【人】 “観測者” 処暑―― 立春の彼女 ―― [ 立春の彼女の和菓子に多数の意識が行っているのが興味深い。>>19 この場にいる、人間とは一線を画す存在である灯守りや蛍達の目線を一挙に奪うなど、立春の彼女は中々の偉業を成し遂げているのではないだろうか。 ……と思ったらこの状況が興味深く、暫し手を止めて手帳へと向かっていた訳だが。 私は再び手を止めて、今度は大福へと菓子切りを入れた。 味わいながら、立春の彼女に視線をやって、またじっと見つめていた。 雀始巣の彼女に声を掛けている彼女。>>104 雀始巣の彼女の手元にも周りに違わず和菓子があり、緑茶まで用意しているのは、楽しんでいるのだろう、と、微笑ましい事だと思うし、>>7 立春の彼女が嬉しそうに見えるのも、道理なのだろう。] (113) 2022/01/24(Mon) 22:30:40 |
【人】 “観測者” 処暑[ さて。私が彼女に声を掛けた時、 律儀に同じ説明を繰り返す彼女に対し、 私はというと、粒餡と漉し餡、好みのものを、と言われた時に、一瞬動きを止めた。 こだわりがない故に、そう言われてどうすれば良いのか分からなかったからである。>>19 表情は変わらずとも、内心では迷った末に粒餡のものを取った。 ] ………………いえ お気になさらず [ 私としては、対象をじっと見つめるのは常のことであるけれど、 立春の彼女は私の気質を知らないのではないかということは、頭になかった。 故に、笑顔で見つめ返す彼女に対し、全く気にせず見つめ返して、 それから彼女が疑問の言葉を口にすれば、否定を返す。 彼女に用がある訳でもないし、特段伝えたい事もないのだから。 此方から見つめておいて気にするなとは、聞く人が聞けば怒りそうではあるけれど、不躾という思考はとっくに私にはない。 先代と特別親しかった訳でもないし、何より灯守りの代替わりとは起こりうるもの。 まだ頼りない新立春、というのが事実だとしても、私はそれすらも興味深く見つめるだけであるし、 ……私は彼女に対し、期待してる、という感情があるのだと思うし。 それで余計に、目を遣ってしまうのかもしれないが。 ] ………………はい [ 感想を、と直接言われれば、熱烈な感想を伝えられないことを少々後ろめたく思いながら、>>19 暫くの沈黙のあと了承して、その場を離れる。 ] (114) 2022/01/24(Mon) 22:31:36 |
【人】 “観測者” 処暑[ 手帳には「立春の彼女の桜餅が美味しい」と記述されているし、 これから「大福も美味しい」という記述が加わる。 ] ……………貴方は、皆に愛される人ですね [ 遠くで彼女を見つめながら、ひとりで呟く。 統治域の住人の温かい目も“見ている”し、 先代の、蛍の、姉の、友人の、向ける表情を見れば分かる。 それから今の菓子も、周りを笑顔にするもの。 ……やはり彼女は逸材ではないだろうか、とそう思う。 もしかしたらそれを彼女に伝える機会も、何れあるのかもしれない。 * ] (115) 2022/01/24(Mon) 22:31:57 |
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