンするかもしれない)
]

[ そんなことでスキルというか魔力を使うんじゃあない!
 でも松葉崩しなどされた日には正常位よりも羞恥やら何やらで
 身も心も大変なことになりそうだ。

 ――そしてまァ、己の中の"好奇心"は健在
 知ってしまった蜜に酔ってしまったのなら、
 貴方の期待の眼差しに応えてしまう日も、いつか来るのだろう
 (でも駅弁とやらをするならやっぱり小さくなりたい…)

 ぐずぐずに溶けた顔や体も恥ずかしいとは思えど、
 貴方がそう言ってくれるなら、己はたちまち羞恥忘れて
 歓喜に打ち震えるのだろう。


 好きで、大好きで、愛してる ]



  なに、いってんだよ……っあ


[ 刹那の恋に身をゆだね、泡沫へと消えていった童話の姫
 オレはそこまで儚い存在ではないけれど、
 今、この身から溢れる"涙"は悲しさからではない。

 貴方に求められ、徹底的に甘やかされている。
 その"嬉しさ"からくるものなのだから ]


  (ああ、そうさ。どんなシロさんでもオレは好きなんだ)



[ だから、どんなに意地悪をされても
 オレはそれを嫌いになれない。
 寧ろ、癖にすらなりそうで。

 ――促し一つで呆気なく
 理性の壁は粉微塵へと消えていく]

[ どんなに慾溺れても、訓練された犬のように
 彼からの褒め言葉には反応してしまう。
 頬赤らめ、汗と涙にまみれた顔で
 その時ばかりは子どものように笑みを浮かべていた。か ]


  んっ


[ 穴から引き抜かれ、心に寂しさを感じる
 されど、響く金属音に次に何が起こるか分かれば
 心はたちまち期待に揺れ動くのだ

 そうして、足を抱え上げられ
 貴方に弱点晒すような姿をさせられれば
 羞恥は、一瞬

 ――秘所に口づける"それ"に、心臓が一際大きく撥ねた

 そして ]



  っ、ああっ、ああぁ……!


[ 快楽に揺蕩っていた頭を一気に揺り戻すかの如き衝撃
 それまでぼんやりしてた意識は響く痛みに覚醒し、
 ぎゅっと目を瞑ってその衝撃に耐えようとした。


 ――それでも、裂ける程の痛みではなく
 あくまで慣れないが故の、であったのは幸いだろう]



  はぁっ、はい…った?


[ やがて、一番きつい部分を超えれば後はゆるやかに
 熱棒は収められる。
 身を屈め、互いの雄同士を擦られれば
 零れるはずだった嬌声も、口づけに呑まれゆく。


 ――奇妙な感覚だった


 本当に入っているのか、と意識を腹に向ければ
 確かに感じる彼の形に、また思考が溶けていく。

 痛みと息を今しばらく収めれば
 ようやく、準備も整っただろう。


 ……そして、はしたなくも
 彼の熱を自覚してしまえば ]



  も、うごいていい、からっ……!


[ 早く溺れたいと、期待に突き動かされ
 オレは乞うてしまうんだ *]




 ( ――――調子が狂う、 )



[そもそもとして、先に崩れたのはどちらか?…うるさいな]



 『お前さんにはさあ、
  人情っつーもんがなんか足りねーんだよなァ……
  被告の未来少しでも考えたことあるか?

  勿論、冷静さは大事だよ。
  平然としてられるからこそ仕事が早くて、
  結果出世出来てる訳だがね』



[昨年の年末、慌ただしい師走の半ばのこと。
所長から突然のお呼び出しを食らい、直々に何を言われるのかと思えば開口一番これだった。

法に照らし合わせ判例を参考にして、妥当な判決を下しているつもりだと答えた。罪人に慈悲はない。
「何か問題が?」と尋ねると、所長は何か思案するように顎に手を添えた。]


 『ん〜……いや。何も。

  そういや面白い仕事があるんだが、
  手の空いてる奴が居なくてな。

  お前さん、やってみねえか?』


 



  仕事でしたら。
  僕で宜しければ、何なりと。


[よく確認もせず常の業務と変わらないものと思い込み、受けてしまったのが全ての発端だった。

渡された資料にレインボーポップ体で踊る、
』の文字。
随所に散りばめられたもちっとした狸のイラストは、マスコットキャラクターのつもりであるらしい。

面食らって思わず糸目が点になってしまったあの日を、僕は一生忘れないだろう。]

[何せ僕は、初めて彼が渋々声を掛けてきてくれた時、]


  お役目ご苦労ですね。
  店長の忠犬君。


[最初から喧嘩腰での挨拶をした。
一発殴られても何の文句も言えまい。

今は共通の笑い話である、懐かしい昔話だ。]*


  夢、か。
  様子を見るに悪夢じゃなくてよかった。
  どうせ夢を見るなら優しい夢がいいだろう?

[ 夢を見ることすら許されない環境  
 彼女から聞いていた村と
 彼から少しずつ明らかとされる村の様子では
 大きく異なっているように見えた ]

  君がまるでそうじゃないといった具合だ。

[ 誰かに想われた子供の証
 彼は違うというのだろうか ]

  君達は知り合いだったのか?
  あの子から聞いていた話と君から知った話、
  随分と違うような気がしてしまうけど……

[ 彼の態度は謙遜ではなく本音だろうか ]


  確かに君とあの子は違う存在だと思う。
  君は正しく月のようだよ。

  どちらも優しいことには変わりない。

[ 励ますような言葉を向けたのは何故だろう。
 落ち込んでいるように感じてしまった。
 負い目を得ているようにも思えたからだ。

 中途半端な微温湯を与えてどうするのだろう。
 彼の答えを耳にして落胆の色は隠せないが ]

  待つことには慣れてるんだ。
  大丈夫だよ。
  俺にはその可能性があるだけで随分……

[ 救われているから。

 人に殺される事で贖罪となるかだなんて
 男にとっても最早分からない。
 唯の自己満足に彼を付き合わせている。
 そんな自覚だってあった ]


  ……そうかい?

