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【人】 星集め サダル私は貴方に出会えて幸せでした、マスター。 きっとどのホムンクルスよりも幸せだったでしょう。 だって貴方に愛された。貴方を愛した。 それだけで素晴らしい奇跡ではありませんか。 貴方の旅にお供できてよかったです。 貴方の隣にいられてよかったです。 (314) 2021/12/17(Fri) 23:17:45 |
【人】 星集め サダルどうしても、ホムンクルスはマスターよりほんの少しだけ長生きになってしまう。 涙を流しながら、彼と共に眠りについた。 ただキスをしたくて、キスをして。 私は契約から解き放たれてしまうけれど。 このキスももう契約の意味を成さないけれど。 私は貴方と共に棺の中。 魔法を使い、地中に埋まろう。 瞳を閉じて。体を重ねて。貴方を感じて。 「今度マスターの隣に立つのなら。 同じ種族になりたいです、マスター。 愛しています、永遠に…。」 こうして、ベリルと名付けられたホムンクルスの生涯は幕を閉じる。 深い闇の中でも。マスターと共にあるのなら、それだけで幸せでいられたのだった。** (315) 2021/12/17(Fri) 23:17:59 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ――――― 途中からの記憶が無い。 いつの間にか気を失っていた女が目を覚ます頃には、 すっかり身体は清められて 気に入りの部屋着を着せられていた。 ( …… 丁寧に下着まで履かせられているのは 顔をやや赤く染め、思わず俯いたが。 ) そのままゆっくりとリビングへ足を運べば、 四角形の匣を――実験中の魔術師めいた真面目な顔で 見詰める人魚がいるものだから。 (316) 2021/12/17(Fri) 23:21:39 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 ………… 、 …… おは、よ? 」 頭でもぶつけたのかと真剣に心配したけれど どうやら魔道具のひとつらしい、と思い至って いややっぱり何を……と首を傾いだけれど。 >>291 視線を流した先、 テーブルに並べられた昼食へ気付けば きょと … と目を見開いた。 (317) 2021/12/17(Fri) 23:21:43 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラそれから、すこしだけ照れたように言葉を紡ぐ人魚へ 女にしては珍しく思考が追い付かないような様子を見せ、 …… 温められた甘いオムレットと 不格好に笑う彼を見比べては、へにゃりと眉を下げた。 「 ―――― … ほんと? 私と家族になってくれる……? 」 目覚めれば愛しいひとがいる朝も、 共にご飯を食べる毎日も、――独りで街を見下ろす夜も もう何もかもを諦めなくて、いいのだろうか。 どこにもいかないで、と縋った私の指先で 貴方をずっと抱き締めても、許される? (318) 2021/12/17(Fri) 23:21:48 |
【人】 魔術師 ラヴァンドラ「 ――――― ありがとう、テレベルム 貴方に会えて、良かった。 」 私は愛しいばかりの貴方の頬へ触れ、 それから重ねるだけのキスを落とした。 (320) 2021/12/17(Fri) 23:22:08 |
【人】 薬屋 テレベルム♫ ♬ ♪ 唄を 忘れた 金糸雀が くちばしで 拾った 粉雪の 落ちて しまった 氷いちご 月の ない 日々に 星の ない 日々に …… 流しましょうか …… …… 流しましょうよ …… [光も届かない深き場所 いつか何処かの 水底で。] (322) 2021/12/17(Fri) 23:25:14 |
