102 【身内RP】泡沫に消えし夢の随に
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| 俺は曲がりなりにも魔族、 そこいらの人間よりは耐性もあろう。 ─── 心に溜めて澱んだ言いたいこと、 吐き出したいことが出来た時は どうぞ遠慮なくお呼びください。 その宝石が、翳ってしまう前に。
[ 右手を左胸に添えた恭しい一礼を贈って、 戯けたように破顔った。 ] (4) 2021/10/23(Sat) 10:42:31 |
| あぁ、いや。 魔族として百を超えて、 早く嫁を、種族の繁栄を、と 明けの烏より喧しい母親から逃げてきたのですよ。
[ 約束などはないのだと、くすくす笑う。 手にした龍眼水を一口飲んで。 ]
悪夢狩りを生業としているので、 創造主様にお会い出来れば 常の礼でも伝えたいと思って。
貴女、…… あー、ユーラこそ 誰かを待っていたのではなかったのですか。
[ ちらりと視線を彷徨わせ、他愛ない会話の漣に ゆらゆらと揺蕩えば 久しく感じたことのない幸福感が じんわりと腑を満たしていく気がした。 ]
(5) 2021/10/23(Sat) 10:44:13 |
| こんな幸せが いつまでも続けばと、 そう、願って。 (6) 2021/10/23(Sat) 10:45:20 |
[ 音が、聞こえる。
いつかの、詠うようなものではない。
それでも、嗚呼この声は。
]
ユー、ラ、
[ どれだけの悪夢を振り払ったか、もう数など
とうに分からない。
じわじわと身体を蝕む黒い痣に虫唾が走り、
言うことを聞かない己が左手を付け根から切り落とし。
ジリジリと鳴る嫌な音の海の中、
絹糸よりも細いあの声に向かって
バランスの取りづらくなった身体をゆらりと起こす。 ]
最期くらい、逢いたい人に逢いたいと
願うくらい、バチはあたらねぇ、よな
**
[ こんなことなら、恐れずに
もっとはっきりと伝えるべきだったのに。
そう、思っても意識を保つのさえやっとで。
あいたかった、と言葉にしたら
その音が形になりはしないか、などと
じりじりと迫る悪夢を横目に
夢想をしていた時。
瞳に映ったのは夢幻か、それとも―――――。 ]
――――― また、あえた。
[ どちらだったとしても、
掠れた音で、喜びを声にするのです。
]*
| [ 自嘲気味な言葉に首を振る彼女の、 その髪が完璧な曲線を描く頬の周りを踊る。 思いもよらない台詞に >>11眉を上げた。 一日の半分は役立たずであると己で己の眼前に 突きつけて生きてきた。 彼女の言葉がぐ、と胸を打つ。 下品な屑男一人振り払うことさえ躊躇する、 薄い硝子細工のような歌王の、その芯の強さ。 真の強さ。 そんな言葉を返してくれる、貴女こそが。 嗚呼、心臓が煩い。 ] ……ぶ、 ははっ、そうやで 迷惑です!言うたったらええねん。 [ 小さな笑い声と共に漏れ出た小鳥の囀りのような 本音に、こちらも破顔った。 ] (21) 2021/10/24(Sun) 9:39:11 |
| ただ種族の繁栄のため、決められた番と 永い人生を共にする。 ……馬鹿馬鹿しいと思ってな、 逃げ回っていたら母の逆鱗に触れて、 殺されかけたわ。 [ げらげらと笑って、すうと息を吐けば 未来の奥様が羨ましいですね。 >>14 などと言う言葉に、ぐらり、脳髄が揺れる。 ] (22) 2021/10/24(Sun) 9:42:30 |
| [ くすくすと楽しげに語られる、真っ直ぐな思い。 >>15 あまりにストレートな言葉にゔ、と息を呑んで、 年甲斐もなく容易く熱くなっていく顔を 片手で覆った。 ] いや、俺?? ───……あー、 それは、 その、 光栄、です。 [ 気まぐれで、声をかけただけの 可憐な女性にまた、逢えた。 それを、なんと呼ぶか、なんて。 ] (23) 2021/10/24(Sun) 9:44:30 |
