【人】 無口な使用人 ジゼル[ 貴女も、お時間あれば如何ですか?>>182 不思議なその人は、そう言った。 突然話しかけられたことも驚いたけれど、懐から出したその手から、白い何かが飛び出して、それが鳥だと気付いた時には私の肩にとまっていて、さらにその鳥の嘴には花が咥えられていて もうなにがなんだかわからないままぽかんとしていた。] あっ……待ってください、イヴさん。 このたこ焼きの御礼が出来ていません。 何処かで腰を据えませんか?>>182 [ そうイブさんに声をかけるその人は慌てているようで、声をかけられたイブさんもなんだか慌てた様子で立ち去ってしまって、いったいなにがあったのだろうと少し心配になった。 その時、頬にふれた、小さな感触。 肩に優しく止まっているその鳥が、私の頬をつついていた。 近くで見れば嘴にはクチナシ。好きな花だった。]* (197) 2020/05/17(Sun) 18:25:32 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 何をどう話しかけようか、その言葉のきっかけすら見つけられないままに、彼が手にしていたタコヤキを一口で口に入れたのを見ていた。] (…あ、タコヤキ…ひとくちで…) [ あぁ、と思う間もなく、彼は帽子の鍔をギュッと下に引っ張った。少しだけ、肩が震えているように見えた。]>>190 (熱かった…のかしら) [ タコヤキの熱さは誰より良く分かっている。 思わず水筒にお茶を入れて、差し出した。] 大丈夫ですか? (199) 2020/05/17(Sun) 18:35:26 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 助かりました、御嬢さん、と言いながらもまだ息が少し乱れているその人は、私に気を遣わせてしまったと感じたのか、流れるような口調でタコヤキが悪い訳ではないと話す。 その口調は滑らかで耳に心地よく。 相槌をうつことも出来ずただその人を見つめていて。 ふと、熱さで出た涙のせいか、彼のメイクが乱れてしまっているのを見つけた。 恐々、ハンカチを差し出そうとした時。 彼が帽子の鍔を引っ張って、たった数秒。 シルクハットが元の位置に戻った時、メイクはすっかり元のように美しくなっていた。] (…えっ…)* (207) 2020/05/17(Sun) 21:28:21 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ ぽかんと口を開けたまま、ハンカチを渡そうとした動きも止まってしまった私に、その人は、 申し遅れました、優しい御嬢さん。 ぼくは旅の道化師でマッドといいます。 この様に簡単な『手品』も嗜んでおりますよ。 命を救って頂いた恩もありますし、是非御礼を。>>202 と、帽子をとって一礼する。 優雅な振る舞いの片方の手にはタコヤキが乗っているままになっていて、ほかほかと湯気が立ち昇るのを見て、そこで初めてふうっとちからが抜けた。] 私も、もう2度も泣かされてしまいました。 タコヤキ、とっても美味しいのですけれど。 名乗ることも忘れてようやくそう口にしたら、なんだかおかしくなって笑ってしまった。]* (208) 2020/05/17(Sun) 21:34:35 |
【人】 無口な使用人 ジゼル ジゼル、と申します ユンカー家で、使用人をしています [ と改めてお辞儀をする。自然な笑顔が出て、自分でもホッとした。 お礼をしていただくようなことではありません、それに素敵なお花を頂いて、光栄です なんて告げようとして、手にしたクチナシに目をやれば、 街で出会った、道化師さん。 不思議な不思議な、たくさんのその手品。 それは魔法なの?とキラキラした目で聞いたのは誰だったかな。 あの道化師さんは、マッド、という名前では無かったような気がするけれど。]* (213) 2020/05/17(Sun) 21:48:02 |
無口な使用人 ジゼルは、メモを貼った。 (a65) 2020/05/17(Sun) 21:52:07 |