  こう見えても慣れているから、
  口にしたいものがあればいつでも願って。

  それから此処にある果物も食物も、
  君の好きに持っていっても構わないよ。

[ 日常を思わせる会話は眩しい程に人らしい対話であった ]


[ そう、人に憧れた化物がかつて望み、興じたやりとりだ ]


[ だが、続く彼の言葉は、
 化物を化物として突き落とす尤も簡単な台詞だった ]

  ……そうだね。摂らなくてはならない。
  君が来る前に訪れた少女からも
  随分と得ていなかったから。

  俺は薔薇の精気だけで生きられる程
  人のように愛を知った生き物ではないから。

[ 冗談、だったのか、どうか
 砂の城のように溢れる音色に儚さを感じ
 自然に笑う少年に何とも言えない顔をする。
 泣くのを我慢する子供とよく似た表情だった ]


[ その表情は彼の境遇を知り、
 より深く眉を下げさせる一因となった。

 彼は、要らない子として訪れたのだという。
 淡々と述べられる言葉に男は唇を引き結び
 事実だとばかりに言い切れた彼の過去に憐憫を感じた。

 だからとても、気にしないなんて、
 この男には出来なかったのだ

 彼は確かに彼女と違う。
 彼女は運命に翻弄されたが神に愛されていた。
 その彼女の息の根を手折ったのは他ならぬ怪物だ。
 彼女に何の罪もなかったのだ ]


[ しかし彼にも何の罪もない。
 眸の色や髪の色が物珍しい。

 ただそれだけで過酷な日々を送ってきたのだろう。
 それこそ男が目を背けたくなる事も
 彼が息をする為には必要だったのかもしれない。

 だが、それだから良いと言い切れないのは何故か ]

  そんなもの、答えでも何でもない。
  この世に生まれて不要な命など、ない。

  ……俺、は。

[ 答えられない。
 顔を背けて目を閉じて口を噤もうとした。

 しかし、それよりも早く彼が問うた ]


  大切、大切な、もの?
  セレン。
  そんなもの、怪物には……。

[ ないんだろうか。

 今も尚たった一人の少女の死を引き摺り
 彼女と同じ名を持つ少年に運命を押し付け
 彼の境遇を知って尚、死にたい想いに囚われている。

 そんな身勝手な男にとっての大切なもの。

 男は、何故、人の真似事をしたのだろう。
 考えて、考えて、考えて、
 それから困ったように笑ってしまった。

 自身のどうしようもなさに胸が焦げ焼けてしまいそうだった。
 いいや、灼かれてしまえばよかったのだ ]


  同じに、なりたかったんだよ。

[ ぽつりと、独白めいた呟き。
 まるで懺悔室で囁くように男は指同士を絡めた ]

  君達と同じように、人のように。
  
[ 視線は落ちる。水の底に沈むように ]


  …………生きたかった、のだろうね。

  私は私の中の化物を殺して、それから
  ……きっと、同じになって死んで、
  そばに、いたかったんだ。

[ 自嘲気味に笑う男は彼にどう映るのだろう。
 どうしようもない顔をしている。
 だから男は自分の表情を隠すように
 また一つ、一つ、笑みを浮かべた ]**

 
   貴方は、悪夢でも見た?
   

[ 何気ない日常を綴るのと同じに、
  擽るような呼気の混じる声音を鈴のように響かせて。
  慰めを感じて目許を緩めて見せはしたものの、
  唇が綴る言葉が的を射抜いているなどは気付かずに。

  うん、と肯く稚い仕草。
  揺れる髪をさらさらと肩から落として、
  問いのどれに対する仕草かは言葉で静かに継いでいく ]
 

 
   そーだね、多分、違うんだと思う。

   あのこは誰かに愛される素質も、資格もあって、
   ぼくはなにも無かったんだ、そういう違い。
  
   同じ場所にいても違うなんて不思議だよね、世界って。


[ 慣れていることだ、これも。
  故に憐憫を誘おうとしているわけでも何でもなく、
  ただ事実だけを伝えているに過ぎない淡々とした口調で。

  穏やかな笑いは崩れることなく、
  子供らしからぬ諦めを宿し、笑顔は保たれたまま ]
 

 
   どれくらい待ったのかな?

   ……なんて、そんなことも知らないのに、
   貴方にもう少し待って欲しいって。

   自分勝手にも言えちゃうんだ、ぼくは。
   ニクスさまが辛そうなのが凄くわかるのにね?


[ 月のようだなんて綺麗な言葉に、
  滲んだのは自己否定の言葉の羅列ではあった。

  物心というものを知った頃から奴隷で、
  否定され続け、やがて憶えて深く沁み込んだ記憶。
  だからこそ睫を震わせただけで流して、
  双眸を細めて言葉を受け取ったことだけを知らせつつ。

  寂しそうな夜の怪物に己の醜悪さを伝えて、
  日誌に残されていた少女の優しさと重ねる違和感を誘う ]

 

 
   ぼくを飲んでいいんだよニクスさま。

   貴方がぼくに殺されることを望んでるなら、
   吸いつくして殺しちゃうなんて間違いはしないでしょう?


[ そうして、応えるように林檎をひと齧り。

  蜜の入った酸っぱい甘さに目を細め、
  子供らしく意識を散逸させた食事の仕草を模して。
 
  ほら、美味しいと、双眸を細めて訴える。

  己の感覚であっても飢えの痛みを知るからこそ、
  何より、日誌に綴られた切実を知ったからこそ。 ]
 


[ あのこの代わりには、きっとなれないけれど ]
 

   
[ 不要とされたから売られて、
  都合がいいから生贄に選ばれて。

  ここにいる子供の前で綴られる言葉は、
  どれも優しい残酷さに満ちてはいるけれど。

  彼がそれを否定するならそう受け止めるしかない。
  己も不要ではないなら何のためにあるのか、
  不器用でも導き出した答えを囁いて、誘って。

  不要ではなかった子供だというのなら。
  未だ殺せない手のかかる子供に価値があるのなら。

  ピアノの椅子に並んで座る喉は白く、無防備に ]
 

