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【人】 時雨[ ――― 化粧で痣は隠した。 最後くらい 僕は僕として外に出てみたい。 誰とも話さなければいい。 一回りして、弟への土産を買って いつもとおなじ 僕はまた『時雨』になる。 それでいい。 窮屈に締め付けていた胸のさらしを取り払えば だれもきっと 僕が時雨であることは わからない ] (13) 2024/04/02(Tue) 2:11:03 |
【人】 時雨どうかされましたか? 僕でよければ、あなたの力になれますか? [ ――目が見えないのだろうか。 いきなり触れては驚かせてしまうかもしれない。 ずっと弟の真似をして生きていた。 声の出し方も低めの音が通常になった。 だからできるだけ、話す声色だけは 優し気に聞こえるように。 ――話しかけちゃいけない、でも ほっては おけないよ ]** (16) 2024/04/02(Tue) 2:26:01 |
【人】 時雨[ 僕と娘に面識はない。 神社には近づかないように、生きてきた もし、 もっと出会うのが早ければ よき友となれていたかもしれないが それは、――今は置いた が。 ] い、犬 [ 犬は、少し苦手だ。 そんな意味で、少し怯んだものの かぞく、と聞けば心が軋む。 ] (23) 2024/04/03(Wed) 13:28:16 |
【人】 時雨[ 僕を守ってくれようとした母は、去年亡くなった。 今の家族は僕と弟の二人だけ。 たいせつな、かぞく。 ] わかりました。 あなたの大切な家族なら 僕もあなたに協力しましょう はやく貴方の元に帰れるように [ ここにいて、と言葉を続けて。 安心させられるだろうか。 娘の肩に手を置いて、二度ほど緩く叩く。 もしかしたらその感触で 手の大きさはそれほど大きなものではないと 見えないあなたにも伝わったかもしれない。 ] (24) 2024/04/03(Wed) 13:31:16 |
【人】 時雨[ けものまつりにはお面がいるという。 必ず持って行くように念を押されていた。 それはもう、何度も何度も。 神様に連れてゆかれるからと。 僕はお祭りに来たことはなかった。 もし祭りで僕を見かけた事があるのなら、 それは弟の方だ。 この日だけはどうしたって、僕が出かけるのは 許されることはなかった。 当然といえば当然なのかもしれない。 母は、どんな生き方になろうとも 生き方を縛ってでも 子を守ろうとしたひとだから。 ] (25) 2024/04/03(Wed) 13:33:47 |
【人】 時雨え? ……あ、お面? ……あ、そうだった。ありがとう。 [ 時雨から、 小夜になった。 お面はその時の荷物の中に、置いてきてた。 痣を隠せば僕と弟の区別もつきやしないのに。 見えもしない、存在がわかりもしない 神様だとか妖だとか、そんなものに。 僕は、―僕たちは、これからも 生き方を弄ばれるのだろう。] (26) 2024/04/03(Wed) 13:43:11 |
【人】 時雨[ 弟は生まれながらに、 母の共犯者にされてしまった。 時雨はなにも悪くないのに。 私がいなければ、 ―――なんて、 今まで僕を守ってくれた母と弟のことを思えば それすら願えず 私はここにいる。 本当に神様や妖が居るというならば、 連れていってよ。 それが私が生まれた意味だ、って、いうなら。 そんなことを考えたこと 一度もないかといえば――嘘になる。 ] (27) 2024/04/03(Wed) 14:05:04 |
【人】 時雨[ しかしそれはこの、 大事な家族を探している娘には関係のないことだ。 小さな犬なら他の大きな獣に襲われるかもしれない。 なら面を取りに戻るよりも、 大事なことがある。 僕がそうしたいの ] 大丈夫です。ここに面はありますから。 それよりもコマさんをはやく見つけてあげましょう (28) 2024/04/03(Wed) 14:07:56 |
【人】 時雨[ 親切な娘さん。 あなたを助けるという名目のもと、 あなたの忠告を無下にした。 ――ごめんね。 共に行くなら手を取ろう。 手分けするなら、そのように ]* (29) 2024/04/03(Wed) 14:08:24 |
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