【人】 無口な使用人 ジゼル 【もちろん魔法だよ…すごいでしょう…】 『ええ、とってもすごいわ!マシューは魔法使いなのね!』 『…マシュー?どうして泣いているの…?』 [ それとも、なにかで読んだお伽話? それなら何故、目の前にいるマッド・リヒターまで泣いているように見えるのだろう。] ぼくの手には2食分のたこ焼きがありまして。 どうぞ、手伝って頂ければ光栄なのです。>>231 [ 帽子の鍔を瞳の位置まで下げたマッドから、差し出されたタコヤキをそっと受け取る。 …また会えて嬉しいわ。マシュー。 そう小さく呟いた。]* (238) 2020/05/17(Sun) 23:48:31 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 宝物のようにそうっとタコヤキを抱き抱え、せっかくの綺麗な礼服の袖で顔を拭う彼を見つめていた。>>270 あぁ、今こそさっき渡しそびれたハンカチを渡せば良かった、と思ったけれど、白く汚れてしまった袖はなんだかとても…美しく眩しくて。] "ただいま。ジゼル。" [ と、 そう振り向いて、微笑むその顔は。 (274) 2020/05/18(Mon) 7:58:08 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 映画や本で見たように何もかも気にせず駆け寄って抱きついて…などという訳にはやっぱりいかなくて。 抱き抱えていたタコヤキを手近なベンチにそっと置いてから、] おかえりなさい、マシュー・ド・リヒテンシュタイン様。 [ と、白く染まった袖ごと、手を取った。 大人になったことを見せられるといいな、と考えるけれど、涙が浮かぶのは止められなくて、それでも無理矢理笑顔を作ったものだから、多分あの時と同じ、子供のようだったと思う。]* (275) 2020/05/18(Mon) 8:03:28 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 成長するにつれ自分にも、その時に王室で起こっていた大層な事件の詳細は見え聞こえてきた。 噂好きな近所の夫人たちのおかげで、事件のあらましは、なんとはなしに理解して。 マシュー、と名乗ったあの人が、実は騎士団参謀総長であり、そして" 国宝泥棒の逆賊マシュー・ド・リヒテンシュタイン "であったということ。 それでも、あの時。 母をも亡くして、本当の一人になってしまった自分の前に現れた、まるで魔法使いのような"マシュー"。] (276) 2020/05/18(Mon) 8:04:41 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ いいえ。あの人がそんなことをするはずがない。 悲しい顔をしていたのだから。 『ねぇマシュー、また会える?また魔法を見せてくれる?』 [ そうすがるように聞いた私に、彼はなんと答えたのだったか。 心の奥にしまいこんで、しっかりと鍵をして、見えないほどの海底に沈めたその思い出が次から次へと湧き上がり、溢れ出るのを止められずにいた。]* (277) 2020/05/18(Mon) 8:07:15 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ あぁ、そうだ。 もし、彼がマシュー・ド・リヒテンシュタインその人なのであれば そうして想像に難くない危険をおかしてまでこのタナバタに、この国を訪れたのなら。 恐らく彼には お会いになければならない方が、いらっしゃるのではないですか? [ そう言って、ゆるり微笑んだ。]* (278) 2020/05/18(Mon) 8:11:03 |
無口な使用人 ジゼルは、メモを貼った。 (a82) 2020/05/18(Mon) 8:14:39 |
