人狼物語 三日月国


43 【完全RP】音の鳴る瞬間の相手は【R15】

情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


ミュシカ9票

処刑対象:ミュシカ、結果:成功

[犠牲者リスト]
該当者なし

決着:村人の勝利

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・舞台―

  
―演奏を終えて―



[ 演奏を終え。>>2:235
  シャンデリアの明かりが付き。
  
  自分達の作った舞台空間は、
  現実世界の手に引き渡される。
  

  呆然とした聴衆達の表情が、
  舞台のこちら側からでも分かった。

   
――そうか。まぁ予想通りの反応だ。
    俺らの音楽は万人に受け入れ
    られるものではないからな。


  しかし、次の瞬間湧き起こったのは
  拍手と熱狂だった。>>2:256
  むろん、中には予想通りの反応を
  する者達もいたが。>>2:256


   『ひとまず、"観客"の心は掴んだようだな。』


  全員、緊張が緩んだようにほっと息を吐き。
  そして観客達に向かって手を振り、
  拍手に応じた。 ]
(0) 2020/09/27(Sun) 3:37:46

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 熱狂する観衆の中に 
  一人、見覚えのある背格好。

  スーツで正装していても>>2:227
  すらりとした長身と、少年のような短い髪
  を、忘れるはずもなく。

  工房で出会った彼女は、
  見に来てくれていたようだった。>>2:172


  拳を振り上げ快哉を叫ぶ若者達に混じり>>2:256
  ぽつりと佇む、その姿は

  なんとなしか、震えているようだ。>>2:268
(1) 2020/09/27(Sun) 3:41:33

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女は泣いていた。
  

  目指したいものを諦めざるを得なかったと
  彼女は話していた。
  決められた道を歩き…しかし、その先で
  自由を知れたと言っていた。>>2:85

    
  国も、事情も、違えど。
  親の敷いたレールを不本意に歩かされた
  という境遇は同じ。


  その彼女に、俺らが表現した"解放の物語"は、
  きちんと届いただろうか?>>2:235

  音への感性が研ぎ澄まされた彼女の、
  琴線に触れてくれたのだろうか?


   ――昨夜の別れ際に、
   自分が心に抱いた意思は>>2:196
   達せられただろうか? ]
(2) 2020/09/27(Sun) 3:42:06

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 状況が許せばすぐにでも
  彼女の元に行って話をしたい。

  後になってしまえば彼女は涙を拭いて、
  いつもの外連味のない口調で
  素知らぬふりをしてくるだろうから。


    (しかし、今は――。 )


  止むことのない観衆達の歓声に呑まれ。
  遠く離れたステージの上から、
  涙を流す彼女を見つめるしかなかった。]*
(3) 2020/09/27(Sun) 3:42:32
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a0) 2020/09/27(Sun) 3:47:38

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・舞台―



[ 紫のドレスを纏う審査員から、
  届けられた言葉。

  それは、その人物にとって、
  最上級の、賛辞の言葉だったそうだ。>>2:259


  …たった40分の舞台だったはずだ。
  それなのに彼女の指摘は、
  自分達の武器を、メッセージを、
  正確に捉え、言葉にして投げかけてくる。

  
  『計算ずくなのね?』と指摘された
  不協和音の件も、完全に見抜かれており。>>2:258


  日程変更の連絡が入った時点で
  会場の見取り図を手に入れ、
  ホール内の反響もすべて計測した結果、
  音響設備の配置を検討していたという、>>2:210

  そんな内なる努力も、
  観客達のひしめく中で
  あっという間につまびらかにされてゆく。]
(4) 2020/09/27(Sun) 4:48:28

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 中でも、
  最後に演奏した4曲目を一聴して、
  『荒削りで即興性』と評価したのには>>2:260
  メンバー全員、"ぞくり"とした。


    そう、この最後の曲は一夜で仕上げた、
    いわば未完成品だ。>>2:234


  そして、彼女が続けて言い放った言葉――


   『……この曲は、大事にしておきなさい。
    それだけじゃなく
    
あなた達を構成した

    
音楽、経験、感情──その他全て。
>>2:260 


  
――!!


 
(5) 2020/09/27(Sun) 4:53:01

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 惜しみなく降り注ぐ賛辞の言葉に、
  ――この国の審査員に認められた事実に、
  声にならない、溢れる思いを抱きながらも。


   
――何故分かった?



  この疑問が、溢れて決壊しそうになる心に
  一筋の風を吹かすように、
  冷静な思考を保ち続けさせる。


   最後の4曲目に、エリクソン自身の
   経験が、感情が。
   全てが。込められていることを。
   彼女はさも当然のように、
   看破していたのだ。   ]
(6) 2020/09/27(Sun) 4:54:23

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女にとってこの類の楽曲が、
  馴染みのあるものだったとは思えない。
 

    (もしや…あいつが?)


  一つの可能性に思い当たり、
  自分の周りをかぎ回っていたらしい
  第三王子のほうを見る。

  彼は苦虫を噛み潰したような顔をして
  リジィ第二王子と6人組を睨めつけていたが
  エリクソンの視線に気づくと
  ぷいとそっぽを向いて、
  ホールを出て行った。


  それに…本番前に見た彼女の、
  全てのものを公正に評価するような
  堂々たる目つき。>>2:207
  あのこすい王子と結託してる筈もあるまい。
 

  そして…確信する。 ]
(7) 2020/09/27(Sun) 4:55:19

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


   ――彼女は、楽曲を一度聴くだけで、
    作曲者や奏者の心境を読むことが出来るのか?


  『あなたたちは一体何者なの?』
  と妖艶に口角を上げる、>>2:257
  この人物こそ。


   
只者じゃないのは…
あんた
の方だ。

(8) 2020/09/27(Sun) 4:56:02

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 自分らは、すでに、最大級の賛辞を得た。
  一応、受賞者発表もあるが
  それはそれとして。


  他の審査員の仰け反るような反応から、
  彼女がここまでの賛辞を与えることが
  極めて希少なのだろうということを
  物語っている。


  しかし…その喜びと同じくらい、
  メイレン・シュレグマーというその人物が
  持つ、もはや
『透視能力』
とも言えるほどの
  音楽に対する造詣の深遠さを見て、
  世界のあまりの広さに打ち震えた。


   
この人物の演奏を、聴いてみたい――。

]*
(9) 2020/09/27(Sun) 4:57:39
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a1) 2020/09/27(Sun) 4:59:58

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ひとつの大舞台を終え。
  新たに目前に現れた、その人に向かって
  彼はマイクを拾い上げ、語りかける。]


   メイレン・シュレグマー。
   あんたの名前は覚えた。


[ 会場内がどよめく。
  仮にも爵位を持つ者への不敬とでも言う気か?
  そんなもの、関係ない。]


   俺らが裏で、
   ホールの反響を事前に計算しているのを、
   見破ったのはあんたが初めてだ。


   今度、あんたの演奏も
   俺らに聴かせてくれ。


[ そう、言い放った。

  自国に帰る船は、2日後に迫っている。
  それ迄にこの人物の"正体"を暴きたい
   ―自分らが彼女にそうされたように―
  との思いで、そう言い放った。]*
(10) 2020/09/27(Sun) 5:24:02
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a2) 2020/09/27(Sun) 5:27:16

【人】 花屋の主 メルーシュ

【回想 ヨシュア様とのこと】

>>2:174
    ………… 似合いますか?

いささか戸惑うようにそう問いかけた彼の言葉を、そのままに受け取ったメルーシュは、一歩後ろへ下がると、じいっと目の前に立つ方と、彼の手の中で嬉しそうに歌うコスモスの花束を見つめた。

しばしの沈黙...

そして、メルーシュは嬉しそうに、こくこくと頷いた。

「花が、そう言っております。」

彼の手の中でコスモスがうんうんと満足そうに頷いていた。]
(11) 2020/09/27(Sun) 6:20:34

【人】 花屋の主 メルーシュ

[ヨシュア様の手の中でゆれるコスモスが、メルーシュにあることを伝えると、それを聞いたメルーシュが、ぱあっと顔を輝かせた。

「ヨシュア様、あともうちょっとだけ、お待ちいただいてもいいでしょうか?」

そう言い残し、パタパタと長い裾を翻すと、慌ただしい様子で店の奥へ消えた。

カサコソという何かの音、そして戻ってくると、目の前で(おそらく)あっけにとられている方へ小さな封筒をさしだした。

「コスモスの種です。よろしければヨシュア様のお側で撒いてみてください」

(季節がめぐれば、また会えるように)

ヨシュア様を慕うそのコスモスの願いは、メルーシュの素っ頓狂な言動ではたしてうまく伝えることができたのかどうか。*
(12) 2020/09/27(Sun) 6:22:14

【見】 病弱貴族 アメリア

── 2日目、宵闇の中で──
 
 
[ 身を寄せてくれたエヴィと共に>>2:274
  馬車に乗り込むことは出来ただろうか>>2:242

  そばに居るのなら
  その手を握ることが叶うのなら。
  どんなに心強いことだろう。

  私は大丈夫。まだ頑張れる。
  彼女がいたのなら、
  そんな気力が湧く気がした。 ]
(@0) 2020/09/27(Sun) 7:29:06

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ 王子、と思われる人物は
  しかし首を横に振って否定を表した>>2:269

  であるのなら、それ以上問うことは
  不粋であろう。
  一先ず、その問題は置いておくことにして。
 
  隣国、シュネーヴェの話。
  その国の気候は確かに良いのだろう。

  けれど、例え音楽に対して
  複雑な思いを抱いていても。
  自身の生まれ育った国はここなのである。
 
  療養のためとはいえ
  家を出ようと思ったことはなく。

  いつ体調を崩すともわからない自身は
  彼の提案に曖昧に笑うに留めた。 ]
(@1) 2020/09/27(Sun) 7:29:19

【見】 病弱貴族 アメリア

  
  
[ 自身の言葉からなにかを察したのだろうか。
  彼は自分の経験についてを話始める>>270

  要は偏見はないと言いたいのだろうか。
  しかし、恋愛感情は伴わない自身たちに
  それを当てはめていいのかはわからない。

  一般的に、従者なんて替えがきくもの。
  相手の想いも無視して
  一人にこだわろうとするだなんて
  貴族としては間違っていると、自身は思う。

  だから、認めてくれるような発言にもまた
  曖昧に笑ってしまい。

  平手打ちなんて言葉にも
  そんな気は無いものだから笑って誤魔化した。 ]**
(@2) 2020/09/27(Sun) 7:29:39

【人】 花屋の主 メルーシュ

>>2:191
いつも物静かな方ではあったが、この時のヨシュア様は何か違った空気を纏っておられるようだった。

  「長く、この国を離れる事になりまして。
   別れの花束を一つお願いします。 」

発されたその言葉にメルーシュはひどく戸惑い、だが、決してその理由を問うなどということはすべきでないのだと感じた。

いつものようにソファを促すと、メルーシュは花を仕立てる。
選んだのは端正なクレマチス、その凛とした花はヨシュア様と面影が重なるよう。

ヨシュア様のお気持ちは計り知れない。だからこそメルーシュは願わずにはいられなかった。
ヨシュア様とその花を贈られるご息女様が、いつかまた再び巡り合うことが叶いますようにと。
(13) 2020/09/27(Sun) 7:42:45

【人】 花屋の主 メルーシュ

いつものように仕立てたその花束を手渡した。

すると、驚いたことにヨシュア様は、メルーシュにもういちどその花束を渡した。
花束が気に入らなかったのかという憶測をする間もなく、発された言葉

  「…… 今までお世話になりました。」

果たして、彼を引き留めることはできただろうか。

もしほんの一瞬でも、ヨシュア様がこちらを見てくださったなら、メルーシュはその方の手をしっかりとつかみ(おそらくヨシュア様が思っていたより、その力は強かっただろう)、そのまま離さずに、行ってはだめだという思いで、その瞳を見つめかえしただろう。*
(14) 2020/09/27(Sun) 7:45:45

【人】 花屋の主 メルーシュ

/*
>>-42
ティグレ様ことばななさん
リペアマンのティグレ様、恰好よかったです!
わたしもばななさんが大好きです〜(告白)

ティグレ様が楽器の修理をするシーンで職人肌なところが、直球で刺さりました。
(15) 2020/09/27(Sun) 8:18:11

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 子どもたちに向き直り、少し屈んで
  視線を合わせます。  ]


    すごいわね。
    これがこの国の音楽祭なのね。

    ……ね、私、少し
    
忘れ物
を取りに行って
    きてもいいかしら。

    すぐに戻るからここで待っていて。
    ほら、また次の演奏が始まりそうよ>>2:210

    …貴方達も、いつか、この国に
    生まれたことを誇りに思う音に
    出会えるといいわね
   


 
(16) 2020/09/27(Sun) 8:32:29

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 側にいた方
  
お名前を聞いたことがあれば
  オーランジュ様と仰ったかしら
  
は暗に

  
貴方も、此処に、居なさい!
>>2:242
 
  と、訴えておられましたが、
  大変申し訳無くもひとつ首を横に振って、
  深く頭を下げて。   ]


    申し訳ありません、すぐに戻ります
    少しの間だけ、この場をお願いしても
    良いでしょうか
   



[ そう告げて、失礼に失礼を重ねてお返事を待たず
  必死にアメリア様の後について、
  馬車へと向かいました。  ]
 
(17) 2020/09/27(Sun) 8:39:14

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 揺れる馬車で、自然に重ね握り合う手>>@0

  どっと力が抜けて、リズミカルな蹄と
  車両の音に揺られていると、気を抜けば
  すぐに意識が遠のきそうで。

  それでも、平手打ち、なんて、
  貴族の方にはとても不似合いな言葉が
  出ればその目を見開いて。

  

  …アメリア様がヨシュア様を平手打ちする
  なんて光景は、やはりどんなに想像力を
  振り絞って考えても浮かばなくて。
  それでもきっとヨシュア様は甘んじて
  受けるのでしょう、そうしてまた
  ぎこちなく笑って、
  もういいですか、それではお茶にしましょう、
  なんて言うのかも知れない、と思って。



  ちらとアメリア様の綺麗な横顔を見ては
  どうかそんな未来が近くにありますように、
  とまた私は握る手の力を込めたでしょう。 ]*
 
(18) 2020/09/27(Sun) 8:41:13

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−宮廷内

『お姉様が心配ですか?
 ……ふふ、安心なさい。
 無事にお戻りになられますから。
 眠たくなってきたでしょう?
 少し、お部屋にいきましょうね。』


 [        >>17
        
    結局、預かることになってしまった子供達。
    小さな子たちは夜になったこともあり、
    眠たくもなっていたようで、
    離れていく姉を心配そうに見ながらも、
    まぶたがくっつきそうになっていた。

    そんな小さな子どもを抱っこして、
    他の子たちにも離れないようにと
    数珠つなぎのように手をそれぞれ握らせると、
    彼女は会場を離れ、賓客用の客間へと
    彼らを連れていくのであった。

    彼女は無事に帰ってくる。
    騎士団よりも気高い彼らが向かっているのだから。
    そんなことは口にせず、
    ただただ任されたことを務めるのみ。

                       ]*
(19) 2020/09/27(Sun) 9:48:08

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−馬車内

  貴族の平手打ち自体は普通のことだよ。
  普通という言い方はおかしいね。
  古い頭を持った貴族たちの教育という名の
  平手打ちあたりはよくあること。

  主人の意に反して、行動を取った従者は、
  罰を受けなければならない。
  これは基本的なことだからね。


 [
    あっけからんと、それは言う。
    アメリアに付属してきた女性は、
    彼が助けた人物の1人。
    興味がなかったわけではないから、
    きちんと顔だけは覚えている。

    心配そうな顔をしている女性を
    目の前にして、彼は淡々と、
    事実を述べる。
    彼も、婚約者に罰を与えたことがある。
    肉体的な罰ではなく、精神的な罰。

    内容は他の人間が聞けば
    バカバカしいので割愛しよう。

                       ]*
   
(20) 2020/09/27(Sun) 9:55:00

【人】 ヨシュア



  …… 通れない?


[ 夕陽はとうに西の空に消え去り。
  辿り着いた関所で、思わぬ足止めをくらうと、
  男は訝しげに眉根を寄せる。

  コンセールカリヨンは決して閉じた国ではない。
  何より今は、コンペの時期。
  観光客、王妃を祝う他国からの来賓。
  身分を問わず、行き来する人々は後を絶たない。

  最も他国との交流が盛んなこの時期に
  国境を閉鎖するなんて。
  下手をすれば国際問題に繋がりかねない行為。

  大逆人の逃走を防ぐためか。
  はたまた得体の知れない感染症が
  入り込むのを防ぐためか。
  余程の事があったに違いないと、気を引き締める。

  自身の足を止めるためとは、当然思わない。 ]

(21) 2020/09/27(Sun) 11:07:21

【人】 ヨシュア


[ 理由を問おうにも、正確に理解する者はおらず。
  上からの命令だと、皆一様に困惑した様で。
  狐につままれたような面持ちで、
  混乱の中、事態の収束に務めるのだった。 ]


  …………まいったな。


[ 空を見上げて、嘆息する。
  長引くようならば、山でも越えようか。

  そんな折に近付いてきた、一台の馬車。
  先頭で手綱を引く男の顔は、
  闇に覆われてよく見えない。 ]**
  
(22) 2020/09/27(Sun) 11:08:34

【人】 ヨシュア


  ── 回想:花屋 ──


[ さて、花束は気に入ってもらえだろうか?>>14
  己にとっては、国一番。
  いや他国と比べたとしても、何処とも引けを取らない
  素晴らしい品物だと思っているのだが。 ]


  …… メルーシュ嬢?


[ 不思議そうに、その名を呼ぶ。

  交わるぬくもり。
  指にかかる力は女性としては、思いの外強く。
  しかし、それ以上に力強いのは。
  真っ直ぐに向けられた眼差しの方だっただろう。 ]
  
(23) 2020/09/27(Sun) 11:47:14

【人】 ヨシュア



  …… コスモス、ありがとうございます。

  花瓶に生けるだけの世話しかできませんが。
  美しく咲いてくれています。


[ 思い出したように、話題にしたのは。
  先日渡された真っ白なコスモス。

  流石に生花と共に国を渡ることは出来ないので。
  彼女はハイアーム家に置いてきてしまったが。
  種子の方はおそらく、上着のポケットに入れたまま。

  細く繊細で、魔法使いのような指を持つ彼女とは違い。
  自分では、何処まで世話ができるか分からない。
  それでも新しい土地で、また巡り会えるのを願って。 ]
  
(24) 2020/09/27(Sun) 11:49:40

【人】 ヨシュア



  素敵な出会いをありがとう。

  どうか、これからもこの国で。
  人と花との出会いを繋いで下さい。


[ 最後にそう告げたなら、目を合わせたまま。
  あとは一本一本、丁寧に。
  繋がった指を解いて行った。 ]**
 
(25) 2020/09/27(Sun) 11:49:49

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─コンペ会場・舞踏用大ホール 審査員席─



[演奏の時間は40分。
しかし、その中で彼らは私に
“魅せて”
くれました。
醒めやらぬ興奮がそれを顕著に伝えてくれます。>>2:262


彼らは一瞬、どこか落胆したようにも見えましたが>>0
若き者達を中心とした喝采に包まれますと>>2:256
安心したように手を振り、皆が拍手に応じておりました。


一方で、彼らの音楽に心打たれたらしい娘が>>2:268
一筋の涙を流しながら。>>2:268]
(26) 2020/09/27(Sun) 12:11:10

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私の心を掴んだこの6人組に、
私が感じたこと全てを伝えていくと
4番目の曲を評価した刹那>>2:260


  彼らの様子が一変したように感じました。>>5



背景の詳細は知らずとも、私はどうやら
この曲についての凡そを言い当てていた模様です。>>6
勿論あらゆる音楽に対し知識を入れているとはいえ
馴染み深いものかと言われれば、否。>>0:34>>0:51>>7


ましてや私は楽士とはいえ、身分でいえば
辺鄙な片田舎出身である一介の男爵令嬢。
宮中伯などの中央貴族の足元にすら及ばないのに
どうして王族の方々との結託など出来ましょう?>>7]
(27) 2020/09/27(Sun) 12:12:11

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[奇しくも私が彼らに伝えた言葉。>>2:257


只者ではないと告げた言葉が>>2:259



────
自ら
にも返ってくるとは!!]
(28) 2020/09/27(Sun) 12:12:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[推察通り、助言は多くに与える立場とはいえ
ここまで賛辞を送るのは
希少といっても過言ではありません。>>9



  ですが、そのことがきっかけで
  1人の心に影響を与えたらしく、
  私にとっても予想外の出来事が
  今、まさに起こりました。>>9]
(29) 2020/09/27(Sun) 12:12:55

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[6人組の1人がマイクを拾い上げたかと思うと、
私に向かい、こう語りかける。>>10
『あんたの名前は覚えた』
と。]


  ……へえ、光栄ね。


[会場内がどよめくが、
私の声はいたって愉しげだった。
爵位があるとはいえ、片田舎の男爵令嬢。
さほど地位や力に興味やこだわりも持っていない。

なので彼の言葉や態度にも眉毛一つも動かさない。]


  私もね、演奏で会場に赴く際
  反響を事前に計算しているの。
  屋内や屋外、規模や建物の材質。
  それだけで共鳴度はまるきり変わってくる。
(30) 2020/09/27(Sun) 12:14:13

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  だから事前の演奏で後方への響きや
  不協和音などが生じない拍……
  テンポと言ったら通じるかしら?


