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【人】 物書き ラサルハグ>>-8 テレベルム 「……出立だろうか?」 なんとなくそんな様な、急ぐ雰囲気を纏う彼を見かけたから、なんとなく声を掛けた。 先日話をした時に、かの白いふわふわ、恐らく妖精族が完治云々言っていた。幾らも意思の強さを感じるのは、その事情だろうか。 首を傾いで、この場では珍しく自分より上背のある彼を見遣る。 「……そう急ぐ事もあるまいよ。 リュシー殿が記念に絵を描こうと、提案していた。 …貴公が筆を寄せてやれば…きっと喜ぶだろう」 杖を持たない手で裾を掴む。 「何、私も祭りが終われば……出立する。 …馬車を予約しているから…、共に行くか?」 言葉には特に何の含みも無い。 年の頃が近く見えるから、多少気安いだけだ。 (8) 2022/03/29(Tue) 3:23:12 |
【人】 物書き ラサルハグ舞踏会の勝者に拍手を送る。なんとも平和な『勝利』だ。 愛らしい景品は分けられ、欲しがる者にはおこぼれが。 どこまでもやさしい催しだ。またも敗北してしまったらしいナフに、通り過ぎざま肩を慰めつつ。 さて、絵に加わっても良いが。自分は足があるから、体勢の問題で協力がむつかしい。 ここに、引っ張って来られたテレベルムがいるかもしれない。 モチーフの提案などで口出しするも一興。 自分は。 その辺の大人を捕まえて、軽く確認と許可のくだり。 祭りの終わりが近いとあらば、ひと働きするも恩返しになるだろう。 杖を支えにしたまま、両の手をぱちんと合わせ。 (9) 2022/03/29(Tue) 3:46:24 |
【人】 魔法使い ラサルハグ魔法使いがひらいた手から、火の玉が空にのぼり。 ぱあん! 上空でそう大きくはない破裂音。 空をさまざまな色彩の光の花弁が彩った。 花火、というくらいだから。この祭りにも相応しいだろう。 指を鳴らせばひとつ、ふたつ、花火は打ち上がる。 (10) 2022/03/29(Tue) 3:52:36 |
ラサルハグは、花火に沸き立つ人々を眺めて、銀の灯火を思い出していた。 (a5) 2022/03/29(Tue) 3:56:26 |
ラサルハグは、魔法使いだ。そのちからはとても強く、ある国境では英雄もかくやという扱いだった。 (a6) 2022/03/29(Tue) 3:57:55 |
ラサルハグは、自分の最初の魔法がなんであったかは、忘れてしまったけれど。 (a7) 2022/03/29(Tue) 3:58:39 |
ラサルハグは、魔法でひとのこころをあたたかくすることは、決してむつかしい課題ではないことを知った。 (a8) 2022/03/29(Tue) 4:00:06 |
【人】 魔法使い ラサルハグ光の花弁は散って弾けて消えていく。 何の事は無いオリジナルの術式だ。 攻撃性などなにもない。 ただ、ひとの思い出になる。こころをあたたかくする。 ひととおり花火を打ち上げて、自分もまたのんびりと空を彩るひかりを眺めた。 人々の笑顔が時折こちらを向き、また新たな花火を見上げている。 花祭りは、賑やかであたたかで穏やかで、 だからきっと、似合いだろう魔法をえらんだ。 (11) 2022/03/29(Tue) 4:06:55 |
ラサルハグは、ぼんやりと白く大きなキャンバスを眺めている。 (a9) 2022/03/29(Tue) 4:08:32 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>12 テレベルム 「そうか?光栄だな。…私も、短く話すのみでは 惜しく思っていた。 ………」 リアクションが派手になっている事は十二分に分かるが動じない。 長い睫毛を一往復させたのち、掴んだままの裾を普通に引っ張って踵を返す。元軍人とはいえ力加減は55%程度、問題は無い。 「…では、行こうか。何、すぐそこだ。 顔を見せた方が良い…、長旅になるのなら、猶更。 …貴公は目立つから。顔見知りは、寂しがると思う。 何なら、挨拶回りでもするのは如何か」 ずるずる…… 杖をついて歩く細身の男が、長身の男を市中引き回しにする図。 「ちなみに馬車は…祭りが終わった 翌日の朝 だ。しまったな…もう少し滞在しても良かった。 …良い街だ、そう思わないか、テレベルム殿」 ずるずるずる…… (15) 2022/03/29(Tue) 10:11:27 |
ラサルハグは、まあまあ力強く引いていた。そのままリュシー達の元まで連れて行っただろう。 (a13) 2022/03/29(Tue) 10:13:52 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>19 テレベルム キャンバスが鮮やかに色づいていく様子を見守っていた。 一仕事終えた長身の男の、長く滑らかな髪を、傍らから勝手に一房手に取った。 プリズムを通したように、角度によって複雑に表情を変える色彩をまじまじと眺める。ここまでの動作が無造作すぎるのは、成人男性が相手だから。 「――…テレベルム殿の“色”も、良い色だと思う」 見上げて抜かしたのはそんな言葉だった。 さらさらと音を立てる様にして髪が手から流れた。 「…さて…何の話だったか。 そう…、貴公の言った通り。名残惜しくとも… 次の出会いもまた、善きものだと。そう思いたい。 ……今生の別れでもない。時間は有限だが…、 決して僅かでもない。 次を求めるも再び見えるも、選ぶ事が出来る」 真顔のまま少し首を傾いで、先の問いに答える。 「……善き出会いだったから。 また此処を訪れる事を……私は選ぶよ。 …貴公にとっては…いや、多くの人々にとっては、 改めての出会いとなるのかも…分からないが」 指しているのは、相手の変化について。 一応、察知してはいる。流されれば深く尋ねる事はするまい。 (21) 2022/03/30(Wed) 22:14:11 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>23 テレベルム 「親……そうだった。 そうか…、 貴公は家族の待つ国に戻る為に、発つのだったな。 …親譲りと言うからには…家族もまた美しい色を、 しているのだろう。 …見てみたいものだ」 水晶の瞳を下から覗き込む様にして、杖を持たない手を伸ばす。 長い指はそっと相手の顎に触れた。 「…テレベルム殿もやはり…絵を描いている時より。 柔らかな顔をするのだろうか」 当然だが、この男は全くの素面だ。 したがって終始真顔だ。 所謂顎クイの姿勢で真顔で言っている。 まじまじと至近距離でその顔を眺めるのも、テレベルムという男を知りたかったから。 やがて満足すると、相手の顎に触れていた指で今度は自分の顎を撫で、しばし思案顔。 → (25) 2022/03/31(Thu) 23:05:07 |
【人】 魔法使い ラサルハグ>>24 テレベルム 「………。 ………? では…貴公もまた来る理由も、必要もあるな」 思案顔のまま首を傾げる。 訝しげに少しだけ眉をひそめながら。 「忘れられる事は……まず無いと思うが……。 約束したのなら……猶更……。 ……頭がお花畑、と言うよりも……」 魔法の素養だけはある。なんとなく事情は察した。 察したが、 「 素直に心情を伝える事が出来ていただけ では……?」察しただけだった。 「…きっと皆、テレベルム殿の本心を想像しながら、 汲みながら…変わらず接してくれるに違いない。 心配する事は無いと、私は思う」 僅か染まった頬を眺めながら、フォローをしておいた。 ……フォローどころか抉っている事に気づけないまま。 (26) 2022/03/31(Thu) 23:06:02 |
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