102 【身内RP】泡沫に消えし夢の随に
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創世祭、楽しんでおられますか。
[ 悩んだ挙句、きちんとした言葉で話しかけたのは、 ほんの気まぐれが偶然産んだこの再会に
胸の奥がざわめき立っていることを 悟られないように、などという、 魔族に似合わぬ女々しい努力。 ]**
(8) 2021/10/21(Thu) 17:28:47 |
暗闇の中。
音と気配だけを頼りに、横に飛ぶ。
小さく、息を詰めて
槍を握る手に力を込めた。
世界は暗闇だというのに。
相変わらず眠くて、身体は重くて。
自分では気づいていないけれど、
腕には黒い痣が広がっていた。
けほ、と時折、咳をすれば
こぽり、と口から何かが零れる。
口の中が鉄錆のような味で気持ちが悪い。
もう生きる意味などない。
そう思うのに、身体は勝手に戦ってしまう。
魔族の本能か、狩人としての癖なのか。
「 燃え尽きろ!! 」
血を吐きながら、叫べば
炎を纏った槍で、対峙していた悪夢の化け物の
頭部を突き刺した。
はぁ、はぁ、と荒い呼吸と
ぽたり、ぽたりと、血を流していれば、
ふいに懐かしい顔を思い浮かべる。
「 助け、に……こんままじゃ〜
いけんよね〜 チップ返さんとかな〜? 」
同族の青年。
あの日、多く貰ったチップの分。
彼を手助けする日は、未だに来ていなかった。
にへへ、とわざとらしく緩く笑ったら、
頬を伝うものを感じて、もう一つ笑い声を落とす。
槍と杖にするように、大地に突き刺して
大きく一呼吸すれば、見えはしないが、
空を見上げて、祈った。
大事な友人が、無事であることを――
それから、森の匂いに誘われて
木々の合間を歩んでいれば、ひゅーひゅーを
隙間風のような音が微かに聞こえた。
槍を構えながら、音に近づいた。
「 生きてるヒトかな〜?
生きてるなら、なんか話してくれんかな? 」
慎重に進み、警戒をしながら、
口調だけは、緩やかにそう告げれば、
身じろぐ気配を感じた。
だが、その人はもう、手遅れのようだった。
もうすぐ悪夢の化け物になってしまうらしい。
自分の意識がなくなる前に殺してくれと頼まれた。
俺は、彼が望むままに、トドメを刺した。
エルフの青年だったらしい。
青年と言っても、恐らく俺よりは年上だと思うけど。
こういうことは、よくあった。
悪夢が蔓延るようになってから、何度もあった。
仕方がなかったんだ。
もうどうしようもなかったんだ。
創造主様ですら、悪夢の化け物になったものを
殺して浄化するしかできない。
浄化したとしても、その人は元には戻らないんだ。
「 ………… もう、疲れた、なぁ 」
乾いた声が、乾いた風に乗って、
カサカサと、木々の葉を揺らしていた。**
誰もが笑い、誰もが幸せで、誰もが失うことのない
美しいもので溢れた世界 ────
そんな「夢」みたいな世界はやっぱり
存在なんてしなかったんだ。
大丈夫だ、私。
まだ化け物にはならないよ。
救わないといけない人が沢山いるからね。
大丈夫だよ。
[ そう自分自身に言い聞かせる。
徐々に侵食される世界の中でできることは
あとどれくらい残されているのだろう。 ]
いくら私が大丈夫だと言っても
大丈夫にならないことは沢山あるのに。
[ 現在の侵食値:(69)1d100** ]
[ 歌い続けても、いくら歌っても。
悪夢からは、逃げられないのです。
悪夢の化け物に姿が変わったものを
歌の力でもどせたらどんなによかったか。
わたくしにできることは、生きている者に
生きて、と生を願うように歌うことだけ。
癒しを少しでも届けることだけ。
それすら微々たる力にしかなりませんから。
魔族の方に助けていただいた時は
泣きそうになっていました。
怪我を負わせてしまったと、無力さを痛感して。 ]
[ それでも、わたくしが泣き叫ぶことだけは。
それだけは許されなどしないのです。
だから、声を殺して、泣くしかできなくて。 ]
[ 今だって、そうです。
創造主様の声が聞こえても
声を殺して震えながら、目からあふれる涙を
止めることなど出来はしませんでした。
あの方は、ご無事でいらっしゃるのでしょうか。
怪我をしていたら、どうしましょう。
わたくしはどうなったって、いいから。
―――あの方に、生きていてほしい。
何かに浸食(98)1d100
されていく感覚を感じながら。
思いをはせていました。 ]**
| [ 感情を声にしたくなかった >>24とそう聞けば 片方の眉を僅かに上げて。 意味を推察はすれど、口には出さずにいた。 一輪の花がふわりと咲く様を思わせる笑みを しげしげと見つめてしまう。 会いたい人に、 たった今 会えた >>25 の言葉が鼓膜に触れる。 一息置いてその意味を理解すれば まるで初心な少年のように顔が熱くなるのを 感じてしまって、慌てて前髪をぐしゃ、と梳いて 誤魔化そうとした。 ] …… それは、よかった。 (31) 2021/10/22(Fri) 17:13:44 |
