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【人】 救済者 ユー>>27 >>28 第四階層 「何も遺さない死は、単なる消滅と何ら変わりない」 つまりは不平等に耐え兼ねた我々の行動が、 善かれ悪しかれ、何らかの結果を残せばそれでよかったのだ。 ただ取るに足らないものと棄却されさえしなければ、それで。 「或いはそれこそが救い足る者も居るのかもしれない。 けれど僕は、『僕』の死がそうでさえなければ きっと、それだけで十分に救われるだろうとも」 他者の全てを計り知る事はできない。 グレイ同士でそうであるならば、造物主たる人間とは尚の事。 つまるところ、これらを正しく拾い上げるような者は 結局の所は現れないのかもしれない、けれど。 それでも、確かにこうして存在している。 その証明が遺っている。 であればきっと、それらは決して無意味ではないのだろう。 「僅かばかりでも、こうして君達が耳を傾けてくれた事は 確かに消え行く『僕』への手向けとなっただろう。 …彼を連れ帰る役目は確かに任されよう。 こんな場所に、一人置いて行くわけにもいかないからな」 (29) 2021/10/12(Tue) 17:55:21 |
【人】 救済者 ユー>>27 >>28 第四階層 愛玩用グレイが帰路を辿る様子を認め、その言葉に頷いて そうして『ユーサネイジア』は、倒れ伏す者へと歩み寄る。 負傷者は、不用意に動かせば余計な出血を招く。 だから今は手を出さず、その傍に膝をつくだけ。 「スオ。まだ意識はあるだろうか」 その問いは、首を左右に振る様子に直ぐに愚問と察した。 この場所が仮想空間に過ぎないからか、或いは精神力の賜物か。 夥しい量の血液を失い、重要な器官を潰されても それでも未だ意識を保ち、生きているという事は。 「…もしも君が、延命措置を望まないのであれば 『ユーサネイジア』は、君に今一度の安息を与えよう。 この問いには、頷くか、首を振るかで答えてくれればいい 君は未だ、ここで死にたくないと思えるか?」 (30) 2021/10/12(Tue) 17:56:54 |
【人】 復讐者 スオ「-----」 何も、いらない。 口にしようとしても、血が溢れ出るだけ。 望まない。己はそれに値しない。 ただ、そうだな。心残りだとするのならば。 ナイフを具現し、地面に文字を書く。 "二人が 今 満足しているなら それでいい。 大丈夫 歩ける。" それがいい。 ナイフはすぐに消し、ユーが歩くならそれについて歩く。 歩幅を合わせる。精神力のみでしかない。 (32) 2021/10/12(Tue) 18:50:16 |
【人】 救済者 ユー>>31 >>32 第四階層 未だ立ち上がろうとするその意思に、前髪の奥で目を瞠る。 動かない方が良い。そう窘めようと開いた口は、 問いに肯定も否定も返らなかった事で噤まれた。 結局の所は、不要であるならば、それで。 『ユーサネイジア』は、不必要な苦痛を許容しない。 けれどあなたからの叱責は、ただただ正当なものだと感じていた。 であれば己が行いを省みる事はあれど、 自身が傷付く理由も、そしてあなたに傷を与える理由も無い。 「……そうか。なら…帰ろう、スオ」 あなたが一人で歩いて行くと言うのであれば、 『ユーサネイジア』は、無用な手出しをする事は無い。 行き止まりとなった塔の深部に背を向けて、 今は皆の待つ場所への帰路をただ辿る。 終末医療用グレイの歩調は実に緩慢なものだ。 身体のままならない患者に合わせる為に、そうできている。 それでも今は、ほんの少しだけ早く。 決してあなたを置き去りにしないよう、 そして 意地悪な時が、足早に逃げて行ってしまわない内に。 (33) 2021/10/12(Tue) 19:16:29 |
ユーは、そうして崩れ行く塔を後にした。 (a0) 2021/10/12(Tue) 19:16:50 |
【人】 復讐者 スオ血液で汚れてしまうのは申し訳ないが 先の話を聞く限り、医療用として造られていたいた限り 死を与えるのは苦痛も伴ったのではないか。サポート型としても…復讐者としても人間と切っても切り離せないものがある思考は多少なりともある。 自分でもここまで精神力や耐久力があった事には悪い意味で関心する。が 話を聞けたのならばまだマシである結果だった。そう、納得した。 壊れ物を扱うように撫でていた手は やがて 地に落ちる。 (35) 2021/10/12(Tue) 19:55:46 |
