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【人】 こどもの アルレシャアルレシャが姿を現し、スピカとアマノに無事再会できた後のことです。 使用人達の噂を聞きながら、帰り道について考えていました。ペガサスを呼んでも良いのですが、子馬ですから長い距離は疲れてしまうでしょう。 道にはきっと迷わない筈です。理由はわかりません。ですが、なんとなくそんな気がするのです。 ぶるる、ひひーん。 元気な鳴き声と共に桃色のユニコーンが一頭、湖に降り立ちました。 アルレシャは窓から身体を乗り出し、湖の方角を見つめます。すると、ぱっと顔を明るくしました。 「……ママのおうまさんだ!」 そのユニコーンは先日呼んだペガサスよりもずっと大きく、大人の顔立ちをしています。 首に巻かれた大きなリボンに、柔らかいレースで編まれた手綱。ふかふかの鞍を背中に乗せていました。 二人 をお迎えする為に、うんと御洒落をさせてもらったのです。アルレシャは胸を弾ませて、足取りも軽やかに友達の元へ駆け出します。 (12) 2022/01/28(Fri) 13:37:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>ブラキウム 「ブラキ! でぐち、あいたんだって!」 庭園にいるでしょうか、それとも城内にいたでしょうか。 いずれにせよ、アルレシャはブラキウムを見つけ出します。隠されていなければ、探し出せる筈ですから。 アルレシャは湖畔の方を指さしました。 「それでね、ママがね、おうまさんをおくってくれたの。 おうちまでビューンってかえれるよ!」 無邪気な笑顔がブラキウムを見上げました。すっかり二人で帰るものだと思っています。 二人は普通のお友達ではなく、 ずっと一緒の、特別なお友達 ですから。お別れなんて、有り得ません。 死さえも離別の理由になりません。 (13) 2022/01/28(Fri) 13:45:27 |
【人】 こどもの アルレシャ>>14 スピカ 「……うん、いく」 僅かに身体を離すと、スピカを見上げました。背中に回していた手を下ろし、目元を拭って頷きます。 アルレシャには、まだやるべきことがあるのです。 「アマノにありがとうをして……、 みんなにただいま、って……いわなきゃ」 そうして二人は歩き出したことでしょう。 小さな手と、大きな手を繋いで。 (15) 2022/01/28(Fri) 17:00:39 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>16 イクリール 「そ、それはそうなんだが……人前では、やめろよ。 特に旅の間は。……色々困るんだよ」 丸め込まれている…… 気持ちはわかるし、変に言うともっと厄介な触れ方をされても困るので、頭でいいかともう諦めた。普段は帽子をかぶってるからそこまで撫でて来ないだろうし。 子供扱いが一生続くのは複雑の極みだけれども。 「……お前、さり気に年の差が縮まらないの喜んでないか? 年近くなって喜んだりしな…… と、年下派……?」 そう。実はイクリールの年齢をしっかりは聞いていないのだ。つまりは別に肉体年齢は自分よりも十分下の可能性もあるから、自分は同年代と変わらない扱いだったのだが── 「拉致された部屋の主の部屋に文句言う馬鹿じゃねーよ。 ……鳥のいない鳥籠も寂しいだろ。 だから目標でも決めとけ。何かないのか。 旅で見たいものとか、どの辺に行きたいだとか」 (18) 2022/01/28(Fri) 20:03:01 |
【人】 魔女 イクリール>>18 ミズガネ 「は〜い♡ 二人っきりの時だけ、ね♡」 ちょっと意味深げににまにましながら貴方の腕にするりと腕を絡めます。 「あんまり男性の好みについて考えたことなかったけれど〜 そうね……可愛い方が好みかもしれないわね」 人差し指を唇に当てて ん〜〜 と悩んだ後出した結論。 でもたとえ年上でもあまり扱いは変わらなかったきもします。 そして年齢については……乙女の秘密ということで聞いても濁されてしまうでしょう。 「そうね……海が見たいわ! あと、貴方がいたようなお城も」 書物の中でしか知らないものを実際に見てみたいと思いました。 (20) 2022/01/29(Sat) 2:44:41 |
