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【人】 空腹な迷い人 レックス[ 絞り出すように、微かに聞こえた声は 魔女にしては、酷く切なげで、妙に胸の奥をざわつかせた。 瞳を瞬かせて、誰もいないのに つい視線を周囲に巡らせてしまう。] (今、なんて?) 『館に来る者が誰か、私は既に知っているわ 彼らが来るのは、偶然ではないの そこにあるのは、ただ――――" 必然 "お前だけは、その"必然"の中にいないのよ だから、"ゲーム"に参加する前に死なれては困るの せいぜい、生き延びて、我が時計館にいらっしゃいな』 [ 先程の音が嘘のように、 毅然と、そして、相変わらず愉しそうに くすりくすりと、嗤う声だけを響かせて、 やがて、声は聞こえなくなった。] 条件って……なんだろう 死んで、運よく生き返ったとして… (129) 2020/09/13(Sun) 22:25:38 |
【人】 空腹な迷い人 レックス――――生き返った僕は、本当に"僕"なのかな [ 呟いた声は、誰に届くこともなく。 静けさの中に融けて、消えた**] (130) 2020/09/13(Sun) 22:25:41 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 漸く飢えの波が治まって、顔をあげた。 はぁ、はぁ、と浅い呼吸を繰り返して、 机に縋るように身体を起こせば、 先程のナポリタンが目に入る。 ゆっくりと、数度深呼吸をしてから、 再び、フォークを手に取った。] すっかり冷めてしまったけど……美味しいや [ 冷たいけど、美味しいと感じた。 ソーセージを口にすれば、腹が満たされるのを感じる。 少しずつ、少しずつ、 普通の食事で満足できるようになればいいのに だけど、少しずつでは間に合いそうもなかった。 きっと、近いうちに自分はあの子を喰っていただろう。 許されないことで、仕方がないことで それでも、そんな未来を迎えたくなかったから ――優しい鬼になりたかった 胸の内で、そんな願いを抱きながら、 自嘲の笑みを浮かべた。] (209) 2020/09/14(Mon) 21:01:45 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 何処かの物語の主人公が言っていた。 "人前に出てこないゴブリンだけが、いいゴブリンだ"と 鬼も一緒だ。 人前にでてこない鬼こそが、良い鬼なのだろう。 それでも――――…] ひとりぼっちは、寂しいんだ [ 人との争いで、父は死に。 人に見つかり、母は死に。 自分は、それでも生きることを選んできた。 一人で、お腹を空かせながら、闇の中でひっそりと 一人になってから、1年、2年、3年。 最初の頃は、野山の動物を狩って生きていた。 だけど、寂しさに、孤独に耐えきれなくて。 人に化けて、村に住んでみた。 戦災孤児と偽って ――偽りでもないが だけど、見た目が変わらないことを 訝しんだ村人に殺されそうになった。] (211) 2020/09/14(Mon) 21:01:51 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 次に、その村から、ずっと遠い町に今度は潜り込んだ。 孤児はたくさんいるから、そこでは上手く潜り込めた。 だけど、孤児仲間が襲われているところ 鬼の力で助けてしまった。 ――『騙したのか、この バケモノめ !!』今でも憶えている。 助けてやったのに、罵られて、石をぶつけられて ――――拒絶された 人間と一緒に生きるのは、やはり無理なのだと思った。] (212) 2020/09/14(Mon) 21:01:53 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ それから、10年、20年 長い時間を一人で生きてきた。 襲ってくる人間を殺しては喰って、腹が減っては、喰って 食事をした後は、それでも罪悪感でいっぱいだった。 男を喰った、女を喰った、子どもも喰った。 ――襲ってきた父親を殺して ――周囲に知らせようとした母親を殺して ――たった一人残しては可哀想だから、子どもも殺した 仕方がなかったんだ。 生きるためには、仕方がなかった。 ごめん、ね……ごめんなさい…… 美味しい食事に涙を流しながら、謝っていた。 そんな時に、やってきたのが白鬼だった。 近くの山小屋に、鬼と共存を目指している娘がいると そんな話を急にされた。 自分が食べているものなど、目にも入っていないかのように そんな酔狂な奴がいるなら、会わせてくれと言った。 食べてやろうかと思ったが、白鬼にとっても大事なようで 同族であろうと殺す。 というような目で見られたのを覚えている。] (213) 2020/09/14(Mon) 21:01:55 |
【人】 空腹な迷い人 レックス鬼の養父とでも言うのかな…… [ 父親のような顔をした白鬼を思い出して、 くくくと喉の奥で笑った。 昔のことを思い出しながら、食べていれば いつの間にか、皿は空になっていた。] ごちそうさまでした [ 手を合わせて、小さく呟いてから、 個室を出れば、周囲の本棚に目をやった。 よくよく見れば、ここにある本は読めるようだ。 見たことない文字なのに、 意味は理解できるというのは不思議な感覚だ。] こ、凍れる? [ ふと目に留まった本を手に取ってみれば、 そこには、人狼の娘の物語が描かれていた。] (214) 2020/09/14(Mon) 21:01:58 |
【人】 空腹な迷い人 レックス[ 愛しいと想ったものを、食べたいと思ってしまう少女。 彼女にとって、食べるということが最大の 愛情表現 だった。初めて、自ら欲して食べたのは、初恋の少年。 だが、それをきっかけに、彼女の両親は死んだ。 両親は、村の人間には手を出さないこと、 代わりに村を襲う連中を退けることを約束して、 この村に住んでいたというのに、 幼い娘は知らずに契約を破ってしまったのだ。 その日から、彼女が新たな村の守護者になった。 優しい獣になりたいと願いながら、 人間と共存したいと願いながら それはきっと無理だと、――諦めながら しかし、そんな日々も 人間側の裏切りにあい、終わりを迎えた。 愛しい友人を食べ、初めての仲間を得て、 仲間を守るために、自らを差し出した。 本当は、人間と一緒に生きたかったのに 大好きな子たちと一緒に生きたかったのに その願いは、諦めて。 仲間のことを、大好きな子たちのこと 彼らの幸せを願って、死んで逝った。] (215) 2020/09/14(Mon) 21:02:00 |
【人】 空腹な迷い人 レックス……僕は、こんな風に諦めたくないから だから、願いを叶えに行かなきゃ [ たとえ、それが悪魔に魂を売るようなことであろうと この願いだけは叶えたい。 あの子との約束を守りたい。 ぱたりと、本を閉じて、静かに瞳を閉じた。 じわりと胸の奥に広がる熱を感じていた。 愛しいという想いを、力に変えて進もうと] (216) 2020/09/14(Mon) 21:02:02 |
【人】 空腹な迷い人 レックス 『あはははははははははは!!!! いいぞいいぞ! その調子だ!! そのまま、一人くらい、 喰ってから戻ってくればいい!!』 (217) 2020/09/14(Mon) 21:02:04 |
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