153 『Override Syndrome』
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謙遜だなんてそんな。
それなら、あなたが気になって お近付きになろうとしたって
そう言えば、信じられる?
(5) 2022/06/11(Sat) 13:01:56 |
| [謙遜と嫌味を考える猜疑心の強さは 努力を重ねられた人ほど強くなる。 たとえば、努力を重ねて栄光を掴み取った画家が 才能の一言で片付けられる話は珍しくない。 それの延長線は、末端の 凡人にも及んで その結果が幾許の沈黙だった。 >>0:131 それを最初に破ったのも、あなただったけれど。 ] (6) 2022/06/11(Sat) 13:02:45 |
| [瞳を交わせばその表情の意味が分からず首を傾げて。 頭に浮かんだ疑問符を頭の片隅に追いやると。] そうそう。 認知の違いで心に与える影響も変わるって 心理学でも言われてるみたいだよ? [だから物事は嫌でも肯定的に捉えてる方がいい。 その方が心が背負う傷が限りなく浅く済むから。 だから私は否定はせずに、頷いてみせるのだ。] (7) 2022/06/11(Sat) 13:04:17 |
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[傍から見たらなんとも変な会話だろう。 しかし周りの人間もそこまで暇じゃないし この会話は誰にも聞かれていない、はず。
そうして周囲を見渡す視線を 再び彼の元に戻したのは 紙の束が整う音が聞こえてきたから。
それがなんなのか、 この学部に通っていれば、見ただけで分かる。] (8) 2022/06/11(Sat) 13:05:57 |
| [大学に通っている最中の栄誉は この紙の束に全てが込められている。 レポートなんて作文とは違う 新たな発見を元に作られる、論文。 興味がないと言えば嘘になる。 文字にはその人の世界が映る。 それは小説でも、論文でも、変わらないから。 ] (9) 2022/06/11(Sat) 13:06:53 |
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そう。 それなら、後で聞かせて欲しいな。 論文で何を書いたのか。
ふふ、ナンパ、そうね、その通り。 楽しみにしてる。
[ジョークと思って私は小さく笑うと この後のスケジュールを埋めて。
彼からの吉報を待つことにしたのだった。]*
(10) 2022/06/11(Sat) 13:07:49 |
[ ───兄が失敗したのは、俺が高校入学を決めた年。
二度目、落ちて、三度目も、落ちて
荒れ狂う海のような家庭で、3年を過ごした
俺は初めて、兄は4度目の大学受験。
この状況で凡人が勉強になど
集中出来るはずもなく、成績は下がる一方。
まだギリギリ合格ラインだった
底辺に近い私立医大を、兄と受けた。
結果。 ]
[ パチパチと火が爆ぜる音に、視界を蹂躙する赤。
燃え盛る棚の下敷きになって、呻く妹。
私はただただ脚を震わせて、
何をすることもなく絶望的な光景を見下ろしていた。
「何してんの!?……早く逃げなさいよ。
アンタがそこでじっとしてたって、
何にもならないじゃない!
さっさと逃げて、助けでも呼んできなさいよ」
じわじわと後退る。確かに、真結実の言う通りだ。
それでもすぐに体は言う事を聞かなくて、
ぼろぼろ涙を零して、少しずつでも足を動かす。
やっと背を向けることが出来たその時に、
私の耳は最期の言葉を拾った。 ]
「もしダメだったらさ、アタシの分もちゃんと生きなさいよ」
[ "真結実の分もちゃんと生きる"
その言葉の意味が、これだなんて私だって思っていない。
でも、これまでちゃんと生きてきたとは
到底思えない私は、
"真結実のような生き方"しか、
ちゃんとした生き方を知らなかった。
ニュースや新聞で報じられたとおり、
遺体の損傷は激しく、双子のどちらか所か、
性別や年齢を判別するのも困難な有様であったらしい。
亜結実なのか真結実なのか、
判断する材料がもう私の自己申告しかなかったから。
私の一世一代の嘘は、
あっさりと受理されてしまった。 ]
[ 半年間、聞けなかった。
でも、船越亜結実の死は、知ってしまった。
それはここ数月前のこと。 ]
| [やっぱり信じてはくれないらしい。 >>29 しかも得は思いつかないとまで言い切られる。 決して間違っているとも言い切り難い損得勘定は 卑屈という感情を正確に体現していたから。 >>30] 損と得だけで動けるほど私は賢くないよ。 でも強いて言うなら... 興味を持った人と話が出来るのなら それだけで得になるものじゃないかな? [得がないといえば嘘になるけれど それが全てというのは全くの嘘。 でもそう、あなたに嘘をついても きっとバレるって直感が警笛を鳴らすから 思うことは正直に伝えるようにと決めて。 見えた黙示録とあなたのお誘いに >>32 この話の続きを、 期待を胸に待ち焦がれた。 ] (42) 2022/06/12(Sun) 18:40:34 |
| 早く聞かせてほしい。 >>31 抱く言葉は同じなのに。感情は同じなのに。 孕む意味はまるで違くて。 背負う痛みも、失う苦しみも なにもかもが違う神経刺激。 (43) 2022/06/12(Sun) 18:42:06 |
