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【人】 焔の魔術師 ベアトリス燃え盛る炭のようでもあった、それは。 サラマンダーは雄の化身となり、彼女の体内に潜り込んで燃やし尽くす。 全身が熱くて堪らないのは焔の精霊との同化のせいなのか、激しい動きのせいなのか。 抉る動作に合わせて揺れたのは豊満な胸だけではない。垂れることのない形良いヒップも律動に合わせて揺れに揺れまくる。 「ああんッ…こんなの経験したことないッ… すんごい気持ち良くておかしくなりそうッ」 男性の恍惚は想像以上であった。 女の子とまぐわう際に激しい行為に相手が気絶するのは良くあることだったが、ベアトリスの意識が飛びそうだ。 サアヤも愛らしく悶え、あられもない声をあげている。 感じまくってくれている。 互いに快楽を与え合えるのに、言い知れぬ充足を感じた。 (0) 2023/10/25(Wed) 0:04:48 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス今までの行為はただのプレイでしかなかったが、彼女とベアトリスは繋がっている。身も心もぐちゃぐちゃに重ねて1つになっていた。 そんな目眩くような交わりの最中、差し出されたネクタイ。 まるで鎖みたいに彼女を繋いでいる。 ふ、と表情を崩すと、ベアトリスはネクタイの端を咥えた。 そして前屈み、顔を近付けて。 彼女の唇にキスを落とす。 これは契約だ、きっと。 彼女の願いに応えるための。 「ーー心配しないで?私は 貴女をそんな風に ーーいいとも。 」不意にベアトリスの顔が歪む。 がくん、と頭を垂れた。 はらりと溢れ落ちるネクタイ。 結合はそのままだが、まるで糸が切れた人形のように。 (1) 2023/10/25(Wed) 0:05:55 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス暫くしてゆら、と顔を見せた時にはーーまるで別人のように赤い唇を歪め。 「ハハハ…アハハハッ! 玩具だと?いいだろう。 お前を俺の玩具にしてやる、 ……一生。 ーー愚かな女たちだ。 まさか身体の同化から精神を 俺に乗っ取られるとは 思わなかったようだな!」 その声はベアトリスのものだが低く、男のようである。 サアヤは悟るだろうか。ベアトリスの意識がもう表層にはないことを。 ぐいと腕を伸ばして髪の毛をひっつかむ。熱くて滾る男性自身は埋め込んだまま。 (2) 2023/10/25(Wed) 0:06:50 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス「サアヤと言ったか。 俺はサラマンダー、焔の精霊だ。 今からこの身体もお前も、全て俺のものとするぞ。 さあーーぶちまけてやろうか、精を。 孕め、サアヤ。俺の子を。 精霊と人間が交わり子を成したらどうなるか、 試してみようじゃないか?」 残忍な笑顔を浮かべてゲタゲタ嗤う。ベアトリスの意識は封じられているーー。 もしベアトリスを助けたいのなら抗う他はない。 そうしないのならーー二人は邪悪と化した精霊の手に堕ちるだろう。* (3) 2023/10/25(Wed) 0:07:35 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスどこぞの聖典はこう始まる。 『初めに、神は天地を創造された。』 そして七日間かけて世界が作られる様を描写する。 サアヤやベアトリスたちが住む世界はどうであったか。 この世界は精霊が最初に存在していた。 精霊がある意味、神のような始祖的なものであった。 始めに精霊が地を、空を、海を、風を創った。 そこに生物が産まれた。 最初、人間はその一種でしかなかった。 が、人間は知恵のある生き物であったので、やがて文化的な生活を営むようになり、あっという間に数を増やした。 人間は音楽や絵画といった"文化"から魔力を得てーーやがて、自然と同化しひっそりと存在していた精霊すら使役するようになる。 ミュジークも、ドローイグも、こうした発展の中で産まれた国家だ。 ーー人々が争いを始めたのはいつからだろう。 始祖である精霊たちが力を封印した宝石イーリスが、世界を揺るがすほどの存在であると気付いたのはいつだろう。 そも、精霊のものであるイーリスを我欲に使ったドローイグの者は、願いを叶えた後にどうなったのかーー。 (16) 2023/10/25(Wed) 21:21:57 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスベアトリスを乗っ取ったサラマンダーは勝ち誇っていた。 元より好戦的な性格である。 ベアトリスとは、荒々しい部分で気が合い力を貸してはいたが、いつかーーこうして立場を逆転してやろうと考えていたのだ、虎視眈々と。 