215 灰色うさぎと紫うさぎの雨宿り
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[水気を含んだ手で触れたから小さな泡はすぐに消えていく。
くすぐったいと零す彼につられて笑って。]
ふふっ、かわい、
[格好いい印象ばかりだった彼の可愛い部分を見つけて、
戯れのような口づけを繰り返していれば。]
ぁ、ンっ、 ふッ……ぅ、
んんッ、……ン、んッ
[厚い舌が割り入ってきて口腔を犯す。
料理をする彼の手が、今は下準備をするみたいに。
掌で反応し始めている尖りを何度も往復して。
ぴくと身体を揺れれば湯がちゃぷんと波打つ。
甘い喘ぎは彼の口腔の中に吸い込まれていく。*]
[ジュースに使ったスパイスの味を指摘すれば、
もっとよく調べろとばかり質問が返る。
初めてキスを交わした時には
ただぼうっと熱に浮かされていただけだったのに、
欲張りを覚えた恋人は何時だって
卯田を夢中にさせる。]
紫亜のほっぺたはりんごみたいに赤いけどな、
[揶揄するように頬を撫でる。
血色が戻っているのは喜ばしいことだ。
このまま風邪を引かなければ良いのだが。]
[誘われるがまま咥内を暫く蹂躙した。
りんごの味はしたとは思うがすぐに消えていく。
これだけ二人分の唾液があれば消化も早いだろう。]
そうだよな、
休み合わせるには、紫亜に有休とってもらう、から、
……いつも苦労かけるな、
[嬉しそうな紫亜を見ると少し胸が痛む。
飲食業の定めとはいえ、恋人に我慢を強いているのは
忍びない。
今後はもう少し、せめて二月に一度の土日どちらかは
休みを貰えるように相談しようと内心決意した。]
紫亜がしたいことがあればそれで。
迷うなら、そうだな。
俺としちゃ、ずーっといちゃいちゃしてたいんだけど……?
[同じ角度に小首を傾げる。
時間を気にしなければかなりの回数「出来る」ことは
紫亜ももう知っている筈。]
[甘い喘ぎを飲み込んで、湯を揺らしながら膨らみを持ち上げる。
つきあいはじめよりも大きく育ったバストは
垂れないようにケアも大変だろう。]
紫亜、俺の膝の上乗って。
乳首舐めてやるから。
[紫亜は乳首を口に含まれるのが好きだ。
「口でして」とおねだりを待つのも良いけれど、
のぼせてはいけないから。]
ゴムしてねえから、
うっかりチンコが入んねえように気をつけてな。
[まだ此方は硬度に余裕があるとはいえ、
紫亜と情事をしているとすぐに臨戦態勢になってしまうから。
もどかしくなった紫亜がつい自分で挿入れたりしないように
忠告しておいて、膝上に彼女の身体を導いた。]
[男の脚の太さ分、身体が湯から出る。
形の良いバストに、熟れてツンと起った乳頭。
朱くてふっくらしていて卯田を誘う。]
んー……
[乳輪ごと口に含んで、舌で麓から頂上に向けて舐め上げる。
ここで快感を拾うのが上手な紫亜は、身体に熱が籠っている時などは
時折胸だけで達してしまうのだが、
今回はどうだろうか。
紫亜が身を捩れば、育ちかけた雄茎の先端が
顔を覗かせ初めた紫亜の秘芽にキスを繰り返す。**]
んっ、……先に浸かってたから、かも?
[彼が身体を洗っている間だけ温まった身体は
雨で下がった体温もすっかり取り戻した。
頬を撫でる指の腹に自らも擦り寄せて、
ぷくぅ、と少しだけ頬を膨らませて遊ぶ。
頬を擦る指すらも心地いい。
もっと触れて欲しいと、
腕に添えた手が彼の肌を撫でる。]
[うっとりと目を細めて、キスを受けて。
息が続かなくなるくらい口腔を弄られていく。]
……はふ、っ、ん、ン……ぁ、
[りんごの味はもう分からない。
りんごの味よりも覚えてしまった彼の味に
とろん、と目尻が落ちて、ため息を漏らして。]
ん……、……?
ううん、有休はまだ残ってますし。
私が一緒に居たいから、取るんですよ?
