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【人】 跼蹐 カナイ改めて、会議室に集まった人々をぐるりと見渡した。 言い知れない不安がいつまでも拭えない。 「…できたら関係者の方にお話を伺えたらよかったんですけど… エマさんが連れて来た人はこれで全員という事は、…」 そういう事なんでしょうか。 そう言い掛けて、一度言葉を選ぶように口を噤んだ後。 「……ううん、いや… 関係者の方が部外者の方について行く事もない、ですよね。 …僕はここに来るまで殆ど人影は見ませんでしたけど、 古後さんの……お父さんは、 どこかもっと安全な所に居るのかも…でも…」 「直接会うのは……その、難しいんじゃないかと だから、つまり…… 多分、今は僕達でどうにかやっていくしかないんです…」 手元でぱらりと紙面を捲る音。 机に置かれていた職員用のマニュアルには厳しい文体で、 職員が『被検体』へすべき対処が書き連ねられていた。 ──『被検体』。 未だ実感は沸かないけれど、 決して無視できない感覚があるのもまた事実だった。 (1) 2022/05/30(Mon) 21:05:29 |
【人】 跼蹐 カナイ「………その、結木さんはお一人でどうにかしすぎですけど。 怖いとか思わないんでしょうか……? 」結構素の困惑だった。 一拍おいて、それはそれとして、と心の内で切り替えて。 「僕は……僕に危害を加えない人のことは、信用します。 だって警戒する理由がありませんから… ……これくらいが…わかりやすくて、いいですよね」 もう一度、周囲の様子を窺うように。 いつの間にか随分と高度を下げた視線を恐る恐ると上げて、 眉尻はほんの少し下げて、他の誰かの言葉を待った。 (2) 2022/05/30(Mon) 21:06:57 |
【人】 跼蹐 カナイ「篝屋さん、なんでこの状況で寝られるんですか……?」 ガチ寝している知り合い、というか後輩にまた困惑した。 ここに連れて来られる前は研究室に缶詰だったんだろうか。 お疲れ様です。 「先立つものは……すみません、僕は何も。 元々持ってなかったのか、何処かに落として来たのか…… それとも取り上げられてしまったのかは何ともですが… それから……外と連絡もつかないんでしたっけ」 自分に向けられたものではないとしても、 聞こえた言葉にふとポケットだのを探って溜息を吐いた。 今自分が持っているのはスマホとか財布とか、それくらいだ。 「必要なものは他の場所に探しに行くしかないかもしれません… こうしてエマさんがあちこち見て回れる程度には 外も差し迫った危険はない……みたい、ですし…」 「……最後に見た日付は、確か… …ほんのちょっと前まで点滴でも打たれてたんでしょうか」 それなりに、どころではなく時間が経っているはずなのに。 空腹感が無い、どころか喉が渇いたとも感じない。 言いようのない不気味さを楽観的な考えで追い遣った。 (7) 2022/05/30(Mon) 21:37:49 |
【人】 跼蹐 カナイ「………あれ、いつの間に…」 自分が思い出せない事だの何だのに感けている内に、 人々はあちこち見て回ったり何やかんやしていたらしい。 こうして無事に戻って来た事は一先ず良い事としても、 「…何か使えそうなものを探しに行くなら、 一人では行かない方が良いと思うんです…… ものを運ぶなら人手も必要でしょうし、何かあった時に 一人よりは二人の方が…少なくともその事を伝えられます」 何よりの懸念点といえば、それだった。 口の利けない少女を特別気に掛けた、というわけでなく。 それはきっと誰であっても同じ事だ。 「だから、ええと……僕でよければ……ご一緒しますよ。 今この状況で外に出るのは怖いですけど…… 外がどうなっているかわからないのは、もっと怖いですから…」 (12) 2022/05/30(Mon) 22:23:20 |
【人】 跼蹐 カナイ「弓矢は…… 作るしかないかもしれません…… 」そんなどこぞの農家兼土木作業員兼漁師兼アイドルみたいな事をしている余裕があるかはともかくとして。 趣味でアーチェリーを嗜んでいる職員が居たかもしれないし… 「…うん…突然誰かが消息不明、なんて事になったら きっと誰でも少なからず不安になりますから…… そうして頂けると僕も安心します…」 タブレットに表示された文字には、一先ず安心したようだった。 (18) 2022/05/30(Mon) 22:49:51 |
