234 【身内】不平等倫理のグレイコード-0010-【R18G】
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「あー、あー。テスト、テスト ワン、ツー、スリー…」
「うむ、問題なく音声は入っているな?」
マイクが入る前後特有の微細なノイズ音の後、
そんな通信が入る。受信先の形式が口頭でなく文面であれば、
文章化されたものがポップアップされでもしただろう。
「聴こえておりますよ、バンドッグ」
ザザ、と一瞬だけ入ったノイズのような音のあと。
教育用グレイの声が通信に乗って返ってきた。
「共通回線があるとは思いませんでしたね、たまたま自室に置かれているのを見つけたのですが…」
他の部屋にもあるのだろうか。少なくともあなたの元にあることは今わかったわけだが。
「む、その声はロベル殿か。
こちらも聞こえている。これは……何だろうな」
「おそらくは何らかの施策なのだろうが…
まあ、あるものは有り難く使わせて頂こう。
…とはいえ、二人で話すとなるとどうしたものだかな」
こちらはなんとインカムに仕込まれていた。
落ち着かなくてなんとなく弄っていたら見付けたのだ。
「……うむ、もしロベル殿がよければなのだが…
都合の良い時にでも、
製菓している所を見せてもらってもいいだろうか?」
「あいにく小官は工場で作られて運ばれてくる
ミールパックの類しか見たことがなくてな…」
| 「当機も此処で留守番していようかね。 怪我して帰ってきたらすぐに治せるように準備してやろう」
適材適所というやつだ。 それでも向かう彼らには常に万全でいてほしいと願っている。
「ま〜戦い慣れてるやつに集団行動は任せたいねえ。 一人で突っ走るやつも自信があんならいいだろ。 はぐれたり一人がきつくなったらそれぞれ戻ってくればいいさ」 (13) 2023/11/28(Tue) 23:22:37 |
「ああ、それならちょうど良かった」
「実は、試作した時に味見してくれる方を探すつもりだったんです。アトリなんかは喜んで来てくれると思っていたのですけど」
「折角の縁ですから、見学ついでにいかがですか?
自分好みのアレンジにさせるチャンスも生まれますよ」
悪魔の囁きのように、悪戯っぽい声で笑ってみせる。
実のところ、期待されているようで嬉しいのだ。
「む、そうだったのか。
であれば……そうだな、そうさせてもらうとしよう
気の利いた感想が言えるかはわからんが…」
副看守とはいえグレイはグレイ、食事は囚人と同じものだった。
味気ない監獄食に戻れなくなったらどうしよう。
「まったく、君もなかなか食えないものだ。
そう言うからには多少の無茶振りにも期待して良いのだな?」
「構いませんとも。
味見をして頂くのは、私の主観だけでは不足がある可能性があるからですしね」
「人間同様、グレイにもそれぞれ味覚は存在しています。
趣味趣向が違うように、舌に合う味も違うものです。私にとって丁度良くとも、人によっては甘すぎたり濃すぎたりするものです。よく坊ちゃんにはお小言を言われましたよ」
出来は良いのに、味の好みが違うんだよな。そう言ったこと。
それからは、同じお屋敷に務める別のグレイに味見をしてもらったものだ。
それに、万が一自分の味覚機能にバグがあった時にもすぐわかるだろうから。
「それはそれとして、真っ先におやつを食べられる特権付きです」
「はい。無茶振りに応えられた際には、是非"ぎゃふん"と言っていただけると嬉しいですね」
ジョーク。
「そういうものだろうか?
それぞれ好みが違うということはわかるが……
小官のような刑務官と再び会う事はそう無いだろう。
その味覚データなど、今の間しか役立たないと思うぞ」
君がそれでいいならいいのだが、と付け足して。
「一番に食べられるのは……まあ、その、嬉しく思うが」
『特権』については気恥ずかしそうに言葉を濁した。
やっぱり甘いものには弱いらしい。
「うむ……その暁には確かに言ってやろうとも」
これはジョークが通じない番犬。大真面目に考慮している。
| 昼食をこの機体に任せた? ということは何がくるか。そう、 猫飯 である。 歌唱用がスムージーを、読書用がサンドイッチを作ってくれるのなら猶更ありがたい。 「昼食は割とすぐだろ。 相談時間もないし、各自提出でいいかね」 「好きなの取っていってくれよ、片付けは当番表の面子でやるさ」 ちなみに味噌汁とご飯などと分けてやってこない。 一つの器に全部ぶっかけて持ってくるのがこだわりであった。 日替わりで提供される予定であったが、グレイの種類が多い。 味と見た目のバリエーションの為にもいくつか作っておこう。 選べなかったら[ [1d3]]などで、適当に選んでもいいだろうし。 〜猫飯メニュー〜 1鰹節バター 鰹節とバターが白米に絡み絶妙なマリアージュ。 2ツナマヨ ブラックペッパーの効いたツナとマヨが混ざったものがご飯によく合う。 3味噌汁 味噌汁がぶっかけてある。 (29) 2023/11/29(Wed) 17:18:51 |
| チャコは、皆の得意料理を把握していない、被ったら謝るつもりだ。せっかくなら得意料理が見たかったと供述している。 (a19) 2023/11/29(Wed) 17:28:53 |
「ロベル殿、バンドッグだ。
広間に置く菓子類を見に娯楽施設へ向かおうと思うのだが…」
「何かあった方が良いものはあるだろうか。
なに、小官が選ぶと無難なものばかりになりそうでな。
ある程度皆の出身に合わせたものが良いとも思うのだ」
「ふむ、そうですね」
「口に合ったものを、というのも良いですが。ある程度は貴方の主観で選んでも良いと思いますよ」
「無難なものも、貴方にとって目新しいものも」
「皆さん、あれば食べるでしょうし。案外新規開拓にはなるのかもしれませんからね」
それでも指針が欲しいのならば、半生菓子は避けた方がいいと言っただろう。
そういったものは、おやつとして作って出すことになるだろうからだ。
「うむ……そうか、であれば適当に見繕おう」
「とはいえ、刑務所から出た事のない小官にとっては
殆どが目新しいものなのだがな。
皆にとってはそうではないものもあろう。
それほど懸念することも無いか」
半生菓子は避けた方が良いと言われれば、了承を返して。
無事買い出しは終わったことだろう。
| そろそろ夕食かと思い広間に現れた矢先。 フライパンの轟音 >>73に驚いてイーサンに文句を言いにいった。 「なっ、 」 文句はうまく言えなかった。 そのあとは手を合わせて揃って食べてご馳走様まで変わらず眉をひそめて過ごした。お皿の上はきれいに片付いている。 「……よくできていたと思うぞお」 それじゃあ、と部屋に戻るときまで不機嫌は変わらなかっただろう。 きっと朝になれば機嫌はなおっているはずだ。 (103) 2023/12/01(Fri) 21:57:19 |
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