【人】 こどもの アルレシャ>>17 >>19 スピカ/アマノ 「アマノ〜〜〜!」 一瞬手を離すか躊躇ったものの、結局堪えきれずアマノに飛び付きました。そして、ちら、とスピカを見ます。 ……もう手を離したってどこにもいきません。安心すると、アマノを見上げました。 「スピカがね、みつけてくれたの! アマノもかえってきたんだねぇ!」 泣き腫らした目元のまま、アルレシャは笑いました。 「なんかね、でぐちあいたんだって。 アルはおうちにかえるけど……ふたりはどうするの?」 (21) 2022/01/29(Sat) 9:33:22 |
【人】 なんでも屋 アマノ>>19 >>21 スピカ、アルレシャ 「そうかァ、スピカがみつけてくれたか。 よかったな」 飛びつかれれば、その小さな体を抱きとめて抱き上げてやる。 数日前にもやったことだが、視線は高く、それはスピカの視線をも追い越してしまったはずだ。 「一人でよくがんばったな、チビ。 ……あぁ? そういえばなんか急に明るくなったな? そうか……出口が開いて朝日が昇ったってか」 とんだ不思議なことがあるものだなと思う。 これがあの城主が見せていた夢であるというのなら、この城を出れば俺たちは何処へ帰っていくのだろう。 「……家に帰れるなら俺の仕事はもう必要なさそうだな? 俺は……俺も外に仕事もあるし帰るっちゃ帰る……んだが」 ちらり、と。 頭一つ分は低いスピカの顔を見て、意味ありげな笑みを浮かべた。 「一緒に来るだろう?」 (22) 2022/01/29(Sat) 10:52:38 |
【見】 こどもの ブラキウム>>12 >>13 アルレシャ それはきっと城内の、何でもない場所。 ここで起こっていた出来事なんてひとつも気にせずに、 広間で呑気にご馳走を食んでいた頃。 貴方の姿を見つければ、ぱっと楽しげな表情を見せた。 それから出口、ママ、と聞けば、指先が示す方へ視線を向ける。 「そう! じゃあアルのママのとこに、」 ────本当に? 「………アルのママの、こどもに、」 ─────良いの? → (@0) 2022/01/29(Sat) 13:01:19 |
【見】 こどもの ブラキウム小娘の表情は、みるみるうちに寂しそうに歪んでいく。 きっと貴方と空を飛んで帰ることは、何よりも特別で楽しいのだろうけど。 「アル、あたし、やっぱり……」 浮かぶのは、お母さんの優しい横顔。 それから、お父さんのまっすぐな眼差し。 まんまるの瞳が、 ぐにゃりと歪んで涙をこぼす。 「やっぱりっ、おうちに帰りたいよぉ……!」 ぽた、ぽた、と地面に雫を溢して、貴方への拒絶を示した。 そんなことに今更気付いたって、 ──────もうとっくに遅いのかもしれませんが。 (@1) 2022/01/29(Sat) 13:02:40 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>20 イクリール 「……な、なんだよ……」 気まずげに顔をプイと逸らした。でも絡められる腕は拒否しないし、そもそも"二人きりならいい"と明言も同然だ。「あー!」と叫んでから彼女の頭を髪が手櫛で直せる程度にわしゃわしゃに撫でた。照れ隠しと誤魔化し。 「か、可愛い……?ち、違うタイプじゃね?俺……」 でも、イクリールは自分(32)を指して可愛いと言いそうなのもそうなので何も油断できない。正直、男として複雑ではあるが、褒め言葉もとい肯定の言葉に弱いのでぐらぐらしていた。 「……海、か。いいな。宮があるかはお前ん地の地図みねーとわからんが、探してみるか。あと俺、お前が何度やっても発見されて出られなかった理由、知ってるから。 その爆乳なんとかして俺がいりゃあ幾らでも誤魔化せるさ。何とかして少なくとも故郷の森は出してやれるだろうよ。そっからどうするかとか、路銀とかは……家を出る前に作戦会議だな。……準備に10年かけたっていいんだろ?」 薬の作用で、しかも互いに時間が流れるのが遅いなら。イクリールの家で入念にしっかりと作戦は立てられる。……これからは言われたことだけでなく、一から草案の必要がある。それを想像すると、少しだけ楽しみで思わず笑みが溢れた。 (23) 2022/01/29(Sat) 13:23:03 |