【人】 跼蹐 カナイ「作れないよって言われる流れだと思ってました」 人々は結構乗り気だった。 実用性はともかくとして、作ろうと思えば作れそうではある。 「……僕は一人で行動したいという方に、 無理強いをするつもりはないです…お気を付けて。」 これは飽くまでも、もしもの時のため、であるのだし。 だから会議室を後にする背を引き留める事は無く、 気休めのような言葉と視線だけで見送った。 (29) 2022/05/30(Mon) 23:22:45 |
【人】 跼蹐 カナイ>>27 >>34 探索者㌠ 「使えるものは多いとしても…… これなら代替品になりそう、って判断できるのは 結構知識とか、発想力あってこそですよね…」 思ったよりDIYに乗り気な人々を見て、 何というか、強かというか、何というかだなあと思う。 この非常事態で常識を語るのも可笑しな話かもしれない……。 「…ではなくて、じゃあ、そういうことで。 ……まだ何があるかわかりませんから、 あまり無理はしないようにしましょうね…」 おおよその指針や目的が決まれば、 会議室に残っている人々に、また後で、と声を掛けて。 他二人の背を少し早足に追って、一度会議室を後にした。 たぶん、何事もなかったので、何事もなく戻って来たはず。 (37) 2022/05/31(Tue) 0:19:19 |
【人】 跼蹐 カナイそれはそれとして、団体様が戻って来た後の事。 情報共有や状況整理やあれやこれやは一旦任せてしまって、 何処かから回収してきた様々の内の充電ケーブルを 適当なコンセントに挿してタブレットを充電しておいた。 多分スマホ用のもある、はず。 その後に、ちゃんと充電できているかの確認を兼ねて 適当なタブレットをまたちょいちょいと弄って、 確認を終えればタブレットはまた元の場所に戻された。 そんなこんなをした後に。 「何かあったら連絡してください」と言い残して、 今度は一人で、再び会議室を後にしていった。 慌ただしいね。 (44) 2022/05/31(Tue) 6:28:24 |
【人】 跼蹐 カナイ暫くの後に再び会議室へと戻って来て、それから。 色々と行動した分疲労はしているし、 時間を確認すればもう随分経っているはずなのに 緊張感からか、件の薬の影響か、どうにも眠気がなくて。 だから一人で黙々と、…… 「…………」 トランプタワーならぬ、名刺タワーしてる。 勿論使われているのはこの場に居る誰のものでもない名刺だ。 名刺には見た事も聞いた事も無い名前や肩書が印刷されている。 普通であれば持ち主はさぞ困るのだろうけど、 こんな緊急事態で名刺入れ一つ気にしてる場合でもないだろう。 とにかく何かで気を紛らわせたくて、 暫く一人黙々とそんな奇行に走り…… そして、崩した。 (64) 2022/05/31(Tue) 18:49:50 |
【人】 跼蹐 カナイ「………あ、」 不意に、ぺしゃ、と音を立てて少し厚い紙の集合体が崩れた。 製作者といえば崩れたというのにどこか安心したような、 そんな表情を一瞬した後にばらばらの名刺を片付け始め…… た、所でタブレットの通知に気が付いた。 「……自販機で買えるもの、何か必要なものありますか…?」 とりあえず水くらいしか思い付かない、貧相な発想力。 (65) 2022/05/31(Tue) 18:50:18 |
カナイは、崩れた名刺タワーに心の中で合掌しておいた。 (a18) 2022/05/31(Tue) 19:12:09 |
【人】 跼蹐 カナイ「あって困るものでもない……ですよね? あんまり多かったら困るかもしれませんけど…」 各自そのあたりはちゃんと考えている、ように思う。 机の上のバラバラ死体(名刺タワー)を片付ける傍らに、 物資談義に相槌を打ちつつ、続く話題には。 「………僕は、なにも…見ていないです」 小さくそんな返答を返して、 再び入った連絡に気が付けば視線はそちらへ向いた。 (76) 2022/05/31(Tue) 20:07:17 |
【人】 跼蹐 カナイ「……あ、待ってください篝屋さん!おれも行きますから…」 知人が何処かへ行くようなら、慌ててその背を追った。 何度か周囲を見て回った分案内はできるだろうし、 多少疲れてはいても、手持ち無沙汰な方が今は落ち着かないし。 (81) 2022/05/31(Tue) 20:56:07 |
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