【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・街中を歩いて− [星読見習の制服を修繕してもらおうと、 風の噂で聞いた"ダニエル・ゴードン"なる仕立て屋を探し、早一時間。 どうやら、迷子になったらしい。] (ジゼルの言ってたたこ焼き屋も、そういえば場所を聞きそびれてしまったし…) [この街の祭りでは、広場に特設ステージが設けられ、そこでダンスなどの催し物が行われるらしい。 今日こそはそれを見てみたいと思っているから、 こんな所で時間を無駄にしたくはないのに…。] (よし、もう一度ゆっくり探してみよう) [気合を入れ直し、ふたたび周囲を見渡しながら、 ゆっくりとと街を歩いてゆく]* (175) 2020/05/17(Sun) 14:15:54 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・広場にて− (はあっ…はぁっ……間に合った……) [息を切らせて、広場に滑り込む。 昼間の迷子のおかげで、たっぷり2時間は無駄な時間を食っただろうか。 途中周囲の人間にも助けを求めつつ、学生服の仕立てを頼み、遅い昼飯を猛スピードで平らげれば、気付けば夕暮れ時になっていた。 昼飯をかき込んだ後に走ったせいで、胃がキリキリする。 昨日、偶然会った凛とした女性と優雅な昼食を共にしたのとは大違いだった。] (247) 2020/05/18(Mon) 0:13:26 |
【人】 星読博士見習 ハニエル[目の前の特設ステージは、丁度いま舞台発表が始まったらしい。 ステージ上に踊り子が現れ、優雅に踊り出す。>>240 その踊り子は、昨日街で見かけた、嫋やかな赤いスカーフを纏った女性にどことなく似ている気がした。>>1:101 ついぞ言葉を交わす機会はなかったが、あの時に感じた豊かさ、麗しさをその踊りは体現しているような気がした。 ───タナバタの祭りは、フィナーレを迎えようとしている。]* (248) 2020/05/18(Mon) 0:13:43 |
星読博士見習 ハニエルは、メモを貼った。 (a74) 2020/05/18(Mon) 0:16:26 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・広場より 回想・ディアス− [華麗なステージを眺めながら、 朝のことを思い出す。>>180>>181 内心どぎまぎしながら渡したチョコレートを、 彼女は受け取ってくれた。 …少し、戸惑った表情を浮かべながら。] 「ハニエルさんはこの後は──」 思えば自分が席を立つ時、彼女はそう言いかけて、でも席を立つ自分を見て、口を噤んだんだっけ。 (─ ─どっち…なんだ……) あまり多くを語らず、表情も控えめな彼女は、本当は自分をどう思っているのだろう。 それを知るのが、怖い。] (261) 2020/05/18(Mon) 1:12:19 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・広場にて [舞台が一幕終わり、観客達がぞろぞろと移動を始める。 その中に、スタンレーらしい人影。>>251 とっさに声を掛けようかと思ったが、 彼はなんと、一人ではなく。 さっきステージにいた踊り子と、笑顔で話しているのだった。 (もしかして、昨日言ってたのは…) がんばれ、と心の中で呟き、そして我が身を顧みて、 自分は一人だ、と考えていた。] (263) 2020/05/18(Mon) 1:12:58 |
【人】 星読博士見習 ハニエルその時、 特設会場から少し離れた所に、日傘を差しオルゴールを持ったノアの姿が。 ぽつんと佇んでおり、もしかして迷子かと、声をかける。 「ノアさん、ハニエルです。 もしかして、道に迷われました?」 [日傘と、オルゴール。 誰かとの待ち合わせだろうか…? そんな思いが、脳裏を過ぎる。 いや、しかし、 もし彼女がどこかに連れて行って欲しいと言うなら、 喜んで手を差し伸べよう。 そう思いつつ声をかける。]* (267) 2020/05/18(Mon) 1:15:41 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・広場にて− 「………うん。」>>272 ノアは頷いた。 まるで、何か確信めいた予感が当たったかのように、しっかりと。 彼女が誰かと待ち合わせしていた訳ではなかったことに、心のどこかで安堵する自分に気付く。] もし時間があるのなら、二人で少し歩きませんか? [だって、ハニエルには行きたい場所があったから。] 初めて会った場所…あの丘まで。 [彼女を正面から見据え、そう、問いかけた。] (273) 2020/05/18(Mon) 2:23:07 |