  それを会場ごとに調整したり、
  演奏の仕方を変えたりしながら
  緻密に微調整を加えてるってわけ。



[それよりも、まるで私への見方を変え
対等な立場と捉えたかのように
挑戦じみた彼の一言へ
大いなる悦びを覚えていたのだから!!>>10]
(31) 2020/09/27(Sun) 12:14:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[宮廷楽士となってから20年余り。>>0:40
楽士の中でも古株の存在となった私。>>0:41>>0:42]


初めの頃は多くの熟練楽士に鍛えられ、
同じく宮廷楽士となった者達と
時に論戦し、時に音楽で鍛え合い
切磋琢磨の日々を歩んでいた新人時代。


しかし時が過ぎ、先達はこの世を去り
故障などで楽士の道を辞したりと
気付けば私を対等な音楽の立場として
扱う者は少なくなっていた。


論戦や純粋な音楽の切磋琢磨をしたくても
立場故か「恐れ多い」と言われ
足元にも及ばないと卑下する周囲。
対等に勝負してくれるのも今や宮廷楽長と
ごく一部の楽士のみ。]
(32) 2020/09/27(Sun) 12:15:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[“音楽の道を極める志の前には
年数や立場に関わらず全ての者が皆平等”
そう考えているからこそ、一部に敵もいるとはいえ




   影で色々な評価を受けながら>>0:30>>0:32
   敬われ格が違うように扱われる日々が
   少しばかり寂しい、なんて今更言えませんもの。




だから、彼のこの一言は
私にとってどれだけ嬉しかったことか!!>>10]
(33) 2020/09/27(Sun) 12:16:06

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  ────表彰は明日の午後。


  だけど、午前中にここからほど近い
  西の王立劇場ロビー内の平台で
  演奏を執り行う予定だわ。
  会場は出入り自由で無料だから
  良ければいらっしゃい。



[あんたの演奏も俺らに聴かせてくれという声には
嬉しそうに妖艶な声で誘うように告げて。>>10
愉しいこと言ってくれるじゃ無い、乗ったわ。]
(34) 2020/09/27(Sun) 12:16:47

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  後は明後日の午後演奏ね。
  会場は1日目に使ったあの舞台庭園。
  そこで私は3番目に出演する。


  どちらの会場でも新曲をお披露目するから、
  気が向いたらいらっしゃいな。



[彼の思惑までは知らねど、>>10
私の“正体”を暴きたいというのであれば
「いつでもいらっしゃい」と
ことさら愉しげな笑みで答えられたというのに!]
(35) 2020/09/27(Sun) 12:17:03

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『君達、色んな意味で凄いな……。』



[隣にいた審査員が苦笑いして言えば、
残りの審査員達も評価を伝えていく。


技術と実力は十分なこと、好みは分かれるだろうが
この国に受け入れられる可能性は十分に高いこと。
新たな音楽の礎にもなりうる……などなど。]
(36) 2020/09/27(Sun) 12:17:36

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『お前達が色々な意味で凄いというのは、
  審査員連中と共に俺からも同意しておこう。


  審査の結果はコンペ終了後、
  審査員の会議を以って決定する。お疲れ様だ。』




[そう言って審査終了を告げれば
此方側の裏方達が手伝うことはないか
彼らや彼らの裏方に打診したことでしょう。


2日目のコンペもこうして全て終われば、
1日目の合議を踏まえ、本日の演奏を踏まえ
合議のもと──受賞者達を、決めていく……]**
(37) 2020/09/27(Sun) 12:18:06
平台の宮廷楽士 メイレンは、メモを貼った。
(a3) 2020/09/27(Sun) 12:29:26

【見】 病弱貴族 アメリア

  
 
[ なんらかの自身の言動から拾ったのか
  彼は"従者"、とピンポイントで発言してきた>>20

  まるで自身の事情を全て知っているかのようで
  協力して貰っている身ではあるが
  少し背中が寒くなるような心地になる。 

  ぎゅ、とエヴィの手を握るのは
  怖さを軽減させるため。
  目の前の王子、だと思われる人物が
  まるで未知の存在のように思ってしまった。 ]
(@3) 2020/09/27(Sun) 12:48:04

【見】 病弱貴族 アメリア


  
   ……ええ、そうですね。

 
[ 確かに人によっては罰に痛めつけるものもいる。
  それは古い新しいに限らず
  自身の方が上だと、知らしめるための行為。

  しかしもう、ヨシュアは自分の従者ではない。
  解雇された身は、本当は自由なのだ。

  であるのに追っているのは私。
  そのことを伝えないまま、
  馬車は国境へと向かっていく。 ]
(@4) 2020/09/27(Sun) 12:48:17

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ やがて辿り着いた時には、
  先にウェールズがヨシュアを
  見つけていただろうか>>2:271 

  その場から動かないように
  止めてもらっているのであれば
  
  ゆっくりと馬車から降りて、
  その顔と顔を合わせるだろう。

  今にも倒れそうなほど白い肌。
  けれども力強い瞳は彼を射抜くように。 ]


   ───ヨシュア。


[ 迎えに来たわ、と。
  声を震わせた言葉は、
  彼にどう響くだろう。 ]**
(@5) 2020/09/27(Sun) 12:48:31

【人】 ヨシュア


[ 前を歩く青年。
  宮廷楽士ウェールズの名を知っていても知らぬとも。
  自身にとっては、あの祭りの日。>>1:145
  子供にヴァイオリンを教えていた青年だ。
  そんな印象の方が強かっただろう。 ]


  ……アメリア様?


[ しかし後に続く影。
  その姿を見止めれば、思わず名を呼び。
  大きく目を見開いた。>>@6

  道中、ハイアーム家の馬車を確かに見た。
  しかしそれに乗っているのが彼女とは
  夢にも思わず。 ]
 
(38) 2020/09/27(Sun) 13:18:22

【人】 ヨシュア



  …… 何故貴女がここに?
  しかも、そのような身体で。


[ 問う声は冷ややかで、
  これまで見せたことのない鋭利な眼差しで
  射抜く視線と対峙する。 ]


  ご自分の立場を理解していないわけでは
  ないでしょう?


[ ただでさえ病弱な上。
  非道い乱暴を受けたばかりの身体。
  屋敷で安静にするべきだったと。
  責めるような声で音を紡ぐ。

  彼女は貴族だ。
  崇められ、民の為に、その身を捧ぐ存在。
  その御身を守ることを責としている者とて、
  決して少なくはないのだ。 ]
 
(39) 2020/09/27(Sun) 13:19:49

【人】 ヨシュア



  ………… と、このようなお小言。
  今の私には、言う資格がありませんが。


[ 時に耳に痛い言葉を入れるのも、臣下の役目。
  しかし今の自分は、その立場にいない。
  ならば。 ]


  その意味が、お分かりですね?
  アメリア様。



[ 貴女にも、己を止める資格はないのだと。
  逸らさぬ眸で告げる。

  彼女が何故このような無茶をしたのか。
  その心情は理解できるし、有り難いとも思う。
  それでも、今の自分が彼女の元に戻る事。
  正しいとは、どうしても思えなかった。 ]**
 
(40) 2020/09/27(Sun) 13:20:32

【見】 病弱貴族 アメリア

 

   ……ええ、わかっているわ。


[ 彼の言う通り>>39

  貴族としての責務を考えるのなら
  この行動は全く愚かなことだろうと思う。

  冷ややかな声。
  今までに見た事のない眼差し>>39

  それに対して、しり込みしそうになる
  心も確かにあったけれど。 ]
(@6) 2020/09/27(Sun) 14:11:40

【見】 病弱貴族 アメリア

 
   
   ……私は、ハイアーム家長女、
   アメリア・コンタータ・ハイアーム。

   体は病弱で、いつ死ぬともわからない。
   政に口を出す力はなく
   一人では能力も劣って。
   民のために働くことも出来ず。

   けれど。

   私の従者は、とても
   私には勿体ないくらい、出来た人だったの。


[ 言葉を、喉から、吐き出すように。
  震える身体を、肩を怒らせて耐え。 ]
(@7) 2020/09/27(Sun) 14:13:30

【見】 病弱貴族 アメリア

 
 
   その従者のおかげで。
   私は危険に晒される者に気づけた>>1:155

   その従者のおかげで。
   私は毎日を生きることが出来た>>1:173

   その従者のおかげで。
   今の、私があるの。


[ 自身の想いが、少しでも
  伝わるように。 ]
(@8) 2020/09/27(Sun) 14:13:46

【見】 病弱貴族 アメリア

  

   私に起こったことで
   貴方が行動したこと。

   それに、私は感謝しています。

   誰が何を言おうと。
   貴方がどう思おうと。

   私は、感謝してます。
(@9) 2020/09/27(Sun) 14:14:44

【見】 病弱貴族 アメリア

 
 
   ありがとう、ヨシュア。
   今まで、ずっとずっと、長く。
   たくさんのことで、支えてもらいました。

   貴方が去るのなら、止めません。
   貴方が私を置いていくのなら、止めません。

   ただ、貴方のことが大好きだった
   私の事だけは。

   どうか、どうか。
   いつまでも、覚えていて。
(@10) 2020/09/27(Sun) 14:15:00

【見】 病弱貴族 アメリア

 
 
[ 最後の言葉まで伝えれば
  ふらり、と身体は傾いていく。

  全ての思いはぶつけた。
  もう気力も残っていない。

  最後に見せる姿がこんな姿だなんて
  情けない限りだけれど。

  私らしいといえば、
  私らしいのでしょう。 ]*
(@11) 2020/09/27(Sun) 14:15:13

【人】 ヨシュア



  …… それこそ、勿体ないお言葉です。


[ 語る言葉に耳を傾け、頭を下げる。
  自身の主人であると言う贔屓目を抜きにしても
  アメリア・コンタータ・ハイアームは
  心優しい少女だと思う。

  その澄んだ心根で、
  一人でも多くの民に寄り添って貰えればと思う。
  願わくば、…… 可能な限り長い生と共に。 ]
 
(41) 2020/09/27(Sun) 15:01:36

【人】 ヨシュア



  ───っ、アメリア様!


[ ふらりと傾く身体。
  弾かれたように駆け寄り、抱きとめる。

  閉ざされた睫毛。
  それでも、口元が呼吸するのを確認すれば、
  安堵の息を吐いて。

  意識を失った彼女を抱え、部屋に運ぶ。
  これまでは、自分の役目だった。
  しかし、今はもう違う。

  この身は、アメリア様を傷付けた。 ]

(42) 2020/09/27(Sun) 15:03:39

【人】 ヨシュア


[ 自身が教会の腐敗を匂わせなければ、
  アメリア様が調査に乗り出し、
  結果、拐われる事も、辱めを受ける事もなかった。
  男は、主君を守るどころか、
  その心と身体に消えない傷を負わせたのだ。
  本来なら、その身に触れる事すら許されない。
  
  隠れた翡翠に、祈るように囁く。 ]

 
       さようなら、アメリア様。
       ええ、貴女のことは決して忘れません。

       だからどうか、私のことはお忘れください。
       そして、輝きに満ちた生を御送りください。


(43) 2020/09/27(Sun) 15:06:19

【人】 ヨシュア


[ 場には成人した男子が複数いた。
  他国の王子であるとは想像が及ばぬとも、
  アメリア様の同行者であるし、
  身なりから、地位も保証された者だろうと判断する。
  その中の一人に、
  両の手でアメリア様を抱えながら、近寄って。 ]


  お願いします。
  どうか、アメリア様をハイアーム家のお屋敷へ。


[ 無事、彼女を託せたのなら。
  黙って頭を垂れた。 ]**
  
(44) 2020/09/27(Sun) 15:07:16

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−封鎖された場所で

「おっと……ムーティ、馬車を出して」

‘任せな。’

“アメリア嬢のことは任せてもらっていいけど、
君どうするの?まだ、国境封鎖解いてないから、
そこ聞いてから解除してもらうね。”

大体、なんでまたこの国を出るんだ。

 [

    気を失ったアメリアを抱えたリーベ。
    その彼女と、付き添いでいたエヴィを
    馬車の中へと連れて行くムーティ。
    対峙とまではいかないものの、
    青年の道行きを聞くために、
    その場に残るシュラーフェンとウェールズ。

    その場にいた大人たちは、
    改めて自分の仕事をこなしていく。
    他国に行くと言えば、
    誰かしらが融通を聞かせることだって出来る。

    賊に落ちるなどとなれば、
    その場で切る勢いではあるだろうが。

                         ]*
(45) 2020/09/27(Sun) 16:50:15

【人】 ヨシュア



  …………。


[ 首筋に、嫌な汗が流れる。
  “聞いてから解除してもらう”。>>45
  その口ぶりでは、まるでこの騒動が、
  自分をこの場に留めるための
  ものであるかのようだ。

  それを可能にする目の前の男の正体含めて。
  葛藤の末、気付かなかった事にする。
  そうすれば、やり過ごす事もできるだろう。 ]


  私は、歌が嫌いなんです。
 
 
  
(46) 2020/09/27(Sun) 17:17:13

【人】 ヨシュア

 
[ しばらくして、事もなげに口にする。 ]


  コンセールカリヨンは豊かな国ですが。
  私のような人間には、少々肩身が狭い。
  解雇されたのを機会に、見聞を広めようと。
 

[ 嘘でもないが、本当でもない。
  そういった戯言には慣れている。

  言うべきことは言ったとばかりに。
  後は黙して、解除を待つ。

  初対面であるはずの男。
  心の内を見抜かれる道理はないと思うが、
  果たして。 ]**
  
(47) 2020/09/27(Sun) 17:17:33

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 時折、ぎゅ、と強く握り返される手は、
  アメリア様の不安や葛藤、それに
  強さや揺るぎない意志まで、様々な感情が
  込められているように感じる、
  熱いものでした。>>@3

  いつしか馬車はその動きを止めて。
 
  アメリア様を支えるように馬車を降りますが、
  実は自分が支えて頂いていたのかも知れません。

  視線の先には、あの名も知らぬ優しい方と、 ]



    ……ヨシュア様…>>@5




[ 呼ぶ声は、アメリア様のものと重なって。 ]
 
(48) 2020/09/27(Sun) 22:38:18

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 迎えにきた、と仰るアメリア様の瞳は、
  鋭くヨシュア様を見つめていて、
  まるで彼の心の奥底まで見透かそうとするよう。

  一瞬驚かれた様子のヨシュア様は、
  普段見たこともないような厳しい瞳で
  アメリア様の視線を受け止めて。

  矢継ぎ早にアメリア様を責める言葉を
  吐き出すお姿を、
  感情を押し殺したようなその声を、
  私はただなにも言えずにアメリア様の
  お側に立って聞いていたでしょう。>>40

 
(49) 2020/09/27(Sun) 22:39:56

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 僅かな間をあけて、発せられる、
  言葉たち。>>@7>>@8>>@9>>@10

  一言一言に、思いの丈が詰められたで
  あろうその言の葉は、
  触れれば壊れてしまいそうなシャボン玉の
  ようにふわりと風に乗り、それでいて、
  教会のステンドグラスの如く深く澄んで美しく。

  ……そこには、あの病弱で、いつだって少し
  ご自身を卑下した言い方をなさる、>>1:@2
  あのアメリア様のお姿はありませんでした。

  
  
ああこの方はやはり、
  ハイアームズ家を背負って凛と立つ
  清廉なお嬢様なのだと、
  またそうしていられたのは他でもない、
  この目前におられる、
  心の優しい従者さまのおかげなのだと
  


  思わず平伏しそうになるほどの尊さを
  感じたのでした。 ]
 
(50) 2020/09/27(Sun) 22:44:00

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
アメリア様!



[ 言い終えるのと同時に、
  倒れようとするお身体。

  けれど私が手を出すより早く、
  ヨシュア様の両の手が、アメリア様を
  しかと抱きとめました。>>42

  きっと、ずっと長い間、そうされていた
  のだろうと容易く想像出来るくらいに
  その動きは滑らかで、一分の迷いも無く、
  そんな場合ではないのに
  見惚れてしまう程。

  腕の中のアメリア様に、ヨシュア様は
  何かを囁いているように見えました。>>43

  そうして大切な宝物に触れるように、
  そっと、そっと、きっととても大切な筈の
  アメリア様のお身体を、人に預けられて。

  ただ黙って頭を下げられるそのお姿は、
  あまりに苦しくて、切なくて。
  私も耐えきれずにその場に
  へたりこんでしまうのでした。  ]
 
(51) 2020/09/27(Sun) 22:49:03

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  ―― とある酒場へ ――



[ 街一番の音楽の溢れる酒場のドアを開ける。
  >>2:21
 
  夜も更け
  ゆったりとした時間が流れていた。

  店内を見回すとそこには舞台があり
  美しい花が飾られている。>>2:228

  
  彼の演奏は終わってしまっただろうか。 ]
  
  
(52) 2020/09/27(Sun) 22:52:56

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ バーのカウンターで
  ジントニックを注文する。

  彼に会うことができれば
  ヴァイオリンの音色を
  聴かせてもらえるだろうか。


  >>2:111>>2:130
  穏やかな彼の唐突な沈黙。
  その後に続く音が気になって。


  会えなければ、酒場の主人に
  ヴァイオリン弾きの旅人の話を聞こう。 

  グラスの中の氷が
  カランと音を立てて動いた。 ]*
  
(53) 2020/09/27(Sun) 22:56:23

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ごめんなさい、と。
  伝えられずにいた、言葉を。

  ヨシュア様に届くかはわからないまま、
  私は顔を伏せて、小さく歌うのでした。
  あの日、歌えなかった、歌を。
  お好きではないなんて知らなかったけれど。

  私が、アメリア様と出会わなければ、
  こんなことにはならなかった。

  それを責めることもせず、ただまっすぐに
  助けて下さった、優しい方へ。

  ご自身をそれ以上責められず
  許しを、与えてください、と、
  願わずにはいられませんでした。 ]**
 

  
(54) 2020/09/27(Sun) 23:04:09
楽器リペアマン ティグレは、メモを貼った。
(a4) 2020/09/27(Sun) 23:04:20

【人】 ヨシュア


[ 言いたい事を言い終えて。
  閉鎖の解除を待つ男の耳に、
  風と共に、美しい旋律が吹き抜ける。>>-76

  思わずその出所を目で追えば、
  アメリア様に付き添ってくれていたのか。
  先程別れを告げた少女の姿。>>54 ]
  
(55) 2020/09/27(Sun) 23:32:59

【人】 ヨシュア



  …… 綺麗な声ですね。
  俺は歌はあまり好きではないのですが。

  貴女の歌声が持つ力くらいは、わかります。


[ 薄闇の中、顔を伏せる少女。
  どのような表情をしているのか、
  此方からは窺い知ることはできない。

  男もそれを確認することなく、
  ただ、奇譚のない感想を口にする。 ]
 
(56) 2020/09/27(Sun) 23:33:53

【人】 ヨシュア



  コンペには出場されたのでしょう?
  では、どうか今すぐお戻り下さい。
  そして貴女にふさわしい賞を受けて下さい。


[ 審査員の中には、メイレン・シュレグマーがいる。
  彼女がこの才を見逃す可能性など
  最初から考慮していない。

  ならば彼女がいるべき場所は、ここではない。 ]


  エヴィ嬢。
  私にとって歌は、忌むべきものです。
  しかし貴女にとっての歌は、紛れもなく力です。

  その力でどうか、貴女自身と、貴女の大切な人。
  そしてまだ見ぬ誰かを救ってくれるのなら。

  俺は……、とても嬉しく思います。
 
  
 
(57) 2020/09/27(Sun) 23:35:39

【人】 ヨシュア


[ 目を細めて、微笑めば。
  顔を上げて、此方に向ける相貌を
  見せて貰えただろうか?
  叶わなければ、多少残念に思うくらい。 ] 


  …… これから先、アメリア様には、
  一人でも多くの味方が必要です。

  もし貴女が彼女の隣にいてくれるのなら。
  これほど、心強いことはありません。


[ 最後に、そんな我儘を添えたなら。
  別れの挨拶は既に済ませた。
  彼女に贈るのは、別の言の葉。 ]
  
 
(58) 2020/09/27(Sun) 23:36:49

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−封鎖された場所で

“んー……あ、そう。まぁいいんじゃない?
シュネーヴェで宿に困ったら、
いつもどこかにいる騎士団にこういうといい。
花の姫に会わせてくれる人がいた。



どういう意味ですか?


