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【人】 純真アンサンブル リッコ「なんですって…!?」 >>@2聞こえてきた声に目を見開く。 なんて事なの、精霊たちが反逆してきているなんて! そして彼らがイーリスを欲しているなんて!? これでは埒がない。多勢に無勢がすぎる。 早く姫様に報告しなければ。 いえ、姫様とサアヤなら先に知ることもできているかも知れない。 私は一度啓介の元に戻る。 どうしよう。どうしよう。どうすべき? 私たちの戦いにこの世界を巻き込んでしまうだなんて。 人の欲望が精霊たちに伝播してしまうだなんて。 (14) 2023/10/25(Wed) 20:24:52 |
【人】 純真アンサンブル リッコ「啓介…。」 私は泣きそうになりながら。 一度、啓介に抱きついて唇を重ねた。 ただ重ねただけじゃない。 唇と唇を通じて彼に魔力を送り込む。 ──戦士としての力を彼に。 彼も戦えるようにと魔力を分ける。 「大丈夫。でも、一緒に戦って欲しい。 私は──きっと無防備になるから。」 魔具を手にしながら、ピィんと爪弾いて。 魔力をあたりに拡散させる。でもこれは攻撃では無い。 仲間に知らせるため。 仲間と心を合わせるため。 私は心を落ち着かせ集中する。 ──きっと。心を合わせれば。 でも私はその時無防備になるから。 枝葉に襲われれば、魔具を必死に構えながらも応戦はできない。** (15) 2023/10/25(Wed) 20:25:14 |
【人】 純真アンサンブル リッコ啓介の盾は間に合ってくれた。 さしずめ今の啓介は私だけのナイト…ってところかな? それに笑みを深めて。 「無茶はしないで…死なないでね。 啓介に死なれたら私、悔やみきれないから。」 (23) 2023/10/25(Wed) 22:30:29 |
【人】 純真アンサンブル リッコそう囁くと、音が聞こえた。 なかまの音だ。ピィンとまた爪弾くと、互いの音が共鳴していく。 それは遠くにあっても他の皆にも聞こえ始めただろう。 世界中のどこまでも響いて届くように。** (24) 2023/10/25(Wed) 22:30:59 |
【人】 純真アンサンブル リッコ姫様の音が聞こえ始める。 私は呼吸を整えて魔力を高めていく。 サアヤの音と合わせられるように。 啓介の血の色に顔が歪んだ。 駆け寄り、彼を庇って私の背中に枝が突き刺さる。 けほ、と血を吐きながら、それでも──。 (29) 2023/10/25(Wed) 23:08:59 |
【人】 純真アンサンブル リッコ人は迷わずに生きることはできない ただひたむきに生きる為だけに生きるのでは無いから 太陽を目指し天へと伸びる木々のように 迷いなく生きていけたならと願いながら (32) 2023/10/25(Wed) 23:13:26 |
【人】 純真アンサンブル リッコ啓介を抱きしめていた腕はもう力無く。 私の意識は途切れ、蒼白になりながら啓介を抱きしめるようにして倒れ込んでいた。 その姿は、魔法少女と呼ばれる姿のまま。 でも、血の気はなく脈も弱く呼吸も浅い。 瀕死の状態。 それでも辛うじて命を保てたのは、姫様の願いが届いたからだった。 姫様の、皆が傷つかずに癒やされれば良いという願い事。 でも私は呼びかけには応じられない。 意識を失って──次に目覚めるのは治療を受けられたら、そこからになる。 治療を受けられなかったら? 最悪の事態が私を待っていることだろう。 生きながら目を覚まさない、そんな未来だ。 でも、何某かの治療を受けられたなら、身体に支障を抱えながらも目覚めることはできるはず。* (49) 2023/10/26(Thu) 21:39:28 |
【人】 純真アンサンブル リッコ生きているのが不思議なレベルであると医師は言う。 外傷はないが重度の貧血状態で、手術室ではなくこれから全身を調べるのだそうだ。 結果、どうしてこうなったかやはり謎で体内での出血も見当たらない。 その為たくさんの管に繋がれて輸血や輸液をされながら、私はそのまま入院することになった。 目を覚ますのはまだしばらく経ってから。 私の目覚めまでにはサアヤと姫様の物語が関係するかもしれない。 彼女たちがどう動いたのか。どう動けるのか──。** (60) 2023/10/27(Fri) 6:54:11 |
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