星読博士見習 ハニエルは、メモを貼った。 (a81) 2020/05/18(Mon) 2:30:30 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・広場を後にして− [星の見える丘に行こう、と言って、 「ちょうど行こうと思っていました」 と頷く彼女。>>288 今までなら、 「そうなんだ、奇遇ですね」なんて軽い調子で丘を目指しただろう。 途中でジゼルも偶然加わって、 可笑しな話に3人で笑い声を上げながら。 でも、今日は。二人っきり。] (327) 2020/05/18(Mon) 21:09:54 |
【人】 星読博士見習 ハニエル(──故郷から遥々この国へ来て、 夢があって、でも自分は無力で、 いつしかその無力感さえ忘れるようになっていた) すぐ手を伸ばせば他人にぶつかるような、 賑やかだけど喧しい祭りの街を後にし、 丘を目指して、歩いていく。 一歩、歩みを進めるごとに喧騒は遠のき、 とうに陽が落ちて顔を覗かせた夜闇と、静寂が、 まるで黒いベルベットのように二人だけを包み込んでいく。 東の方角の空を横に切り裂く、光帯のような天の川銀河を背景にして。 (328) 2020/05/18(Mon) 21:11:33 |
【人】 星読博士見習 ハニエル(──でもあの時、届かないものを手に入れようとしてもがく彼女を見て>>0:57、 忘れていた夢を思い出させてくれたのは本当で。) そしてたどり着く、あの時と変わらない丘。 (──昔の夢を思い出させてくれた彼女に、 諦めて欲しくなくて>>0:88、 たとえ視力があっても僕も同じだよ、 今ある世界のもっと先を見ようと、 そう心から伝えたいと、 強く思ったから。) あの時と同じレインツリーに身を預け、 …そして今度こそ一緒に、 零れるような星空に向かって手を伸ばそうか。]* (329) 2020/05/18(Mon) 21:12:05 |
星読博士見習 ハニエルは、メモを貼った。 (a94) 2020/05/18(Mon) 21:22:21 |
【人】 星読博士見習 ハニエル−現在・丘の上− [彼女が、そっと差し出たオルゴール。 小さな箱の中に生きるちっぽけな黒猫は、 遠く存在する星空を見上げ、 どうやっても手に入れられないその存在に想いを馳せる。 ──無力な存在。まるで、僕のような。 でも、黒猫と自分には決定的な違いがあった。 …彼女が、隣に居たからだ。] [オルゴールを胸にかき抱き、 いつしかハニエルは涙を流していた。 此処へ来て、初めて"自分"を思い出させてくれた人。 控えめながらも鋭い感性を持ち、 優しさと真剣さを内に秘めている人。 彼女が笑うと、野に咲いた小さな花が風を受けてふわりと揺れるような、そんな儚さと可愛らしさがあって。 いつの時からか、この笑顔にずっと触れていたいと、そう思うようになっていたんだ。] (359) 2020/05/18(Mon) 23:23:17 |
【人】 星読博士見習 ハニエル[大きな破裂音と共に、極彩色の閃光が夜空に咲く。 星の光は感じられずとも、この光は彼女の目に届いているだろうか。 いや、届いてなくとも、 今こうして二人で祭りの終幕を見届けられることが、 今、堪らなく嬉しいのだ。] [涙は、ほどなくして止んでくれた。 しっかりと拭い、夜空をつと一瞥する。 ──もう、心は決まった。 そして隣に佇む彼女を、もう一度正面から見据え、 昨日からずっと胸に秘めていた、 しかしとてもシンプルな一言を、 告げた。] (360) 2020/05/18(Mon) 23:24:22 |
【人】 星読博士見習 ハニエル[──ふっと息をつき、 彼女正面から見つめる。 直後に、大きな破裂音。 背後には花火が咲き乱れて、 刹那、二人を極彩色で染め上げた。 眩い光に照らされた彼女の顔は、 今、どんな表情を浮かべているだろう。]* (366) 2020/05/18(Mon) 23:30:44 |
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