 
   怪物とか、人間とか、関係ないよ。
   

[ 彼が手を伸ばせば直ぐに届く距離のまま、
  零れた独白に共鳴させる音は、細やかな響き。

  邪魔をしてはならないと身に染みている。
  彼の心の内から滲む色合いは複雑で、
  だからこそ添えた言葉は肯定のような否定で。

  彼がなんであってもいいのに。
  ここに来た子にとってはたったそれだけの話なのに。

  そんな風に思うも彼が割り切れないことも、
  抱えた感情の重みは彼しか知らないのも理解して ]

 


 
[ 笑顔の仮面に何を隠しているのかは、未だ。>>$104
  手を伸ばせば届く距離だからこそ、
  想像でしか埋め得ない感情の行方を探るように ]


   ……ぼく、頑張るから。

 
[ 指を伸ばして撫でるように触れたのは歪に笑う頬へ。
  過去の記憶を振り返ってもたったひとつだけ、
  己が唯一知る他人からの優しい仕草を写して返す。>0:216

  彼はきっと意識していなかっただろうけれど、
  己が人に優しく触れられた経験は、これしかなくて ]
 


[ 人のようになりたい怪物を――
  人を殺していないから怪物とは違うと諭す彼を、
  殺せば己は何になるのだろうかと考えながら。

  その思考の意味のなさに、すぐに気付いて散らす。
  夜にしか生きられない月の子供は、
  夜を失えば消えるしかないのだから答えは自明だ。
 
  だからあとは死なない為に生きて来た己を殺し、
  たいせつなものに縛られた夜を、
  眩い陽へ還すための感情を産む時間を作るだけ ]

 

  
[ 解放が、赦しが、殺すことなら。
  そうしてもいいと想う感情とはなんだろう。

  何もなかった己が抱いた疑問の答えこそが、
  きっと、己のたいせつなものなのだろうと考えながら ]
 


   あなたが何であっても殺せるように……
   皆みたいに、思い止まらないよう頑張るからさ。


[ だから大丈夫と囁いて仄かに笑いながら。

  何が大丈夫かを――その解釈を夜に託して、
  大切なものを知らない子供らしく無邪気を装う。

  そうすることくらいしか己にはできないのだから ]**
 

[可愛い、いとおしい
――告げるのはなんとも気恥ずかしいが
それでも君の笑顔を見れるなら
閨の時くらいは、すとれぇとに言っても
良いのではないか、と思う

視線が交わる。潤んで蕩けた君に
私は、慾を抑えきれそうにない]

[破瓜の悲鳴に一瞬、躊躇う
その切っ先をうずめてよいか?
―――いたがりはしないか?ほぐしたのだ
大丈夫とは、思うがと

だが、目を瞑る彼の様子に惑う心を押さえつけ
中途半端よりも、全て納めた方がなじみやすかろう、と

それを止めることは、しなかった]

 入ったよ。大丈夫。
 —―ほら、わかるだろう?


[君の中を貫くものが、腹の中に確かにあるよと
身を屈めれば自然、形がダイレクトに
君にも伝わっただろうさ

なじむまでの時間、意識を飛ばすは自分を包む感覚だ

挿入した雄に絡みつく内壁は甘く吸い付くき
きつい締め付けをもたらして
初めてでこれほどまでに、己を受け入れてくれるのだから
回数を重ねればどれ程喜ばせてくれるのか

初々しい反応も、焦れるといった様子も
堪らなく可愛らしく、己には映った

新雪を踏み荒らす、或いは白のカンバスを私の色で穢す
その様な背徳感と興奮が背筋から昇るようだ

匂いたつ、君の色香に無意識、舌なめずりをして
隠していた獣が、鎌首を擡げた]

[優しく蕩けるように抱くのも、忍耐が必要だ
がっつきたい思いは、初めての彼にはこれ以上の負荷となろう
今日は、慣れてもらおうか。と
ゆっくりと律動を開始する

軋むベッドのスプリングの音
こういった交わりを行うのは畳の上の敷布団が
一般的だった影法師の前、生前の江戸末期
ぎしり、という音とともに君の体が動く
君が突かれるたびに歪むシーツが、まるで波のようで
少しばかり口元が、上がった

奥まで挿入したものを、ゆっくりと引き抜き
先ほど見つけた良い部分を雁でこすってまた、奥へと押し込み
その際に聞こえる肌が触れ合う音と、彼の嬌声
もっと聞きたくて、緩く腰を振れば
かき回される水音が、響いた


自分が快楽を与えるはずが
与えられているのは自分なのだと
自覚するのは、君の艶姿に興奮し火照る体を、自覚したから

汗で張り付くカッターシャツ
ぽたり、と顎から零れる一滴の汗
君の晒された肌は色づいて、籠った熱を想像させる

触れれば溶け合えてしまわぬだろうか、などと思いながら
痴態に煽られ、生み出される熱が、止まらない]

 ふ、ふ。なんとも、可愛いな。


[小さく、笑って
彼の腿をつかみながら、腰を打ち付けるは幾度になるか
合間に腰を引きつつ、また切っ先を押し込んで、と

その際に君の様子を確認するのは忘れない
―――何せ気持ちよくなってもらうのが、目的故に*]

[ 己を可愛いと称された当初は恥ずかしく、何でだろうと思ってすらいた。

それも重ねるように愛を囁かれ、徹底的に甘やかされもすれば、
段々と脳が馬鹿になってしまう。


……今では不思議と、その愛の囁きを照れることなく受け取れる。


全てが終わり魔法が解ければ、寧ろ前より照れてしまうかもしれない。

でも、今だけはーー愛しい貴方のくれる甘い蜜に、溺れていたい]

[痛みに極端な反応を示せば、優しい彼はまた躊躇してしまう。
それは嫌だ。ここで終わらせるなど、
自分も彼も幸せな結果にはなるまい。


だから、悲鳴を必死に押さえつけ、全てを収めた時には
言葉で言い表せぬほどの充足感を得られたほどだった。

己の中の有様が、初めてにしては少々特殊だとは知らない。
知ってしまえば恥ずかしさのあまり自分を律する方に動いてしまうだろう。

しかし、この焼け尽くすような熱き愛を覚えてしまった今ーー
その我慢とやらは果たして続くのかどうか


目の前の獣の色香漂わす男はまだ本性を表していない。
…その事実も知らぬ己は、まだまだ無垢だ]