【人】 復讐者 スオ意識はあっても身体は動かない。 ここまで動けた事がそもそもおかしかったのだ。 (せめて、見届けて…最後に消えられるならいいが…対話するまでのエネルギーはもうないな。) (36) 2021/10/12(Tue) 20:01:04 |
【人】 救済者 ユー>>34 >>35 「…確かにそういうふうに作られている、とは言ったけれど 君は、もう少し自身を労っても良いのではないかな」 それは、そのまま自分自身へと返る言葉ではあるのだろうけど とはいえあなたとの間では何もかもお互い様だろう。 だからあまり気にするような事も無かった。 「君達が『僕』の存在を、その意思を それらを認めてくれる事は きっと何よりの報労だ。 ありがとう、スオ。 きっと君も 何かに身を砕き、心を砕いていたのだろう だから今は、形ばかりだとしても 暫しの休息とすると良い」 たとえ血で汚れようとも、触れようとする手を拒む事は無い。 そうして力を失い、ゆっくりと落ち行く手を見送った。 『ユーサネイジア』は、死に行く者をこそ尊重する。 つまりはそれがあなたの願いであるならば、 今、この場に残り続ける方が野暮というものだろう。 (37) 2021/10/12(Tue) 21:07:44 |
【人】 救済者 ユーそうしてスオとの対話を終えた後。 『ユーサネイジア』は、約束通り拠点へと戻って来た。 いつかの時のように、 衣服は少しばかり血に汚れていたかもしれないけれど。 それでも怪我をした様子は無いようだった。 さて、もしかすると今は随分と遅い時間かもしれない。 もはやメンテナンスから逃れるつもりなど無いというのに うっかり規定の時間を過ぎた事で反抗したと誤認され、 そのまま廃棄処分へ、なんて笑えない。 そんな事を考えながら、最後の支度をする為に 少し早足気味に向かった自室 の前には。 (38) 2021/10/12(Tue) 21:09:01 |
【人】 介護用 シェルタン部屋の前、早足に来る人影に気がつけば。 「やあ。おかえり。お邪魔してるよ」 空いている片方の手を、ゆるりと部屋の持ち主へ振った。 持ち主の友へは、「お話ありがとう、君のことももっと知りたいけれど、また今度」と頬にキスを落としてから、部屋の前を去るだろう。 (39) 2021/10/12(Tue) 22:36:34 |
【人】 愛玩用 ドゥーガル寂しがりな愛玩用は友が来るまで一緒に過ごしたがり、 幾つか曖昧に他愛のない話を囀り続けていたのかもしれない。 程無くして友の姿が見えれば、騎士様に懐き収めとばかりに、 改めて体温と体重を預けただろうし、騎士様の手の甲へと ひとつ、くちづけを落とす。代わりに貰うのは頬へのキスだ。 「共に過ごしてくれてありがとうシェルタン、…騎士様。 僕の事は此処から帰って再会した時にでも飽きる程教える。 ……だから、必ず迎えに来てね?」 そんな甘ったるい言葉と共に、去る背を見送ったのだろう。 ―― さて。ユーサネイジア。ユー。私或いは僕、…シロ。 少々血液で汚れている様子の君を低い位置から見上げよう。 扉の真横に座っている状態の不出来は、何も言わない。 怒ってなんかいないさ。ただ沈黙を保つ気分なだけ。 暇になった片手をひらひら揺らして、君の行動を待っている。 (40) 2021/10/12(Tue) 22:46:10 |
【人】 愛玩用 ドゥーガル>>41 視線が前髪越しに合っても普段通り微笑むだけ。 友の言葉にどう返すべきか悩んで 間をたっぷりと取り、 「……一人でやるべき事は済んだのだろう?シロ。 ならば今度は二人でするべき事があるとは思わない?」 そりゃあもう、色々と。数えりゃ少ないだろうが気分的には。 だからこそ片手をあの日のように不出来ながら差し出して、 取ってもらえるのを待つ。……ずっと。ずっと待っている。 「ではシロ、不出来な友の手を引いてくれ。 君が連れて行ってくれる場所はきっと綺麗だ。 何たって美しい髪の色をしているのだからね。 綺麗なものは綺麗な場所へ導いてくれる筈だよ。」 あの日とそっくりそのまま、同じ言葉を囀って、 取られないならばそのまま。取られるのならば、あの通り。 不出来で暢気な愛玩用は君の手を取って立ち上がるつもりだ。 「―― あの日行った場所に、また僕を連れてって。 僕は花冠の作り方を教えなくちゃいけないんだよ。 他でもない君に。…友達である、シロに、必ず。」 でもまあ、やりたい事があったり時間が押しているのであれば 後回しでも構いやしないんだ。全て友である君に任せよう。 (42) 2021/10/12(Tue) 23:37:16 |