『ふ、名器だな。 殺すのは惜しいし、その ふてぶてしい態度、人間なれど 好ましいぞ。 我が妻としてやるから、有り難く子を産め。 ハハハハッ!』 彼女の体内にあるものは、今や焼きごてのように彼女を苛む。みちみちと雄々しさを増すのもきっと苦痛を与えている事だろう。 人間どもにもう好きにはさせぬ。 マウントを取り完全に油断状態だった。 だから、彼女がいきなり魔力を展開したのにサラマンダーは虚をつかれた。 『むッ!?』 (17) 2023/10/25(Wed) 21:23:08 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス突然現れた鍵盤は土星の輪のように宙に躍ったか。 彼女は演奏を始めた、狂ったように。 『気が触れたか?!』 離れようとしたが、イチモツはきつく咥えこまれていた。 サラマンダーは焦り身をよじる。身体はベアトリスの姿のままであるから、胸はやっぱりゆさゆさ揺れる。 </red>『何をする、この雌餓鬼! 離せ、お前を焼き尽くすぞ!』</red> 体内の男性自身の熱を上げる。きっと彼女は熱さに悲鳴を上げるだろうと。 だが、悲鳴どころか激しく喚かれた。締め付けは更にきつくなる。 『やめろ…ッ』 熱さに彼女が堪えられなくなるか、それともサラマンダーが搾り取られてしまうか。 雌雄を決する闘いが繰り広げられる。 (18) 2023/10/25(Wed) 21:24:17 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスそして、勝ったのはーー 『ああ、イクッ!畜生、吸われるッ! あ、あーーッ!』 ベアトリスの姿のサラマンダーは絶叫して身をそらした。どくどくと、禍々しくも熱い液がサアヤの膣内に注ぎこまれる、吸い込まれる。 びくんびくんと激しい痙攣の後にベアトリスは倒れた。 「…きゃあッ!」 サアヤの身体の上にのし掛かるようになった。 「は、…なんてこと、 私は……サアヤ、サアヤッ! 大丈夫なの、あんな無茶をしてーーサアヤッ!」 ベアトリスの身体からサラマンダーの化身は消えていた。しかし、サアヤは処女を散らして血濡れの上にその体内にはーー。* (19) 2023/10/25(Wed) 21:25:01 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスベアトリスが初めてサラマンダーを召喚したのは、双子の弟であるユスターシュが無理矢理に連れ去れた時であった。 アイツら、赦せない! 怒りに燃えるベアトリスに誰かが囁いた。 ーー力が欲しいのか? それに力強く頷いて答えた刹那に、小屋が焔に包まれた。 メラメラ燃える建物の中にいるのに、熱くはない。 むしろ抑えられない怒りの方が熱く感じるぐらいだった。 ミュジークの騎士達と幼いユスターシュはこの光景を外から眺め、ベアトリスは焼死したと判断したのである。 まさか、彼女が精霊使いとして覚醒したとは知らずに。 ベアトリスが自身の力を自在に使えるようになり、宮廷魔術師に上り詰めるまでを詳しく語る必要はないだろう。 生き別れた弟を取り戻す。 それだけのために、必死に這い上がったに過ぎないから。 地位や力を得るために。 だが、ベアトリスは今、力を失った。精霊サラマンダーはサアヤの胎内に取り込まれたから。 (37) 2023/10/25(Wed) 23:27:24 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスあまりの光景に真っ青になり涙を溢す。血濡れの上にカエルみたいに腹を膨らませたサアヤが無事には見えないから。 「馬鹿ッ…なんで、なんでこんな無茶を。 貴女が、貴女が傷ついてまでこんなッ…」 褒めろと言われたが口から出るのはそんな言葉だ。一体彼女はどうなるのか。サラマンダーを使役出来ないベアトリスの魔力に治癒能力はないし。 「嫌よ、サアヤお願い、 死なないでッ…」 必死にしがみつく。冷静ではないから、ユスターシュを呼んで水の精霊の癒しを使うなどは考えられない。 その時澄んだ音が響いた。 魔力の波動。 何が起こるのか。* (38) 2023/10/25(Wed) 23:28:15 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス何処からか響くドラムにサアヤが応えた。 鍵盤を必死に叩いている。 しかし、彼女は見るも無惨な状態であるし、息も絶え絶えだ。 「サアヤッ、サアヤ無理しないでッ! このままだと、貴女はーー」 顔はもうお化粧が崩れてぐしゃぐしゃだ。ベアトリスは子供のように泣きじゃくる。 彼女が必死に闘っているのだけは理解できたが、もしこんな状態で演奏を続けたらどうなるのかーー また、母体の中のサラマンダーは、どうなっているのか。 (41) 2023/10/26(Thu) 7:51:45 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス美術室の窓からも巨大な虹は見えた。 今は放課後、本来ならば日が落ちてくる時刻だ。しかし空は青空、である。 精霊たちの反乱をベアトリスはまだ知らない。サアヤを抱き締めた。 「サアヤ…ッ!お願い、生きて!」* (43) 2023/10/26(Thu) 7:54:33 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス禍々しいものを孕んだサアヤを助けなくては。しかしベアトリスに方法はない。 この青空や虹は、何処かでイーリスが発動したのか? そうだ、イーリスに願えばーー その時、焔がサアヤを包んだ。 一瞬の出来事。彼女が消えてしまうまで。 「サアヤッ!」 ベアトリスが手を伸ばすが間に合わなかった。 しかしーー サアヤがいた場所には違う存在が。それは、誰なのか。 まるでサアヤを子供にしたみたいな姿だが。 「貴女はーー。」 産み落とされた。そう直感で悟る。しかし、邪悪な波動は微塵も感じない。むしろ神々しいくらいであった。 サアヤであり、サアヤではないもの。 (47) 2023/10/26(Thu) 16:32:50 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスまさか名付けを要求されるとは思わず戸惑う。取り敢えず、人間の姿に戻り衣服を纏い考える。 1つの名前が浮かんだ。 「エスポワ。貴女はエスポワよ。」 それはドローイグの古代言語で『希望』を意味する単語であった。* (48) 2023/10/26(Thu) 16:33:10 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス彼女(?)は人間なのか、精霊なのか?こんな現象は見たことがない。華夜となったベアトリスはただボンヤリと見つめる。 サアヤが居なくなった。 居なくなってしまった…。 そう思った時は絶望しかなかった。 だがーー 彼女が命をかけてサラマンダーを抑え込み、取り込み産み落とした存在は、サアヤの魂を引き継いでいた。 華夜ははらはら涙を流しながら嗚咽を漏らす。 「……大事にするに決まってるでしょ? ーーお帰りなさい、サアヤ。 いいえーーエスポワ。」 近寄ると思い切り抱き締めた。華夜のボリュームあるバストで彼女の顔をぼすんと挟むようになったか。 それから、額に口づけを。 目線を合わせたらーー唇同士を合わせた。 (55) 2023/10/26(Thu) 22:30:58 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス「エスポワ。一体何が起きているのかしら。 恐らくイーリスの力が発動したのだろうけれど。 貴女の仲間に逢わなくては。 私はーー弟に。 弟は私を思い出してはくれなかったけれど、 新しい人生を歩むというなら送り出してあげないと。」 双子の弟であるユスターシュに対する執着は消えていた。 華夜の心は満たされていたから。 エスポワの存在によって。 彼女の策敵能力により、合流は叶うか。 そしてイーリスを見つければ、もう闘いが起こることはないのかーー。* (56) 2023/10/26(Thu) 22:31:22 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリスエスポワが語る言葉を華夜は頷きながらしっかり聞き入った。 彼女の仲間たちは記憶を失ったり重傷ではあるものの無事のようだ。 また、弟のユスターシュが記憶を取り戻したと聞いて、眉を寄せ唇を噛む。 「私の事も、思い出してくれたのかしら。」 勿論そこまでエスポワにわかる筈はないだろう。 彼女と華夜はもう一度見つめあった。通じたのだろう、弟に逢いたいと願う華夜の気持ちが。 行こうか、と言われ頷く。 精霊でも人間でもない彼女はテレポートの魔法まで使えるのか。 二人は瞬時に移動した。 そこは、姫宮千秋の自宅であった。* (67) 2023/10/27(Fri) 10:15:29 |
【人】 焔の魔術師 ベアトリス独りになった華夜は大きく息を吐いた。 ーーこれでいい。弟にはもう、 私は必要ないから。 きっとエスポワも真実を告げたりはしないだろう。 そこで華夜のスマホが鳴る。相手はクラスの生徒の滝沢啓介であった。担任として対応する。 どうやら彼はエスポワたちの仲間である岸咲里津子と一緒に病院にいるようだ。 『わかったわ、これから病院に向かうから。』 エスポワに事情を説明しなくては。* (72) 2023/10/27(Fri) 10:17:47 |
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