【人】 液状生物 レマーン―とある日 ダンジョンの中で― 「あまり、軽々しく『穴』に手出しするのは感心しないね。」 ひっそりと、ダンジョン内の地図を作製している一人の冒険者>>5へと声を掛ける。 呑気に手持ちの魔石を齧りながら。 もっとも、油断は微塵もしていない。 十分に逃げられる距離を置いて、万が一に戦闘に発展した場合の魔力をたっぷりと取り込みつつ、だ。 「こちらもかなり前から、君の事をつけさせてもらっていてね。 装備や戦法、密かに作成しているダンジョンの地図、これらを繋げれば目的に見当はつく。 それでも、細かな素性は最後までわからなかったし、僕のようなものでなければ、目的に見当もつけられないだろうけど。」 彼女は、きっと「何故」と問うてくるだろう。 こちらも、別に隠し立てすることは無い。 何より、一つ彼女が見落としている事が一つある。 それが、彼女の目的に見当をつける事が出来た理由。 身体中の粘液が蠢いて、形を変えていく。 暫く身体を蠢かせ続けていたが、やがて落ち着いた。 (6) 2023/01/03(Tue) 17:14:57 |
【人】 液状生物 レマーン小さな、人間の子供にしか見えない姿。 無数にある自分の姿の一つ。 彼女の見落としは、僕のような魔物にも人に紛れて行動が出来る、という事だ。 「もし、正体が『穴』の人々にバレれば、もっと苛烈な報復があるかもしれない。 元々、他者と共生が出来なくて追い出された者ばかりだからね。 僕も含めて。」 今の自分に出来る、最大限の忠告。 魔物と共生する『都市』ですら、受け入れられなかった者達が集められている、例えば自分のような。 そんな者達に、彼女の素性がバレてしまえばどうなるか。 そう忠告したつもりだが、果たしてどれほど効果があるだろう。** (7) 2023/01/03(Tue) 17:15:04 |
液状生物 レマーンは、メモを貼った。 (a4) 2023/01/03(Tue) 17:17:33 |
【人】 液状生物 レマーン―居住区 宝飾加工店・エデン― 『禍々しいほどの、美しい魔石』。 諦めちゃうのかい? 出来るのなら、是非とも食べてみたいのだけれど。 [店の天井から、声が響く。 一滴、二滴、粘性の液体が滴って、やがて手の平サイズの塊となる。] 盗み聞きするつもりじゃなかったんだけどね、あまり堂々と都市を歩き回れる立場じゃないから。 [歩き回れない理由を、わざわざ言う必要はないだろう。 この街に住んでいるなら、意味は伝わる。] (12) 2023/01/03(Tue) 19:47:27 |
【人】 液状生物 レマーンたまたま手に入った魔石を食べてみたのだけど、中々に珍しい味でね。 もう一度食べたいと思って、魔力を追いかけて来たのさ。 [手近な魔石を掴んで、口へ放り込む。 身体の中から石を砕く破砕音が響いて、身体が少し大きくなる。 魔力が身体に巡って、充足感が満ちる。 人間でいうところの、『腹が膨れる』感覚というものか。] 君の加工した魔石、もっと食べさせてくれるなら、ダンジョンの奥についていってあげてもいいけど、どうする? [自分であれば、ワイバーンをはじめ中型の魔獣までなら対処はできる。 大型の魔物となると、大量の魔力を取り込めばなんとかなる。 それは、魔石職人の彼女なら問題はないだろうから。*] (13) 2023/01/03(Tue) 19:47:33 |
液状生物 レマーンは、メモを貼った。 (a6) 2023/01/03(Tue) 19:49:38 |
液状生物 レマーンは、メモを貼った。 (a7) 2023/01/03(Tue) 20:06:54 |
【人】 液状生物 レマーン―ある日 ダンジョン グラヴィーアと― 彼女の言葉からは、明確に敵意を感じる。 少なくとも、素直に言う事を聞いてくれる気はなさそうだ。 「――僕は、方法を提案に来たのさ。 おねぇさんが雇い主に『穴なんて本当はありませんでした。』と言ってくれればいい。 僕達は誰を手に掛ける事もなく、おねぇさんが傷つくことも無い。 どうだろう、おねぇさんにも損の無い話だと思うんだけれど。」 彼女を進んで害する事を望んではいない。 かといって、これ以上に住む場所を追われるハメになるのは避けたい。 この二つを両立させるなら、『穴』を嘘偽りで覆い隠してしまう事が一番都合がよい。 (22) 2023/01/03(Tue) 21:45:03 |