[下がった眉尻に笑って、大丈夫。と首を揺らす。
自ら望んでしていることを、
苦労だなんて思ってほしくはないから。]
[一緒に暮らすようになって会える時間は増えた。
それでも足りないと思うくらいに好きで。
だから、今回みたいな不意のお休みが嬉しい。
お出かけ以外でしたいこと。
一緒に映画を見るのもいいし、料理をするのもいい。
……けれど。
お願い事を言う前に、
彼が同じ角度に首を傾けて口にする。
湯船で火照った頬が違う意味で熱を持つ。]
[お休みの予定を決めた後は、またキスをして。
彼が持ち上げた膨らみがお湯の上にたぷんと姿を見せる。
彼に育てられ、ブラのサイズが大きくなった頃から、
毎夜のストレッチと一緒に、バストアップの運動を
プラスしたお陰で体型は維持できている。
……その分感度も、上がった気がするけれど。
胸の愛撫に集中していた意識が彼の声に引き戻される。
これからすることを、口にされて。
ぶる、と期待に身体が震え。]
ん、……こう、……?
[彼の肩口に両手を添えて、正面から彼に跨るように
座り直して腰を落とせば、ぬる、とお尻に
彼の先走りが触れて、興奮が伝わった。]
ぁ、ンッ……
も、う、かたくなってる……、
[勃ち上がっているものを身体で感じれば、
その大きさに貫かれることを想像してぞくぞくする。
お尻の間に彼のものを挟み込めば、
忠告を受け入れながらも、
無意識に腰がゆらゆらと揺らめいてしまう。]
[上半身が湯船から飛び出した分だけ、
火照った身体に湯気が纏わりついた。
膝の上に乗っているから、ちょうど彼の顔の辺りに
自身の胸を差し出しているみたいになって。
今から彼に食べられる、と思うとドキドキした。
淡い刺激だけで既にぴんと立ち上がった尖りを、
彼がゆっくりと口に含んでいく。]
ぁ、……ぁ、ンッ、んん……、
……は、……ぁ、きもちっ、……っぁ、
[熱を持ち、舌で刺激された先端が硬くなり、
彼の厚い舌を押し返す。
は、と熱い吐息を洩らして快感を堪えようとしても。
吸い上げられて、転がされる度に身悶えて。]
っぁ、んんッ、……んんぅっ……、
[腰元がじゅんと熱くなって、身を逸らしたら。
余計に彼の唇に胸を押し付けてしまう形になる。
胸を弄られる度に、秘所から愛液が湯に混ざり。
滑りが良くなれば、彼のものを感じやすくなって。
時々、入り口を先端が擦れば、快感に瞳が潤んできて。**]
[美しく色づいた頬が空気で膨張する。
拗ねて膨れているのではないことは
声色や瞳の柔らかさで知れる。
触る卯田に呼応するように、
紫亜も卯田に触れる。
初めての頃は遠慮がちだった腕は
もうすっかり甘えることに長けている。]
紫亜がホワイト企業で良かったって思うよ。
ありがとう。
[卯田に合わせるだけで使い切るのではなく
紫亜自身の為に使って欲しいとも思うが、
その紫亜自身が望んでいるのが自分といることなのだと聞けば
眦が自然と下がる。
もうりんごの気配もしないキスは、りんごよりも甘い。]
[二人で温泉旅行に行ったり、キャンプに行ったり、
遠出やショッピングも楽しいけれど、
「ただ一緒に過ごしてひたすら抱き合う」という
贅沢な時間の使い方をしたい。
そう望めば同じ気持ちだと返ってくる。
一緒にいる時間が長いと思考が似てくるのか
それともただ自分たちが互いをどんどん好きになっているからか。]
ん、上手。
そりゃあ、ハダカの好きな子と一緒に風呂入って
興奮してるからな。
[まだ完全には勃起していないが、
キスを何度も交わして紫亜の声を聞く度に
熱は下肢へと集まっているのを感じていた。
一応忠告はしたけれど、
既に卯田の形を覚えた女陰が寂しいのか
腰が誘うように揺らめいている。]
風呂えっちの良いところは、
紫亜のあんあん言う声が
エコーかかったみたいに聞こえるとこ。
ん、きもちーな?
[弾力のある胸を下から揉み上げながら、
舌先でころころと蕾をしゃぶる。
何度も吸っているから常にしこった状態が癖になっているのでは、とも思う。
赤子に授乳する未来では、さぞ吸いやすくなっているだろう。]
、、ンぁ、 こらこら、
あんまりもじもじしてちゃ、挿入るだろ?