[ そうして、柔らかな地を揺らし始まる律動は
瞬く間に思考を蜜の海へと溶かしてゆく]


あっ、ひぁっ、やっ、んんっ……


[彼が最大限配慮してくれた優しい交わりに、
初心な己はなす術なく、甘き声を上げ身を委ねるのみ。

下から聞こえる水の音が嬌声と吐息に混じってやけにはっきりと響き渡る。
腰に甘く染み渡る痺れが癖になる程心地良くて、
なるほどこれは毒でもあると、
ぼんやりした頭で一瞬思いもしたか


……何より、目の前で汗を滴らせ
その白いシャツを濡らしながら、己を喰らう彼の顔が
余りにも真摯で、それでいながら普段は見れない
獰猛さも見え隠れして


ーーその格好良さに、ますます落ちてしまいそうだ
]




んあっ、あっ、しろさっ、キスして……っ



[制御できない口は慾をボロボロ零し、そんな願いを口にする。
すっかり蕩けきった白の色は、貴方だけに彩られている
**]

[君の魅力を囁く当初の、惑う様子も
それに慣れ、受け入れる時の君の
伝える想いに慣れてくれた姿を見るのも
同じくらいに、愛しく思うのだ

西洋の御伽草子のしんでれら、は
0時の鐘が鳴った時に魔法が解けたというけれど
君に恋し、可愛いと思う魔法は永遠に解けぬものなのだろう

自らの愛を注ぐ海で溺れさせたい、私が
つかんだ君の手、離せはしないのと同じこと]

[自分が経験したことはないが
受け入れる方の負荷が高いことは知っていたから慎重に
君がなるべく痛がらぬようにとしたのと
君が耐えたことにより、男相手は初めて同士、ではあるが
1つになれたことが、堪らなく嬉しい


ところで、もっと。初めての子は痛がると小説には書いてあるが
あまり苦しむ様子はないのを確認し、少しだけ思案する

―――つまりはクガネに素質があるというやつなのだろうか

それは良いことだ、と。志士はポジティブに考える
痛がるより、気持ちよくなってもらう方がずっといい
どろどろに煮詰まった獣慾を。溢れんばかりの愛情を
君に注いで、触れた個所から想いが伝わってしまえばよい

そんな男心を隠して、気遣うように君に触れ
内壁に亀頭を擦りつけつつ、ゆるく抽挿を開始する

自分が揺さぶるたびに甘く啼く君
それがまた、己の中の慾を連れてくる呼び水となる

腰が疼く。もっと食らってしまいたい
でも、これからを考えれば
君が慣れるまでは。甘い蜜の中に浸らせてしまいたい

触れるだけで満足だったはずなのに
満たされれば次を、渇望してしまう
人とは。否己とはなんと欲深いのだ]

[声に導かれるように、交わった視線に強請られるように
君の唇に噛みつけば、僅かに
先ほど飲み込んだ精の味も移してしまったやもしれないが

その魅力的な、誘う唇が悪いということで
許しては、呉れまいか

一度、君に達してもらおうと
先端が遠慮なく前立腺を突く]


 —― クガネ。今のお前はほんに、綺麗じゃの。


[ぽつ、と零れる長州弁で
自身にもあまり余裕がないのは知られたかもしれないが

今なら素直に、想いを吐露できそうだ
愛しい君と1つになれて。いまとても、幸せなのだ、と
*]


[ 悪夢への問いに対しては
 忘れたよと嘘ばかりを重ねる。
 少年の諦観に男はいよいよ同情したが、
 それをどうしてやればいいか分からず ]

  これまでとこれからは違うだろう。

[ 彼にとって慰めとなるのかならぬのか
 分からない台詞を口にした。

 先程から彼は彼女と比較するような物言いばかり ]

  誰だって自分勝手だ。
  だから君が選んだ答えが未来を閉ざすものではない限り、
  俺に君を責める権利はないよ。

  気にかけてくれるのは嬉しいけどね。

[ 彼の言葉を知らぬふりする。
 しかし隣に腰掛ける彼の白い首筋に
 こくりと喉奥が嚥下させてしまった ]


  君の言う通りだよ。
  あの子にだって言われたんだ。
  何であっても構わないって。
 
  だからこれは俺のエゴなんだろう。

[ 人であり続けたいなんて、
 別に誰にもそうであれと願われた訳でもない。

 ただ、木漏れ日の元に生きることを許された人間に
 この男が情景を抱いてしまっていただけだ ]


  セレン。
  俺は君を生贄にしたくない。

[ 頑張ると告げた彼に対して
 この言葉はどのように響くのだろう。

 彼の胸中を知れたのなら
 何か変わったのだろうか、どうだろうか。
 献身的な少年の指に双眸を眇めた ]

  君の前でも人でありたいの望むのは、
  強欲なんだろうか、傲慢なんだろうか。
  それとも怠惰なんだろうか。

  愚かである事に変わりはないんだろう。

  今までだって、二度過ちは繰り返さないと
  食事をする事だってあったのだから
  今更なんだ。そんな事は、分かっている。
  自分が飢えてしまえばどうなるかも、痛い程。

[ 淡々と落ちる声は小さく、
 困ったように笑みは消えないまま ]


  セレン。
  どうすれば正解なのだろうね。

  ……困った事に、いつだって、渇いてる。
  喉が張り付く程に。

  それでもそれよりも心が痛いんだ。

[ 心などないはずの化物だと自負しながら囁いて。
 白い柔肌から視線を逸らすように白鍵を見つめた ]**

 
   けんり……


[ 陽は沈み夜気の冷たさが焼けた肌に触れる中、
  交わす言葉の重みに震えるように、意味を探る。
  
  彼の言葉は不思議な響きがあった。

  生贄には未来など最初からなかっただけの話で、
  その生贄に彼の永遠の幕を引けと願う傍ら、
  己が未来を諦めればそれを責める権利があると云う。

  これは優しさなのだろうかと首を傾げた。
  彼は世界からいなくなるのだから、
  残った子供の行く末など気にしても仕方がないのに ]
 

 
   難しい、な……権利……。
   ぼくは貴方に責められちゃう……?


