【人】 空腹な迷い人 レックス― 街中 ― [ 唸るのをやめて、漸く顔を上げる。 お腹が空いた。 ここは美味しそうな匂いが満ちていて 空きっ腹には、些か良くない環境だ。 ふらふらと、歩みを進めて、この世界の市場か何かか 食べものを売る店が、ぽつりぽつりと並んでいた。 食べもの以外の店もあることは、なんとなくわかる。 だけど、字は読めなかった。 言葉が通じるかは、まだ分からない] いい匂いがする…… [ 不審なものを見る、そんな視線を感じながら ふらり、ふらりと進んでいけば、 丁度買い物をしている客の姿が目に入る。 そこもまた、何か食べものを売っている店のようだ>>4 やり取りしているものを見れば、 この国の紙幣か硬貨か、 自分が知っているものとは、やはり違った。 会話を耳にすれば、その言葉の意味は理解できた。] (76) 2020/09/11(Fri) 18:20:16 |
【人】 空腹な迷い人 レックス………… [ 買うこともできはしないし、 買えたとて腹も膨れはしない。 小さく頭を振って、また歩き出す。 空腹を多少なりとも、満たせるものを見つけなければ どんっ、 街中を歩いていれば、人にぶつかり。 微かに香る芳しい香りに、くらりとしつつ、小さく謝った。] あぁ、……ごめんなさい [ こちらの様子に心配そうな顔と言葉。 具合が悪いのか、病院に行くか。 ――どうやら、言葉は通じるようだ とてもお節介な人だ ――嫌いではない。 だから、つい理性で止めるのを忘れてしまった。] (77) 2020/09/11(Fri) 18:20:20 |
【人】 空腹な迷い人 レックス――ひとつ、 お願い をしてもいいですか?[ 儚げな笑みを浮かべて、乞えば 相手は素直に頷いてくれた。 こういうときは、願いの内容を聞いてからじゃないと ――――損をするよ 心の声などおくびも見せずに、 申し訳なさそうな笑みを浮かべた。] ここでは、お願いできないので あちらに…… [ 街の中に見えた、ささやかな緑。 小さな庭園か、広場か、そちらを視線で示して、 肩を支えてもらいながら、そちらに向かった] (78) 2020/09/11(Fri) 18:20:22 |
【人】 空腹な迷い人 レックス― 公園 ― [ 僅かな木々と、遊具が並ぶ中、 長椅子に腰を掛けて、声をかけてくれた"人間"を見上げた。] ありがとう、僕の瞳を見つめて欲しい ただそれだけで、大丈夫です [ 甘やかに微笑んで、瞳を見つめる。 薄紫は、ゆらり、揺れて、じわりと血が滲むように 紅に染まっていく。 だけど、見つめる先の"人間"は、驚きはしない。 ただぼーっとこちらを見つめるだけだ] (79) 2020/09/11(Fri) 18:20:24 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 大切なあの子の声が聞こえた。 女の子にしては、少し低めのハスキーな声。 大好きな音 約束したんだった。 突き立てようとした場所に、牙ではなく もう一度、唇をあてて、小さく息を吸う。 唇に感じるのは、微かな甘さ。 少しだけ、この人間の生気を分けてもらう。 飢餓状態だった腹は、微かに膨れて、 正常な思考を取り戻せば、自分がしようとしたことを悔いる。] 約束……破るところだった、ごめん、ゼノビア [ 大好きなあの子の名前を呟いて、 もう一度、自分を戒める。] (82) 2020/09/11(Fri) 18:20:37 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 自分は、" 鬼 "と言われる種族だ。人間の血を吸い、生気を奪い、喰らう存在。 闇夜に浮かぶ紅の瞳、頭の上には、白い角。 普段は隠しているが、本性を表わせば、 異形だと一目で分かる見た目をしていた。 遥か昔、人間と争っていた"鬼"と"人間"は 天上に住まうものが介入したことで、 ――――"人間"の勝利で終わった。 敗れた鬼たちは、散り散りになり、 闇の中でひっそりと生きていた。 時折、人を喰らっては、闇から闇へと渡り歩く。 それが、今までの自分。] (83) 2020/09/11(Fri) 18:20:39 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ ある日、一人の少女と出会った。 ――正確には、一人の少女と一匹の鬼。 不思議な二人組は、 人と鬼との共存を目指す旅をしているだとか。 正直、そんなことは無理だと思った。 だけど、彼らが話すには、鬼と人が結ばれて、 共に生きる道を選んだもののいるという。 信じなかった。 だけど、徐々に話をするうちに、触れ合ううちに その気持ちを理解した。 ――あの子を好きになってしまった だから、約束をしたんだ。 人を食べてはいけない。 人の血を吸ってはいけない。 人と共存をしよう。 約束をした、だから人の血も肉も喰らうことは止めた。 生きるだけなら生気を分けてもらうだけで、生きていける。] (84) 2020/09/11(Fri) 18:20:42 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ だが、しかし――… 一度、血肉の甘美な美味さを知った鬼は、 そう簡単に、変われはしない。 血が欲しい、肉を喰らいたい。 そんな欲求に何度も負けて、 あの子を失望させて、悲しませて、――何度も、後悔して だから、願うことにした。 時の魔女に、何でも願いを叶えてくれる魔女に、] (85) 2020/09/11(Fri) 18:20:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックスどんな、対価を払ってでも……叶えなきゃ、 [ ぼーっとしている人間を、そっと長椅子に座らせて 僅かに、足をふら付かせながら、また街の中へと進んだ。 まずは、元の世界に帰らなければと……**] (87) 2020/09/11(Fri) 18:20:50 |
空腹な迷い人 レックスは、メモを貼った。 (a10) 2020/09/11(Fri) 18:27:48 |
【人】 空腹な迷い人 レックス― 漫画喫茶コズミック ― [ 少し足を縺れさせながら、 ここではない場所の匂いを追って歩みを進め。 辿り着いたのは、一軒の店。 音を立てて、扉を開けば、 本らしきものが、ずらりと並んだ場所と、 やる気の無さそうな店員>>1] あ、あぁ、すみません [ 邪魔と言われれば、慌てて移動して ぽかんと、店内を眺めていれば、 "異世界"という言葉と、この設備の話をしてくれた。 異世界の扉、から来たわけではない気もするが 大まかに違ってはいないだろう。 ふんふんと、言葉に耳を傾けていれば、 漫画と聞きなれない言葉。 絵本は、分かる。子どもたちが読んでいた覚えがある。] (103) 2020/09/11(Fri) 22:59:05 |
【人】 空腹な迷い人 レックスあの、異世界の扉…… 自主的に開くことってできるんですか? ……僕、戻らなければいけないんですが [ はてさて、やる気のない店員は、答えてくれたかどうか。 どちらにせよ、設備を使うのに支払いが必要か 確認して、これで大丈夫かと、 あちらの世界で使っていた硬貨と紙幣を渡しただろう。] (104) 2020/09/11(Fri) 22:59:08 |
【人】 空腹な迷い人 レックスあぁ、お腹が空いた…… [ 飢餓状態は脱したが、 それでも、空腹であることには変わらない。 歩き回ったこともあり、疲れて、空腹で、 ふらりと、ソファの上に腰かければ、猫のように丸くなった。] 少し、休ませてもらおう…… [ ちょっとだけ、ちょっとだけ、休憩する。 自分に言い聞かせるように微かに呟いて、 そのまま瞳を閉じた**] (105) 2020/09/11(Fri) 22:59:11 |
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