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【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-マツリカ→アカツキ >>4>>5 「えっ?」 きょとんとして、赤月くんの事を見る。 「先生の助手じゃないと、駄目な理由…?」 さて、どう答えたものだろうか。 悩みながら指先でフォークの先を揺らす。 出してくれたバウムクーヘンは私の最近イチオシコンビニのもの。 周りがチョコでコーティングされていて、とてもおいしい。 勿論今朝の朝食もすごくおいしかった。特にベーコンの焼き加減が絶妙で、素晴らし過ぎると震えたのは余談なんだけれど。 「赤月くんはそんなに思わないかもだけど…先生は天才だよ」 目の前に立つ奇跡みたいな彼が、その証明。 それがどれ程眩しい事か…たぶん、言葉を尽くしても分からないだろう。 (6) rein-joir 2019/08/30(Fri) 20:10:12 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-「質問に、質問で返すのはお行儀が悪いけど…そう言う赤月くんこそ、何か不満があるからあの誘いに乗ったんでしょ?」 「何事も等価交換、秘密も交換。どう?」 お茶に誘うような気軽な口調で、そう誘いをかける。 でもね、聞いたところで…私の願いとは並び立たない気がするの。 女の勘────なんだよ? だからフェアに、先に、教えてしまおうと。 私は口を開いた。* (8) rein-joir 2019/08/30(Fri) 20:12:14 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-マツリカ→ハテマ 先生は、天才と何とかは紙一重を地で行っている。 私みたいな凡人には到底真似できない…真似しようとすら思わないくらい。 「先生、聞いても良いですか?」 お布団への道をしっかりブロックしながら、顔を覗き込む。 猫は視線を合わせると嫌われてしまうんだって。 先生は猫じゃないけれど、どこかそんな雰囲気がある。 積極的に嫌いはしないけど、きっと、線を引かれたら終わり。 そうじゃないと良いと思いながら、けれど私はずっとその可能性を否定できないままに先生が赤月くんに心血注ぐ様を見ていた。 「先生は何故、あのゼリーちゃんの誘いに乗ったんですか?」 本人の認識は兎も角、先生は間違いなく“特別”な人。 傍で見ていた私が、一番良く知っている。 ………あんまりに“特別”だから、先生が“ずっと寝ていたい”なんていう願いを叶えようとしていたって私は呆れこそしても驚かないけど。 (9) rein-joir 2019/08/30(Fri) 20:49:50 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-一瞬、一瞬だけ。 保てなくなった笑顔をまた浮かべて、教えてくださいよとねだる。 先生が抱く願いだ、そうに決まってる。 徹底的に、足掻きようも無い位、すごい願いなんだろう。 先生こそ“今”に不満がある…そう言う事なんでしょう?* (11) rein-joir 2019/08/30(Fri) 20:50:53 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-■マツリカの秘密開示 私は科学者として、圧倒的に才能が足りなかった。 いくら「やる気」があったところで掛け合わせる物が無ければ0のまま。 私には、“1%のひらめき”が、遠かった。 そんな私が先生の助手になったのは、元を辿れば彼の技術を盗む為。 元居た所から『それくらいなら出来るだろう』と嗤われながら、この研究所へ向かった日の事…今でも鮮明に覚えている。 流石に緊張して笑顔が強張る私の前。 先生は、お話し中に寝落ちしてしまったのだ。 (17) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:56:01 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-先生は天才だ。魔法使いだ。 彼の手から生み出される数式は、プログラムは、芸術と言っても良い。 赤月くんも、素晴らしい出来だった。 なのに先生は惜しげもなく設計図を渡して、私の“助手”役はあわやそこで終わりかけたのだけど…あまりに文字が難解だと言う事で続投になったのは笑い話。 そして────いつから、だろうか。 私は淡い願いを抱くようになった。 私は“凡人”だけどこのふたりの“特別”の傍に居たい。 何にも邪魔されず、ふたりを見ていたい。 ………普通に考えて無理な願いだった。 私の“盗人”としての役目が消えた訳じゃない。 相変わらず期限付きのままで、その事を言えないままの生活を送っていて。 いっそ暴露して全部投げ出してしまう事も考えたけど、そんな事したら先生にも赤月くんにも迷惑が掛かってしまう。 だから諦めるしかない事なんだって、ずっと自分に言い聞かせていた。 “私みたいなのが今ふたりの傍に居られるだけでも、運が良いんだ”って。 (18) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:56:47 |
【人】 助手 茉莉花 -マツリカ-そんな中、黄色い謎生命体が持ちかけた話は、青天の霹靂だった。 勝ちさえすれば、なんでもひとつ願いが叶うんだって。 もし、そんな都合の良い事があるのならば。 何にも憚ることなく、誰にも、世界にも、時にさえ邪魔されること無く。 『ずっと今のまま、ふたりと居させてください』 (19) rein-joir 2019/08/30(Fri) 21:57:46 |
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