| 無駄に長寿な種族を思えば、色々と 難しくもあり。 種族の保持と繁栄を望まれれば、 自ずと選択肢は狭まるもの。 けれど、 ……恋をする相手くらい、己で、と 思っている俺は今、 運命に逢えたことを 喜んでいますよ。
[ 花びらのような唇が動いて、紡ぎ出される音色。 全身を包む柔らかくあたたかな毛布のような、 願いの詠。 >>16 目を閉じて、あまりに穏やかな時間に酔う。 ] (24) 2021/10/24(Sun) 9:46:53 |
[ たしかに、きこえる。
今度ははっきり、詠うような、あの声。
遠ざかりかけた意識を、繋いでくれる。
聞こえた言葉に、己の声と精一杯の笑みを重ねよう。 ]
─── ああ、ユーラ。
また、あえた。
[ 気を抜けば崩れ落ちそうな足を叱咤し、
肉片と血錆がこびりついた剣を情けなくも
杖がわりに地面に刺しては身体を支える。
視界は赤に染まっていて、愛しい姿が
どのように変わっているのかはわからない。
けれど目を閉じれば、ふわふわと風に舞う柔らかな髪と
希少な宝石よりも煌めく葡萄色の瞳が
変わらずありありと思い描けるのだから。 ]
そこの、綺麗な、お姉さん、
そんなとこに立ったまま、迷子ですか……
悪いオトコに、ナンパされますよ……
[ いつかの台詞をなぞって。
ふふ、と微笑って手を伸ばす。
夢なのか、現なのか
ぼんやりと虚なその境界線を探るように
指先が、その人の熱を求めた。
触れられるだろうか。
間に合ったのだろうか。 ]
急いで駆けつける、て言うたのに、
遅なって、ごめんなぁ。
**
[ 彼の声を聞き間違えるはずはなくて。
近寄りたくて、一歩踏み出せば
ぐらりと視界が歪んで、血を吐き。
身体が鉛のように重く感じます。
髪は血と土に汚れて。
足には痣も見える、
決して綺麗と言えない姿なのに。 ]
――――― あのとき みたい……
[
いつかの台詞すらもう、なぞれない。
それでも、手を伸ばされれば
ふらり、と倒れ込むように。
二人の影が、重なるのです。
あたたかさが、伝わってきます。 ]
おそく、ない……です。
すきなひと
に…… あえて
しあわせ……。
[ あの時に言ったことを証明するように
たどたどしく詠えば、少しは傷を癒せたでしょうか。
出血を止めるくらいは……
もう少し、歩けるくらいには……。
そう永くは生きてこなかったけれど。
こんな時に限ってわたくしは
感情のままに、心のうちを声にするのです。 ]**
| [ 瞳の色と同じに染まる頬は、ふたつ、揃い。 >>26 ] ……ああ、本当に。 巡り合いに、感謝しなければ。 平和な世界にも、創造主様にも、 ─── 貴女にも。 (34) 2021/10/25(Mon) 1:06:03 |
| [ 己がもう少し、胆玉の座った男ならば、 飲み込まれた言葉を 代わりに口にしてやれたのだろうか。 >>28 魔族の風上にも置けぬ、臆病で嫌になる。 種族を超えた絆を結んでも、きっと自分より先に 愛した者が寿命を終えてしまう。 その事実が恐ろしいのだ。 魔物を狩るよりもずっとずっと 足がすくむのだ。 ] (35) 2021/10/25(Mon) 1:07:45 |
| ああ、うん。 >>29 同族の、気の良い友人でね。 狩りの腕も一流やけど、ステーキを焼く能力にも 長けてたみたいや。 [ するりとすげ替わる話題になんでもないふうに応じる。 話題の先は自信を持って薦めることが出来る ドラゴンステーキ。 彼女が興味がある様子ならば一皿追加の注文を、 腕の良い店主に頼もうか。 今度は小さくカットしてもらえるようにと 告げる際には、照れた顔で髪をわしわしと掻きながら。] (36) 2021/10/25(Mon) 1:09:19 |