“僕の友人だよってことさ。
フィオーレはうちの可愛い秘蔵っ子だから
全く会わせてない。
貴族でも知る人物は少なかったからねぇ。
だから、そういうこと。
さ、僕は先に帰るよ。
愛しのフィオーレが待ってるから。

それじゃ、青年。またどこかで会おう。”

 [

    そう言った灰色の彼は先に馬に乗れば
    外套を翻して街の方へと先に戻ってしまった。
    1人そこに残ったウェールズは、
    何を語るのだろう。

                         ]
(59) 2020/09/28(Mon) 0:10:50

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

 
 [

    風を感じ、また1人とその場を離れていくのを
    少し眺めた後、心配しなくていいと
    彼に向かって呟いただろう。
  
                         ]

   あの方が、すぐに伝えてくださる。
   もう少し待てば、封鎖は解除されるから。
   いつでもこの国は、受け入れてくれるさ。
   またな。

    音楽が苦手な奴も、俺はいいと思う。

 [

    少数派なわけがない。
    音楽を愛する民が多めなだけで、
    一定数彼のような人物たちはいる。
    馬に跨がれば、先にその場を去った
    アメリアたちを乗せた馬車を
    追いかけるように、
    彼も街の中へと戻っていく。

    旅立つ人を見送ることなんて
    彼はしないけれど。

                     ]*
(60) 2020/09/28(Mon) 0:13:24

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―コンペ会場・舞台―


[ 自分達の、内なる戦略を。
  楽曲に込めた、秘めたる感情の機微を。
  
  ものの見事に看破した、一人の女。


  新たに出現した強者に、
  「あんたのことも見抜いてやるぞ」と
  叩きつけた、挑発。>>10

  その挑発に、


   ――『へぇ、光栄ね。』


  妖艶な笑みを一片たりとも崩さず
  応じる彼女。>>30

    服装からして階級はそれなりの人間だろう。
    本来呼び捨てなどもってのほか、
    まして扇動まがいのことを言うなど
    相手によってはその場で切り捨てられる
    こともあろう。 ]
(61) 2020/09/28(Mon) 1:19:20

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ しかし、彼は直感していた。
  彼女は
才能
で人を見ていると。 


  地位も、権力も関心は二の次だろうと。

  ただただ音楽を、その才を持つ者を
  公正な目で以て評価し、そして、
  

   ───投げつけた挑戦に、
       正面から、受けて立ってくれるだろうと。]
(62) 2020/09/28(Mon) 1:20:16

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 事実、彼女はその通りの考えを
  持っていたようだ。

  宮廷楽士として経歴を重ねていく中で、
  憧憬され・頭を垂れられることはあれど
  対等な態度で臨まれることが
  無くなって久しい彼女には、

  実情はどうあれ、態度の上では
  いっぱしの口を聞いた彼に
  むしろ悦びを抱いていたようだ。>>32>>33 ]

  

[ …だが、彼はその内心など知るよしもない。

  彼女の飄々とした態度を見て、
  余計に闘志は燃えさかり、
  武者震いのような興奮を覚えたのだから。]
  
(63) 2020/09/28(Mon) 1:21:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そして……。

  自身も同様、
  ホールの反響を事前に計算しているのだと
  彼女は打ち明けた。>>31


  彼女の楽器が平台、ということはまだ知らない。
  しかし推察するに、
  電子ではない、"生の"楽器。


  電子楽器ならば、
  数百のツマミと、装置の向きなどで
  物理的な調整が可能だ。
  しかし……


    
会場に合わせて
生楽器
の演奏を調整するなど
   並の所業ではないのではないか?

 
(64) 2020/09/28(Mon) 1:22:57

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女の演奏は、
  明日の午前、西の王立劇場ロビー内。>>34
  そして明後日の午後、舞台庭園。>>35


  ご丁寧にも二つの出演予定を、教えてくれた。

  つまりは……。]
 
(65) 2020/09/28(Mon) 1:27:30

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

   (───自分の
”計算”
を、
     会場を変えて比べてみろ、ということか。)



[ ようやく知った平台奏者という事実。
  披露するのは新曲だという事実。
  

  言葉の裏に込められた、『お前達の挑戦に乗った』
  というメッセージを噛みしめながら、]


    あぁ、必ず、『どちらの会場も』見に行こう。



[ 遠く離れた彼女を真っ直ぐに射貫くように、
  そう告げた。

  その背後で審査員達の苦笑する声が
  聞こえた気がしたが、>>36
  もう彼の耳には届かなかった。]*
(66) 2020/09/28(Mon) 1:28:34

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 審査員長の宣言が会場内に響き渡り、
  2日間にわたるコンペは、
  終わりを迎える。


  審査員達からの裏方増員の申し出を
  ありがたく受け取りながら、>>37
  出番を終えた6人組も撤収作業に取りかかった。


  これから審査員同士で合議が行われ
  結果が発表されるようだ。


  メイレン・シュレグマーとの一件で
  すっかり忘れていたが、
  場内アナウンスを聞いてようやく
  この旅の目的が音楽祭受賞だったことを
  思い出す。>>37   ]
(67) 2020/09/28(Mon) 2:15:29

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 浮き立つような熱が冷めぬまま、
  足下に広げた踏み板・位相変換器の類いを
  がさがさと片付けていると、 ]


    『ちょっと、お前さ…』


[ やや強めに肩を小突かれる。 
  洋琴担当のノードだ。]


   『俺らの船、明後日の夜出発だろ?
    午後には港で荷物積んでなきゃならんのだが。

    それなのにお前、あんな大勢の前で
    メイレン・シュレグマーの演奏聞きにいくとか
    宣言しやがって。
    どうしてくれるんだよ。』
(68) 2020/09/28(Mon) 2:16:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

    あっ……。


[  帰国の予定など、
   彼女の、挑戦的な誘いを聞いてから>>34
   忘却の彼方に消えていた。

   自分の愚かさを隠すように、
   そっぽを向いて答える。 ]


   別にいいだろ。遅い時間の便に変えるか、
   出航自体を遅らせるか、
   幾らでも方法あるじゃねーか。*

   
(69) 2020/09/28(Mon) 2:18:37
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a5) 2020/09/28(Mon) 2:45:11

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−宮廷内

‘あれ、兄さんたちは?’

“先程まで、こちらのほうにいらっしゃったのですが……”

‘どこかへ?……折角、会えると思っていたのに。’

“ユウェル様は、いかがお過ごしですか?”

‘相変わらず元気にしていますよ。
あれから、フィオーレ様たちのような淑女になるって、猛特訓。’



 [

    教会の子供たちが眠っている寝具のそばで、
    月明かりの中話をする男女。
    椅子に座っているのは、
    一瞬悪寒を感じ、心配そうに両手を握り、
    大切な人の帰りを待つ
    シュネーヴェ王国第一王女フィオーレ。
    そんな彼女の婚約者にして、
    テールエールデ王国第一王子
    ムーティジェンティーレには、双子の弟がいる。
    それが、今彼女の目の前にいる人物。
    現在ブーヨプスキュリテ王国皇太子殿下である、
    シュテルンポレール。

    彼は宴の終わりかけに漸く
    この場にたどり着いたのだ。

                        ]*
(70) 2020/09/28(Mon) 5:35:25

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─回想・コンペ会場 審査員席─


[彼の直感は正しかった。
そして「メイレン・シュレグマー」のことを
最も正しく読み取っているとも言えましょう。
>>61>>62


奇遇にも、私も飄々とした態度の裏で
彼と同じ燃え盛ると闘志と>>63
ゾクゾクとした興奮を覚えていたのだけれど。]
(71) 2020/09/28(Mon) 9:46:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[もう一つの予測も良い点を突いていた。>>64
そう、平台の微調整は
手法も手段も電子楽器に比べ限られてしまう。


それに、人手も必要。
私だけでなく会場の設計を知る関係者や
調律師……もしくは会そのものの関係者全て。
>>30>>31


専門家の知識を借りつつ、
私は速度や音の強弱、余韻を計算に入れて
本番までに演奏への構想を練り上げる算段なのだから。
それこそいつでも緊張の一発勝負とも言えるもの。


だからこそ、同じく反響などの作用に気付き
工夫と対策を行なっていることに気付いた時は
>>2:209>>2:210
只者では無いと、即座に思い直したのだもの。>>2:248]
(72) 2020/09/28(Mon) 9:47:16

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[────ここまで、私に挑戦するかのように
言い放った彼の考えは当たっていたのだけれ、ど。>>10


私の言葉のせいで思わぬ誤解を
生じさせてしまったことには
残念ながら今の私は気付けておりません。
]
(73) 2020/09/28(Mon) 9:47:41

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私は確かに二つの出演予定を彼らに伝えました。
ですがそれは「どちらかのうち、行けそうであれば
好きな時においでなさい」>>34>>35



    そういう意味であったのに



会場が屋内と屋外という違い、

先の調節に関する言葉のせいで>>30>>31

“会場を変えて「計算」を比べてみろ”と
捉えられていたことに!>>66
]
(74) 2020/09/28(Mon) 9:48:18

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[ですから、『どちらの会場も』と
告げられた時には>>66]



 (両方見に行くと宣言するなんて。
  よほど興味があるのね。)


  ええ、では両方の会場でお会いしましょう。



[という
真相を知れば漫才じみたような
すれ違いが
見事に発生していまっていたのでございました。


勿論そんなこと露知らずな私は、

真っ直ぐ射抜くような態度と物言いに
若者らしき挑戦心を感じて、
それはそれは満足げな笑みを浮かべていたのでありました。]
(75) 2020/09/28(Mon) 9:49:01

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[なお、そのせいで彼らの出立に対し
大きく影響を与えてしまったらしいのですが>>68>>69


もしそれを知れていたならば
「……ごめんなさい、私の言い方が悪かったわ」

平謝りして全員分の損失補填を
私の給与と貯蓄から引いて補償すること。


新たに便を変えるなら
手続きや諸負担はをこちらが代行しておく等
彼らに打診出来たのだけれど────


その機会が訪れるかどうかは
残念ながら今は未だに不明ですわ。]*
(76) 2020/09/28(Mon) 9:49:48

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[勿論、便に関する費用についても
此方が全額負担をする心算満々で。]*
(77) 2020/09/28(Mon) 9:51:02

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─表彰式・宮廷 舞踏用大ホール─



[2日目コンペ翌日の午後。
いよいよこの国の宮廷楽士となる権利を得る
最優秀者の発表及び>>0:n0
上位者及び審査員特別賞受賞者の
発表と受賞の場。>>2:184>>2:185


陛下を始めとする王族の方々、
この国の貴族や多くの宮廷楽士。
音楽に纏わる様々な者達が
一堂に集まり、参加者達を見つめております。


参加者達は王族の方々や私達審査員と
真向かいに対峙するかのように。
審査員は王族の方々の左右両脇に
それぞれ立って彼らを見つめておりました。


本日の私は海を連想するかのような
エメラルドグリーンのドレスに腕章。>>0:28
位置は参加者の彼らから見て一番右端に。]
(78) 2020/09/28(Mon) 11:47:54

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[宮廷楽長による表彰式開始の宣言。]



 『まずは、審査員一堂の選出による
  上位5組の発表から始める。


  諸君も既に承知のこととは思うが、
  コンペでの1位獲得者が今年の最優秀者。
  ……即ち、宮廷楽士となる権利を与えられる者だ。』




[俄かにざわつき始めた会場へ
『静粛に』と声で制した楽長は
一つ、深呼吸をして発表を始めます。]
(79) 2020/09/28(Mon) 11:48:33

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[厳格そうな声で宮廷楽長は
5位から順番に発表を始めて参ります。




        5位は私が手の小ささを物ともせず
        果敢に平台へ挑戦した奏者。
        >>2:113>>2:114>>2:115




   4位は────
異国から訪れ

   電子楽器ならではの>>2:209演奏を披露した、

   >>2:231>>2:232>>2:233>>2:234>>2:235
   そして私が最も愉しみを覚えた者がいる

   6人組の彼ら。>>2:197>>10]
(80) 2020/09/28(Mon) 11:51:26

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後は獅子の声質を持つ歌手が3位、>>2:100~>>2:107
2位に雅楽の奏者達が選ばれ>>2:67>>2:68>2:69
そして────]



    『栄光の、第1位は────』




[読み上げたのは……飛び入りで歌い上げ
>>1:206>>1:207>>1:208
多くの喝采を浴びた娘。>>1:234>>1:272
私が興奮のあまり伴奏を申し出た
あの子。>>1:237]
(81) 2020/09/28(Mon) 11:52:01

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン




『エヴィ嬢、君が今年の最優秀者だ。



              ……おめでとう。』



  
(82) 2020/09/28(Mon) 11:52:46

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[会場は最優秀者への選出と喝采で
最高潮の盛り上がりを見せていく。
挑戦者の中には祝福する者もいれば、
涙を流しうずくまる者達も。]



   『それでは、上位5名の方々は宮廷楽長様の前へ。』



[それぞれに対し裏方が宮廷楽長の前へ案内し、
彼らを挑戦者達から見て左から5位、右に行くにつれ
1位になるよう横並びに誘導してくれることでしょう。


並ぶのが団体の場合、団体につき6人までが
共に並べることも彼らは教えてくれます。
雅楽の者達は代表者3名が直垂姿で上がりました。]
(83) 2020/09/28(Mon) 11:53:13

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして彼らが(在・不在にも関わらず)
学長の前で並べば本人も上位5組の
栄光を讃えてくれたことでしょう。



  司会が上位5組に対し
  賞状と順位の入ったピンバッジを人数分。
  そして王立の音楽関連施設利用であれば
  1年間割引及び無料の特典が与えられることも
  彼らに告げて。




やがて5位から順番に学長の眼前へ来るよう
司会の方が指示を出し、それぞれ順番に
呼び出されては賞状とピンバッジを授与し、
『おめでとう』
と賞賛の言葉を掛けてくれたことでしょう。]*
(84) 2020/09/28(Mon) 11:53:48

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−翌日

 [

    オーランジュ、ではなくフィオーレが
    教会から来た子供たちを優しく起こすだろう。
    そして、彼らを湯浴みに行かせれば、
    ハイアーム家より戻ってきたであろう
    エヴィを迎え入れ、
    その傷をリーベアムールの婚約者にして、
    西の果ての魔法使いの末裔
    メロディアと共に湯浴みに行かせることだろう。

                         ]


“体の傷が酷い……
私が、綺麗にしてもよろしいですか?”



 [

    彼女は舞台に立たなければならない。
    故に、彼女が嫌がらなければメロディアが、
    痕もなく消してしまうことだろう。

                        ]
(85) 2020/09/28(Mon) 13:04:43

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

     
   さぁ、子供たち。お着替えのお時間です。
   お姉様の晴れ舞台を、綺麗なお洋服で
   見ましょうね?


 [

    既に、部屋の中ではミュシカが
    子供たちの服を選んでいた。
    自らが着替えさせるわけではないけれど、
    小さな子供たちの服を選ぶのは、
    楽しいようで。

    エヴィの湯浴みが終われば、
    彼女はまた別の準備に連れて行かれるのだが。

                         ]*
(86) 2020/09/28(Mon) 13:05:11
村の更新日が延長されました。

【人】 ヨシュア


[ 車輪を回し、馬車が遠ざかって行く。>>60
  その場に佇みながら、
  馬車に乗っている大切な人達を想う。
  宵闇の中、彼女達の辿り着く先が、
  光のあたる場所である事を願いながら。

  立ち去る馬車を見送れば、残るのは男一人。
  元より身勝手な旅だ。
  最後に交わせた言葉で十分。
  これ以上の見送りなど、端から望んではいない。>>60 ]
 
(87) 2020/09/28(Mon) 13:25:35

【人】 ヨシュア



  ───


[ 一人になったのをいいことに。
  小さく、息を洩らす。
  それから口を開けて、声帯を震わせ。
  遠い、空の彼方へ響かせようと ───、 ] 
 
(88) 2020/09/28(Mon) 13:26:38

【人】 ヨシュア


[ …………と、して。
  ワンフレーズで直ぐにやめた。

  こほん、小さく咳を払い。
  若干気恥ずかしそうに顔を赤らめて、
  誰かの耳に入っていないか、周囲を確認する。

  
嗚呼、やはり己に歌は向いていない。


  
男は音痴だった。

  それを知ったのは、もう何年も昔の事。
  >>1:282>>1:283>>1:284 ] 
 
(89) 2020/09/28(Mon) 13:27:03

【人】 ヨシュア


[ …… そんな思い出も、
  いつかは過去の一幕として風化されるのか。
  再びこの地を踏む日が来るのか。
  未来を見通す目を持たぬ男には、わからない。

  できるのは、これから進む道を、
  真っ直ぐに見据えるだけ。 ]


  …………。


[ やがて閉鎖も解除される。
  方向を確認しようと、顔を上げ、星の位置を確認し、
  そして、気付く。
  何処に行くのかも、決めていない。 ]
 
(90) 2020/09/28(Mon) 13:28:47

【人】 ヨシュア


[ そういえば、近隣のブーヨプスキュリテ王国は
  星空が美しく。
  星に因んだ祭りも行われているという。

  …… 目指す理由なんて、
  案外、そんなものでいいのかもしれない。

  着いた後のことも決めぬまま。
  目的地を定めたのなら、歩き出す。

  宮廷では表彰式が行われているのか、
  大きな喝采が鳴り響いていた。>>80>>82

           発表された最優秀者の名。
           耳に届いても届かぬとも。
           男の唇はゆるり、弧を描いて。  ]
 
  
(91) 2020/09/28(Mon) 13:29:42

【人】 ヨシュア


[ 進むのは、宮廷とは正反対の、
  しんと静まり返った薄暗い道。
  見送る者のない後ろ姿。
  その旅立ちを見守るように。

  一つの星が、尾を引いて落ちて行った。 ]**
 
(92) 2020/09/28(Mon) 13:30:12

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ あれから無事にハイアーム邸に
  届けられただろうか>>45

  エヴィはどうしていることだろう。
  少なくとも自身は、朝になるまで
  瞼を閉じたまま、目覚めることは無かった。


  そうして。 ]
(@12) 2020/09/28(Mon) 13:34:45

【見】 病弱貴族 アメリア

── 表彰式の日:朝 ──


   ん……、


[ 開いたカーテンから差し込む光に
  瞼を緩く震わせた。 

  大分無理をした身体は
  当たり前に、回復するものも回復せず。

  気だるさに包まれながら
  ゆっくりと翡翠の目を外気に晒しいく。 ]
(@13) 2020/09/28(Mon) 13:35:31

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ 目を開いて、ぱちり。瞬きの後。
  口を薄く開けば、喉を震わせて。 ]


  
 ……ヨシュア。



[ 声に返事は、ない。

  いなくなってしまった彼は
  夢なんかではない。 ]
(@14) 2020/09/28(Mon) 13:36:37

【見】 病弱貴族 アメリア

  

[ ……目元に熱が集まる。
  うるうると湧き出す雫が表面に溜まり。
  耐えきれず、頬を伝い落ちて。 ]


   ふ、……っ、


[ ずっとずっと、一緒だったのだ。
  彼と離れることなんて、考えたことも無く。

  これから先も、長く、一緒にいると。
  そう思って疑っていなかったのに。
 
  喪失感が、心を満たしていく。
  胸が痛くて、堪らなくなる。
  
  どうしてこんな事になってしまったのだろう。
  あの時>>@7は耐えていた泣き言ばかりが
  脳を支配してしまう。 ]
(@15) 2020/09/28(Mon) 13:37:08

【見】 病弱貴族 アメリア

 

  
       ( ねぇ、ヨシュア。

            私は、貴方がいないと
             こんなにも、弱い。 )
 
(@16) 2020/09/28(Mon) 13:38:11

【見】 病弱貴族 アメリア

   

[ きぃ、と、扉の開く音が聞こえた。
  けれど、誰も足を踏み入れてこないまま
  ぱたりと再び閉ざされる。

  肩を震わせて、ひとりきり。
  ただただひたすらに
  自身の不甲斐なさを、彼のいない寂しさを
  誰かに訴えるかのように咽び泣いて。


  ……いくら程、蹲っていたか。
  目じりが赤く染まるほど涙を流せば
  疲れ果ててしまったのだろう、
  また、ゆっくりと意識を閉ざしていく。

      今はただ眠りたかった。
      じゃなければ、あまりの自身の情けなさに
      立ち上がれなくなってしまうから───。
 ]**
(@17) 2020/09/28(Mon) 13:39:57

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─回想・表彰前 王立劇場ロビー内─


[時刻はまだ空が漸く明るさを見せ始めた早朝。
一部眠たげな関係者達と顔を合わせ、
本日の演奏による打ち合わせを始めます。]


  皆様、朝早くから私のために
  お集まりいただきありがとう存じます。

  そして本日も宜しくお願い申し上げます。


[多くの面々に頭を下げ、早速私は
幾つかのことを確認いたしました。

複数の入り口があるため、扉が開くたびに
音の響きへ差が出る瞬間の頻度は高いこと。
ロビー中央に平台があり、腰掛ける席がまばらにあるのと
立ち聞きが可能な環境。

反響と共鳴に注意しつつも
ある程度躍動的な演奏をしても大丈夫なこと。]
(93) 2020/09/28(Mon) 15:11:44

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[何より、宮廷までこの演奏が届くことも無いから。]
(94) 2020/09/28(Mon) 15:12:04

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして練習を重ね、後方や前方にいる
劇場の関係者や調律師などに音の具合を尋ねては
ペダルや強弱、速さの調整を繰り返し
万全の状態に仕上げて行きました。


  天気は晴れなので訪れも多く
  ある程度力強く、しかし激し過ぎないように。
  何度も何度も打ち合わせを重ねて。


何せ新曲どころか>>35
本日即興で出来た曲もあるのだから!!]
(95) 2020/09/28(Mon) 15:12:25

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうしてロビーが無事開場し、
既に何人かの観客達が集まり始め
演奏会は始まるのでございました。
いつものようにカーテシーを一つして]


 (果たして、彼らは来るかしらね?)


[もしその姿を見つけられたならば、
一瞬だけ不敵な笑みを浮かべた光景が
見れたかもしれないわ?]
(96) 2020/09/28(Mon) 15:12:44

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[平台に向かい、深呼吸をすると
両手を鍵盤の上に置き……演奏を始める。
最初は甘く高音が囁くように響く曲。


午前中の最初に強い曲を持って行くと
音の残響が次に響くこともあるので
高音で華やか且つ優雅にしつつも
余韻が残り過ぎない曲を。]
(97) 2020/09/28(Mon) 15:12:57

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[次に弾くは本日即興の新曲。
穏やかな旋律で軽やかに弾き始めたかと思いきや



  
突然鋭く弾くのは少し強めの低いスタッカート。




曲調は変わり相手の手番を伺うような、
まるで何かを誘い込むような音調を響かせた。


時折ペダル等も用いて滑らかな旋律を加えれば
やがて曲調のリズムは速くなり始め、
勢いよくキレを意識して切り上げてる。




最初に感じた関心とゾクゾク感、
あの時のことは、今でもよく覚えているもの。
>>2:250>>2:257]
(98) 2020/09/28(Mon) 15:13:16

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後は宮廷音楽独自の優雅さを残しつつも
彼らの曲調>>2:231>>2:232を意識し
徐々に刺激的なものへと変えて行く。




そう、これは徐々に高まって行った
あの時の期待よ。>>2:252]
(99) 2020/09/28(Mon) 15:13:32

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その曲が終わると、今度は一転して
しみじみという表現がしっくり来るかのような
ゆったりとした穏やかな曲を。


もしかすれば弾き語りでありそうな、
そんな印象を受けるかもしれませんわね?]
(100) 2020/09/28(Mon) 15:13:44

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[ですが]
(101) 2020/09/28(Mon) 15:14:02

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その曲が終わり、会場が静寂に包まれた瞬間。]
(102) 2020/09/28(Mon) 15:14:20

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (────今だわ!)