【人】 液状生物 レマーン「それでもダメだと言うなら、止める権利は僕には無いよ。 その代わり、いつか然るべき制裁がおねぇさんに降る事になるだけさ。 あるいは、その役割は僕が担う事になるかも、ね。」 体内の奥底に隠していた魔力を、全身に滾らせる。 目視できるほどに濃い、黒い魔力。 この時の為に、腹いっぱいに「食事」をしておいた。 「おねぇさんはさ、わざわざ追放された僕達を探し出してまで、何故僕達を狩りとろうとするんだい?」 そのまま真っすぐに、彼女の眼を見据えて対峙した。* (23) 2023/01/03(Tue) 21:45:09 |
【人】 貪食 レマーン―居住区 宝飾加工店・エデン― 「『社交辞令』ならいらないよ。 お腹が膨れない物なんて、必要ないさ。 そう言う事は、もっと高尚な相手にやるといい。 それとも、君には僕がそういう手合いに見えるのかな?」 全身を伸び縮みさせて、彼女に自分の姿をアピールする。にょんにょんと。 生憎、自分の価値観は単純だ。 『美味しい物を食べる事』と『じっくりと味わえる巣』。 この二つで完結する。 礼儀やマナーとは無縁だ。 「契約内容に異論はないけど、ついでにもう一つどうだい? ――あぁ、君に有利なものだから、安心していいよ。 君と僕とで 『召喚契約』 なんてどうだろう?君が僕の名を呼べば、僕がその場に現れる。 君に何かあると、この魔力が食べられなくなっちゃうじゃない? それに君と契約で魔力を繋げておけば、君からの魔力回収も効率が良くなるし。」 実にシンプルな理由、その程度の方がしがらみが無くて効率が良いという判断からだが。 彼女が了承するなら、差し出された手に触れながら、こちらも契約を完了させてしまおう。* (26) 2023/01/03(Tue) 22:21:44 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a13) 2023/01/03(Tue) 22:26:19 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a14) 2023/01/03(Tue) 22:26:59 |
【人】 貪食 レマーン―ある日 ダンジョン グラヴィーアと― 彼女のあげる理由は、およそ想定の範囲内。 交渉の余地なし、だ。 けれど、こちらが手加減をする理由が無いという事でもある。 「おねぇさんの主義はわかったさ。 けれど、僕達魔物の…少なくとも、僕の主義はもっとシンプルでね。 『獲物か、狩人か』さ。」 何かが、彼女の背後から襲い掛かる。 本体から切り離した、ごくごく小さな一部。 滾らせた魔力に警戒しているうちに、背後にこっそり回らせておいた。 催眠でも幻術でもない、ただの騙し打ち。 神聖詠唱をさせないよう、彼女の口を塞ぐ。 ――もっとも、感知されないよう生命維持の魔力しか持たせていない、文字通り動く粘液でしかないから、引き剥がすことは簡単だろうけど。 「自分が獲物か、狩人か。 はっきりさせたくなったら、また僕を探すといいよ。 答えは、おねぇさん自身が見つけられるはずだから。」 言葉の意味は、まだ彼女には理解しかねるだろうか。 彼女が僕の一部に対処を終えた頃、本体はもうどこにもいない。 ただ声だけが、響いていた。** (34) 2023/01/03(Tue) 23:46:06 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a17) 2023/01/04(Wed) 0:03:17 |
【人】 貪食 レマーン ―居住区 宝飾加工店・エデン― 彼女の提示する条件に異論は無い。 むしろ、それぐらい自衛してくれる相手の方が、こちらも余計な心配が無いというものだ。 「僕はレマーン。 深淵より、貴女が呼ぶ声に応じると約束しよう。」 彼女と僕の間に魔力のパスが繋がる。 これで、契約は成った。 (48) 2023/01/04(Wed) 17:39:42 |
【人】 貪食 レマーン「そういえば、何故、君は魔石にこだわるんだい?」 問いを投げかける。 けれど、本当の狙いは答えを聞き出す為ではない。 これは「下拵え」だ。 目の前の「食材」を、より味わう為の。 「君の望む魔石を仕立てるなら、もっと深い所に住めばいい。 ダンジョンの中でなら、『魔』に堕ちて追われる心配もない。 思う存分、腕を振るえるんじゃないかい? たとえ、その結果に本当の魔物に堕ちてしまうとしても。 建前を使わなければならない、弱くて惨めな思いはしないだろう?」 彼女の心へ、一滴の疑念を垂らす。 きっと、それは彼女の心にドス黒い染みを作るだろう。 『本当に、このままで良いのか?』と。 (49) 2023/01/04(Wed) 17:49:23 |