[ けれど、だからといって。
  これまでがそうだからこれからは違う筈だと、
  夢を語る彼を否定までは出来ずに眉尻を下げる。

  その心こそが人間らしく眩く、遠くて。

  人らしく生きようとする夜の中には、
  陽のように輝く月が浮かんで彼を照らしているのだと――

  そう理解できてしまう彼から滲む寂寥もまた、
  仄かではあれど勇気の欠片として己の胸に宿るから ]
 

 
   でも、そうだね。
   だってぼくにそんなことを言う人なんて、
   初めて会ったから――もしかしたら、違うのかも。


[ だから、鎖された未来を懇々と語ることはせずに、
  この諦観が瞳に宿ることはあっても声音は努めて明るく。

  生贄にしたくないと拒む彼に、
  ただ壊れそうな笑みを浮かべる事しかできない。
 
  そんな、儚い努力ではあったけれど ]
 
 

 
   強欲でも傲慢でも怠惰でもなんでも。
   貴方があなたであることに変わりないし、
   ぼくはそんなニクスさまが嫌じゃない。
   
   今まで見てきた人間たちと同じだ。
   たいせつなものがあって添って生きてる。
   だから愚かだとは……思わないかな。

   ちょっとだけお腹が空く貴方を前にしたら、
   ぼくが……そう、
ぼくが
、悲しいだけ。


[ 生贄を生贄として扱わないのなら己の価値は。
  彼の幕を引くための従者か、或いはただの子供か。

  それを尋ねてもいいのだろうか。
  また、この手を払われたように、
  問いをはぐらかされ、流されたなら……?

  己ひとりでは怖くて出せない答えだった。
  自分が何なのかを理解できないままに育った子供は、
  曖昧な笑いを浮かべるしかできなくて俯き、
  髪でそれを隠す狡さを以て壊れそうな何かを自衛する ]
  

 
   ニクスさまは、
   正解をたぶん知ってるんじゃないかな。


[ けれど小さな響きに自然と手は伸び、
  無意識に彼の背中を撫でて柔らかく叩いて見せて。
  
  喉を震わせ紡ぐ言葉まで漣とならないよう苦心し、
  大切なものを既に抱く彼へ柔らかな囁きを返す 
 

  
   あなたなかの化け物は、ぼくが殺してあげるから。
   心配しなくてもいいよ……いいんだ。

   ニクスさまが飢えで苦しむことなんて、
   “誰も”望んでいなかった……そうでしょう?


[ 嘘は、言わない。
  裏切りもしない。

  ただ誓うようにして綴る言葉が、
  己を罅割れさせて乾いた声音に変え大人びさせて。

  彼の優しさを利用するようなものだろうか。
  飢える苦しみを知っている。
  けれど、彼の痛みだけは想像にすぎないからこそ、
  彼を良く知るだろうし彼もよく知るセレスを匂わせる。

  あの子は彼の怪物を赦していたのだろうから ]
 


  ……我慢できなくなる前に、言ってね。
  

[ 選んだ言葉はごく軽く未来の約束に繋げるもの。
  曖昧に濁されても心が痛まない自衛手段でもあるけれど、
  彼にとってもこの話題を先に延ばせるのは良いことだろう。

  急ぐ気はなかったのだから。
  だから、今は、話題を柔らかく変えて ]
 


   ぼく、ニクスさまに聞いてばっかりだね。
   貴方が知りたいことって、ある?


[ 自分のことを知りたがるものなど居なかったけれど、
  他に話題にできるようなものは彼を傷付けるだろうから。

  己には何もないと認識する痛みを無視して問いかけた ]**
 

[八つ当たりに近いものをぶつけようとして止めた
別段ここが店の中だからとかじゃあない。

でも、そろそろ外の空気が吸いたくなってきた。
……何となく店に入ってから様子がおかしい。]

[ このような甘き熱帯びた一時の中、貴方がその身全てで愛を囁き、己の全てを包み込んでくれる。

生前掴み得なかった愛する人からの"愛"は
どのような魔術や魔法にも勝るほど、オレを虜にしてしまうんだ。

愛に溺れ、馬鹿になってしまっても
貴方がこの手を絶対離さないと信じているよ]



[もう貴方無しでは、この海は泳げない]

[ 漏れ出る声はすっかり桃色に色付いてしまっている。
シロさんの紳士的な献身が功を奏したと言っても良いくらいだろう。
少なくとも、この交わりが互いの新たな心的外傷にはならなかったのは幸運だ。

……しかし、しかしだ。
素質があるというと喜ばしくはあるのだが、
己の乱れ様は誠実な日本人からしたら忌避物ではなかろうか、と。
この後理性取り戻すなら、そう諦め悪く
悩む時も来るのかもしれない。



ーー実の所、その捉え方はちょっとズレている

自分の出自由来も多少はあるかもだが、
それでもこうして初めてでも溺れられるのは]


(……他でもない、貴方が導いてくれるからだ)



[奥深くに挿れられ、その雄が敏感な場所を掠める度に、声はより蕩けてゆく。
愛する者からの愛だからこそ、より深い快楽を得られるのだと。
そう気づくのはまだ先の話だ]

[より甘い蜜を求め、乞うた唇に彼は答えてくれる。
塞がれ、交わる唾液にほんの少しの苦味を感じれば、
されどその正体には気づかぬまま。
口付けの甘さにますます溺れてゆく。

だから、その時の己は一種無防備であった]


ーーーー
っ!?



[耳元で囁かれる、何にも隠されない直球の愛の言葉
意味を理解した瞬間、目は見開かれ頬はより赤く染められて。
それだけでなく、まるで反応するかのように、
己の秘奥がきゅぅと締まった。

嗚呼、ダメだ。
もう無理だ。愛が溢れてしまう。
全てわからぬほど、馬鹿になってしまう


言葉だけでも反応してしまうのに
それを狙い澄ましたかのような一槍を打たれてしまえばーー
一気に ]




ひっあっ、あああぁぁぁーーー!!!




[ 身体仰け反らせ、絶頂を迎える。
視界が白に明滅し、何も見えない。
腹に飛び散る白濁の感覚すらやけに過敏に感じられて。


愛の言葉囁かれ、後ろだけでイッてしまうなんて
想像以上にオレはもう色々とダメらしい
*]

[虜になったのは君だけではない
私もまた、痴態見せる君の虜だ

馬鹿になるとしたなら互いにか
だがそれも、悪くはなかろう?]