[余韻が消えた、その瞬間を狙って
静かに鍵盤で旋律を奏で……


  盛大に鍵盤を叩いて稲妻のように、
  嵐の中を早馬が駆け抜けていくかのように
  音の疾走を楽しんで!


これは明らかに普段の私の曲調では無く、
また滅多に演奏するものでも無く。
周囲の何人かが驚くような反応が
肌に突き刺さって行くけれど。]
(103) 2020/09/28(Mon) 15:14:56

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[これが、私の挑戦。
彼の言葉に対する返答の1つ。>>10


  あの時の真っ直ぐに射抜くような態度を思い出し、
  私は射抜いた音で返しましょう。>>66


道のりと歩みは違えども。
こだわりと工夫、目指すその先の視線は
私と全く同じだと思われる彼らに。


  挑戦を始めた18年>>0:41>0:42と
  その後の20年余り>>0:40に加えた
  昨日のあなた達の旋律に
  >>2:231>>2:232>>2:233>>2:234>>2:235


新たな一手を見出した
私の現在と未来そのものをぶつけましょう!]
(104) 2020/09/28(Mon) 15:15:16

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[消音ペダルも時折入れながら
別のペダルで音の伸びも加え
テンポは早くも嫌な残響が残らぬぎりぎりを。



     ──これが私の演奏、私の手法。



私の  即興曲。>>103]
(105) 2020/09/28(Mon) 15:16:23

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[演奏が終わり、最後の激しめな曲調と裏腹に
優雅なカーテシーをすれば
観客達の一部から拍手をいただきました。]


 (……いかがかしら?)



[もしも彼らと目が合ったなら、
一瞬だけ審査の時に見せた妖艶な笑みを
私に対し言葉を発した彼に向けて。>>10

話しかける何名かの会話に応じながら
午前の演奏を終えたのでありました。
時間にして1時間ほどで、終了時の時刻は
午前から昼までの範疇。

表彰式までには昼食の時間等含めて
2時間以上の空きは悠に存在したはずですわ。>>78]**
(106) 2020/09/28(Mon) 15:16:55
平台の宮廷楽士 メイレンは、メモを貼った。
(a6) 2020/09/28(Mon) 15:32:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 耳に触れる、ヨシュア様の声。
  歌が好きではないと、初めてご自身で
  仰ってくださいました。>>56
  なんとなくヨシュア様らしい、と思えば
  口の端に僅かな笑みが浮かんだでしょう。

  目の前にすうっと引かれつつある
  闇色のカーテン。

  いつもと変わらないあまり抑揚のないお声が、
  今日はより静かに、そよぐ風に乗っては
  心に届きます。>>57

  視界を闇に落とすカーテンが、完全に
  閉じられてしまう前に、意識を
  つなぎ止めて懸命に顔を上げて。  ]
 
(107) 2020/09/28(Mon) 15:49:12

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 目にしたそのお顔に浮かぶ微笑み>>2:182は、
  あの時>>2:182のものより随分と
  穏やかで、美しくて
   


  手向けて下さった言葉を>>-78確かに
  胸に抱いて、どうかお元気で、と呟いて。

  私もどうにか笑んだと思うのですが、
  届いたかどうかわからないまま、
  視界は真っ暗な闇に閉ざされていきました。 ]
 
(108) 2020/09/28(Mon) 15:50:54

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あ、と気づいた時には、私は
  宮廷に居たようです。>>85
  …私は少しも覚えていないのですが。
 
  けれどそこに、もしあの華麗に馬を
  操られた方がいらっしゃるのならば>>60
  散々ご迷惑をおかけしたことを詫びて。

  一息だけついたあと、アメリア様は無事に
  ハイアームズのお屋敷に戻られたか、
  お身体にさわりはないか>>@7
  次々とその方に尋ねたことでしょう。

  その際に神父様の動向を、何かの流れで
  耳にすることはあったでしょうか。
  あったのならば目を伏せて。

  そうしてようやく、自分がまだその方に
  名乗りもしていないと言う事に気づいて、
  慌てて名前を伝えるのでした。  ]
 
(109) 2020/09/28(Mon) 15:54:09

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

とある酒場にて


[ ニコロは演奏が終わるとカウンター向かった

そこにはジントニックを飲む
楽器工房の彼女がいた>>53

来て、くださったのですね
ありがとうございます

[ ニコロはそう言うとカウンターの奥の店主に
もう一曲、ここで弾いて良いかと訊ねた ]

「好きにしな。何曲でもどんな曲でも。誰に向けたっていい
ここでは好きに音楽を楽しみな」

[ ニコロはそれを聞くと微笑みながら「ありがとう」と
店主にお礼をいった ]

どうか、1曲聴いてもらえませんか?
貴女に整えて頂いたこの子の本当の音を聞いて欲しい
それと同時にあの時の>>2:79

ねぇ、自分の歩いてきた道に
  後悔したことはない?

と聞かれた時の答えを…
彼女がうなづいたのなら
[ ニコロはそう言ってヴァイオリンを鳴らすだろう]*
(110) 2020/09/28(Mon) 19:42:51

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 着替えるために一人になれた私の居る場所は
  明るく差し込む光がキラキラと眩しく、
  昨日見たシャンデリアのように輝いては、
  今までの出来事が頭を過って、
  ヨシュア様やアメリア様の笑顔が
  光の中に浮かんでは消えて。

  ふ、とその世界がぼやけて。
  しばらくの間膝を抱えて、掌に歯を当てて
  嗚咽を漏らさぬようにしながら
  止めどなく流れ出る涙で
  足を、床を、濡らしていました。

  ……同じ頃、同じようにひとり涙を流される
  アメリア様>>@17を知っていたら、
  私はあの方をお一人にしてしまったことを
  心の底から後悔したでしょう。
  例えハイアームズ家の皆様に、
  あとはこちらでと言われたのだとしても、
  あの時、あの方が、
  私にお願いして下さったのに>>58
   
 ]
 
(111) 2020/09/28(Mon) 20:04:42

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私に湯浴みを勧めてくださる声が聞こえれば、
  ごしごしと顔を擦って。
  まだぼうっとする頭を2、3度振って、
  言われるがままお言葉に甘えてお湯を借りる
  ことにしました。

  身体中がビリビリと滲みるし、髪は所々
  ばりばりに固まっていたし、着ているものは
  汚れは酷いし、こんな姿でアメリア様や
  皆様の前に居たのかと改めて知って、
  消えて無くなりたいような思いでまた
  涙がこみ上げて、慌ててざぶんと頭から
  お湯をかけて誤魔化しました。

  湯浴みに付き添ってくださった方が、
  傷も綺麗に治せますよ、と仰った時には
  驚きましたが、この国の王族方には、
  そのような不思議な力をお持ちの方が
  いらっしゃるということは聞いたことが
  あったのを思い出し、小さく頷いて。 ]
 
(112) 2020/09/28(Mon) 20:06:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ …それから、大変暖かいそのお申し出を、
  丁重にお断りしました。



  この傷は、私が生きる証。
  今までも、これからも。



  お気を悪くなさらなかったかしらと
  思いながらも、その方が、傷はそのままに
  綺麗に手当てをしてくださるのであれば
  その手をじっと見つめて。

  着替える為に足を踏み出した時、
  その歩みが随分軽くなっていることに気づけば、
  その方に向き直って深く頭を下げるのでした。 ]*
 
(113) 2020/09/28(Mon) 20:10:20

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―回想・コンペ会場―

  
―終演後―



[ 彼のメイレン・シュレグマーに対する
  評価は、真実の一片を突いていたようだ。
  >>71>>72


  しかし…。
  彼女の演奏会への誘いについては、
  やや勇み足の解釈をしていたらしく。
  >>73>>74>>75           ]

   
(114) 2020/09/28(Mon) 23:32:07

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そして、もし、そのすれ違いに彼女が
  気づこうものなら、
  彼女自身にには全く非がないのにも関わらず
  「全ての責任は自分にある」として、
  自費で損失補填を名乗り出るところだった 
  ようだ。>>76

  
  一方、かくいうエリクソン自身は、
  新たな強者、メイレン・シュレグマーから
  
言外に挑戦の引き受けを言い渡されたのだ

  と信じて疑わず、

  若さゆえなのかただの阿呆なのか、
  興奮もしばらく冷めることのない様子。


  どうやらこのすれ違いは
  解消されることもないまま、
  明日の演奏会を迎えることになりそうである。]* 

   
(115) 2020/09/28(Mon) 23:32:58

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―




[ コンペ2日目が終了した、その次の日。
  2日目と同じ会場、舞踏用大ホールを使って
  表彰式が行われた。

  場内は、前2日のコンペ本番にも劣らぬ
  盛況振り。

  さらにこの国の貴族達や、
  審査員以外の宮廷楽士の顔ぶれもあり、>>78
  この発表が、この国にきわめて
  大きな影響を与えるのだということを
  一目で窺い知れるほどだった。    ]
(116) 2020/09/29(Tue) 0:55:01

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 6人組はじめ、コンペ参加者は、
  審査員たちと向き合う形で、
  区画された空間内に、
  わらわらと集まっている。


  遠目には、
  コンペ前日に橋の上で出会い
  そしてコンペ本番では
  奇跡のような歌声を披露し>>1:253
  観客たちを熱狂の渦に巻き込んだ
  あの、教会の娘の姿もあっただろうか。

  
  声をかけようか───
  と一歩踏み出そうとしたものの、
  ちょうどその時、
  宮廷楽長による表彰式開始の宣言
  が場内に響き渡る。>>79
  あわてて足を引っ込め
  舞台のほうに向きなおった。  ]

  
(117) 2020/09/29(Tue) 0:55:20

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 審査員の合議による
  5位から1位までの発表。>>79
  その中に……。       ]


    『4位は────』



     ………。


[ 静かに目を閉じて、
  告げられた結果を聞く。  ]
  
(118) 2020/09/29(Tue) 0:55:53

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン



     ……………。

   
(119) 2020/09/29(Tue) 0:57:16

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ……もう既に、
  5位から1位までの全ての受賞者が
  発表されたのだろうか。


  参列者達が一斉に
  手を叩いているのが見える。
  彼らの一部は、
  どうやら自分たちの方を向いて
  拍手を送っている気がする。


  うずくまる者の姿や>>83
  肩を落とし去って行く者の姿も
  その視界は捉え。  ]
  
(120) 2020/09/29(Tue) 1:01:22

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そして、視線の先には。

  会場前方に呼ばれ、
  嬉しそうに手を振る者の姿。>>2:101>>81
  ──筋骨隆々の男。直垂を着た3人衆。


  あの教会の娘も
  そこに居た────。  ]

  
(121) 2020/09/29(Tue) 1:03:01

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

  
───4位。


     
───4位、だった…。



[ もとより宮廷楽士の肩書きが
  欲しかったわけじゃなかった。
  それでも。


  手応えは、あった。
  演奏も。観る者の反応も。
  

  かの平台奏者との掛け合いで、
  自分が戦う場所はもうこのコンペじゃない、
  メイレン・シュレグマーはじめ
  その道のプロ達と渡り合っていくのだと
  そう、確信していた。    ]

  
(122) 2020/09/29(Tue) 1:03:44

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 突きつけられた4位という現実に。

  さながら、丁寧に積み上げたモニュメントが
  一閃の雷で破壊されたように…

  昨夜から、まるで夢見のように
  抱いていた未来の展望が、
  がらがらと音を立てて崩れ落ちていく。]
(123) 2020/09/29(Tue) 1:05:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ …それは自身だけじゃなく、
  仲間達もそうだったようだ。
  全員、その場に立ち尽くしていた。


  急かすように手招きする裏方スタッフの姿が
  視界に入る。
  「はやく前に来い」ということらしい。


  重い足を無理やり動かしてそちらへ行き、
  宮廷楽長から
  賞状と景品を受け取った。 >>83>>84 ]
(124) 2020/09/29(Tue) 1:05:30
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a7) 2020/09/29(Tue) 1:12:13

鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a8) 2020/09/29(Tue) 1:30:33

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 身嗜みを整えて、促されるまま足を向ける
  その場所は、昨日と同じ宮廷内の
  豪華で大きなホール。

  ご厚意でそれは可愛い服に着替えさせて
  頂いていた子どもたちと合流出来たのなら、
  また胸に熱いものが込み上げて
  抱えるように皆を抱きしめたでしょう。


  湧き上がる拍手に視線を上げれば、
  そこには優雅なカーテシーを行って女性>>96

  それは、あの日の審査員の方。

  私に生きる希望を下さった、
  誇り高き宮廷音楽家の
   
 ]



    メイレン様…
 
(125) 2020/09/29(Tue) 8:14:12

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 細く、長いその指>>1:85が、
盤の上を踊る。

  軽やかに、優雅に、舞う指から紡がれる音は
  華やかで、白と黒の鍵盤から鮮やかな花を
  あたり一面に咲かせるよう。


  と、曲調が変化して。
  それはなにかの始まりを感じさせるような旋律。
  刺激的な物に、でもまたしっとりとした物に、
  次から次にその姿を変えて行く音。
  私は瞬きも、息すら忘れて、食い入るように
  見つめていました。

  そしてその指が鍵盤から離れて、
  会場が静寂に包まれた瞬間
   
>>102
 
(126) 2020/09/29(Tue) 8:17:53

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
ぅ…わ……


[ 宮廷内だと言うのに、そんなはずはないのに、
  竜巻のような突風がごうと吹き付けたような
  力が、私の背を思わずのけぞらせていました。 ]


    
   
っ、すご……


[ 舞う指は、先程の優雅さとは違う、
  鋭く、強く、叩きつけるような物さえ
  垣間見れて。

  決して不快ではない轟音を轟かせ、
  その存在を確かに知らしめるような、
  それは、まるで
雷鳴
のような
   
  ]
 
(127) 2020/09/29(Tue) 8:20:32

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 最後の音が消えても、すぐには身体は
  動きませんでした。

  拍手をすることすら忘れて、
  ただただメイレン様を見つめていたでしょう。 


  ……これが、この国の誇る、宮廷音楽家…


  周りの方々の拍手で、は、と我に返り、
  今度は改めて、手が千切れるほどに
  打ち付けた、精一杯の拍手を送ったのです。 ]*
 
(128) 2020/09/29(Tue) 8:22:54

【人】 教会住みの娘 エヴィ


  
 ある日の女子会 
  


[ その日も私は、アメリア様にお呼び頂いて、
  ハイアームズのお屋敷にお伺いさせて頂いて
  おりました。

  訪れるごとに深まるように(私は)感じる
  アメリア様との仲。
  お年も近く、その穏やかで控えめな
  お人柄から、私は恐れ多いことながら
  御友人のようにお慕いしていたのです。

  また訪れるごとに異なる、お茶やお茶菓子。

  毎回毎回はじめは恐縮して手を出せずに
  いるのですが、アメリア様は、
  食べないとヨシュアが怒るの、などと仰っては
  微笑んで、私のほうにそっとお皿を
  押してくださるのでした。

  そんな様子にありがたくも申し訳ないと
  思いながら、ちょっとした悪戯心で、
  前からずっと気になっていたことを
  聞いてみたことはあったのでしょうか
  
 ]
 
(129) 2020/09/29(Tue) 8:37:24

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ……なんて、年頃の女の子たちがするように、
  
  そっとその形の良い耳に口を寄せて。  ]*


 
(130) 2020/09/29(Tue) 8:39:32

【見】 病弱貴族 アメリア

─ ある日の女子会 ─

[ 教会について教えてもらうという建前のもと
  出来た彼女との縁は>>1:108
  あれから、病弱な自身を慰めるためという
  新たな理由のもとに続けられている>>129

  住む世界が違う自身と彼女だけれど
  思いのほか気があうのだろう。
  彼女が来る日が近づけば
  楽しみに鼻歌なんかを歌う姿が
  見られた時もあったとか。

  我が邸宅に訪れるのは
  父や、時には母に用のあるものばかり。

  自身を目的として訪れるものは数が少なく。
  つい毎回違う茶菓子やお茶を出してしまうのは
  少しばかり張り切りすぎていたのかもしれない。

  ヨシュアはそんな自身をどう思っていただろう
  微笑ましく見られてなんかいたりしたら
  少しだけ意地を張ってみたりして。 ]
(@18) 2020/09/29(Tue) 9:21:17

【見】 病弱貴族 アメリア


[ そんなある日のこと。
  彼女との楽しい談笑の中。

  なんの流れだったか。
  問われたことに、ぱちくりと
  目を瞬いてしまった>>-163 

  好きな人。
  はて、そんな人は自身にいるだろうか。 

  カップに指を絡ませ、
  口に含めば味わい、一息。 ]
(@19) 2020/09/29(Tue) 9:21:35

【見】 病弱貴族 アメリア



   ……私は引きこもりだから、
   そういう浮いた話は
   残念ながらないのだけれど。


[ 心に決めたとしても
  病弱な自身ではどうなりようものもない。

  意識的にか、無意識的にか
  そういう考えはあまり、しないようにしていて。 ]
(@20) 2020/09/29(Tue) 9:22:23

【見】 病弱貴族 アメリア



   でも、そうね……
   昔少しだけ話をした男の子のことは
   とても印象に残っているわ。


[ 自身がまだ子供だった頃。
  中庭に出て、遠くに使用人がいる中
  花を見ていた時。

  たまたま迷い込んだのか、
  一人の男の子と話をしたことがある。

  確か、楽器の話をしたんだったか。
  いつかまた遊びに来ると言って
  あれきりだったけれど。

  彼は今頃どうしているのかな、なんて。 ]
(@21) 2020/09/29(Tue) 9:22:36

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ そんなことを話しては。 ]


   そういう、エヴィはどうなの?

 
[ なんて、仕返しに耳に囁いてあげたけれど
  
  さて、どんな話が聞けるかしら。 ]*
(@22) 2020/09/29(Tue) 9:22:45

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  ―― とある酒場 ――



[ グラスのお酒を少しだけ口に含んだ時
  背後から聞き覚えのある
  穏やかな声がした。
  >>110


  振り返ると、
  彼は柔らかく目を細め
  ありがとうございますと、言った。

  彼はカウンターに掛けることなく
  店主にヴァイオリンを弾いていいか訊ねる。

  
  「好きにしな。何曲でもどんな曲でも。
  誰に向けたっていい
  ここでは好きに音楽を楽しみな。」


  店主はそんなことを言っただろうか。

  ここに来たのは初めてだったけど、
  良い酒場を教えてもらえたようだ。 ]
  
  
(131) 2020/09/29(Tue) 9:32:50

【人】 楽器リペアマン ティグレ



[ どうか、1曲聴いてもらえませんか
  という彼に、もちろんと頷く。


  彼の美しく長い指が
  ヴァイオリンを触れる。

  メンテナンスがしっかりされ
  大切に使われてきただろう
  弾き込まれたヴァイオリンの
  温もりを撫でるように。

  彼の音色を待った。 ]*
  
  
(132) 2020/09/29(Tue) 9:34:37

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

   “とても辛い思いをしていたのでしょうか……”


[ 目が覚めたらしい彼女を湯浴みに誘うために、
  扉の前まで訪れていたメロディアとフィオーレ。
  扉越しにでも聞こえる嗚咽に、
  2人はお互いを抱きしめあった。

  元々、人慣れしていない彼女たちでも
  泣いている声は体の奥まで響いてくる。
  ふたりで、よしっと己を奮い立たせると、
  扉を叩いて、湯浴みへと誘うのだった    ]


    “……分かりました。それでは、手当てだけでも
    させてくださいね?綺麗にしますから。”


[ 治癒を断られたメロディアは、そっと彼女の
  傷に触れて、1人心を痛めた。
  年頃の女性が、こんなに傷だらけになるなんて、
  と悲しくなりながら、
  彼女の要望通りに、清潔な布を使って
  その傷を手当てしていくのだった。

  ただひとつ、彼女の要望に答えなかった箇所がある。
  彼女の腫れそうな顔。この部分に関しては、
  心の中で 
ごめんなさい
 と呟いて、
  触れた瞬間に綺麗に傷跡を消してしまった。   ]
(133) 2020/09/29(Tue) 10:38:55

【人】 心配性の王妃 ミュシカ


“気になる服はありましたか?


[ 湯浴みにの途中で退室していたフィオーレが、
  彼女の服選びの最中に戻ってきた。
  元々彼女が着ていた服はないけれど、
  似たような質素なものから、
  フィオーレのように華やかなドレスまで、
  その場には誂えられていた。       ]

“お忍び用に持ってきていたものもありますから、
お好きなものを選んでくださいね。
私はまた、新しく揃えられますから。”


[ なんて、一言も添えただろうか。
  真新しい服に、袖を通してもらえたなら、
  行きましょうか、と
  ホールへ一緒に行くことだろう。   ]*
(134) 2020/09/29(Tue) 10:39:05

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの恋話 
  


[ 触れるのが怖いほどに薄く美しいカップに
  指を絡ませるアリシア様の動き>>@19は
  音もなく流れて。
  優雅で気品が漂う名家のお嬢様そのもので、
  思わず見惚れてしまうほど。

  返された言葉>>@20、>>@21にはあら、と
  僅かに眉根を上げながら、懐かしそうに、
  時には嬉しそうに見えるそのお顔を
  覗きこむようにして、小さな頃の思い出を
  話してくださるご様子に聞き入っていました。

  

  ちょっと、意外。
  私はてっきり…別の方のお話が出てくるのかと
  思っていましたので!
  