【人】 無口な使用人 ジゼル未だ時間はあります。 あれからの事、"私"が居なかった10年間の事……貴女の話を 聞きたくなりました。お付き合い願えませんでしょうか?>>293 記憶にあるそれと比べると、少し緊張しているような彼の声が、それでも心地よく耳に届く。 呼称がぼく、から私、に変わっていることに気づいたら、もう堪えきれず涙が溢れた。 握ったままだった彼の手をそっと離して、カーテシーを。 背筋を曲げて、膝のあたりまで頭を下げた、最敬礼を捧げて。]* (294) 2020/05/18(Mon) 15:12:29 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[…大人ぶった振る舞いが出来たのはここまでで、すぐにまたその手を取った。 未だ少し余裕があると言う彼の時間を1秒だって無駄にしないように、腰を下ろす場所を見て探す。 小さな子供のように、見つけたベンチに彼を引っ張り、少々強引に座るよう促したけれど。 そこには先程置いたままのタコヤキが所在無さげに佇んでいて、マシューが困った顔で笑う。 あ…慌て過ぎてしまったわ…と気恥ずかしい思いで、いまだ立ち昇る湯気のタコヤキを見たら、やっぱり私も吹き出してしまった。]* (295) 2020/05/18(Mon) 15:17:35 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ 人を困らせるほどにはもう熱くないタコヤキを改めて二人で食べる。 私の話と言っても、彼がいなかった10年の間には、さほど話したい事が無くて、] 王都から漏れ伝わるあなたの噂話を聞いたこと。 毎週のように、あなたと最後にあった場所に来ては優しい魔法使いさんを待っていたこと。 そしていつしかそこで出会った、少々騒がしい友達アデルのこと。 使用人とは名ばかりで、養女のように自分を扱ってくれるユンカー夫妻のこと。 [ そんなことをぽつぽつと話す。 いつの前にかその声が、決して大きくは無いにしても常人と同じくらいに聞き取り易いものに変わっていたことに、自分では気付いていなかった。]* (316) 2020/05/18(Mon) 20:00:56 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ こちらは次から次へと言葉が繋がって。 大切な大切な友人ノアのこと、星読みの学生ハニエルとの出会い。 同じようにタコヤキを食べて涙目になっていた、優しいそばかすの機関設計士さん。 犬耳を付けた騎士さん。と、ちょっとドキドキした経緯。 妹のようなルーシュと一緒に、その犬耳を買ったお店のこと。 大好きな駄菓子屋さんと、お名前も聞けずにいる銀髪のお孫さん。 孤児院で時々会うイヴさん、広場のお花屋さんに、営業時間のよくわからない仕立て屋さん。 異国のお姫様のような美しい女性。 楽しみにしていながらまだ見られていない、タナバタの舞。 すれ違うたびにその目を奪われる、騎士団の女性。 …あの 妙ちくりんな 可愛らしい魚の被り物を被って、踊ったことを話せば、隣の彼はどんな顔をしただろうか。]* (317) 2020/05/18(Mon) 20:06:00 |
【人】 無口な使用人 ジゼル しっかりと"ココだけ"見ててね。>>323 [ 彼の見せてくれる不思議な"魔法"。 ぽつり、寂しそうに佇むタコヤキが、シルクハットに入れた彼の手から出てくるなんて!!] いったいどうなっているの…??! [ 驚くよりほかにすることがない私に、にやりと笑うその不敵で、自信に溢れた輝く瞳。 私はこの魔法使いさんに、ずっと思いを寄せていたんだ。]* (338) 2020/05/18(Mon) 22:10:50 |
【人】 無口な使用人 ジゼル[ ずっと、このままでいられたらどんなに。] …… ふいに流れる静寂。 タナバタ祭りも終わってしまうのだ。 つ、と見上げた空にはいつの間にか、宝石のようなたくさんの星。 ベランダにお出ましになったシュテルンポレール殿下と、ユウェル王女。 星を見つけたとおっしゃっていた王女様。 小さくそう問えば、彼はなんと答えたのだろう。]* (340) 2020/05/18(Mon) 22:15:22 |
【人】 無口な使用人 ジゼル祈っていて。『魔法』は"実在する"って。 そして、信じてて。必ず私は帰って来ると……。 手に残る、【星の飾り】。 見つめれば、止まらない嗚咽。 ねぇ、私の魔法使いさん。 待っています。ずっと。 あつあつの、タコヤキを用意して。]* (372) 2020/05/18(Mon) 23:51:47 |
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