| [ 偶然ですね、と喉まで出かけた言葉は どうにか胃の腑へ押し返し。
飾り気のない誘いの言葉に、だらしなく 緩みそうになる頬を引き締めて、微笑んで頷いた。 ]
(32) 2021/10/22(Fri) 17:14:24 |
|
もちろん、喜んで。 綺麗なお嬢さんのお誘い、断ったりしたら バチ当たるわぁ。
[ へらりと戯けて、示されるがまま日陰のベンチへ。
龍眼水に興味を示される彼女に肩を並べて 屋台を覗く。 購入しようとする彼女の手を静かに押さえ、 暗に己が、と伝えれば遠慮されるだろうか。
どちらにせよ女性に支払いを任せるような 格好の悪いことさせんといてくれますか、と くすくす笑って半ば強引に 支払いを済ませてしまうのだけれど。 ]
(33) 2021/10/22(Fri) 17:16:03 |
| [ 両手に二人分の龍眼水を手に、ベンチに腰かければ ひとつを手渡そう。 まずは眩しそうだと日陰を選んでくれた、 さりげない優しさに礼を伝えて。 ]
あぁ、気遣わせてしまって申し訳ない。 俺は、見ての通り魔族でね。 昼の光が強くて、眩しくて見えづらい。 日陰ならいくぶんマシで、助かりました。
(34) 2021/10/22(Fri) 17:17:47 |
| [ 彼女の声は穏やかで、柔らかな風のように快い。 詠うような声に変な顔をする輩がいる >>24なんて 思いもよらないから。 ] 一度聴いたら忘れぬような 澄んだ美しい声をお持ちですね。 [ 口にしてしまってから、柄にもないことを言ったと 照れたように手にしたカップに口をつけ、 ごくりと大きく一口飲んで、困った顔で笑った。 ] (35) 2021/10/22(Fri) 17:19:55 |
[ もともと日の光の下では見えづらかったのだから。
額から流れる血が目に入って赤く染まる視界は
もうどうでもよかった。
瞼を閉じれば、宝石のような葡萄色が
手に取れるように鮮やかに描けるから。 ]
[ 大人しく言うことを聞いて、種族の繁栄にでも
とっとと励んでいれば
この世界を蝕む悪夢から、護るための手を
ひとつでも増やすことが出来たのだろうか。
早く嫁をもらえ、と会うたびに口から炎を
吐いていた母を思い、微笑う。
母の言うことに反発するだけで、何ひとつ
孝行らしいこともしてやれぬまま、
この手で屠った、母のことを。
愛しんでくれた恩を返すこともなく、
かつて母だったモノの首を切り落とした時の
ぐにゃりとした肉の感触が、
いつまでも、いつまでも手に残って。 ]
[ 創造主の声が聞こえる。
己が知るそれとは異なり
凛とは言いがたいその声に、思わず顔が歪む。 ]
わるいなぁ、
主様、ちょーっと厳しそうやわぁ。
[ こんなにも、護ってもらうばかり。
心底申し訳ないと憂う。
その命を削って、残された者を護ろうとしている
創造主の、
最期の願いさえ、叶えることは(71)1d100──────
]
[ レーヴは、どうしているだろうか。
俺のことはもう、どうでもいいと思った。
生き延びてほしい、一人でも多く。
それから、
ほんの銅貨1枚で頼めた義理もないのだけれど。
足りへん分は、ツケでなんとかひとつ、
助けてやってくれへんかなぁ、と
自重気味に呟いて、嗤う。 ]
─── ……ユーラ、
[ 口に出して名を呼べば、吐息と共に
焼けるような赤が、口端から溢れて
蛆のように黒く変色した痣を染めた。 ]**
創造主様が、守ろうとしてくれている。
だというのに、生きる気力が湧かなかった。
そんなことを思っていたから
罰が当たったんだろうな。
銅貨1枚分の奇跡だって。
本当は、貰えたかもしれないのに。
「 休む暇もないってぇのは、
こ〜いうことなんかねぇ、鬱陶しい 」
陽が落ちるにつれて、
あたりはジリジリとした不快な音が多くなり、
迫る気配に飛びのきながら、愚痴をこぼす。
疲れたと、血反吐を吐いても、身体は勝手に動くんだ。
だけど、そう。
何かぬめるものを踏んでしまって、
身体がぐらりと、傾いた。
ぐ、と小さく呻いたところで、
腹に、胸に、痛みが走った。
「 ッ、ぐ……かッ、 」
焼けるように熱く、痛む。
そして、何かに浸食されているような気配に、
嫌な汗が、額から流れ落ちる。
そう思ったら、悔しくて。
気づけば、呪文を唱えていた。
今までで一番強い炎の魔法。
「 」
声にならない叫びの中で唱えれば、
周囲総てを炎に彩って、すべてを
燃
やし尽くして。
俺が最期に見たのは、
赤々と炎に炙られるように
照らされた――――――― 綺麗な星空だった。**
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