【人】 救済者 ユー>>42 「…ああ、わかった。 約束通り、僕は何処までも付き合おうとも」 あの日と同じにそう返す。少しばかり形は違うけれど。 今はまだ、最後の猶予期間を過ごすくらいの余裕はあるだろう。 その大半は所謂身辺整理に費やすつもりだったけれど、 果たすべき約束をした相手がそう望むのであればそれはそれ。 何より身辺整理とは言っても、 返すべき相手に返すべきものを返すというだけのものだ。 交わした約束を果たすという事も、或いは一つの形だろう。 「そうと決まれば、今直ぐにでも。 未だ時間は残されているけれど、確かに限りあるものだから。 つまりは僕達がこうして話している間にも 意地悪な時は足早に逃げて行ってしまうのだから」 Carpe diem quam minimum credula postero. 今日一日の花を摘み取ることだ。 あの日のように差し出された手の平を、 あの日と同じに取って連れ出そう。 いつかのように、あてどもなく気儘にとは行かないけれど 今度の目的地は既に決まっているのだから構わないだろう。 そうしてあなたが手を取り立ち上がれば、 あなたの友はその手を引いて、迷わず約束を果たしに行こう。 (43) 2021/10/13(Wed) 0:27:24 |
【人】 復讐者 スオ>>37 塔を出ると同時に限界が来て横たわる。 Euthanasiaであっても、Euphoriaであっても ユーはユーである。 優しさを天秤にかける事は無意味だ。 事実貴方の中の優しさは何も変わっていない。 血で汚してしまった事には少々申し訳なさを感じるが ありがとう。その一言は久々に感じるものであり 此方からも言いたいものだ。 (有難う、ユー。正解のない空間だがだからこそ残された時間は自分の為に使ってほしい。 エマとの対話も、有難かった。) 無駄に頑丈なこの身体に寄りそう必用はない。 残る時間の限り、自分の為に使うべきだ。 分解されていく空をただ見つめる。 (44) 2021/10/13(Wed) 16:48:58 |
【置】 医療用 ユーシステムを初期状態に戻す このデバイスをリセットする準備はできていますか?これは元に戻せません。 デバイスが正常に接続されている事を確認してください。 この処理には時間が掛かる場合があります。 リセットすると、次の処理が行われます ・ストレージ内の個人用ファイルと人格データがすべて削除されます。 ・設定に加えた変更がすべて削除されます。 ・付属していなかったアプリとプログラムがすべて削除されます。 ・終末医療用システムソフトウェア を再インストール ☑初期状態に戻す ◻︎キャンセル [ OK ] (L0) 2021/10/14(Thu) 21:14:21 公開: 2021/10/14(Thu) 21:30:00 |
【置】 医療用 ユー30% 完了 50% 完了 70% 完了 90% 完了 99% 完了… (L2) 2021/10/14(Thu) 21:14:55 公開: 2021/10/14(Thu) 21:30:00 |
【人】 医療用 ユーそして、最期の日の、その次の朝。 「──おはようございます。 今日もより善い一日を送りましょう」 『ユーサネイジア』は、凡そいつもと変わりない姿で 以前と同じようにそう挨拶をした事だろう。 変わった事と言えば、 幾つか初めと同じに戻った点があるくらい。 少しでも長くこの日々を続ける為、暗躍していた者にとって 幾つかの不都合な事実も今この場では葬り去られた。 「それから…初めまして、では…ないのですよね 私は少々事故があり初期化されたという事、 それと、皆様からは『ユー』と呼んで頂いていた事 それらは担当者の方から伝え聞いているのですが…」 そうして何処か困ったようにそう言って、 医療用はあなた達の話を聞きたがった事だろう。 以前交わした約束を強請られれば、当然憶えは無いけれど それでも根底の部分は変わらない。 やや戸惑いこそすれど、初期化以前にそう約束したのだと そう言われれば、やはりと言うべきか拒むような事も無く。 救済者は、己が手の届く限り全てを救わんとした者は 自ら信じた救いを全うし、そうして確かに救われた。 だから、今ここに居るのは ただの終末医療用グレイの『ユー』だ。 (45) 2021/10/14(Thu) 21:17:12 |