【人】 灯された星 スピカおもむろに左手の薬指を圧迫していた指輪を外す。 それを、何の躊躇いもなく床へ。 4年間付けていたそれを外しても何の感慨も抱かないのだから、やはり自分は最初からどうしたいか決めていたのだ。 「アマノについていくわ」 元の世界に帰ったところで守れるものなどたかが知れている。 きっとやりたかったこと、守りたかったものに一つも触れられずに傀儡として踊って終わりだ。 「……対価、払っちゃったもの」 どこか楽しげに笑って、不器用な男の元へ。 指輪のない指をぐっと握って拳を作り、男を軽く小突くような仕草を見せた。 不器用なのは、きっとお互い様だ。 (25) 2022/01/29(Sat) 16:10:48 |
【人】 なんでも屋 アマノ>>24 >>25 スピカ、アルレシャ 「お前サンを見つけられる人間は、いやしない」 住む世界の違った自分たちのことを探せるものは居ないだろう。 一度も指摘することはなかったその指輪が床に落ちたのを見ると満足そうな笑みを浮かべた。 それは紛れもなく、彼女の意思であり。 その想いはこの手にきちんと手に入れることが出来たから。 (ナァ? 怒っていやしないだろう?) (俺は、またこの生き方を選ぶよ) 遠く遠く空の上から見つめているだろう女にそう語りかけた。 きっと、俺と同じように自分似た子供をその腕に抱いて。 何も答えは返ってきやしないけれど、深く頷いてくれたはずだ。 アイツは、俺をよく知っているから。 ▼ (27) 2022/01/29(Sat) 17:15:02 |
【人】 なんでも屋 アマノ自分たちの間にある対価は。 お互いの一生。 死がふたりを分かつまで、全身全霊で尽くしぬくのだ。 「そういうワケだぁ、チビ。 俺たちァ、一緒に生きていく」 「チビはちゃんと……ママと友達のところに帰るんだぞ?」 (28) 2022/01/29(Sat) 17:15:22 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム 「……しんぱいしないで、ブラキ?」 涙を細い指で一粒受け止め、下から見上げます。小さな両の手で、ブラキウムの頬を包みました。 「なかなくても、 ちゃんとおうちにかえれるよ 」きっとブラキウムは不安なのだろうと思いました。拒絶されたなんて、ちっとも考えません。 ブラキウムのおうちは、アルレシャのおうちです。 二人は同じ家の子なのですから、同じ家に帰るのは当然ではありませんか。 (30) 2022/01/29(Sat) 18:38:39 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム ブラキウムは、この城で出会ったみんなとのお別れが寂しいのかもしれません。アルレシャだって、勿論それは寂しいです。 しかしまたお家に帰れば、たくさんのお友達と素敵な国で暮らせます。その方が、ずっと楽しい筈です。 「ねぇ、ブラキウム」 ────ですから、 「おもいだして」 ────善意で、 (31) 2022/01/29(Sat) 18:39:38 |