[コンドームは持ち込んではいるが、
水中では装着が難しい。
一度湯から上がる必要があるのだが、
どうにも離れ難くて。]
はは、湯の中なのに、
紫亜がぬるぬるなのがわかる。
ホント好きだよな、胸されるの、
[両手で胸をぐっと中央に寄せて
頂の距離を短くした。
同時に吸うのは難しいが、頭を横に揺らして
舌で交互に弾く。
下はもうすっかり固くなり、
湯よりも温かい場所に還りたがっている。*]
[土日固定の休みは彼とはなかなか合わないけれど、
シフト制の不定期な彼よりかはリズム通りに過ごせる。
休みの日にあえて早起きして彼を仕事に送り出すのも、
仕事で疲れて帰ってきたときに彼が出迎えてくれるのも、
リズムが違うからこそ味わえる楽しみでもあるから。
お休みの日に洗ったばかりの彼のシャツを抱きしめて、
ベッドでごろごろしているお休みがあったりするのは、
彼にはまだ、内緒の話。
気取られないように、下がった眦にキスをすれば、
ちゃぷんと、湯船が波を打つ。]
[旅行も、遠出も、お休みを満喫していると思うけど、
家から出られないことを逆手に取って、
彼と自宅でずっと二人きりで過ごすのは考えてみれば、
今まで数えるほどしかなかったかも知れない。
ましてや、一日抱き合って過ごすなんて。
今でも身体を重ねているのに想像をして、
跳ねる心臓が収まらなくなりそう。]
……ふふっ、なんだか、言い方がえっち……、
[子供みたいに褒められてふくふくと笑いながら、
彼の濡れた髪にじゃれつくように唇を押し当てる。
じれるように揺らめく腰はきっと、
彼には伝わってしまっているだろう。
そう、快感を求めるような身体にしたのは彼だから。]
ぁ、んッぅ、 や、……っ、
こえ、響くの……、はずかし、ぃッ……
[響く声は自身の耳にもよく通る。
聞きたいと望む彼が居るのは知っているけれど、
いやらしいと指摘されたら羞恥はやっぱり浮かぶから。]
……ぁ、ぁッ、んんんぅッ、 ……ふぁ、
だめ、っ、そこぉッ……、
[舌先と指で交互に転がされて押し潰されて、
尖りが一層固くなって、ふる、と身震いしてしまう。
卑猥に響く自身の声が恥ずかしくて。
ぱしゃんとお湯を跳ねさせて、彼の耳を両手で抑え。]
えっちなこえっ、きいちゃ、やだぁッ……
[浮かんだ涙を散らしながら弱く首を揺らす。
もう何度も聞かれているけれど、
お風呂で響く声は一際よく響くから、せめてもと。
塞いだ手は、胸を刺激される度にずれ落ちそうになる。
ぬめりが溢れ、彼の腿の上でなめらかに腰が蠢く。
窘める声もたしかに耳には届くのに、]
あ、ッ、ぁうッ……だめっ、いれちゃ、
まだ、っ……っ、め……、
[少しだけ残る理性から、だめと口にしながらも。
腰つきは淫らに先端を飲み込むように、
くぽ、と時折、飲み込んで、離れ。]
んん、ンッ、ちくびっ、すき、ッ……ぁぅっ、
いっぱい、……さわってッ……ぁ、ぁ、アッ、
[蕩けきった表情を晒して、己の手で彼の髪を梳いて。
腰のゆらぎが少し大胆になると共に、
胸の尖りが痛いくらいに張り詰めていく。
だめ、と、すきを相反するように口にする。
自身が一番くらくらしていて頭が回らなくなっている。]
……は、ぁぁッ、あッ、ゃんッ……
それっ、だ、めぇッ…、、……ッ、―――ッ!