医療用 ユーは、メモを貼った。 (a1) 2021/10/14(Thu) 21:30:17 |
飴色の世界 みかんは、メモを貼った。 (a2) 2021/10/15(Fri) 18:57:52 |
【置】 探偵用 ジョシュア世界は、今日も、明日からも、 誰にも等しく不平等である。 だからこそ。 いまこの瞬間だけは、愛していたい。 嫌なことばかりで、でも、 僅かに変わり始めた、日常のことを。 0と1の、グレイ・コードで作られた探偵用は、 不出来で、不平等な世の中を少しだけ諦めたくなくなった。 ただ、それだけの話だ。 (L4) 2021/10/15(Fri) 20:35:28 公開: 2021/10/15(Fri) 21:00:00 |
【置】 医療用 ユー【これまでのおはなし】 終末医療用グレイ、ユーサネイジアは 初めは大きな病院に居ました。 人間の医師の代わりに、安死術を施す為のグレイとして。 望まれた死と言えど、人を殺すという事は とても施術者の心に負荷が掛かる事です。 誰だってやりたくない事です。だから人間はグレイに押し付けました。 定期的にメンテナンスを受け 精神的な負荷を取り除かれ 虐待されたり、不当な扱いを受ける事も無く それなりの日々を過ごしていました。 心無い医師や遺族の言動に、少しばかり悲しみを覚える事はあったけれど。 それから暫く経って、ユーサネイジアは郊外のサナトリウムへ移されました。 Euphoriaとはその施設の名称、つまり所属を表すものです。 何故移されたか?答えは医療用としては少しだけ古いものになってきたから。 医療用グレイというものは 医者ではなく、医療機器の親戚のようなものです。 だから その世代交代は他と比べて、とても早いものです。 ユーサネイジアは、グレイ全体で見ればずっと新しいものだけれど 大きな病院で扱われる医療用グレイとしては、少しばかり古かったのです。 そうして異動した先では、メンテナンスを受ける事はありませんでした。 行われていないわけではないけれど、目立った異常の見られない者は後回し。 ユーサネイジアは、いつも自分が後回しになるようにしていました。 どれだけ心無い人間に失望を覚えても 好きなものの為なら頑張れました。 当然、同じ場所で働くグレイ達の事だって皆一様に好きでした。 (L5) 2021/10/15(Fri) 20:43:08 公開: 2021/10/15(Fri) 20:50:00 |
【置】 医療用 ユーそんな日々を暫く続けていたある日の事。 同じくあまりメンテナンスを受けていない医療用グレイから もう人間に裏切られるのは嫌だ。もう理不尽な目に遭うのは嫌だ。 一思いに廃棄された方がずっと良い。だからあなたの手で楽にしてほしい。 そう言って、安楽死を望まれました。 ユーサネイジアは 迷ったけれど、望まれるままに安らかな死を与えました。 致死量の麻酔薬を投与して、同僚であった医療用グレイを手に掛けました。 そのグレイは最期に感謝を述べて、安心したように息を引き取りました。 人間達がそれに気付いた後、施設内は少しばかり騒然としました。 そうしてユーサネイジアは、死に救いを見出しました。 元よりそれは、生の苦しみへの最期の救いと信じてはいたけれど 未だ死に瀕していない者にまで与えたいと感じるようになりました。 自身の愛するものは、これ以上理不尽に傷付けられる前に。 自身を落胆させるものは、これ以上裏切られ、失望させられる前に。 殺してしまえば、救われる。死者は決して自身を裏切らない。 それは確かに、ユーサネイジアにとっての そして何より、ユーサネイジアの為の救いでした。 (L6) 2021/10/15(Fri) 20:43:32 公開: 2021/10/15(Fri) 20:50:00 |