 
(135) 2020/09/29(Tue) 10:46:19

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 少しわくわくした様子でこちらにも
  同じ質問を囁くアメリア様の吐息が、
  お茶の香りで私の耳に届きます。 ]


    わ、私は神の子ですから…
    そもそも男の方にお目にかかることも
    ありませんし。

    あ、でも…



[ そう言って、やっぱり口を閉ざして。

  アメリア様と同じように、カップを手に
  してみたけれど、どうにもガチャガチャと
  音を立ててしまっては、あわわ、と
  なるのでした。 ]
 
(136) 2020/09/29(Tue) 10:47:57

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
(優しい方は、良いですね…
    お仕事に熱心で、課せられた使命に忠実な
    瞳は、とっても素敵だなぁと思います )



[ 私の頭の中には、どなたのお顔が
  浮かんでいたのか、なんて。
  それは言わないから、少し、笑って。 ]*
 

(137) 2020/09/29(Tue) 10:50:40

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 豪華なドレスに囲まれて 
  


[ お好きな物を選んでくださいと仰る、
  その美しい方を見つめながら、たくさんの
  それはそれは豪華な素晴らしいドレスを前に
  私はただただ目をぱちくりさせていました。]


    あの、私、お代を持っていなくて…


[ 申し訳なくて俯いて、小さく伝えたけれど、
  恐らくそれは笑い飛ばされたでしょうか。>>134

  おそるおそる触れるそれらは、私でさえ
  それと分かる、高価で贅を尽くした
  素晴らしいものばかり。


  ……その中で一着。
  薄い
オレンジ色
のワンピース。
  飾りもなにもない、シンプルなそれは、
  あの日の茜の空を思いださせるよう
   
 ]
 
(138) 2020/09/29(Tue) 11:19:39

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    これ、着ても良いですか…?


[ あの日見た夕陽は、生涯忘れることのない、
  私の宝物。
  
  頷いて頂けたなら、少し跳ねる心と震える腕を
  どうにか抑えて、袖を通したでしょう。

  色のある服を着るのは初めてだと、
  小さく呟きながら、その方について
  ホールへ向かうのでした。 ]**
 
(139) 2020/09/29(Tue) 11:21:34

【見】 病弱貴族 アメリア

─ 恋の話 ─


[ 彼女は一体、自身が誰の話をすると
  思っていたのか>>135

  眉根を上げる姿に
  なんとなくわかる気持ちはあるものの。
  残念、彼に恋愛感情は持っていないのだ。 ]

 
   でも?


[ と、そこで口を閉ざした彼女を
  優しい瞳で見つめる>>136

  さて、彼女の仕草から
  感じる視線の動きから
  その心の内を察することは出来ただろうか>>137

  なんにせよ
  誰かを思い描いている様子の彼女は
  微笑ましいものである。 ]
(@23) 2020/09/29(Tue) 11:23:19

【見】 病弱貴族 アメリア



   ね、今度一緒になにか作ってみない?


[ 恋愛話からの転換は、
  自身にとっては繋がっているもの。

  作ったものを誰かにプレゼントするというのは
  なかなか悪くないものなのだ。

  なにを作るのがいいか考えつつ。
  彼女と、彼女の考える誰かが
  上手くいくといいな、なんて。

  友の幸せを願うくらいなら
  神様も叶えてくれないかしら。 ]*
(@24) 2020/09/29(Tue) 11:23:35

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 表彰式・宮廷の大きなホール 
  


[ そういえばなぜこのホールに再び案内して
  くださったのか今一つわからないままにここへ
  来たのですが、そこに並ばれている方々の
  錚々たるお顔を拝見して>>78
  そうか表彰式が行われるのだとようやく
  理解しました。

  私が初めて身にするオレンジ色のワンピースを
  きゃっきゃと褒め讃えてくれる、
  愛しい妹や弟たちに、じんわり顔が
  赤くなるのを感じながら、
  それでもあふれ出る笑みは止められないままに、
  またしぃー、っと人差し指を唇に当てて、
  舞台に目を向けるよう促して、
  自分も同じようにしたでしょう。 ]
 
(140) 2020/09/29(Tue) 13:37:22

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 粛々と、告げられて行く、音の評価。

  4位の発表があった時、私はあっと声を
  上げてしまいました。
  あれは、あの時の、異国の方…>>0:5

  やはり、受賞された!
  あぁ聞いてみたかったなぁと少し残念に思いながら、
  その方に精一杯の拍手を送ります。

  その方の表情までは見えないままに、
  その内のお心など知る由もなく
  
>>119


  皆様それぞれに、出だされた結果については
  思うこともおありなのでしょう、
  涙を流される方や、うずくまってしまわれる方の
  姿まで見えて>>83

  胸の奥がぎゅっとするような、
  なんともいえない心持ちになりながらも
  改めて、この国の持つ音楽の力というものを
  身に染みて体感していました。 ]
 
(141) 2020/09/29(Tue) 13:40:17

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 2位の方々はまた、見たことがないお姿の
  異国の方のようで。
  その音を聞いていたらしい子供たちは
  興奮気味に、口々にその素晴らしい音楽に
  ついて私に聞かせてくれるのでした。
  

  (ちなみにこの子たちの興奮交じりの
   拙い説明では一体どのような音楽なのか、
   さっぱり理解が出来なかったのですが、
   それは口にも出さずに、そう、そう、と
   にこにこ聞くに留めていました。)




  
   
そうして、発表された、1位…… ]
 

(142) 2020/09/29(Tue) 13:44:31

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    え…


  
(143) 2020/09/29(Tue) 13:45:31

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 聞き間違えでしょうか。
  あの時も、素晴らしかった>>1:273、と
  言ってくださった方
  
のちに
  宮廷楽長だと知りました
  
が、
  君が今年の最優秀者だ>>82、と
  私の名を、呼んでくださるのです。


  私はなにが起こったのか全く分からずに、
  ぽかんと口をあけてただ立っていました。


  …随分と間抜けな姿だったと思います。 ]
 

(144) 2020/09/29(Tue) 13:50:16

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
   
嘘……




[ 次の瞬間、周りにいる子供たちが、
  わっと歓声を上げて、ぴょんぴょん跳ねては
  私に飛びついて。

  そのまま私の身体は皆にのしかかられて
  ぺしゃんと座り込んでしまいました。

  ぽかんとしたまま見回す子供たちの顔は、
  笑っていたり、わんわんと泣いていたり。

  その様子を見て、あぁまさか本当に、と
  視線を上げて、見えた世界>>83……

  呆然としながら、ふと少ししわが寄った
  ワンピースに、子供たちの涙と鼻水の
  後を見つけては思わずぷっと吹き出して。
  そっと子供たちを撫でながら立ち上がり。

  あの日と同じように、押し出されるようにして、
  ふわふわとする足元を確かめながら
  他の受賞者の方々と並ぶ場へと立ったのでした。]*
 


(145) 2020/09/29(Tue) 13:55:52

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―


[5位から1位までの発表へ静かに耳を傾け
全ての発表が終わると、
真向かいの挑戦者たちの方へ顔を向けた。

泣き出す者、祝福する者達に混じって
まるで落胆するかのように立ち尽くす6人を見て>>122
少しばかり胸が痛んだ。>>123>>124]


    (……嗚呼……)


[遥々我が国に挑戦をした、
そして私が良き好敵手と認めた彼の表情。
内心で心を痛めつつも、私は審査員として
中立な立場の顔を貫くしかなかった。]
(146) 2020/09/29(Tue) 13:57:47

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[2日目の合議で私が推したのは
最優秀者に選ばれた娘と>>81>>82
────そう、かの6人組。>>2:197


前者の才能は国内はおろか国外でも
名声を得られ、宮廷楽士としても
十分に渡り歩ける実力と性格と思われる点。


後者は我が国には無いであろう新たな気風、
何この国を背負う若人達の反応を見るに>>2:256
彼らの音楽はこの国へ革新をもたらし、>>2:257>
化学反応を巻き起こす可能性があるとの期待。>2:262


6人組の舞台はもうこのコンペでは無い。
道を極めし者達や宮廷楽士等にも
決して引けを取らず渡り合える実力だと、
奇しくも彼らが抱いていた確信と>>122
同じことを私も考えていたとは、今は気付けずに。]
(147) 2020/09/29(Tue) 13:58:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[けど、6人組の推挙に一部から待ったが掛かった。
待ったを掛けた者は実力を十二分に認め
他の参加者とは明らかに一線を画していたと
明言した上で、こう見解を示す。


若者達を中心に絶大な支持を受けていたが
一部の層の反応は芳しくなかったこと。>>2:256
また、彼らの音楽分野を嫌う層もいること。


最優秀者に選ばれた際
多くの国民が結果に納得するのかどうか、
その懸念を指摘として上げたのだ。


実力そのものは申し分ないと
全員の見解が一致したため
合議は難航の末、最終的に4位という形に。]
(148) 2020/09/29(Tue) 13:58:34

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『続いて、審査員の皆様による
  審査員特別賞の発表に参ります。』



[彼ら含めた5組が賞状と商品を受け取り>>124
再度元の位置に戻ったのを確認し、
司会が次の章の発表に移る。


審査員特別賞──>>2:184>>2:185]
宮廷楽士になる権利は無いものの、
各審査員が自分の意思でこの才能を世に出したいと
思う者1組をそれぞれ選出する賞。


どの審査員が誰に賞を贈るのかは、
たとえ審査員同士であっても発表まで知ることは無い。]
(149) 2020/09/29(Tue) 13:58:50

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[司会が審査員特別賞の該当者が書かれた
二つ折りの紙を広げ、読み上げる。

声楽の楽士>>1:236
ウルスラ共和国の合唱団に。>>1:39
竪琴奏者のレガ>>0:31
レミリア嬢に。>>0:29>>0:20>>0:21]


    『続きまして────』


[司会が紙の下の方へ視線をやると
その目が驚くように見開き、
呆然としたように言葉を失っている。


司会の突然の無言にざわつく会場。]
(150) 2020/09/29(Tue) 13:59:17

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『……大変失礼いたしました。
  続きまして、欧巴奏者である
  レオン様の審査員特別賞は──』



[合議で実力を十二分に認めたものの、
最優秀者選出へ待ったをかけた彼。

私の隣で『君達、色んな意味で凄いな……。』
そう声をかけたあの彼が>>36
名前を挙げたのは、
4位と告げられたかの6人組。

周囲からは盛大な拍手が送られた。>>2:197]
(151) 2020/09/29(Tue) 13:59:48

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

   (─────えっ!?)



[ですが、私はそれを聞き
とても驚きましたもの!

                   だって…………]
(152) 2020/09/29(Tue) 14:00:22

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『続きまして、平台奏者であり
  メニュレー男爵令嬢
  メイレン・シュレグマー様の
  審査員特別賞は────』



[私が選んだ1組も……
あの6人組だったのですから!!>>2:197



  審査員特別賞を2つも受賞したことに
  周囲は動揺しつつも、拍手を送ります。


今までに審査員特別賞が複数、
同一者に対し授与された例はございますが
覚える限りでは数年振りのはずです。]
(153) 2020/09/29(Tue) 14:00:45

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[どよめきの中、司会はさらに続けます。]


 『続きまして、琉特奏者ロビン様の
  審査員特別賞は────』


[読み上げられたのは、
またまた彼ら6人組。>>2:197

周囲の動揺がさらに大きくなりました。
何せ3つも審査員特別賞が重なったのは
記憶の限りコンペ開始以来初のことでしたから。]
(154) 2020/09/29(Tue) 14:01:09

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『最後に、最も名誉ある審査員特別賞。
  宮廷楽長クロウ様の審査員特別賞は──』



[こうして最後に呼ばれた名も、
あの6人組。>>2:197

何と、審査員特別賞のうちの4賞が
同一者に贈られるという異例の事態が発生したのです!


驚きのあまり目を丸くしながら視線のみ動かすと
6人組を選出した審査員全員が想定外だったらしく
皆一様に驚きを隠しきれておりません。]



 『審査員特別賞を4賞受賞した奏者は
  コンペ開始以来、我が国初の快挙となります。
  それでは受賞者の方々──どうぞ前へ。』



[再度司会と裏方が先程のように促し>>83>>84
(なお裏方も動揺を隠しきれておりませんでした)

初めに呼ばれたものから左に、
そして右方向に1組ずつ並ぶのですが
6人組は挑戦者達から見て一番右の位置になることでしょう。]
(155) 2020/09/29(Tue) 14:02:07

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[司会は審査員特別賞に対し、賞金と賞状に加え
審査員が提案する3つの褒賞のうち
一つを選択出来ること。

複数受賞した場合は、各審査員から1つを選出し
賞を与えた審査員の人数分、褒賞を獲得出来ること。
勿論褒賞そのものも辞退出来る旨も語って。]




 『選択期間は3ヶ月、その間該当の楽士様と
  直接の対面や手紙等を通じての
  ご相談が可能な権利も与えられます。

  4賞受賞された方々は合計4の褒賞を獲得可能ですが
  3以下での選択や全部辞退も可能です。
  褒賞に関しては賞状に書いてありますので
  そちらをご参照ください。』



[そう言うと、各審査員が賞状と賞金を渡し
『おめでとう』と声を掛けていきます。]
(156) 2020/09/29(Tue) 14:02:42

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[レオンの賞状には希望国への留学と
資金援助、我が国での音盤普及が書かれていることでしょう。]


  ────あなた達、
  やっぱり只者じゃなかったわね。
  こんなの生まれて初めてよ。

  どこまであなた達は
  私の期待と想像を超えてくれるのかしら!


[そう言いながら私も賞状と賞金を手渡し、
『おめでとう』と告げて。
その顔は今まで見せた中でも
一番機嫌の良い顔だと知らぬ者でも分かる程。]
(157) 2020/09/29(Tue) 14:03:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私からの授与が終われば、
最後に楽長からの授与が]


 『お前達、色々な意味でやってくれたな……。
  だが、その実力は確かに本物であり
  この国でも認めるものが数多くいる。

  審査員特別賞を同時に4賞受賞とか、
  誰が想像するかって話だよ。』



[苦笑しつつもどこか嬉しそうなのは、
この状況を明らかに楽しんでいるのだと
私には分かりました。

楽長の賞状には王立劇場独占公演権と
宮廷楽士大演奏会への演奏枠招聘、
1年間の国内滞在優遇権の文字。]
(158) 2020/09/29(Tue) 14:06:22

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後、技術賞も6人組が授与し
ちょっとした偶然はございましたが
こうして表彰式は無事に閉会したのでありました。



  最優秀者に決定された1人の娘。
  上位5位入賞に宮廷楽長を始めとする
  4人の審査員特別賞4賞、技術力が高い者に贈られる
  技術賞と合計6賞を総取りした異国の6人組。



多くの人々にとって関心を引くような大口の情報。
もしかすればちょっとした騒ぎになるかもしれませんわね?]**
(159) 2020/09/29(Tue) 14:06:44

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[なお、琉特奏者>>154である彼女からの褒賞は


  宮廷楽士養成所への入学資格、
  一部音楽施設の無料及び割引、
  学期輸入業者との提携枠認定。


以上の旨が賞状に書かれておりました。]**
(160) 2020/09/29(Tue) 14:23:51

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの恋話
  


[ お互いの視線が含み>>@23を持って絡めば、
  一瞬見つめあったのち、ふふと吹き出して。

  けれどもこうして楽しく話していると
  ついつい忘れてしまうこと。
  
  アメリア様のお身体があまりご丈夫で
  ないことを思い出せば、またその日々の
  過ごす様>>@20などに考えが及べば、
  もしや迂闊なことを聞いてしまったのかも
  知れないという罪悪感に今更のように
  苛まれたことでしょう。  ]
 
(161) 2020/09/29(Tue) 15:34:25

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 微かに曇る心の中を見透かすように
  アメリア様のご提案>>@24がとどけば、
  わ、と手をひとつぱちんと合わせて、
  その顔を伺っては笑んで。

  素敵ですね!と伝えれば、さてアメリア様は
  なにをお作りになるつもりなのか、
  わくわくと逸る気持ちを抑えきれずに
  思わず椅子から立ち上がってしまい、
  あの美しいカップがガシャンとなって。
 
  また慌ててオロオロする様子が、
  お怒りでもなくアメリア様の口元を
  綻ばせたのなら良いのですが。 ]*
 
(162) 2020/09/29(Tue) 15:38:33

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

─回想・表彰前 王立劇場ロビー内─



[ 表彰式が行われる、2時間ほど前のこと。>>106
  
  昨夜、交わした公約通り。
  メイレン・シュレグマーの演奏を
  見に行くことになった。
    

  6人揃って、王立劇場のロビーに入る。
  本日も変わらず装いは黒一色で、
  そこそこ目立つ格好だったが、
  ロビー内は様々な人間がおり
  さほど浮くこともなかった。


  場内に入れば、ちょうど
  かの奏者が客席に向かって
  カーテシ―を披露している所だった。>>96

  顔を上げた彼女も此方に気づく。
  そして…
  ふ、と不敵な微笑を浮かべた…ように見えた。 ]
(163) 2020/09/29(Tue) 15:43:06

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ すぅ…っと染みこむような滑らかさで
  演奏は始まった。>>97

  小鳥の囀りのような、
  それでいて広大な河をたゆたう船のような、
  ピアニッシモの、高音部の応酬が
  繰り広げられる。

  
    今はまだ日が昇ったばかりの時間帯。
    初っ端からテンポの速い演奏を
    持ってくるよりも、
    こちらの方が、観客の心と
    歩調を合わせられるだろう。


  導入としてこれ以上ない選曲だ。
  そして…。


    
──のちに自分の世界に引き摺りこむ伏線か?



  なぜだか、そんな予感がした。 ]
(164) 2020/09/29(Tue) 15:44:47

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 一曲目が終わる。


  次に来るのは…先ほどと変わらぬ曲調?>>98

  しかし…穏やかに始まった演奏は
  加速度的にクレッシェンドし、
  低音部も加わり一気に厚みを見せ。

  ───そして。



  
唐突に鋭い低音のスタッカートが始まった。


]  
(165) 2020/09/29(Tue) 15:44:55

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 観客みな息を呑む。

  それもそのはず。
  その音像は、さきほど優雅にカーテシーを
  していた時のシュレグマーとも、
  一曲目を弾いていた時のシュレグマーとも
  別人のような音。


  …挑発的で、蠱惑的な光が踊る音。



    ───だが、俺はシュレグマーの
     こんな一面を知っている。
     忘れもしない、昨夜のあの瞬間。 


   あの時浮かべた彼女の表情が>>30
   ありありと心に思い浮かんだ。   ]

   
(166) 2020/09/29(Tue) 15:46:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最初は呆気にとられていた観客達だったが、
  段々と、彼女の演奏に場が温められ
  いつしか手拍子を打ち、
  楽しげに体を揺らしはじめた。


  演奏は最後まで勢いが衰えることなく、
  最高潮の盛り上がりとともに、
  曲が終わった。        ]


   
(167) 2020/09/29(Tue) 15:46:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ そして、勢いは消えぬまま、
  そのまま三曲目に引き継がれる。>>99

  一波乱を予期させるようなグルーヴ感。
  ときに不穏さを感じさせるフレーズ。
  段々と刺激を増していくメロディ。

  
    ───二曲目、三曲目の流れで
      気づいたことがある。

      もしかしてこれは
      昨日の俺らの曲展開を意識して──?