[ぎゅっと胸を押し寄せて、一番弱い箇所を断続的に
舌で弾かれたなら、堪らずに声をなくして。
太ももの上で魚が跳ねるみらいに、
びくびくっと痙攣を起こして――、白い世界に飛んで。*]
[自分が出勤して彼女が休みの時に
密かに愉しんでいることまでは卯田の知るところではない。
ただ、一日くらい洗濯もサボって
もっと自由に過ごせば良いのに、と言ったら
少し変な顔をされたことがある。
洗濯が余程好きなんだな、としか推察できなかったが。
因みに自分だけが休みの日は
新しい料理の試作でテーブルがいっぱいになる。
休みの日にまで料理か、とも思わなくもないが
料理自体好きなことだから苦痛ではない。
紫亜とつきあう前は労基も真っ青な程に
通しで勤務していたくらいだ。
思いがけない休日となった明日も
何かは作りたいが――
息をするように自然だった料理よりも
「いちゃいちゃ」を優先したくなる日が来るなんて、
思ってもみなかった。]
えっちなことしてんだから
えっちな言い方になんのは当たり前ー
[眦にキスを受け、開き直ってクスクス笑う。
キスは濡れ髪にも及び、
自分の癖が移ったように感じた。
お返しに鼻先を紫亜の髪に纏わりつかせる。]
「いい」だろ?
耳塞ぐのだーめ、
[「だめ」に「だめ」を返して首を振る。
身体が揺れると上に乗る紫亜の身体も揺れ、
耳から手がずれる。
まるで耳を愛撫されているようでぞわぞわする。]
聞きたい。
挿入るかどうかは紫亜次第だぞー。
[少し触れるだけで飲み込まんばかりに吸い付く蜜口が
いつ雄を頬張るかわからない。
水の中は抵抗がある為、外気に晒された状態よりは
安全性が高いとはいえ100%ではないのだから
戯れは程々にしないといけないというのはわかっている。]
素直。いい子だ、
[羞恥心を欲望が上回る瞬間、
紫亜の口は上手におねだりをする。
望まれるがまま交互に激しく刺激を与えたら、
散々昂った身体はすぐに限界を迎えたようで。
極める時特有の痙攣が起きるのを太腿で感じ取った。]
[「戻って」くるのを待とうかと思ったが、
このままのぼせてもいけないだろう。
胸から手を離して背をトントンと叩く。]
紫亜、ベッド行くかー?
俺バッキバキだからこっから抱っこは無理そう。
[尻を先端でつんつん突く。
場所を移動する場合、少し収まってから此方は出ることにしよう。*]
[彼に内緒で洗ったばかりの洗濯物をもう一度、
洗濯機に入れる羽目になったのは片手で数えられるくらい。
自由に過ごせばと言われたときには、
その裏で何をしているかなんて知られないようにと
笑ってみせた表情が少し引きつったりもしたけど。
私だって洗濯を始めた頃はそんなつもりじゃなかった。
どんどん知らない自分を知っていく。
一人のときに慰めようとしてしまうことも、
触れられる度に気にならなかった敏感な場所も、
覚えさせられて、教えられて、貪欲になっていく。
彼の方から誘われることが多い反面、
誘われることを期待している数が多いことは
自分が一番よく知っている――。
彼がお休みの日に作ってくれた数々の手料理を
口にしながら、そんなことはとても言えないけれど。]
ぅんッ、……もう、いじわるっ……、
[理解らせるみたいに口にして、笑う声が浴室に響く。
短い髪に触れ、口づける様は彼の仕草を覚えたように。
無意識に彼の愛撫を覚えていく。
すり、と頬を寄せたら同じように彼も伸び上がって、
鼻先を鳴らすから、頭皮を擽る鼻筋に首を竦めた。]
やぁッ、……だって、ぁッ、ぁんっ、
ん、んんッ、……は、
きもち、い、いッ……
[だめ、と制されて駄々を捏ねるけれど、
視線が絡めば強くは言えなくて、下から揺さぶられる
快感に身体が震えて、結局は。
教えられるままに、きもちいい、を口にして、
喘ぐのを抑えられなくなっていく。]
[耳に掛けた指で耳裏を擽り、熱い吐息を零して。
甘えられたなら、耳を塞ぐ代わりに唇を震わせ、
声を堪えようとして、唸るような声になって。
与えられる愛撫に溺れ、
訳も理解らないまま頷きを繰り返してしまう。
そうしたらもう、ずっと。
気持ちいい、しか考えられなくなって。]
……――――、っ、ぁ……、
は、ぁ
[彼と額を突き合わせたまま、達した身体は暫く震え。
唇を呆けたように薄っすら開けたまま、
とろ、と瞳が零れ落ちそうな程蕩けた。
力の入らなくなった身体は、しなだれ、彼に凭れかかっていく。]
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