アルレシャは、ブラキウムの記憶に手を伸ばしました。 (a6) 2022/01/29(Sat) 18:41:11 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ 最初こそ目を丸くしていました。しかし、直ぐにその瞳は輝きます。 「え……じゃあ、じゃあ、 けっこんするの!? 」アルレシャは、自分のことのように喜びました。 好きな人と好きな人が、共に生きることを誓い合ったのです。嬉しくて思わず踊り出してしまいそうでした。 「ふふ、ふふふ! えーと、こういうときは……『すえながく、おしあわせに』だよねっ」 きっとふたりは、絵本のように幸せな家庭を築くのでしょう。アルレシャは、そう信じています。 (33) 2022/01/29(Sat) 19:33:33 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ アマノに問われれば、笑顔で頷きます。答えは決まりきっていますから。 「もっちろん。 アルも、ちゃーんとおうちにかえるよ!」 床に下ろしてもらうと、二人の手を両の手で握りました。まるで親子が並んで歩くように。 「さよなら、アマノ、スピカ。 ……すてきなパパとママになってね?」 小さな祈りをこめて、そう呟きました。 (34) 2022/01/29(Sat) 19:34:10 |
【見】 こどもの ブラキウム>>30 >>31 アルレシャ 「ほんと?」 優しい言葉、眼差し、手の温もり。 貴方から齎されるものが心地よくて、瞼を伏せる。 「おうちに、帰れるの?」 貴方の声が、届く。 耳から鼓膜へ──そうして 頭の中へと。 「あたしの、」 優しい横顔は誰のもの? まっすぐな眼差しは誰のもの? 「……あたしのおうちは」 → (@2) 2022/01/29(Sat) 20:30:21 |
【見】 こどもの ブラキウム「ねぇねぇアル、 早く帰らないとママが心配しちゃう!」 頬に触れる貴方の手を取って、 湖畔の方へ駆け出します。 「ママのご飯、何かな? ここのご馳走も美味しかったけど あたしはやっぱり、ママのハンバーグが大好き!」 頭の片隅が、少しだけ痛みました。 けれどもそんな事はどうでも良いのです。 だって、もうすぐ大好きなママに会えますから。 世界に一人だけの、大切なママなのですから。 こうして小娘は、 大好きな家族と末長く幸せに暮らしましたとさ。 (@3) 2022/01/29(Sat) 20:31:59 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>32 イクリール 「もしかして、お前の母親も 爆乳族 だったのか……?」イクリールは経緯によって魔女と呼ばれ出したのであって、最低でも昔から閉じ込められていただとか、母親を見た事も無い訳でもないので比較できるのでは…?と思っていたのですが、 母も爆乳だった場合確かにわからないのかもしれない…… なぜこのタイミングで俺はこんな事を考えてるんだ? とにかく、自分より常識がないのだけはわかった気がする。 「そうだな。じゃ、行くか」 素っ気ない台詞。 自分から手を繋ぐのはまだできないけれど。 いつかこれも気の利いたものになっていくのか。 或いは、こんな人だと貴方が理解して微笑んでくれるのか。 さて、どっちが変わるのか。 ▽ (35) 2022/01/29(Sat) 20:53:21 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>32 イクリール 「まあ、」 結局投げ捨てなかった竪琴を握る。 実は自分のこれをもう『楽器』とは見ていない。 理由を貴方に話すと、怒るだろうか? でも、出来ない物にし続けるよりは、出来る事にして大事な物を守る方がよほどいいだろ。 魂が腐ってる?捨てられない?ならもう仕方ない。 それなら俺は、これを『捧げる』ものじゃなくて、 大事な人を『守る』ために、『与える』武器にするだけだ。 「なんでも変わっていくんだろうな。俺もお前も、全部。 ……それも、悪い事じゃないんだろう」 ──隣の貴方ならきっといつか、 今のこれを “強がり” からではなく、本心 からの言葉にしてくれると、信じている。 ▽ (36) 2022/01/29(Sat) 20:54:54 |
2022/01/29(Sat) 20:58:14 |
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