 ―― 好い声だ。

[何度も、そう思う
淡く、惑うた声もいい
色に染まり、慾を孕んだ声もいい
私から与えられる快楽に、乱れる声もいい

お前のものならどれも、美しい

いいことを教えてやろう。恋人が乱れる様が嫌いな男はいない
日本に、何故妓楼があったと思う?
彼らがマグロなわけも、あるまいて
誠実で、奥ゆかしいといえど
閨の中は話は別というやつなのだ

―――悩むなら、お喋り鴉を殺して
ゆっくり朝寝の合間に話でもしようか?などと
君の考えが読めたら。もしくは零れ落ちたのを拾えば
そう提案する日も来るかもしれないが

なぁ、クガネ。私は
どうしようか。何度も君のためならと命を懸けたが
今度は置いて逝きたくなくなってしまう。
一度、君を知ってしまって。繋がって

君とともに居たくて―――――君のために死ねなくなる。

そうなりそうで 怖いよ]

(自分に自信がない私は、君が乱れる様を見て
 君はこんなにも名器だというのに
 百戦錬磨ではないのが申し訳ないとこっそり思う

 今度男色跋扈してた戦国時代出身の今川に
 色々話でも伺おう、とかこっそり決意する私は
 いまだに、君がこのように敏感な理由を知らないのだ)

[口づけとはこのように心躍るものだったか
もっと、したいと願うものであったか
白粉も、紅の香もしないのに
寧ろ私が、精を飲んだことで苦みすらあるはずなのに

今はひたすら、甘く感じるのだから

それをごまかすかのように
或いは、その甘さに背を押されるように
常は言えない。君への愛の囁きよ
本当はいつも、思っている

優しい人、強い人。愛しい君よ
誰よりも好きだよ、何よりも愛しいよ
染まる頬も、目の前で恥じらうように
或いは反応するかのように締まる正直な体も
何もかもが、私を虜にするよ

だから、最後に一挿し、してしまったのは
この犯されて尚、愛らしく無垢な君に自身を
刻み込みたいからに他ならなかったのやも、しれない]

[絶頂を迎えた時の君の高く、蕩けた声と締め付け
飛び散る白は、君の腹だけではなく私のシャツにも飛び散る


小さく、息を押し殺す
そうでなければ君の中で果ててしまう
それでは


あれだ。確か中にぶちまければ、
腹を下して、しまうというから
(このあたりは小説で読んだ。最近の小説は過激だ)

彼が絶頂を迎えた後
体が弛緩するのを確認すれば、ずるりと引き抜こうとする
その際に疑問を抱かれたらそう、説明するだろうが

私は確信する。
君には才能がある、間違いない。
……今迄悪い輩に襲われなくてよかったと、心底思うのだ*]



  やっ、ちがっ―――


[ 好い声、などと言われれば
 忘れていた羞恥を僅かに思い出し、いやいやと首を振る。
 それすら煽る燃料でしかないと主観では気づくこともできない。

 実際、何の反応もしないマグロなるものと比べれば
 己の在り方は恋人としては合格点だろう。

 好きな者の痴態を好むは万国共通
 しかして、己が所謂"びっち"なるものなのかと
 余計な知識をつけてつい零す日が来るのなら
 烏さん絶滅からの朝までお話コースかもしれない。

 ――それにしても、貴方がオレを想う余り
 命投げ捨ててしまうことを如何せんと思っていたが。
 まさか、こんな形で解決の糸口が見つかるなんて ]

[ どうか、貴方も愛に溺れてほしい
 互いに馬鹿で良いなら――別に構わないだろう? ]

[ それについては別にシロさんだったら
 練習などしなくてもオレの痴態をどんどん晒してしまうだろう。
 でも、男のプライドについては理解できるので
 それを止めることは、ない

 ――まさかオレとの性事情まで
 今川さんに言ったりしないよね?ね? ]

[ 普通の口づけすら、より己を高める興奮剤なり得るのに
 その先の、もっと深く長いものまでされた日には
 一体どうなってしまうのか。少なくとも、己はまだ知らない

 でも、今はこのくらいで良い
 この理性崩されながら壊れる一線までは行かないような
 丁度良い塩梅こそが"初夜"として良いのだろう


 だから、虜になったまま
 もっともっと、幾夜を共にさせてくれ。愛しき人

 オレがオレ自身ですら愛せるようになる、そんな日が来るように
 そして、貴方が自分の魂を愛の一つとして大切にできるように
 ]



  はぁ、あっ……


[ 大きく息整え、絶頂の余韻に酔いしれる
 これは劇毒だ。癖になってしまいそうなほど
 オレを魅了させる甘やかな海だった。

 ……と、その時だったか

 己の中からずるずると杭引き抜かれる感覚がする
 それを認めた瞬間、反射的に失いたくないと
 後ろが吸い付くように力籠った ]



  しろさん、なんで……?


[ 彼には気持ちよくなってほしい
 でも、彼が言うには中に出してしまうと
 腹をくだしてしまう?とのことで

 ――しかし、己はどうも実感が持てない

 己はサーヴァントの類だし身体も丈夫な方だ
 それなら腹を下す前に掻き出せば良いではないか。
 だから、シロさんが出したいなら出してくれても良いのに、と。]

[ ……己は知らない。
 仮に中に出して掻き出すとして、その際に頼る先は
 シロさんなんだぞと。羞恥プレイまっしぐらだぞ、と。

 本当にシロさんの配慮には頭が上がらない。
 オレは巨体だから小説によくある事後気絶した恋人を運んで…みたいなことは
 どうやってもかなり難しいから
 (しかし、そうなるとますます身長を縮ぢませたくなるあれそれ)]

[ いずれにせよ、彼が根気強く説得してくれれば
 しぶしぶといった形で緩めるかもしれぬ、が ]


  ――次は、ちゃんとシロさんも一緒にイってくれる、か?