【人】 貪食 レマーン「冗談、冗談だよ! 本気にしないで!」 身体をくねらせて、おどけてみせる。 今はこれでいい、良い「食材」は手間を掛けるべきだ。 でなければ、もったいないだろう? (50) 2023/01/04(Wed) 17:51:26 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a24) 2023/01/04(Wed) 17:58:43 |
【人】 貪食 レマーン―居住区 宝飾加工店・エデン― 「――…確かに、人間の技は実に素晴らしい、特にスイーツを作る技術を持つ人間には、国民栄誉賞を与えるべきだね! こう見えて、僕もよくスイーツは作るんだ!」 [人間の技術は素晴らしい。 そこは否定しようもない。 自分より矮小な存在が、積み重ねた知恵と技術で自分を滅するほどの力を持つ。 知っているからこそ、『穴』へ追放される事を受け入れているのだから。] (68) 2023/01/04(Wed) 22:32:21 |
【人】 貪食 レマーン「早ければ、明日ね。 問題はないよ。」 身体を振るわせて、了承の意を伝える。 ――…囁いた言葉に、彼女がどんな表情かは確認しなかった。 だって見てしまえば、食欲が湧いて仕方がないだろうから。 氷が解ける様に、身体の輪郭が崩れていく。 そのまま黒い粘液となって、窓の隙間から店をあとにする。 彼女が自分を呼ぶときを心待ちにしながら。* (69) 2023/01/04(Wed) 22:33:07 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a27) 2023/01/04(Wed) 22:45:51 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a28) 2023/01/04(Wed) 22:46:53 |
【人】 貪食 レマーン―とある日の深夜 クラヴィーアの寝室― 寝静まる彼女のベッドへ腰かける。 彼女は、事前にしっかりと『眠らせて』おいたが――…。 万が一に彼女が覚醒して、攻撃を受けてしまえばこちらも 撤退せざるを得ない だろう。そのリスクを犯してでも、ここに来たのは仕込みの確認の為だ。 予想以上に結果が順調過ぎた事で、彼女の負担を和らげる必要が出て来たのだ。 もっとも仕込みが上手く行ったとしても、 彼女を独り占めするつもりもなければ、彼女の自意識を奪い去ってしまう事はしない。 あくまで、少し手を添えるだけ。 結果がどうなるかは、彼女次第。 (82) 2023/01/05(Thu) 6:52:08 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a33) 2023/01/05(Thu) 6:58:30 |
【人】 貪食 レマーンー昔の話 ミアとー 「随分と、心無い親がいたものだ。」 ダンジョンの一角、魔力植物の縄張りに、幼子が一人捨てられていた。 わざわざ狙って置いたのか、それとも偶然かはわからない。 けれど、親の無責任の為に子が犠牲になるというのは、『穴』の『都市』も変わらない。 魔力植物が幼子に気付いて捕食するまでという、吹けば消えてしまいそうな程にか細い糸で、幼子の命は維持されている。 このまま、僕が喰らってしまおうかとも思ったが、どうにもそれでは面白くなさそうだ。 (84) 2023/01/05(Thu) 11:10:08 |
【人】 貪食 レマーンけれど、幼子にとって幸いな事に魔力植物も今まさに朽ちようとしていた。 「もがいてみるといい。 このまま食われて終わるか、それとも君の生きる意思が勝つか。 興味が湧いた。」 幼子に手を貸すことはない。 このまま、結果を見届ける事にした。 消えかけの命が二つ、果たしてどちらが勝つのか。 そうして、新たな1匹の魔物が生まれるまで、見届けただろう。 (85) 2023/01/05(Thu) 11:14:54 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a36) 2023/01/05(Thu) 14:24:26 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a38) 2023/01/05(Thu) 18:14:23 |
貪食 レマーンは、メモを貼った。 (a44) 2023/01/05(Thu) 22:25:09 |
(a45) 2023/01/05(Thu) 22:25:25 |
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