【人】 薬屋 テレベルム― 羅針盤の導き ― [黄金に輝く方位針は>>0:L2出来栄えの見事な拵えだが、 古の魔力を蓄積しているだけにアンティークにも感じる。 魔具を握るほうでは無い手に、柔らかな掌を預かり>>284 まるで迷子の子供みたいに握られて苦笑も溢れる。] どっちが誘拐されるんだか……。 [彼女の体質には不遇もあるが、目を離さずに傍に居る。 見慣れぬ景色、見知らぬ民族、知らない汽笛の音。 険しくないルートを選び、女でも辛くないように 極力気を使ったが、彼女はあまりに日陰暮らしが長い身。 宿で足労ばかりを掛けてしまった白い足を揉んでやったり、 暖炉の傍で揺り椅子に座り、彼女を抱擁し休む日々もあった。] (323) 2021/12/17(Fri) 23:25:28 |
【人】 薬屋 テレベルム[針が最終的に示した先は、寂れた漁村だった。 エオスが一番の栄えた街であった旅路ながら 途中に訪れた村や街の何処よりも寂しい場所。 ぽつぽつと離れた場所にしか民家も見当たらず 己の郷里をどこか彷彿とさせる白浜と青い珊瑚礁。 ――おとぎ話のお姫様はおらず。 ――おとぎ話の王子様はおらず。 唖の女と、漁師の男の住む家へとたどり着く。] (324) 2021/12/17(Fri) 23:25:46 |
【人】 薬屋 テレベルム[妹と漁師の出会いは、男が御伽噺のように 溺れてしまったわけでは無く、 波打ち際で彼女の唄に聞き惚れた事であったそうだ。 それらの話は唖となってしまった妹では無く、 その伴侶となった男の口から語られた。 歌を忘れた金糸雀も、惨めに捨てられずに ひとつの幸せを手に入れた、 ――そんな、物語にもならない、ちいさな、おわり。] (326) 2021/12/17(Fri) 23:26:18 |
【人】 薬屋 テレベルム[ひとつ先の港町で船と汽車を乗り継ぎ帰路につく心算だが 折角の海を少し散策してからでも遅くは無いだろう。] 俺の住んでいた場所も、暖かい海があった。 [気候は温暖。 雪の美しい街と対極のようでもある。 彼女はこの気候に慣れてはいないだろうけれど、 水は少しばかり冷たく、その足を冷やすだろう。] (327) 2021/12/17(Fri) 23:26:40 |
【人】 薬屋 テレベルム[白い砂の海の上。 日の沈む水平線を隣り合って遠目に眺めて、 そっと、彼女の腰を引き寄せる。 感謝の言葉はきっと、彼女と己の唇の狭間に溶けた。**] (328) 2021/12/17(Fri) 23:28:24 |
【人】 行商人見習い ポルクス この世に金で買えぬものの1つには、 人の心があるというけれど。 なれば心で何が買えようか? なれば金で何が買えようか。 (329) 2021/12/17(Fri) 23:30:30 |
【人】 行商人見習い ポルクス― 後日談:とある行商人は... ― [その時、弟子は他の商品の仕入れに行っており、 王都の貴族とも繋がりのある行商人は この街の大店の息子としてではなく、 弟子の”良い人”と時間を割いて話すことを決めた 弟子が両性なのは、親御さんから預かるときに聞いていた それでも、選ぶとしたら女性だとばかり思っていたので 多少驚いたことは否めない。 少しばかり考え、問いかけを1つ。 それは弟子にも与えたものであった。] (330) 2021/12/17(Fri) 23:30:37 |
【人】 行商人見習い ポルクス[正解は? ――青年の答えを聞いて、行商人は大笑いした] ははは、青い、青いなぁ。 いや、すまないね笑ってしまって。 うちの弟子にもこれを問いかけたことがあるんだ。 ――ポルクスには伝えていないが。 この問いに正解はあって、ないんだよ。 それを自分の中でどういう答えにするか。 それを信念として持てるか。 俺が求めていたのは、それなんだ。 [ひとしきり笑った、商人は。眦の涙を指で拭いて] (331) 2021/12/17(Fri) 23:30:52 |