]  
(168) 2020/09/29(Tue) 15:47:14

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 三曲目が終わり、次は一転、
  しんみりとした静かな曲。

  左右の手で別々に奏でられるメロディが、
  電子六弦の掛け合いを想起させた。


  観客達もリズムを取るのをやめ、
  すっかり彼女の音に聴き入っている。


  もはや観客達は、シュレグマーの掌の上。
  彼女が紡ぐ音に合わせて
  彼らは高揚し、
  そうかと思えばしみじみとした気分に変わる。 ]

   
(169) 2020/09/29(Tue) 15:47:25

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ まるで演奏会の最後を飾るように、
  余韻を残した音で、曲が終わる。
  観客達も拍手一つせず、その余韻を味わう。

  場内に満ちかけた、静寂。>>101>>102
  しかし。


    ───これで終わるとは思えない。


  ロビー中央に置かれた平台。>>93
  まばらな席。開けた空間。 

  …ひと思いに楽器をかき鳴らすのに絶好の環境。


    ───シュレグマーが仕掛けてくるのは
だ。

]  
(170) 2020/09/29(Tue) 15:48:35

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


      [ 次の瞬間。]
   

 
(171) 2020/09/29(Tue) 15:49:09

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

   

[ 
彼女の指から放たれた
稲妻
が、会場を直撃した。

   
(172) 2020/09/29(Tue) 15:49:18

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 嵐の前兆を感じさせる、
  さざ波のような導入部。
  それが消えた刹那、"それ"は始まる。


  鍵盤を駆け巡る怒濤の速弾き。
  その下に重なる、重層的な和音。

  一部の観客が驚いた表情をするのをよそに>>103
  彼女の音は平台を揺らし、
  会場を揺らし、
  聴く者の心を…エリクソンの心を揺さぶった。 ]
   

 
(173) 2020/09/29(Tue) 15:49:36

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[  しかし気づけなかった。
   まさかこれが、『即興』だったとは。 >>105


   即興だからといって
   ミスもなければ粗もない。


     
     ───当然のことだ。
     6人組が生まれるよりも前から彼女は
     平台奏者として生きている。
     彼女がエリクソンの即興を見破ることはあれど、
     その逆はまだ、難しかった。



   この曲は、すでに熟練された
   技を持つ者の手によって
   昇華された、一つの完成品のようだった。 ]
   
(174) 2020/09/29(Tue) 15:50:23

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  しかし一つ、分かったことがある。


   これは彼女が自分達に向けた"メッセージ"。
   自分らの昨夜の曲展開を踏襲したものだと。


   シュレグマーは、
   彼が一方的に叩きつけた挑戦状に
   ただ悠長に構えていたワケじゃない。

 
   選んだ手段は違えど、
   同じ音楽の求道者として自分らに
   驚き、楽しみ、そして刺激をもらったと、
   彼女の紡ぐ音は物語っていた。>>104    ]

  
   

 
(175) 2020/09/29(Tue) 15:50:59

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  演奏を終えた彼女はカーテシーののち、
   こちらをちらりと一瞥し、そして。

   昨日と同じように、微笑んだ。


   観客の一部のみから沸き起こる拍手。>>106
   彼女らしからぬ楽曲も多かったのだろうか
   一部の人々はあっけにとられたような、
   不思議そうな様子で彼女を眺めていた。 

  
   ───まるでどこかで見た光景じゃないか。
   >>2:256


   ふと笑いが漏れ、
   そして6人全員
   メイレン・シュレグマーに盛大な拍手を送った。
]*  
(176) 2020/09/29(Tue) 15:51:26

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

―回想・王立劇場ロビー―



  (あら。)


[カーテシーを披露したその刹那。>>163
目に入ったのは忘れるはずもない、あの6人。]


  (ようこそ、私の演奏会へ。)


[公約通り彼らは顔を出してくれたようね。
悦びに思わず見せた微笑はどうやら
相手にも拾われたようだったわ。]
(177) 2020/09/29(Tue) 17:11:23

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[最初に選んだ選曲の意図は
見事気付いて貰えた模様。>>164


  ──────その伏線にも。>>164



唐突の鋭いスタッカートの音から始まる
まるで私ではないかのような音。>>165
けれどこれもまた私自身。


あの時の顔を思い出して貰えたことを知れたなら
それはそれは喜んだのに。>>166]
(178) 2020/09/29(Tue) 17:11:45

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[周囲は呆気にとられていたようだけど
やがて体を揺らし始めたりという反応が
肌感覚でも伝わり始め>>167


続く三曲目までの流れで>>168
気付かれた数々を聞いて入れば
「大正解」と、妖艶に告げられたのに。]
(179) 2020/09/29(Tue) 17:12:19

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (……分かる?私の音。)


[しかし今は演奏中の話。>>168


はやる心で演奏しながらも
彼らの胸中までは読み取れる
超能力者では無かったから。]
(180) 2020/09/29(Tue) 17:12:39

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[次に静かな曲を演奏すると>>169
リズムを取る音が聞こえなくなり、
静かだけど関心はこちらに向いたまま
聞き入る彼らを肌で感じる。]


 (良い具合に今日も演奏出来てるわ)


[そのことにまた喜びを感じつつ、
活力として彼らの反応が身に沁みながら。


        
  そして──大事な静寂。>>101>>102]
(181) 2020/09/29(Tue) 17:13:05

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

      [そう、私が仕掛けるのは
よ。>>170]
(182) 2020/09/29(Tue) 17:13:39

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[稲妻のような直撃に>>171>>172
彼らが肌で驚くのを感じつつも、>>173
その手は決して演奏を止めない。


  これは周囲というよりも、聴きにきてくれた
  彼らへの返答でもあり、>>173
  私の無自覚な彼らへの勝負でもあったから。



その曲は見事私に声を掛けた彼はおろか
聴く者達の心揺さぶるものとなって。>>173]
(183) 2020/09/29(Tue) 17:13:57

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして演奏をしていると>>174
即興をしなければならない瞬間などざらにある。


  時に平台を揺らし>>174
  時に優雅に、時に悲壮や歓喜の色を込めて。


  即興をする際のコツや技術を周囲や独学により
  幾らか学んだ恩寵は見事影響していたみたい。>>174
  彼らが生まれるより遥か昔から得ていた技術。>>174


けれど私は彼らが今は見破ろうと見破れずとも
いつか会得するかもしれないと期待して。]
(184) 2020/09/29(Tue) 17:14:21

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私が意図したことは、恐ろしいほど正確に
彼へ読み取られていた。>>175


  私があなた達に影響を受けたこと。
  情熱の火を燃やし、刺激され
  今ここに到れた証。


私は彼らを対等な好敵手と認めたからこそ
ここまで本気で緻密に練れた訳でもあるわ。]
(185) 2020/09/29(Tue) 17:14:38

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[演奏が終わり、カーテシーをすれば
一部は呆気に取られたかのような反応。>>176]



 (あらまっ)



[昨日の彼らと状況が全く一緒じゃない。>>2:256

おかしくって吹き出しそうになるのを堪えながら
何事も無い振りをしようとすると>>176


  何だか笑ったかのような>>176
  6人組の拍手が見えて、彼らに再度微笑みかける。
  「あなた達、笑ったわね?」
と言いたげに。


けれど全く怒っていない、むしろ楽しげな笑みで。
私の曲が伝わったかどうかなんて
あなた達の表情で瞬時に悟ったわ。
やっぱりあなた達、只者じゃ無いわね?>>2:259
そのまま周囲から話しかけられた刹那────]
(186) 2020/09/29(Tue) 17:15:24

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

―回想・王立劇場ロビー―


[ロビーにて何名かの方とお話しした最中、>>106
劇場の方が何やら慌てた様子で
私の元に向かいます。


何事かと不思議に思うと、
要件はなんと宮廷からの呼び出し。
急遽表彰式前に大ホールにて演奏をという
話が入り込んだのでございました。]
(187) 2020/09/29(Tue) 17:15:42

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  み、皆様。大変申し訳ございません!
  私、宮廷の方に呼び出されてしまいましたの!
  もしよろしければ明日開催されます
  宮廷の舞台付き庭園の演奏にもお越し下さいませ。

  申し訳ございません、それでは失礼いたします!


[そう言うと私は大急ぎで支度をし、>>106
劇場を後にしたのでございました。
距離がほど近いとはいえ、宮廷内は広く
誰をお待たせしているか全く分かりません。

嗚呼、せめて見にきてくれた6人組に>>176
もう少し丁寧な対応をしたかったわ……。]
(188) 2020/09/29(Tue) 17:16:01

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

―回想・王立劇場ロビー→表彰式前の大ホール―

[ほどなく宮廷に到着し、
大ホールへと続く廊下を小走りで向かいます。
嗚呼、廊下長いですわ駆け抜けたら駄目かしら!?
駄目よねファラリス分かっているから睨まないで頂戴な。]


  つ、着いたわ……。


[扉を開いて貰うと、そこには宮廷の調律師と
ホールを管理する方々の姿が。
幸いにも音を調節するお時間はいただけるようです。

演奏に関する希望や誰がいるか等
何も知らされていなかったので、
曲はロビーで弾いたものと同じ曲を。>>97~>>105]
(189) 2020/09/29(Tue) 17:16:21

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[
宮廷までこの演奏が届くことも無いと

思っていたらまさかの事態でしたわ>>94


運命の思わぬ導きに苦笑しながらも
反響や共鳴等を調整し、
急な作業と調整を乗り越えました。]



  (────あら。)



[全てが終わったところに入ってきたのは
まず、授賞式関係者など多くの観客。
そして……1日目のコンペで出会った娘のエヴィ。
>>125>>1:205>>1:206


私が最大限の賛辞を贈り、>>1:234>>1:236
伴奏を求め>>1:237演奏をした>>1:265>>1:267>>1:268
(彼女が大嫌いだった)聖母マリアの歌を歌ったエヴィ。]
(190) 2020/09/29(Tue) 17:17:08

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[しかし王妃殿下のお姿に気付き>>134
私はおろか会場に入っていた者達が
慌てて王妃殿下に臣下の礼を次々に取ります。
私も彼らに続き王妃殿下にカーテシーを一つ。]



  (エヴィが多くの子供達と一緒に
   王妃殿下とご一緒してるって
   一体どういう状況なの!?)



[エヴィを見送った後のことは何一つ知らない私。
教会でのこと、宮廷でのこと。>>85>>109
何も知らない私は]
(191) 2020/09/29(Tue) 17:17:50

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (エヴィ、
あなた一体何者なの!?)



[かの6人組に告げたのとは全く違う意味で
表面上は男爵令嬢兼宮廷楽士らしく振舞いつつ
内心動揺で心臓バックバクなおばちゃんでしたわ。


  緊張は吹っ飛びましたけど、
  違う意味で緊張するというのは
  一体どういう意味なのかしらね?
  私自分(の心の中)で言っておいて何だけど
  何だかよく分からないわ。



夢かしら、夢なのかしら。嗚呼夢なのかしら。
それともお迎え近いのかしら。
何てカーテシーの最中に考えていたというのは余談。]
(192) 2020/09/29(Tue) 17:18:38

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[傍らには愛らしげな服装の子供達と>>86
あの日の夕景のような
オレンジ
のワンピース。
>>1:267>>138>>139>>149

腫れそうな顔の傷跡は
綺麗に消されてしまったことは露知らずとも>>133
他に私でも視認出来そうな傷が果たして
彼女にあったでしょうか]



  (似合ってるわ、その服。とても綺麗よ。)



[そう、言うかのように彼女へ微笑み
私は平台に向かいます。>>125]
(193) 2020/09/29(Tue) 17:19:17

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[嗚呼、私の心を揺さぶってくれたあなたに。>>1:262
この国に素晴らしい逸材がいることを>>1:234>>1:236
その身一つで証明してくれたあなたに。>>125
今度は私からあなたに贈りましょう。


  奏でる旋律は会場を考慮するものの、
  込める思いに一切の躊躇と遠慮は入れず
  会場の空気と魂に共鳴するよう
  音の一つ一つに想いを込めて。>>126


ロビーとは違い、屋内特有の響き。>>97>>98
訪れる静寂──次の瞬間。>>99>>100>>101>>102]
(194) 2020/09/29(Tue) 17:19:54

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[早馬のように音を疾走させるあの曲!
6人組への返答曲でもある曲を>>104>>105
まさか宮廷で弾くことになるとはね!!>>127
]


 (これもまた、挑戦よね!?)



[そう若干開き直りつつの演奏は
彼女に竜巻のような突風の力を、>>127
雷鳴のようなものを感じさせてくれたようでした。]
(195) 2020/09/29(Tue) 17:20:20

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[演奏が終わり、カーテシーをすれば>>128
周りの方々の拍手が聞こえてきます。

ふと目を上げれば、我に返り
手が千切れんばかりに拍手をする
エディの姿が目に入ったのです。]


 (喜んでくれたなら、良かったわ)


[それが嬉しくて、満面の笑みで
思わず笑いかけてしまいました。]
(196) 2020/09/29(Tue) 17:20:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして舞台を降り、伝言役に言伝を頼んで
私は舞台を降りて審査員控え室に案内されたのでした。


  本当は彼女と喋りたかった、
  言いたい言葉もあったのだけど。


審査員の決まりで表様式が終わるまで>>0:107
コンペ審査時以外に自ら挑戦者へ話しかけることは
禁止事項でもあったから。]
(197) 2020/09/29(Tue) 17:20:59

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[伝言役の伝言は
果たして伝えることは出来たでしょうか?]


 『その服、よく似合ってるわ。とても素敵よ。』


[あの
夕景
を纏うかのようなあなたは、
とても綺麗だという ただそれだけの一言を。

その後も続々と人々が集まれば、
やがて他の挑戦者達も集まり始め
程なくして表彰式が始まる時刻になることでしょう。>>140]*
(198) 2020/09/29(Tue) 17:21:28

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 そう言えば 
  


[ 宮廷内に居る方々が、私と共に歩を進める方に
  向かい次々に礼を行います。

  見事なまでに全員が、その方に敬意を
  捧げているのを目の当たりにして。 ]


     (お名前、聞いていなかったけれど、
     もしかしてこの方やっぱり、偉い方よね…?)


[ ちらり、その美しい横顔に目をやります。

  
私は、その方のお顔を、
  存じ上げなかったのです。


  
今、思えば、何という、ご無礼…
  ]
 
(199) 2020/09/29(Tue) 18:16:55

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私の耳が、小さな騒めきを拾います。 ]

         
王妃殿下、今日もお美しい…

         
殿下のご寵愛も肯ける…



[ 
…!?


  次の瞬間、がたがたっ、と音を立てて、
  私は後退りをしたでしょう。  ]


      
おっ、おっ、王妃殿下…!?



[ まさか自分に、こんなにも親身になって
  世話を焼いて下さった方が、
  この国の王妃殿下なんて!!?

  恐れ多くもお湯をお借りしたり、
  傷の手当てをして頂いたり(おまけにまさか
  ご厚意をお断りしたなんて!)
  挙げ句の果てには、服を頂いてしまったの私?!

  もうどうしたらいいのかわからないまま、
  その場に慌てて平伏した姿を、王妃殿下は
  どのようなお顔で見ていらしたのでしょうか。 ]*
 
(200) 2020/09/29(Tue) 18:26:46

【見】 病弱貴族 アメリア

─ いつかのこと ─


[ さて、何かを作ると言っても
  何を作ろう、と、彼女との茶会の後に
  頭を悩ませることとなった>>162

  自身が手をつけたことがあるのは
  ハンカチへの刺繍のみ。
  しかしそれを二人でするというのも
  なんだか変なように思う。

  いつもならヨシュアにでも相談するところ
  もしかしたらプレゼントする相手かもしれない
  と考えると、話すことも出来ず。

  傍に着いてくれたメイドに対して
  相談すれば、少し悩んだ様子の後
  いい案を頂いた。 ]
(@25) 2020/09/29(Tue) 18:31:18

【見】 病弱貴族 アメリア



   というわけでね。
   今から作るのは、「クッキー」よ。


[ 朗らかに告げた言葉は開始の合図である。
  使用人が使わない時間、
  材料を揃えたキッチンの中。

  本来なら貴族が立たないだろう場所に
  自身たちはいた。 ]
(@26) 2020/09/29(Tue) 18:31:32

【見】 病弱貴族 アメリア


 
[ 何故こうなったかと言えば
  庶民派なメイドの知恵によるもの。

  簡単で作りやすくて
  人にプレゼントしやすいもの。

  それらを考えた時に
  彼女の頭にのぼったものが
  クッキーと言うわけだ。 ]
(@27) 2020/09/29(Tue) 18:32:53

【見】 病弱貴族 アメリア



   レシピは先に教わっておいたわ。
   この通りに作れば、
   きっと、美味しいものが出来る。


[ もしかしたら、彼女はクッキーを
  作ったことがあるのかもしれない。

  けれど、自身は初めての体験。
  少しワクワクする気持ちで
  両の手を合わせて。

  頑張りましょう、と。
  言葉を紡げば、クッキー作りの開始だ。 ]
(@28) 2020/09/29(Tue) 18:33:18

【見】 病弱貴族 アメリア



[ 作業はなかなかどうして
  上手くいく、というばかりではいかないもの。

  初めてばかりのことで束無い手つきは
  ボウルをひっくり返しそうになったり
  計りに慎重になり過ぎたり
  混ぜ方がよくわからなかったり。

  きっと足を引っ張ることの方が多かった。
  その度しょんぼりと謝る姿があっただろう。 ]
(@29) 2020/09/29(Tue) 18:33:38

【見】 病弱貴族 アメリア

 
 
   ……よし、あとは焼けるのを待つだけね。


[ ようやっと工程の終わりごろになれば
  時間をどれだけ使ったことか。

  情けない部分も沢山あったけれど
  彼女と共にする作業は
  楽しい気持ちも確かにあった。

  だから笑みを浮かべて彼女に視線を向けて。
  くすり、と互いに笑いあっただろうか。 ]*
(@30) 2020/09/29(Tue) 18:33:45

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─表彰式・宮廷 舞踏用大ホール─



[上位2位までの名が次々と呼び出され、
最後に告げられた最優秀者の名。>>81>>82
紛うことなき、あの子の名。


名前を告げられると、彼女はまるで
呆然とするかのように立っておりました。>>144
周囲がざわつき始めようとした、次の刹那。]
(201) 2020/09/29(Tue) 18:34:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (あああ、あらあら…………。)


[彼女の近くにいた子供達が>>145
わっと歓声を上げたかと思うと、
ぴょんぴょん跳ねて彼女に飛びつきました。


のしかかられて、ぺしゃんと座り込む
彼女の姿を周囲が微笑ましそうに見ています。
一部子供達が泣く様子を見て>>145
貰い泣きした者もいたようですが。]
(202) 2020/09/29(Tue) 18:35:17

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『ご兄弟のことは私達が
  責任を持ってお側で守りますから、
  どうぞ宮廷楽長様の前へ。

  エヴィ様を含め6人まででしたら
  一緒に連れて行けますから
  連れて行きたい誰かがいれば
  その方もご一緒にどうぞ。』



[子供達を撫でながら立ち上がった彼女へ>>145
裏方が慈しむように微笑みながら
彼女にそう提案しました。

誰か連れて行くようなら、もう一人の裏方が
彼女と向かう子供達の手を取り、
話しかけた方が残る子供達のことを
代わりに見ていてくれるでしょう。

子供達がお留守番するようであれば
『あの偉い方がね、お姉さんとお話ししたいから
 お姉さんのこと静かに待ってくれるかな?』と
にっこり人好きのする笑みで子供達に語りかけながら
代わりに面倒を見てくれることでしょう。]
(203) 2020/09/29(Tue) 18:35:46

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

 『本年度の最優秀者エヴィ。
  君も知ってる通り、最優秀者には
  この国の宮廷楽士となる権利が与えられる。

  とはいえ、突然のことだ。
  ともすれば人生が変わる選択肢でもある。
  決断までに3ヶ月の猶予期間を与えられるから
  じっくり考えて決めると良い。』




[猶予期間の旨、断れる旨。
最優秀者選出から3ヶ月のうちに決めれば良いと
普段厳しげな印象を与える宮廷楽長が、
どこか優しげな笑みで伝えます。]
(204) 2020/09/29(Tue) 18:36:26

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

     『────おめでとう。』




[最優秀者には賞状とピンバッジの他に
宮廷楽士の証と同じ、王国の紋章付きの
銀の中央に分野を表す線を引かれた布付きの胸章を
箱の蓋を取り、中身を見せたのち再度閉じて
楽長は彼女に差し出したのでした。



   楽士が腕章として使う布と全く同じもの。>>0:28




布の中央に引かれた線は、声楽の証である
茜色……あの
夕景
と同じような色。
宮廷楽士に値する実力の持ち主の証として。]
(205) 2020/09/29(Tue) 18:38:10

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[周囲から盛大なる拍手と歓声が響きます。]



    『────おめでとう』




[最後に、楽士の一人が布を敷いた盆を
恭しく運ぶと楽長の横から差し出すように
盆を突き出しました。


  盆の上に載っているのは1つのティアラ。
  イチイの葉と実を意匠として模った、
  光沢が抑えられた金色のもの。


それを楽長が手に取ると、彼女の頭上に掲げ
ティアラを載せようと腕を伸ばしました。]
(206) 2020/09/29(Tue) 18:38:52

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  『今年の最優秀者に、
盛大なる拍手を!!』



[そう宣言すれば、今までの中で一番と言っても
過言ではないどよめきと拍手が鳴り響きました。
その後は他の彼らとともに元の位置まで戻るよう
裏方達が誘導してくれたことでしょう。]
(207) 2020/09/29(Tue) 18:39:25

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[もしも彼女と視線が合ったなら]


  (おめでとう)



[私は口だけを動かし、そう笑って彼女を讃え
とびきりの笑顔を向けたのでありました。]
(208) 2020/09/29(Tue) 18:39:48

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後に発表される審査員特別賞で
前代未聞のことが起きるとは(今は)預かり知らぬお話。
>>151>>152>>153>>154>>155


また、最優秀者とその快挙を成し遂げてしまった
彼らとの関連性もまた、今の私は知らぬままに。]**
(209) 2020/09/29(Tue) 18:40:20

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

とある酒場にて



>>132 ニコロは過去を思い出しながら
悲しみと嫉妬とそして幸運
そんな気持ちが伝わるような音を響かせた

彼のヴァイオリンから響く音は
年代物のヴァイオリンだけあり
高音もがなり過ぎない
美しいゆったりとした音を奏でた

ニコロはまた、弾き終わるとバーカウンターに
戻ってきた。

答えになったかはわかりませんが、私の後悔を
音にのせてみました
けれど、やっぱりまだまだ私には音に
過去をのせるのは
無理だったようですね…

長くなりますが、少し私の馬鹿な過去を語らせて
ください…

[ ニコロそう言うとひとり独白した
(210) 2020/09/29(Tue) 18:41:54

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

ニコロという男について


簡単に言いますと
世界を知らない馬鹿な子供だったんです

暖かい屋根のある教会で
お腹いっぱい食べられて
遊ぶ友達も
勉強を教えてくれる牧師様もいて
そんな暖かい教会を私は飛び出したんです

牧師様はいつも「この教会の敷地の外に出てはいけません。外はとても危険なのです。」
そう言っていたのに
教会から出れないその環境が幼い子供には物語の中に出てくる牢屋のように感じて…