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けれど期待は期待のまま。 腎臓の中に流れ込み、老廃していく。
(44) 2022/06/12(Sun) 18:43:47 |
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言葉はシナプスに過ぎず
私たちが分かり合える日は─── **
(45) 2022/06/12(Sun) 18:44:46 |
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───『光の丘診療所』───
(46) 2022/06/12(Sun) 18:47:34 |
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お大事にしてください。
(47) 2022/06/12(Sun) 18:49:09 |
| [『光の丘診療所』の院長、古森 佳奈。 Override Syndrome流行に伴って 入院設備もある特殊な心療内科。 今日、私はまたいつものように 訪れた患者達に手を差し伸べている。 >>045 大学での勉強の末に医師国家試験を突破し 医者になって数年、そろそろ板についてきたころ。 太陽が休暇を求め沈み始めた時。 次の診察の時間の隙間ができると、 >>35 私は身体を休めるようにホットティーの カップを両手で持ちながら外を眺めていた。] (48) 2022/06/12(Sun) 18:50:02 |
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[ちゃんと約束した予定じゃないけれど それでも私にとっては大切な予定だった。
彼の努力の結晶に触れる時間 その精製に至るための苦悩
聞きたいことは山ほどあるし 話してみたい話題も山ほどある。
だから私はあの日、講義が全て終わって 彼が私の元へ来てくれることを 待って、待ち続けて。最後には探して。
その未来を見失った。] (49) 2022/06/12(Sun) 18:51:49 |
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[あなたの身になにがあったのか。
その日の夕方に見た大学の広報に載った 『腎臓内における神経の走行について』 という論文のタイトルと学会発表の予定日。
どこにも見当たらない研究者の名前
それが、答えの全て。]
(50) 2022/06/12(Sun) 18:53:50 |
| どこにも無い『佐々岡 嗣朗』の名前 嘲笑うように記された、 私と同族の腐ったお坊ちゃまの名前 (51) 2022/06/12(Sun) 18:54:52 |
| あの時、生まれて初めて 他人に 怒り を感じたの。 許せなかった。 本当に、許せなかった。 (52) 2022/06/12(Sun) 18:56:50 |
| [不意に目線は机の天板へと向かう。 そこにあったのは私が卒業した来年に発行された 学会が監修する学術誌。 私が卒業時に書いた論文は今もここに掲載され 当然引用された論文だって書かれている。] 『精神障害における腎機能の症状と 神経伝達機能との因果関係』 [この研究だってヒントを貰ったのはあなたの論文。 けれどその栄光はハリボテのお坊ちゃまに向けられ 本当に栄誉を受けるべき人は消えたまま。] (53) 2022/06/12(Sun) 18:59:26 |
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[あの論文の研究者名を黒で塗りつぶしたページを 開いたまま机に置き直すと 新人の看護婦の子に声をかけて。]
次の方が今日の最後の診察です。 適宜休憩しつつ、入院されている 患者さんの様子を診ておいてください。
[Override Syndromeの重症化に苦しむ患者達の 様子を案じなが指示を出すと、予約されていた 患者の名前を確認して目を丸くするのだった。]**
(54) 2022/06/12(Sun) 19:06:13 |
『佐々岡さん』
あなたが受付を済ませていたのなら
私はきっと扉を開いてあなたを呼ぶの。*
[ 声が聞こえた気がした。
ざざ、と、ひらがなの羅列。
自分のことを呼ばれた感覚はない。
本から視線を上げてぼんやりと周りを
見渡すけれど、そこには誰もいないから
それでようやく気づく。 ]
ささおかさん、……ああ、おれか。
─── はい、すみません。
[ なんだか今日はネクタイの結び方が
わからなくて、ノーネクタイ。
シャツにパンツ、ジャケットは手に持って
ゆっくり立ち上がる。
ウエスト部に緩く余裕がある。
今更気付いてベルトの部分に手をやった。 ]
[ 開いた扉に向かう。
背筋は伸ばして、整えた穏やかな笑みで、
真っ直ぐに足を運んでいるつもりだけれど
診察室までの数歩がやや遠い。
床がぐにゃりと歪んでいるような錯覚に
二、三度足を止めながら、
迎え入れてくれる医師の前に立つ。 ]
こんにちは。
[ あくまでにこやかに、声音も穏やかに
軽く頭を下げれば、医師の顔を見られただろうか。
ぼんやりと靄がかかる頭の中、
ちかちかと何かが瞬くのがわかる。 ]
だめだ。
おもいだしては、いけない。
─── やめて、しらない。
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