[きもち、いい、と訴えるように、歯に当たる武藤の指を柔く噛みながら吐息を零す。]
んぅ……、ぃ……い……ッ、
[ぞく、と、寒気に似た快感が背筋を駆け上っていくのと同時、隧道がずくりと熱を持って動き始めるのを感じていた。
武藤はどうやら、自分早くに達してしまうことを気にしている──平均的長さがどのくらいのものなのか、もちろん私は知る由はない──らしいのだけれど、むしろ、こんな快楽、長く続いてしまう方が地獄な気がするよ?
きゅう、ぎゅう、と己の意思関係なしに武藤を搾り取ろうとするかのような蠕動が始まって、締め付ける感覚に背を震わせる。
もっと、早く、いっぱい……と、身体の底から浮き上がってくるような、急くような思いが胎内を渦巻きつつあることは、なんだか不思議な気持ちで受け止めていた。
欲しい。
武藤が、欲しい。
武藤の、子が欲しい。
沸き上がった思いの源に気がついて、見開いた目から耐えてた涙がぽろりと落ちた。]