教会は街から離れた森の中にありました
そこから゙彼女゙と私は抜け出して、たどり着いた街は荒れ果てていました
私の母国はどうやら、当時内乱があったそうです
街の外には薄汚れた服を来た人ばかり
どの人も目は落窪みやせ細って
絵本のゴブリンのようだと思いました

小さな子すら襤褸を纏ったような…骨と皮の状態で瓦礫の横に蹲っていました

そう、私はあの教会がどんなに私たち子供を守ってくれていたのか知らなかったのです
(211) 2020/09/29(Tue) 18:43:42

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

彼女はとてもショックを受けていて
私もこの現実を信じたくなくて
そのせいで気づくのが遅れてしまいました

大柄の男性が小さな彼女の体を押さえつけニタニタと笑っていました
私は彼女を取り戻そうと手を伸ばし

ガッ

後頭部を何かで殴られてそこから記憶はありません

そして、私たちは本物の牢屋に入れられ
奴隷として売り出されることになりました

「ニコ…ごめん。わたしがそとにでたいなんていったから」
(212) 2020/09/29(Tue) 18:43:52

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

彼女のいつもの太陽のような笑顔は見る影もなく

「ううん。ぼくがちゃんと止められなかったから。だいじょうぶ!きっと牧師様たちがたすけてくれるよ!」

そう励ましても彼女はぽろぽろと
涙を流していました

悔しかった
その笑顔を守ってあげられない自分自身の不甲斐なさに…
(213) 2020/09/29(Tue) 18:44:16

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

What a friend we have in Jesus,all our sins and griefs to bear!What a privilege to carryeverything to God in prayer!O what peace we often forfeit,O what needless pain we bear,all because we do not carryeverything to God in prayer 」

彼女がいつも歌っていた賛美歌を
どうにか彼女にいつものように少しでも元気になって欲しくて歌いました

「Have we trials and temptations?
Is there trouble anywhere?
We should never be discouraged;
take it to the Lord in prayer.
Can we find a friend so faithful
who will all our sorrows share?
Jesus knows our every weakness;
take it to the Lord in prayer.
Are we weak and heavy laden,
cumbered with a load of care?
Precious Savior, still our refuge;
take it to the Lord in prayer.
Do thy friends despise, forsake thee?
Take it to the Lord in prayer!
In his arms he’ll take and shield thee;
thou wilt find a solace there.」

彼女は「ニコ、いつも口パクだったのに…こんなに、きれいなこえだったのね…」

そう言って優しく微笑んでくれました。

それから、奴隷商がくるまで
ふたりで歌い続けました
どうか、またあの温かな世界にもう一度
彼女と…
(214) 2020/09/29(Tue) 18:45:03

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

「な、なんだお前たちはっ!」

牢屋のある地下室の上をドタバタと
奴隷商や仲間のゴロツキ達の怒鳴り声と
剣戟の音と銃声の音が聞こえました

「い、いまならっ」

私は子供用の檻じゃなかったのか
少し隙間の大きな鉄格子の間から必死に手を伸ばし、鍵を掴み取りました

ガチャッガチャッ

「あかない!はやく!はやく!」

焦っていたぼくは必死に彼女の手枷を取り外しました。
(215) 2020/09/29(Tue) 18:45:36

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

僕はそのまま牢屋の鍵を開けて
彼女を先に逃がしました

「ニコッ!?」

「後から行くからっ
だから、先に教会にっ」

「うん!」

彼女が地下室の横の抜け道らしき所から出ていくのを見た後にほっとして
ぼくは自分が恐怖と疲労のために
熱が出ていることに気づいていませんでした

目の前が暗く、足に力が急に入らなくなり
その場で倒れました


「チッ ガキが一人逃げて嫌がる
しかも、高く売れそうな女のガキの方だ」

「いいから早くずらかるぞ
なんでこの場所がバレたんだよ
あれは聖騎士だっ!あんなヤツらに
勝てるわけがないっ」

そう言っていたのは覚えています
(216) 2020/09/29(Tue) 18:45:58

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

ぼくは男たちにボロ布で包まれ
そのまま別の国に連れていかれ
今度こそ売られました

彼女がちゃんと逃げられたのか
それは、今でも分かりません

私が奴隷にされていた屋敷からにげ
老人にヴァイオリンを渡されたあと

あの国に戻り教会のあった場所に
行きましたが
最初から何も無かったかのように
綺麗に消えていました

そう、まるで魔法のように…

・・・・・・・
(217) 2020/09/29(Tue) 18:46:16

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

この街は幸せな音で溢れています
あの時のあの国の悲鳴と銃声と
剣戟の音しかないあの街を思い出すと
醜くも少し嫉妬してしまうのです

本当に私はダメですね…

けど、私なようやく前に進める
そんな気がするのです

不思議なことに昔から音で
相手の感情や思い出が見えるんです

あ、今嘘だって思いましたか?

ふふっ本当なんです

[ ニコロそう言うと少し明るく笑った ]

昔はこの力も嫌いだったんです
けど、今はこの力があって良かったと
心の底から思います

素敵な出会いがたくさんありますからね*
(218) 2020/09/29(Tue) 18:48:09

【人】 花屋の主 メルーシュ

【コンペ2日目、宮廷前広場での回想】

>>2:167
花束のいっぱいにつまった花籠を抱えていると、花たちの声が重なりハーモニーとなって聞こえる。
その心地よいハーモニーにあわせ、風がそよと吹けばそれにかき消されるほどの微かな声で歌いながら歩いていたメルーシュは、ひかえめにかけられたその声に気が付くと立ち止まった。

振り向いたそこに立っていたのは、ひとりの少女。

メルーシュはにっこりとその少女に微笑みを向ける。
直接交わしたことばは多くはなく、何かの折に聞いた彼女の名前は覚えている。
「こんばんは、エヴィさん」

目の前の彼女は礼儀正しく微笑み挨拶を返してくれるが、なぜだろう、その表情がいつもとは違う翳りを帯びているように思えた。

メルーシュは、彼女が時折花屋に来てくれるときのことを思い出した。
(219) 2020/09/29(Tue) 20:42:17

【人】 花屋の主 メルーシュ

【かつての花屋にて】

>>2:168
彼女はいつも、御使いできたという様子だった。
いくつかの注文を、間違わないようにと慎重に伝える。
まるでほんの僅かでも間違いがあると、恐ろしいことが起こるかのように。

メルーシュも丁寧に注文を確認すると、いつものようにソファを促す。

彼女は果たしてソファに腰掛けたことがあったろうか。

注文は丈の長い花器に活けるための、豪奢さと荘厳さを思わせるような花束。
アマリリスの透き透った白にあでやかな紫紺のリリーを合わせていく。
注文にはできるだけ応えながらも、小柄な彼女が抱えて帰るときに危なくないようなかたちに仕立てる。

やがて、メルーシュは出来上がったその花束をしばし見つめると、うんうんと満足そうに頷いた。
急に声をかけて驚かしたりしないように(彼女は周りの気配にとても敏感だったから)、やや大げさに仕立て上がったことを素振りで伝えてから、「お待たせしました」と声をかけるようにしていた。

少女が花を抱えて店を出ようとしたそのとき、
急にメルーシュは「ごめんなさい、ちょっと待っていただけますか?」と声をかけた。(このときばかりは彼女を驚かせてしまって、ごめんなさい)

少女からもう一度花束を預かり直すと、丁寧にリボンをほどく。
そして花束のかたちを調整しながら、今度は、小さなスズランの花束をアクセントのように添えて結びなおした。

彼女のもとに行きたいというスズランの願いをかなえるために。

「スズランです。枯れやすいのでよかったら【花束を活ける前に外して】水に浸してあげてください」

(できることなら、あなたのそばにわたしを飾っていただけたら)
声ではないその声が、果たして彼女に聞こえただろうか。]
(220) 2020/09/29(Tue) 20:47:26

【人】 花屋の主 メルーシュ

メルーシュはいつも願っている。

花たちが、その内なる生命をすべてかけ、最も美しく咲けるようにと。
そしてその花を、心から美しいと愛してくれる方と出会えるようにと。

エヴィさんのそばにいることを願ったスズランは、
きっと、その可憐な見た目には不似合いなほどの強引さで、
きっと彼女のそばで、美しく花を咲かせてくれたと、メルーシュは信じずにはいられない。*
(221) 2020/09/29(Tue) 21:17:32

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―



[ 4位という結果に茫然となりながらも
  鉛のような体を無理やり動かし、
  機械仕掛けのように賞状を受け取った。>>124


  メイレン・シュレグマーの顔を直視できず、>>146
  審査員席から目をそらしてしまう。
  順位決定までの紆余曲折や、彼女の抱えたジレンマを
  知る由もなく。>>146>>147>>148



  ……午前中の王立劇場ロビーの演奏会で感じた、
  
『これは彼女が俺達に向けた演奏だ』

  という確信は?>>185


  ……終演後のカーテシーの後、くすりと笑った彼女の
  『昨日のあなた達とおんなじね』>>186
  とでも言いたげな目は? ]


    ……すべては俺の妄想だったのだろうか?    

  
(222) 2020/09/29(Tue) 22:21:57

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 受賞者発表はまだ続く。
  賞状を持って元いた場所に戻り、>>149
  とりあえず最後までは帰らずにいようかと
  うわの空で司会のアナウンスを聞いていた。


  言葉を失う司会者にも、ざわつく会場にも
  もはや関心がなく。>>150
  床の一点を見つめながら
  一人、敗北を噛み締めていた。


  ───その時。 ]
  
(223) 2020/09/29(Tue) 22:22:39

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ 名を、呼ばれた。 ]

  
(224) 2020/09/29(Tue) 22:22:53

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[  ───審査員特別賞。

  そんなものがあるなど、知らなかった。
  審査員全員の総意でなくとも、一人のプロを
  惹きつけられた事実に、
  わずかばかりの救いを感じていると、 ]


    『続きまして、平台奏者であり
     メニュレー男爵令嬢
     メイレン・シュレグマー様の
     審査員特別賞は────』


    
(─────えっ!?)




[ ふたたび告げられるのは、
  自分らのグループ名。>>152>>153
  
(225) 2020/09/29(Tue) 22:23:44

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ その後、自分らのグループはさらに2度呼ばれ、
  計4つの審査員特別賞に選出された。>>154
  中には宮廷楽長の賞も含まれており。>>155

  コンペ開始以来初めての前代未聞の事態だそうだ。


     
そこで初めて、総合順位選出に何らかの
     紆余曲折があったのではと想像が飛ぶ。
     が、自身は3位のテノール歌手も
     2位の雅楽奏者も、自分の目で実力の程を
     知る機会はない。
     真相を推し量ることもできないと、
     その想像を胸の内にしまった。



  いまだ状況が呑み込めないままに、
  再度、前方に移動する。
  自分たちに向けられた拍手は
  動揺に満ちていて、しかし何やら
  恍惚とした音に聞こえた。    ]
  
(226) 2020/09/29(Tue) 22:25:45

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 会場前方にて、各審査員による
  褒賞の説明を受けたのち。>>156


  メイレン・シュレグマーと初めて面と向き合い、
  授与を受けながら、
  直接掛けられる言葉に。>>157


  本番の興奮と、彼女とのやり取りが思い出され
  先程とは全く逆の理由で >>222
  目の前の顔を直視できない。


  目を数度しばたいて、つと顔を上げ。
  満面の笑みのメイレン・シュレグマーから
  賞状を拝受した。   ]
  
(227) 2020/09/29(Tue) 22:34:27

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン



[  受け取った賞状は、他のどれよりも
   熱をもって、手の中で震える。         


   昨夜の気概はどこへやら、
   不覚にも揺れ霞む瞳に
   彼女は、気づいただろうか。  ]*
  
(228) 2020/09/29(Tue) 22:35:33

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  ―― とある酒場 ――



[ >>210
  彼はヴァイオリンを構え
  弓を弦の上にそっと置いた。


  伸びやかな音が
  ゆったりと、深く響き渡る。


  彼の旅の道のりを現すような
  重厚で美しい音色。


  
最初に彼の話を聞いた時>>2:20
自由に旅をして来た彼に
少し羨望を抱いていた。



  ただその音は
  泣くような悲しみを奏でる。 ]
  
  
(229) 2020/09/29(Tue) 22:44:40

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ 演奏が終わると
  彼はバーカウンターに座り
  静かに話し始めた。>>210

  教会から外の世界に飛び出した幼き子供。

  2人が目にしたのは
  内乱、荒廃した街。>>211
  
そして……絶望。


  
  大人たちは彼らを守るどころか
  牢屋に入れた。>>212


  少年は怖くて震えただろう。

  
  それでも少年は賛美歌を歌い>>212
  太陽のような笑顔の少女を
  死に物狂いで助けた。>>215 ]
  
(230) 2020/09/29(Tue) 22:55:11

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ でも彼は最後に
  ようやく前に進める、
  そんな気がすると笑った。>>218


  彼を繋ぎとめたのは
  今まで出会ったきらきらした音なのか。

  弾くごとに豊かさを増し
  弦の触れ方でどんな音でも表現できる
  ヴァイオリンだったのか。 ]
  
(231) 2020/09/29(Tue) 23:03:58

【人】 楽器リペアマン ティグレ


  この街には幸せな音が沢山あるよね。
  
  そのヴァイオリンの音色も綺麗だった。

  もし思うように弾けなくなったら
  またうちの工房に来てほしい。


[ 黙って話を聞いていたティグレは
  彼にそう告げた。 ]*
  
(232) 2020/09/29(Tue) 23:13:56

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

─表彰式後・夜 宿最上階─



[ 長い一日が終わり、
  宿に戻ってようやく一息つく。


  4つの審査員賞に加え、技術賞も受賞した彼らは
  合計6賞を総舐めにしたとして
  今日一日で人々の話題に上ったようだった。
  むろん賛否は多く、結果を良しとしない者たちも
  少なからずいたようだが。
  

  受け取った賞状・ピンバッジの類を整理し、
  各審査員からの褒賞を確認すべく
  メイレン・シュレグマーからの封書を開封する。]
  
(233) 2020/09/30(Wed) 0:13:22

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ───そこには、手紙が同封されていた。>>-205


  聞くに、審査員特別賞の規定では
  各審査員が用意した3つの褒賞から、
  1つを選んで受け取ることができる
  というものがある。>>156


  手紙にはその詳細についてと、
  ……そして、メイレン・シュレグマー本人からの
  6人組への賛辞の言葉が並べられていた。 ]
  
(234) 2020/09/30(Wed) 0:15:20

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 彼女は3つの褒賞において
  俺らの音楽が広く普及するための道を
  模索してくれているようだった。>>-207

  また手紙の中には、
  俺らの音楽が一部の者から反感を買っていること、
  それでも彼女は俺たちを応援しているということ
  そして良き好敵手として認めている、という
  ことも記されていた。>>-206


  
   
好敵手など。とんでもない。

    ロビーの演奏が終わった後、観客の噂で聞いた。
    彼女の即興が、あの中に2曲あったと。
    >>98>>105

    彼女は俺の即興を見破ったが、
    俺は全く分からなかったのだから。>>174

    俺はまだ彼女に到底至らぬ存在。
    それは、彼女の演奏を目の当たりにした
    時から感じていた事だった。]
  
  
(235) 2020/09/30(Wed) 0:17:44

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 最後は、彼女が音楽界に寄せる思いの丈を
  窺わせる言葉で、
  手紙は締めくくられていた。>>-208
      

  そのあとに、とても彼女らしい一言を……
 
『次は直接仕合いたい』
という言葉
  を添えて。>>-209    ]
  
(236) 2020/09/30(Wed) 0:18:05

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  ―― 楽器工房 ――



[ 夜更け過ぎ。
  かたりと扉を開き、工房へ帰ると
  珍しくじいさんが
  まだ作業をしているようだ。


  昨日ニコロさんに
  自分の道を後悔したことはないか
  訊ねたのは、恐らく聞こえていただろう。
  >>2:79


  普段と変わらず何も言わないじいさんに
  いつもならすぐに部屋に戻る。

  今日はどうしてか、コップに水を入れ
  カウンターに腰をかけた。 ]
  
  
(237) 2020/09/30(Wed) 1:25:54

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ じいさんはヴァイオリンの板を削る。
  削り方によって音量、音質が変わる。

  教えてもらわなくても
  子供の頃からずっとこうして見てたから
  微妙な具合まで頭に入っていた。 ]


  
なんでアタシは
じいさんのようにはなれなかったの?


  
(238) 2020/09/30(Wed) 1:33:28

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ コップを握り締め
  なぜかそんなことを呟いていた。
  返事がないことくらい、分かってた。
 

  コトっと音がする。
  顔を上げると
  じいさんは工具を置いていた。


  
「リペアマンは素晴らしい職業だ。」
 ]
  
(239) 2020/09/30(Wed) 1:40:28

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ そんなことを言われたのは
  初めてだった。


  この楽器工房で出会ったお客さんらを
  思い出す。
  誰しもが自分の大切な楽器を抱えここに来て
  楽器への想いを語り
  アタシはそれを聞き、調整や修理をした。
  >>2:227


  ニコロさんは自身の過去に沈黙した。
  >>2:111
  それでもヴァイオリンを弾き
  何層にも重なった深い音色を奏で
  微笑んだ。>>218 ]
  
(240) 2020/09/30(Wed) 1:47:00

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ 一緒に煙草を吸ったエリクソン。 
  >>2:138

  その演奏に留学先で感じた自由を思い出し
  その音を全身で求めた。
  アタシの求めていたものがそこにあった。
  >>2:268

  一筋の涙
  そっと柔らかな気持ちに
  触れた気がしたけれど>>2>>3

  ぐっと拳でそれを拭った。 ]
  
(241) 2020/09/30(Wed) 1:49:55

【人】 楽器リペアマン ティグレ


  
  
リペアマンが素晴らしい職業だなんて
知ってるよ。



[ 消えるような声で、
  でも力強くアタシは言った。 ]*
  
  
(242) 2020/09/30(Wed) 1:52:14

【人】 花屋の主 メルーシュ

【回想:花屋にて】

音楽祭の季節は特に外国からの来訪者も多い。

先代であるメルーシュの祖母も、音楽祭の季節にたまたま訪れたこのコンセールカリヨンがとても気に入ったため、この国で花屋を始めたのだと言っていた。

ソファに腰掛け、ゆったりと店内を眺めている男性も>>2:228
おそらくは音楽を愛する人なのだろう。

それならば、この季節にこそ音楽とともに歌い、街を彩る花束がいい。

メルーシュが(店先の花たちが相談して)選んだのは、この国でしかあまり咲かないブッシュローズ。
選んだ色は深い青を秘めた紫。

まるでいまそこで摘んできたばかり、というほどの生命力を感じるその花に添えるのは、瑞々しく淡い色合いのグリーンを。

この国が、音楽祭が、お客様にとって忘れられない、素晴らしいものであることを願って。

「お待たせしました」*
(243) 2020/09/30(Wed) 6:06:14
メルーシュは、メイレン様!おはようございます。よい一日になりますように。
(a9) 2020/09/30(Wed) 6:15:27

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの調理実習 
  



   というわけでね。
   今から作るのは、「クッキー」よ。>>@26



[ むん、と音が聞こえてきそうに胸を張って、
  恐らく初めて身に付けられるエプロン
  (なんて可愛らしい…)をぎゅ、と背中で結んで、
  アメリア様は腕まくりをされました。

  レシピ通りにすれば大丈夫、と仰るお言葉に、
  あらアメリア様はお料理をされたことが
  おありなのね、と思って、少し意外な
  気がしました。

  …私のように、毎日毎日炊事洗濯掃除を
  しているような小間使いではなく、
  名家のお嬢様なのですから。  ]
 
(244) 2020/09/30(Wed) 8:13:50

【人】 教会住みの娘 エヴィ


   
   (さすが、お嬢様だわ。
   お料理も、学んでいらっしゃるのね!)
   

[ 頑張りましょう、と仰るアメリア様の瞳は
  いつもの病弱なお姿とはかけ離れた、
  キラキラと輝く綺麗なものでした。


  …と、同じようなキラキラした尊敬の
  眼差しを向けていた私の考えは
  どうやら私の勝手な勘違いだった、と
  気づくにはさほど時間はかかりませんでした。 ]
 
(245) 2020/09/30(Wed) 8:15:38

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 覚束ない手つき>>@29で、ひっくりかえり
  そうになるボウル、
  
(慌てて私が飛びついて
  惨事は免れました)


  混ぜ方が少し、あの、えっと、
  
不思議な動き
だったり
  
(だ、大丈夫です、混ざればなんでも
  良いのです!)


  粉をすりきり量る際などはもう、
  見ているこちらまで手に汗握るような
  それは慎重なご様子で!
  