【人】 行商人見習い ポルクス とはいえ、あって、ない。もののなかでも、 俺の答えはこう、さなぁ。 心で買えるものの1つが、人との絆だよ。 行商人なんだ。売り手と買い手、一期一会でも また会うことがあっても そこに嘘や虚構を混ぜては、いけない。 誠実にあれ。でもそれだけじゃあつかれる。 自分の弱さを見せられる相手、 自分がともに生きて支えたいと思う相手 それらを得て尚、人と繋がる強さを持つ そういうものを買えるのが、俺は心と思っているんだ。 馬鹿で不器用なうちの弟子を、宜しく頼む。 お前さんがいるなら。もうあいつも一人前だなぁ。 [そういって、商人はまた、大笑いしたんだとか。**] (332) 2021/12/17(Fri) 23:31:34 |
【人】 薬屋 テレベルム……? ??? …これは、一体…、シュワシュワしてる…。 [暫く店を休んで何処かに行っていたらしい話など、 話題は尽きる事も無いだろうけれど。 男はワインらしいがワインらしかぬ酒に興味津々だ。 豆で練らてたハンバーグを前にしたら 不安と恐怖の入り混じった警戒心を視線に籠めもするが その製法を聞けば恐る恐る口に運び、 おいしい、と素直な感想も零す筈。] (335) 2021/12/18(Sat) 0:10:48 |
【人】 薬屋 テレベルム[まるで、幸いを形にしたかのような女二人の戯れを 酒の肴にすれば、自然と幸せな笑みが溢れた。 男には元来、馴染みの友というものがいないから 平穏な彼女たちの交友は心が温まるものがある。 花が咲く話に口を挟むはほんの少しで満足してしまう。 雪が降り始める気配を窓の外に感じるも―― もう、以前までのようには、寂しくない。 魔術師の家は春爛漫の気配に包まれている**] (336) 2021/12/18(Sat) 0:10:57 |
【人】 薬屋 テレベルム――ラヴァンドラ。 [二人だけの世界以外でも、手をつなぐ事に慣れてしまう程。 いくつもの月を、年を越えたけれども。 彼女の手を、今は握る目的では無くて。 己の掌の上に預かる目的で。 …それから、その細く柔らかな薬指に 白い雪の結晶のように輝いた、 真珠の指輪を差し入れる目的で――…、 ] (338) 2021/12/18(Sat) 0:24:55 |
【人】 薬屋 テレベルム[羽織っていた白いローブを はさり――…、と下ろし。 彼女の頭部から掛けるようにして。 人魚の集落での『縁組』を真似たものだが この街の教会でも、似た姿は拝めるだろう。 幸せを歩みだした女は皆、 喪服にも似た黒いローブではなく、 こうして ――白いヴェールを纏う。] (339) 2021/12/18(Sat) 0:25:54 |
【人】 行商人見習い ポルクス― 季節は巡って ― [キエとシトゥラを誘って、パパのお話聞きに行く!と 我が家の娘2人は、『星集め サダル』の子供さんらと一緒に 噴水広場に向かったらしい。 おっとりと未だ腕の中で眠っている末娘を抱っこして 久しぶりに行商人の格好をしようとして ……む、胸と尻がきつい。と断念した俺は、 何時ものゆったりしたワンピースと、 貝紅により唇を朱に彩って、娘らに遅れて噴水広場へ足を向けた。 さくり、さくりと音が鳴る。降り積もる雪が 靴に踏まれた音。新雪ではなく、踏み固められたものが 氷となってならされるもの。 あちこちに飾られた電灯は、どうやら出資者がいるのだとか。] (341) 2021/12/18(Sat) 0:34:02 |
【人】 行商人見習い ポルクス[息は白く。祭りの喧騒賑やかな中。 話を聞きに来た子供らを膝に乗せ 唄うように、話をしている君がいた。 お店の休憩時間、こうして話をしている貴方がいる この景色は、自分にはとても輝いて見えているのだ。 ああ、いつも通りにお代は ゲイザーのパイでいい、なんて言ってる。 今日はどんな話を、したのかしら?] (342) 2021/12/18(Sat) 0:34:49 |
【人】 行商人見習い ポルクス ―― 今日はどんなお話? もしも終わってないのなら 旦那様 続きをお語りくださいな。吟遊詩人殿? [そぅっと後ろから近づいて声をかけ もし、こっちを振り向いたら? ――きっときらきら、美しいものを刻むその唇に 朱色を移して、微笑むのでしょう**] (343) 2021/12/18(Sat) 0:35:11 |
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