[ 諦め悪く、そう不安げに問うたのは許してほしい *]

[無意識に、定期的に君の羞恥を煽ってしまう私は
首振る際に、シーツに広がる赤に見惚れる
戦いになれば勇猛になる姿と
今の、白の海に溺れながら恥じらう姿
どちらも君で、どちらも私の心を捉え離さない

尚、びっち―――日本語的に言えば婀娜のような
心配を抱くのであるならば
それを聞いた日には鳥さんも絶滅、
お昼過ぎまで滾々とお話しするこぉすになることは
想像だに難くないわけで

今迄何度言われても治らなかった悪癖ともいえる
自己犠牲の献身が、揺らぎそうな事態
まさかのことに実は混乱しかけているのは
君に知られることがなければよい

何時かほろりと寝物語に漏らすかもしれないが
その時の君は一体どんな顔するのだろう]

(嗚、もうとっくの昔に。君への情で
 溺れた私はすでに阿呆だよ、きっとな)

[自分が相手に与える影響というのは
実は全く分からない私だ
だからこそ命すてがまれるわけなのだが

……ん?
包み隠さずいうつもりだが

どうしたのだ、当たり前だろうクガネ(まがお)]

[初めて同士だ。幾夜もこれから重ねていく中でなら
これくらいが丁度よいのだろう、互いに

理性も何もかもはぎ取って
獣のように交わる日だって

海に抱かれるように
穏やかに互い溶け合う時だって
きっといつかやってくる

そんな予感とともに、君と褥を共にする

何時か君が、君自身を愛する時が来たのなら
その時私は、傍にいたいのだ
]

 (いわゆる絶景という、やつか)

[君が絶頂する様を、弛緩する姿を
目に収めれば多幸感に胸が満たされる

少なくとも苦しんだ様子はない
と、いうことにほっとしつつ
引き抜こうとしたとき

――事件は、発生した

油断したところに急なそれは、耐久力を大いに削るぞ
つまりとても気持ちいい。思わず暴発しそうになるほどに]

 馬鹿、クガネ、今締めては……っ

[唇をかんでなんとか耐える。
”ごむ”とやらを買ってこなかったのは失策だ。
それがあれば幾らでも君の中を満たせたのに
アンネあたりからエチケットよ先生!とか
お説教を食らいそうである

ということで、何とか彼の中から引き抜こうとするが――

何故、そのような切ない声で言うかなお前は……
後の君の、苦しさとか羞恥とか度外視で
ぶちまけたくなるではないか。雄を煽るでないよ]

 よいか、クガネ。
 君の中から。掻き出すのは、私だぞ。
 今の君はその場から、動けるのか?
 姫抱きはスキルを使っても流石に無理なので、
 風呂まで背負って、行くことになるが。
 その振動に耐えられるか?

 その後、しゃわぁの湯で、君の尻の穴の中を
 洗浄するのは、私だが
 それが難しいなら、君が自分の手で中を掻き出すことになる
 更に処理を終えた君を、褥まで私が運ぶことになるが

 耐えられるか?

[恥ずかしがり屋の君に]

 —― それでもよければ、
 私としては染め上げたいがな。

[不安げに問われるからこそ、
その悲しそうな顔を。諦め悪く告げる言葉を聞いて

本当にそれでも良いのなら。
このまま果てても良いのだがと、ゆだねる選択肢
ああ、知ってる。私はいつも君には甘い

どちらがいいかと、最終確認
――しつつ、正直かなり限界が近いので
早めに決めてほしいものである。と思う、私だった*]

[ 彼が所謂"ギャップ萌え"なるものに心乱されてるとは
 まさか夢にも思うまい。
 本当に、此処まで乱した責任を取ってほしいものだ

 ――何時か、その本心を聞けることがあるのなら
 その時こそ己は、悲願成就を一つ達成したと
 破顔し、或いは少し、嬉し泣きもするかもしれない ]



[ ……尚、機密漏洩されたと知った日には
 おうち(座)に帰らせて頂くコースもあり得るのだが、
 果たして彼は分かっているのだろうか?? ]

[ 頂き至った己は、全身を脱力し
 その顔は汗やら涙に塗れ、さぞや扇情的だったのだろう。
 客観的に見ることがあれば、それこそ生きていけない。
 だから、やっぱり貴方以外には見られたくはないな。と

 ――それはそれとして
 いきなり締めてしまったのは許してほしい
 事故だ事故。大事故にならなくて幸いではあるが


 その締めたことで感じた熱い杭の感触に
 「んっ」と感じ入ってしまったのも、ついでに事故として欲しく。]

[ 世の中では"せーふてぃせっくす"が声高に叫ばれている
 己らの身体がサーヴァントであっても、それは同じだろう。
 さりとて快楽に弱い巨人さんは、諦め悪い表情もしていた。

 ――していたが
 流石に懇切丁寧に中出しの危険性を説かれれば
 顔が赤くなったり青くなったりしながらも
 納得せざるを得ないのだ]


  ……むりです


[ シロさんの羞恥を煽る攻撃!こうかはばつぐんだ!]



  う、わかったよ。今回は、それで良い

  ……なら、せめてオレに何かできないか?


[ それでも、彼だけ自慰で果てるようなことは
 やっぱり恋人として認められない。

 中出しはシロさんに迷惑をかけるからあきらめるとして、
 ならば己が何かできることはあるだろうか。
 ――彼のお願いなら、何でも叶えたいと
 未だ起き上がれぬまま、そう健気に思うのだ *]

[君が体を乱れさせているのなら
常に私の心を乱す責任を取ってもらいたいものだ
……などと反論するかもしれないが
今は君に触れて、1つになって
それに満足している私は、小さく熱籠る吐息をこぼす

何時かの日が、きたのなら
その時は気まずげに君の頭を撫でるのだろう
それは何時か起こりえる未来の、1つかもしれない]


[大丈夫、痴態まではいわないから!いわないから!!
おうち直行コースの場合、どうしようね
私も座に還ろうかな……ってなりそうだね]

[客観的に見ても、けだるげな君は
何とも色っぽいと思う。思わず再び抱きたいと思うくらいには
だが、初夜なのだ。大事なことだから二回言う。初夜なのだ
序に、彼は今の今迄男を受け入れたことはなかったわけだ