| [ 穏やかな逢瀬の終わり際、 創造主に挨拶へ向かうと告げた。 言葉とは裏腹に、ちっとも動き出そうとしない 足は正直だったけれど。 彼女の時間を奪っていると自覚しつつ それでも言い淀む言葉を、 ドラゴンステーキの香りと龍眼水が背を押す。 滑らかとは言いがたい口調で、訥々と懸命に またの再会を約束したのは、 今度こそ気まぐれではなかったよ。
] (37) 2021/10/25(Mon) 1:11:38 |
( 嗚呼、ユーラ。 )
[ 伸ばした手にたしかな温もり。
いつかとは比べ物にならぬほど辿々しい詠。
いつかとは比べ物にならぬほど気持ちの込められた詠。
すう、と視界が晴れた。 ]
─── ユーラ、
[ 間違いなく彼女のおかげ。
その詠で確かに癒された赤の双眸が、
彼女に残された時間がそう多くはないことを
映した。
]
[ 片方だけになった腕でそっと引き寄せれば、
その身を抱きしめることが出来ただろうか。 ]
運命、やもんな?
[ 背を、髪を、頬を、撫でようと手を動かす。
ギリギリのところでさえ、人を気遣って詠う
強く愛しい温もりを。
エルフェリール様のところまで、間に合うか。
彼女が救われるのなら、
生きてくれるのなら、
それが例え彼女の願いだとしても
己の命などどうでもいいと、心から思った。 ]
ユーラ、ユーラ。
聞こえるか、わかるか……?
いい子やから、聞いてくれるか、
創造主様のとこまで、がんばれるか───?
[ 囁いて、答えを待って。 ]
……独りで生きる人生は味気ないもの。
おれ、は、ふたりがいい、けど、な。
─── ほんま、ごめんなぁ、
[ 届くかどうかはわからないけれど。
大切なことは、はっきりと、言葉に乗せた。
それだけで、もう、充分
俺は幸せだと思った。
あとは、彼女が。
ジリジリと鳴り響く、嫌な音に
全て飲み込まれてしまう前に、
最期に願うことは、
愛しい人の幸せでしかなかった。 ]
**
[ 意識が時々飛びそうな、
限界に近い状態でも、気持ちが乗った詠は
確かに効力を発揮したみたいです。
癒せたことを辛うじて確認は出来ましたから
よかった……
と小さく呟きました。 ]
[ 抱きしめられて、彼のぬくもりを感じて
あぁ、優しいな、こんな時まで、
と思うのです。
運命、と聞いてもただ黙ってうなずいて。
もう十分です。
さいごに会えたから。
もう、後悔も何もなくて。
わたくしのことなど打ち捨てて
このままあなただけでも逃げて欲しいと
彼の気遣いを無碍にするようなことだけが
頭の中をめぐっていました。 ]
―――――……。
……ごめんな さい、 もう、……
[ がんばれない、と口にした後。 ]
いきて、おねがい……。
わたくしは……、
もう、いいから
[ 考えていることが同じだと分かってしまっても
わたくしは譲りたくありませんでした。
連れて行ってもらうまでに
二人倒れることになる可能性だって
確かにあって、それを思えば
もう動けない自分よりも…と思うのは。
我儘、でしょうか。 ]
[ 魔族のあなたには耐性が人よりあって。
こんなちからに左右されなかったとしても。
大切な人に想いと願いを伝えられたから。
それだけで満足でした。
意識をどうにか保とうとしつつ
身動きできないわたくしは
あなたの決断に、
身を委ねるしか出来ません。 ]**
私の、
愛
しい……――ストル、
どうか……生きて、繋いで……いって、くれ
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