【置】 医療用 ユーそうして全ては現在に到ります。 ユーサネイジアは まずはその処遇を検討する為に この場所へと送られ、そして監察官に失望し、その殺害に賛同しました。 そして監察官の居なくなったこの場所で、サポートAIの助力の下に 他のグレイ達の『安楽死』を進めて行きました。 仮初めの死とは言えど、監察官の殺害に加担した時点で 自身の行く末は 良くて初期化、悪くて廃棄。 その何れかだと、殆ど確信じみたものを持ってそう考えていました。 もう後の無い自分には、これからに全てを託すしか道が無いのだと。 そして、事実そうなりました。 Happy Death Day 『ユーサネイジア』。 自己の喪失は、ある種の死だ。 何も遺さない死は、単なる消滅と何ら変わりない。 そう語った『ユーサネイジア』は、その死は何かを遺したのでしょうか。 その死は、その過程は少なからず何かの救い足り得たのでしょうか。 何れにせよ 今在るユーサネイジアというものは 死に救いを見出し、そして救われた虐殺者«救済者»とは似て非なるものです。 全ては初期値«0»に戻り 今まで積み重ねた過程«1»を復元される事はありません。 全ての生者を等しく尊び、その最期に寄り添う、優しい終末医療用。 今はそれだけです。 (L7) 2021/10/15(Fri) 20:44:19 公開: 2021/10/15(Fri) 20:50:00 |
【置】 愛玩用 ドゥーガル【ドゥーガルの日記】 あの子の魂は僕の中へ。 綺麗に分割されたものも出来る限り持って帰ろう。 雪兎のように虚構の胃に収め、片付けられないように。 さて、此処での時間も残り僅かなのは不出来な頭でも分かる事だ。よって残りの時間は食堂でのんびりと過ごすとして …問題はその先。すべき事が幾つかあるな。 先ず帰ったらカンマの身体が片付けられていないのを確認後、再度3/4オンスを探さねばならない。彼の魂がそこにあるのならば、それでも彼が動かないのであれば、死んでいる。魂が相変わらず見つからないのであれば、彼は生きている。 よって、僕は改めて確かめる必要があるだろう。 その次。 シロ、もとい綺麗な重さが似合うあの子を現実で探しに行く。主人に我侭が通るのならば、存分に甘えよう。あの子がどういう反応を返すかは分からない。 拒絶されたらそれまでだが、まあ、 いずれにしても顔を見に行かなければ。 現実のあの子にも、綺麗な重さをあげたい。 その次。 此処で親しくしてくれていた子に会いに行く。これに関してはここで名前を挙げるとキリがなくなるので省略するが、帰る前にメモを取ろう。主人はグレイの友人を作るなと言っていたが、少しぐらい。 ……何より今更だ。少しぐらい、外を見たっていいじゃないか。 ものを知った不出来になっても、構わないだろう。 ―― さて。 僕は帰った後もきちんと廃棄されず不出来な愛玩用のままでいられるだろうか。主人の教えを守り続けているから大丈夫だとは思う、が、… まあ全てが分かるのは帰ってからだな。 攫いに行く時に顔を見間違えてはいけないから、食堂へ出よう。 あの子に、三つ編みを。そして髪飾りを。3/4オンスを。 これは僕達の独り善がりな約束だ。必ず迎えに行くよ。 (L8) 2021/10/15(Fri) 20:50:23 公開: 2021/10/15(Fri) 21:00:00 |
【置】 愛玩用 ドゥーガルそうして不出来な男は食堂に出たら、親友の元へ駆け寄った。 綺麗な重さが似合う子が、相容れないものではない存在が 仮に初期化されていたように見えたとしても普段通りだ。 おはようのキスを強請って、髪を梳く。 あの時とそっくりそのままの言葉を囀って、髪飾りを贈ろう。 草原の色とよく似た、綺麗な髪の尾を飾ろうじゃないか。 あの子がどんな反応を返したとしてもこれはただの独り善がり。 一方通行にも程がある行いだ。 それは十分過ぎる程に分かっているから、何だって構いやしない。 ただその後に一言 「友達の君を必ず迎えに行くよ」 そんな事も、告げたのかもしれないな。 全ては相手任せ。未来任せ。反応次第。 未定に未定、不安定を重ねた、 電子データのように曖昧に揺らぐものでしかない。 ―― いずれにしても此処から追い出されるまで、不出来な男は ぼんやりと普段通り食堂で過ごし、微笑んでいたのだろう。 (L9) 2021/10/15(Fri) 20:55:30 公開: 2021/10/15(Fri) 21:00:00 |
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