そんな彼に第二回戦、など
いう男がいれば鬼畜以外の何物でもない
まだ足りないと思うくらいが丁度良い

―――が、事故は兎も角。
その小さく喘ぐ声は心臓と下半身に悪い
だがそれがいい、という奴だけれど。閑話休題]

[せえふてぃせっくす。大事です
英霊だから大丈夫かもしれないが
万が一で彼が腹を下せば、この残り6日間
でぇとのさ中でも君が気まずい思いをしてしまう
それは、いけないことだ。
君には思いっきり羽を伸ばしてほしいし

私と一緒にいて、つらい思いをさせたくないという
恋人としての私の、我儘だ

なので諦め悪い君に、懇切丁寧に
事後の、後処理の仕方を教えたことで
漸く、君は諦めてくれた模様

まぁ、惜しいと言えば惜しいし
無知を逆手に取り、君の中を染め上げることだってできた
――が、それは私が。大事に思う君を傷つけることになる
それだけは、決してできなかった

と、ひと段落したと思っていたら]

 なにか、とは。
 む、そ、れは……。


[では果てるのを手伝って。など
そんなことを言ったら
恥ずかしがって座に還ってしまいそうだ

というか自分が達するところを見られて
幻滅されたらそれこそ私がおうち(座)に帰る状態だ
と、ここでぴんとひらめく。やはり知識は大事だ。

自分の羞恥が煽られず
更に互いが傷つかぬ方法で
彼にとっても、願いをかなえるという達成感を
齎す、ものを]

 では、そうだな。股を貸してくれ。
 ついでに。手伝うから、
 俯せになってくれれば尚良い、のだが。


[みられるのは恥ずかしい。所謂素股である
尚、体面でもできるといえば、できる
私が羞恥で赤面するだけではあるが
何をするのか聞かれたら正直に話すだろう
体面でもできる、ということもついうっかり漏らすかもしれない
その場合は、事後の色っぽい気味が悪い
と、責任転嫁しておこう

正直、疲れているのだろうから
私としてはゆっくり休んでいて欲しいと思うのだが
……健気な彼の提案を断るすべは私には、なかった*]

[ そんなことなったら仲良く座に帰ることになるのか…?
 共に居たいと思った次の瞬間にはあわや破局の危機など
 中々に混沌としている。オレらクオリティ

 勿論、別れる気など微塵も無いが。]



[ 確かに、今宵は一度だけでいっぱいいっぱいだった
 始まりもなし崩しのような形だったので
 次はちゃんと心の準備をしてから挑みたい。
 ――その方が、貴方も心の欲を押さえつけずに済むだろうし 

 しかしまァ、初めてでこれだけ心地よかったとなると
 案外次は遠くないかも……と、だけ
 ]

[ そう、セーフティセックスを守らずに苦しむのは己だし
 せっかくの休暇を初日以外全滅させてしまうのは
 最悪手でしかない。何よりシロさんを傷つけたくない

 チョロくて無知なオレを謀れば貴方は本懐遂げれただろう。
 勿論、それを一等嫌う心もわかるから ]


  なんだよ。はっきり言えって


[ 一度達し、賢者もぉどなるものに入れば
 いつもの調子が戻ってくる。
 ここで今までの行為を思い出せば悶えるコースなのだが
 今はシロさんの怒張を鎮める手伝いをすることで
 頭が一杯故。

 そうして、彼が羞恥無きまま目的成し遂げる
 方法を悶々と考え――思いつく]



  股を?
  ――わ、わかった。うつ伏せで良いんだよ、な?


[ 己に素股の知識は当然無い
 故に、言われたことをそのまま素直に受け取って
 律儀にうつ伏せになるだろう。

 ――対面もあると言われた日には…
 やっぱり、普段の調子取戻しかけた今となっては
 顔を真っ赤にして「うつ伏せが良いです!」と
 叫んだかもしれない *]


[ 引導を渡せと強請る癖、
 彼に人並みの幸福をと願う矛盾を自覚する。
 化物ならば殺めても罪悪感など抱かないと
 男は頭の先から足の爪先まで思っていた ]

  責めたりなどしない。
  残念には、思うけれどね。

[ 彼が結果としてその首を撥ねたり
 心臓を打つ事が出来なくとも
 男はきっとこれまで通り日々を殺す ]

  君にとっての初めてか。
  セレン。
  君は君や世界が思うよりおかしくないのにね。

[ 人とは異なる感覚を持つのは化物らしさ故か。
 彼の境遇にますます不憫に思えて ]


  セレン。
  そんな時は無理に笑わなくていいんだよ。

  君にだって泣きたい夜くらいあるだろう?

[ 気休めにも似た台詞を口にした ]


  人間と同じだろうか。
  人の血を糧に生きるしかない俺なんて。
  世界に憎まれているとしか。

  だが、どうして君が悲しいんだろう。

[ 生贄としての価値
 それが男にとってどれ程のものか判らず

 また霞み行き消える問いかけに対しても
 男は疑問にすら思えなかった ]


[ 正解なんて分からなかった
 相変わらず笑ってばかりの男の背に手が伸ばされた。
 男の眸は見開かれ、彼の言葉に時が止まる。

 一瞬だけ。ほんの一瞬だけ。
 男は薔薇の棘に刺されたような痛みを得て
 血色の双眸を揺らめかせた ]

  ……ありがとう。
  それなら、安心だ。

  君なら……任せられる。

  でも、あまり優しくしないで。
  ……そんな価値なんてないんだ。

[ 男がたった一言返せた台詞だ。
 我慢出来る時など考えたくもない。
 だが、その時こそが決別の日なのだと考えた ]


[ 知りたいこと
 彼に問われて初めて男は彼について
 知らなさすぎていることに気付いた。

 初めて出会った時、彼は様々な芸当を磨いていたという。
 しかしこれまでの話から不当な扱いを
 受けていたように思えた ]

  君に尋ねたいこと、は色々ある。
  思えば俺は君がいくつかも知らないし、
  好きな食べ物や、嫌いな食べ物も耳にしていない。

  俺の事を知れと言うくせに
  君の事を知らないのは不平等だし
  俺自身も君の事を知りたいとは思う。

[ 言葉を区切ってそれから視線を戻した ]

 




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