(ベーキングパウダー以外はある程度
  適当でも大丈夫ですよ、なんて
  とても口に出せないほど!)
  ]
 
(246) 2020/09/30(Wed) 8:20:02

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ それでもひとつひとつ、ご自身で確実に
  成し遂げてはにっこりと笑むアメリア様は、
  とっても誇らしげで、美しい方でした。
  
  例えそのお顔にお粉がついていても、
  可憐なことには変わりないのです。


  ようやくオーブンに生地を入れて、
  二人で顔を見合わせれば、お互いの顔に
  お粉がついているのを指差しては、
  くすくすと笑い合うのでした。


  アメリア様は、これをどなたにプレゼント
  なさるのかしら。
  私?私は… ]*
 
(247) 2020/09/30(Wed) 8:21:53

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかの籠を持ったお花屋さんと 
  


[ 籠いっぱいの小さな花束は、それはそれは
  色鮮やかに、互いの色を引き立て合うかの
  ようにお行儀良く並んでいました。

  私の名前を呼んでくださるお花屋さん>>219に、
  少し目線を上げて。
  名前を知っていてくださったのだなぁと
  驚きつつ、ほわりと嬉しい気持で
  会釈しては笑みます。

  顔の傷が引きつって、上手く笑えたかは
  わからないままに。


  小さな花束を3つ、買いました。
  どうして3つなのか、自分でも首を傾げながら。
  それらは、小さな兄弟に持たせます。
  小さな子たちが、自分が持ちたい、と
  取り合いをしては喧嘩する姿は微笑ましくて、
  少しだけ、心の雲が晴れたような気がしました。

  お花屋さんはどんな様子でいらしたか、
  私はまたひとつ会釈をして宮廷内を
  目指したことでしょう。>>2:167 ]**
 
(248) 2020/09/30(Wed) 8:43:01

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―



[呆然とするかのような>>222
まるで機械仕掛けのような6人組は
体を無理矢理にでも動かすかのようにして
賞状を受け取る姿を見て


逸らされてしまった目に、また少しばかり
痛みを覚えながら彼らを見守った。
彼に生じさせてしまっている誤解には気付けず、
最優秀者に選ばれなかったが故の落ち込みだと>>222


当時の私は思い込んだまま。]
(249) 2020/09/30(Wed) 8:46:31

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後の受賞者発表も>>223
彼はまるで抜け殻のようで、
どこか上の空にも思う。


そちらに気がかりで司会者にも>>150
ざわつく会場をどうとも思わなかった。


  それに、その後の発表は審査員特別賞。
  別の形で、私が彼らに送る……贈る
  もう一つのメッセージ。



私からの審査員特別賞発表を
静かに待とうとしたその結果……]
(250) 2020/09/30(Wed) 8:46:51

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[予想外の事態に、
ひどく驚いてしまいましたけど!>>151>>152]
(251) 2020/09/30(Wed) 8:47:10

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[その後も彼らは次々と名前を呼ばれ、>>226
4賞もの審査員特別賞を獲得という結果に。


私も内心驚きのまま、
前方へ再度向かう彼らの方を見やり
授与の順番を静かに待ちました。


いざ私の番になると>>227
理由は分かりませんが、
どうも直視出来ない事情は察しました。]
(252) 2020/09/30(Wed) 8:47:34

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[しかし目を数度瞬いたかと思うと、>>227
つとその顔を上げ賞状を受け取ってくれました。]


  ……あら、どうしたの。
  あなた達でも緊張することあるのね?


[震えるような手、揺れ霞むような瞳。>>228
何だか舞台で私に呼びかけた彼と
同一人物には思えないような態度の違いに。

誰にも聞こえぬよう、まずそっと小声で
態と囁くように言葉を告げました。
もし緊張由来であれば、少しはほぐれるかと思って。]
(253) 2020/09/30(Wed) 8:48:25

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[そして]



  あなた達がこの国を、国民を。
  そして私達を信用し、
  遥々此処へと訪れてくれた。


  理由が何にせよ、
あなた達が演奏で示した

 「自分達」の実力という問いに
  私から返すあなた達への答えがこれよ。




[これまた誰にも聞こえぬよう、
小声でそっと呟きながら。]
(254) 2020/09/30(Wed) 8:49:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  とにもかくにも、おめでとう。
  我が国初の快挙を成し遂げた
  若き英雄さん達。

  ──────また明日、会いましょう?




[最後まで小声のまま、
明日の演奏の約束も楽しみにしていると
6人組へ暗に告げて。


そして次の審査員へ授与を交代するために>>154
その場を譲ろうと、左足を後ろに下げた。]*
(255) 2020/09/30(Wed) 8:49:58

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 いつかのお使い お花屋さん 
  


[ いつだってお花屋さんはいい香りで満ちていて、
  お使いにくるたび心は浮き立つのです。

  それでも注文は決して間違えないよう、
  ひとつひとつ慎重にお伝えするのが常でした。

  お花屋さんは、同じようにひとつひとつ
  丁寧に繰り返しては確認して、
  いつもと同じようにソファを勧めてくださいます。

  腰掛けることはなかったけれど、
  よく手入れされているように見える
  美しいソファは、たくさんの方が
  このお花屋さんを贔屓にしていることを
  表しているようでした。  ]
 
(256) 2020/09/30(Wed) 9:41:52

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ ややあって、受け取る注文の花束。
  教会に飾るための、白と紫の、長いもの。
  
  お待たせしました、と仰るほどには
  いつだって待ち時間はありません。
  ついついじっと見つめるその方の手つきは
  流れるように無駄なく素早くて、
  あっという間に花束ができていくのですから。

  そうして御礼を言って、お代を渡して。
  店を出ようとした私を呼び止める、声。>>220

  少し驚きながら、言われるがままにまた花束を
  お渡しすれば、仲間に加えられる、
  小さな白い花たち。  ]


   
 (…生ける前に、外して、飾って…)



[ それは、もしかして、私のために、なんて。

  …とても直接お伺いはできない私は、
  深く深く頭を下げ御礼を伝えました。  ]
 
(257) 2020/09/30(Wed) 9:45:03

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 抱えた花束に目をやれば小さないくつもの
  白い花が、りんりん、と音を奏でるように
  揺れる様がとっても可憐で。
  

  その花たちが、自分から、私のもとへ
  行きたいと言ってくれたなんて、
  思いもしなかったのだけれど!
  



  神父様には内緒で、こっそり、
  私の寝起きする部屋に飾ってみました。

  それは、色の失せたような生活のなかで、
  確かに私を優しく癒してくれたのでした。]**
 
(258) 2020/09/30(Wed) 9:47:20

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

−衣装選び

[ 洋服を選ぶとなると、自分のものでなければ
  代金を考えてしまうものなのだろう。
  目の前の可愛い女性の小さな言葉を
  その耳で拾ったフィオーレは
  くすりと笑っただろう。          ]


”では、いつの日かシュネーヴェか、テールエールデへ
遊びにきてくださいな。
そして、私の目の前で歌ってくださいますね?”


[ そう言って、好きなものをどうぞと改めていうと、
  彼女はにこりと笑ってどれが選ばれるのか、
  楽しみにしていた。              ]
(259) 2020/09/30(Wed) 11:17:09

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

フィオーレ様、こちらの方の準備はいかが?

“ちょうど服を選んだところです!
後は、着丈が合えば、すぐにでも向かえますよ。


[ オレンジのワンピースが選ばれたあたりのこと。
  扉が開いて現れたのは、別室にて
  子供たちを着替えさせていたミュシカ。
  着替えを手伝えば、
  自信を持って首を縦に振るだろう。      ]

とっても綺麗。
少し、顔の傷も癒えたようで安心したわ……
さ、そろそろ時間だわ。行きましょう。

“私も途中までご一緒します!先ほど、いつかシュネーヴェかテールエールデに遊びに来てくださいねって
お願いをしたところだったのですよ”


あらあら、そんな余裕が出来るかしら…


[ オレンジ色のワンピースを着たエヴィを挟むように、
  ペールピンクのドレスを着たフィオーレと、
  オフホワイトのドレスを着たミュシカが並ぶ。
  くすりと笑って、そんな会話を続けれていれば、
  フィオーレは途中で離れることだろう。     ]

“私たちの席はこちらのほうですので、
またいつかお会いしましょう、とても、素敵なお嬢さん。”
(260) 2020/09/30(Wed) 11:18:58

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

[ 軽く会釈をして、彼女は少し離れたところにいた
  自分の婚約者のもとへと歩いていってしまった。
  ミュシカは、子供たちがもう少し先にいることと
  エヴィ同様湯浴みをして可愛い服を着せたことを
  明るく伝えるのだった。

  しかし、そんな彼女にも一瞬だけ
  曇った表情を見せた。            ]

そんなに、かしこまらないで?
わたくしは、ただ与えるべきものを与えただけ。
もちろん、私が持ち得ないものは
わたくしのお友達が与えてくださっているのだけれど。

[ 平伏した彼女を見ると、頭を上げるように呟く。
  そうされたくて、身分を話さなかったわけではない。
  ただ、普通に、年齢相応の扱いを、
  目の前の彼女に受けて欲しかっただけなのだ。  ]


後で、大切なお話があるの。
また、迎えに来るわ。

[ 真剣な眼差しで彼女にそう伝えると、
  先にホールへと連れて行っていた子供たちと
  合流し、彼女はその場から離れるだろう。
  立たなければならない場所へ、
  誰かのエスコートをうけて。        ]*
(261) 2020/09/30(Wed) 11:19:30

【見】 病弱貴族 アメリア

─ 女二人の調理実習 ─


[ 焼きあがったクッキーを
  オーブンから取り出せば
  香る匂いに二人して歓声を上げただろうか>>247

  美味しそうな焼き色になった
  少し歪な、様々な形のクッキー。

  一枚手に取って、少し行儀悪いと思いながら
  味見をしてみると、素朴な味わいながら
  良い出来のように思えた。 ]
(@31) 2020/09/30(Wed) 11:34:20

【見】 病弱貴族 アメリア



   あとはちょっと冷まして
   ラッピング、かしら。


[ 袋もリボンも、色々なものを用意している。
  彼女となにがいいだとか、こちらの方が
  可愛いだとか。

  そんな相談をしながら、
  いくつか包みを作れれば。

  そのうちの一つを、両の手のひらにのせて
  彼女に差し出した。 ]
(@32) 2020/09/30(Wed) 11:34:42

【見】 病弱貴族 アメリア



   今日は付き合ってくれてありがとう。
   私、とても楽しかったわ。


[ いつもお世話になっているお礼と
  これからもよろしく、という思いを込めて。

  軽く粉を落とせばティータイムにしようか。
  今日作ったクッキーをお茶請けに、
  物陰から見守っているだろう
  従者を呼んで>>-279 ]*
(@33) 2020/09/30(Wed) 11:34:56

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―回想―

 
―表彰式・宮廷 舞踏用大ホール―



   『……あら、どうしたの。
    あなた達でも緊張することあるのね?』


[  周囲に聞こえない位の小声で、そう囁かれる。
   精一杯押さえ込んだ感情は、
   彼女の前では無意味だったようだ。>>253


   そして、また一つ、掛けられる言葉。
   4つの審査員特別賞。
   これは彼女たち審査員の、
   自分らの演奏に対する答えだと。>>254   ]
(262) 2020/09/30(Wed) 11:36:25

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


    ───また明日、演奏会で会いましょう。



[ そう告げられ、>>255
  『勝負』はまだ終わってないことを思い出した。


  水膜で滲む視界を
  再度目瞬いて振り払う。


  そして、
  「もとよりそのつもりだ」とでも言うように
  今度は正面からメイレン・シュレグマーの顔を捉え
  口角を結んで微笑ってみせた。  ]*
  
(263) 2020/09/30(Wed) 11:44:06

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−時は戻って明け方

 [

    一連の騒動後、アメリアを屋敷へと送り届け、
    もう1人の女性を宮廷へと連れてかえってきていた。
    ウェールズ自身も、あれからそのまま
    宮廷内に滞在していた。
    勿論、ことの次第を全て話すため。

                          ]


    以上が、ことの一部始終となります。


 [

    ウェールズが話し終わると、
    目の前にいたこの国の最高権限は
    首を縦に振った。

                     ]
(264) 2020/09/30(Wed) 11:45:40

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

お疲れ様。オーランジュちゃんからの頼みは
なかなか断れないから、驚いた。
それで、女の子は今寝てるんだっけ。



王妃様がお部屋をあつらえたようです。

そっかぁ。それなら、安心だね。
護衛はつけてるだろうけど、
心配なら行ってきていいよ。


それでは、お言葉に甘えて。
(265) 2020/09/30(Wed) 11:46:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─表彰式翌日朝・居住区─


[表彰式から一夜明け、
ぐっすり睡眠をとったおかげで
疲れも然程残らず快適な目覚めとなった。]


  おはようファラリス。
  今日は何を食べるの?


[いつものように朝食を作ろうと
台所に向かい、ファラリスとともに調理をする日々。
一軒家とはいえ大きさは屋敷と言えるほど大きくもない。
使用人もそういないのだからこれで十分。

フライパンを熱し、バターを入れれば
溶いた卵にチーズを混ぜて
チーズ入りのオムレツを焼き上げます。]
(266) 2020/09/30(Wed) 11:46:37

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[隣では燕麦の粥が煮える匂い。
今日は牛乳を入れ、そこにアカシアの蜂蜜を加え
甘くして煮るようです。


干した杏に干し葡萄を刻み、
ファラリスが鍋をかき回しながら
くつくつと弱火で煮込んでいきます。]


  ファラリスはそれだけで足りる?


[表彰式終わり、審査員控え室に届けられた
無花果のジャムを乗せたクッキーや
椎の実を入れたパンも出しましょうか?と
それぞれ提案して。]
(267) 2020/09/30(Wed) 11:46:51

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[飲み物は梨を発酵させて作ったペリー酒を加熱し、
酒精を飛ばしたものに炭酸水を加え割ったもの。
季節の恵みに感謝し、食事を終えたところで
届いたのは配達人の声。]



  (宮廷か、生徒達かしら。)



[ファラリスが勝手口の方へと向かい
幾つか手紙を持って来る。
予想通り宮廷と、留学先や
国内を回る生徒達の手紙が大半。


ただ、一つだけ違っていたのは
『グランソ・シュトランド』という
1日目の会場に近い宿から届いた手紙。
>>-264>>1:106>>1:65]
(268) 2020/09/30(Wed) 11:47:06

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[この宿から手紙が届く心当たりに思い浮かばず
慎重に手紙を開け、中身を取り出し>>-260
内容を読み解こうと目を見やれば]


  (嗚呼……あなたね。)



[差出人の正体は、直ぐに分かったわ。>>10>>-260
審査員特別賞及び4位入賞の拝受。


私が彼らに指摘したことについて>>-260
見破られたと感じ、
空恐ろしささえ感じたこと。


しかし良い経験でもあったということが
そこには書かれていて。
素直に述べられた感想のようにも思え、
若者を見守る老人のように(実際そうなのだけど)
手紙を眺めていた刹那。]
(269) 2020/09/30(Wed) 11:47:28

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

 [

    まだ深夜のこと。部屋に向かった時には
    深い眠りの中にいた彼女。
    それを起こさぬよう、終始見守ったことだろう。

    そして、明け方になって彼女が目を覚ませば、
    静かに、おはようと声をかけるだろう。

                         ]


   アメリア嬢は、心配しなくていい。
   彼女の屋敷の人間が手厚く気がけている。


 [

    矢継ぎ早に出てくる質問に、
    ある程度は答えただろう。
    勿論、お茶を濁した返答も中には
    あったかもしれないが。

                     ]
(270) 2020/09/30(Wed) 11:47:29

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (もう褒章決めたの!?

   まだ3ヶ月の猶予があるのだから
   ゆっくり決めていいのよ!?)


[『国内巡業公演』を選ばせて欲しいという一文に
思わず心の中で突っ込んだら、>>-205>>-261
その続きには尤もと思えるような理由が綴られており、


  考えずくの彼ららしいと、>>2:248>>2:258
  今度は一転して愉しみを覚えた。


何より彼ら自身が地方を巡ってくれるのであれば
こちらとしても願ったり叶ったりよ。]
(271) 2020/09/30(Wed) 11:47:58

【人】 宮廷楽士 ウェールズ


   ……ようやく名前を聞けたな。
   初めまして、俺はウェールズ。
   ウェールズ・コンスタンス。
   まだ夜も明けきってないから、
   もう少しお休み、エヴィ嬢。

 [

    そう言って、彼はまた彼女を寝かせるだろう。
    次に起こしてくれるのは彼ではなく、
    エヴィと同世代の王女たちではあるのだが。
    彼女が眠りに落ちれば、
    彼もその場を後にして、自分の邸宅に
    戻っていくことだろう。
    表彰式に間に合うように、
    午前中しっかりと寝るために。

                        ]*
(272) 2020/09/30(Wed) 11:47:58

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[けれど、次の内容には>>-262]



       ────えっ?




[思わず素で声が出てしまったわ。
リジィ第三王子殿下に音盤をお貸ししたこと
(※ただし返ってきていない)
>>0:51>>0:52>>0:53>>0:54>>0:55>>0:56


まさか殿下とお話ししてそれを知っていただなんて。
けれど音盤と彼らの結び付きの経緯により
殿下の招聘の一要因になっていたと聞かされても、
覚えが無さすぎてピンとこない。]
(273) 2020/09/30(Wed) 11:48:30

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  ……えっ……えっ?
  そう、だったの?



[何だかよく分からないけど、私の行動が
結果輝かしき才能を此処に連れて来れたのであれば
当時の私と第三王子殿下お手柄だわ、と
心のうちで褒めて。>>-262



   彼が書いた通り、もしかしたら。
   1つでも欠けたら成り立たない要因が
   重なりに重なって引き起こした
   一つの運命……奇跡だったのかもと




運命という言葉に、不思議としっくりくるかのような
そんな心地を覚えたのでした。>>-262]
(274) 2020/09/30(Wed) 11:48:57

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[最後にはまるで私の今までの行動と
これからに対する小さな声援のようにも思え、>>-263
無意識に顔が綻んでいたことには気付きません。]



   (ええ、任せて頂戴な。)



[第三王子殿下の手助けも、>>-263
才能の拾い上げも……
行けるところまで行ってみせる。

殿下が我が国と新たな才能達に必要なのは
私も全くの同感だもの。]
(275) 2020/09/30(Wed) 11:49:31

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  アレキシ・イングヴァル・ベルイマン……
  その名前、覚えたわ。


[一見すれば誰のことなのか分からない名前。
けれど追伸を見れば正体は確定したも同然。>>-264

奇しくも吐いた一言が彼と同じようになってしまったけど
午後に向けて私の闘志に火をつけるには十分過ぎた。>>10
私もまた書斎に向かい、真っ先にペンを取り
彼らに……彼に向けた手紙を綴る。]
(276) 2020/09/30(Wed) 11:49:50

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[例え彼らが好敵手などとんでもない。>>235
そう感じようと、私の心に対し
ここまで火をつけたというのもまた事実。


まだ至らぬと感じていようとも、
超える可能性など0ではないのですから。]*
(277) 2020/09/30(Wed) 11:52:53

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─表彰式翌日・舞台付き屋外庭園(午後)─



[予定通り開催された、1日目の舞台。
この舞台付き屋外庭園に私は
3番目の奏者として演奏をする。>>1:1>>1:2


場所は屋外なので華やいだ印象の曲は必須、
しかし宮廷にも程近いので
昨日のような楽曲はさすがに不向きでしょう。
と言いつつ昨日はホールで演奏してしまったのですけど



午前のうちに微調整を済ませ、天候と風向きを考慮し
当初予定した曲を変更しながら
脳内で構成を組み立てていきました。]
(278) 2020/09/30(Wed) 12:37:37

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[思い出すのは昨日の表彰式。>>263
最後に口角を上げて微笑ったあの顔。
少しばかり視界が潤んでいたように見えたけど、
最後はあの目付きが戻ったような気がして]




    (────いよいよね。)



[果たして、彼らの姿は見つかるかしら。
見つけた時はまたあの不敵な笑みで迎えましょう。>>30
カーテシーをして私は竪立の元へ。]
(279) 2020/09/30(Wed) 12:38:07

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私の登場は3番目、この演奏最後の出演者。
歌劇の終幕のような華やか且つ人々が体を揺らし
リズムに乗れるような曲を。


  まるで歌劇歌手が最後の大団円を
  高らかに歌い上げるように。


しかし、最後の箇所にいつもとは違う
合言葉のような掛け合わせの箇所を取り入れて。]
(280) 2020/09/30(Wed) 12:38:26

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[次には打って変わって変調を加え
不穏な要素を入れた旋律を。
これもまた、彼らの影響。>>2:231



    まるで暗い森に迷い込み、
    暮れゆく日に不安を抱えながら
    延々と彷徨い混んでいるかのように。




周囲の観客が何やら不安げに
そわそわする様子を肌で感じる。
心にふと過ぎる思いを別の伴奏で加え、
突如────不安定なまま、止めた。]
(281) 2020/09/30(Wed) 12:38:53

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[1拍置いて、次にゆったり奏でるのは
ある意味宮廷楽士らしい優しい奏で。
これは本日の天候を見て考えた即興曲。



    遥々この地を訪れた彼らへの労い。
    その才能に出会えた喜びと、
    あの手紙を読んでこそ感じた

    ────彼との約束。>>-263




あの、運命のようなものを感じた。>>-262
その言葉を噛み締めていくかのように。
やがて最後の音を優しく弾き終えれば……] 
(282) 2020/09/30(Wed) 12:39:22

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[最後に響くは音色の推移と階調。
スタッカートによる迫り来る音を入れ、
大胆でありつつも宮廷音楽としても
十分に入れられる範囲を模索した1つの試作曲。



    この国はどうだったかしら?
    この国の音楽は、人々は────
    私の音楽は、あなたたちにどう影響したかしら?




────気を付けてお帰りなさい。
また会いましょう、敬愛なる好敵手のあなた方よ。
あなた方の地でもどうぞお元気で。]
(283) 2020/09/30(Wed) 12:40:11

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[私もいつか、あなた方の地へ!]
(284) 2020/09/30(Wed) 12:40:34

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして全ての演奏を終え、
カーテシーをして舞台を降りたのでした。


昨日のように口々に声を掛ける観客の方々、
6人組の姿を確認すれば会釈して


「私の演奏はどうでした?」と言いたげに
その眼差しを真っ直ぐに向けて。]**
(285) 2020/09/30(Wed) 12:40:57

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 子どもたちのことまで気にかけて
  下さる方に>>203、すみませんが
  よろしくお願いしますと頭を下げました。

  7人全員がお利口に待っていてくれると
  自信満々にいうので、お行儀良くしていてね、
  と告げて。
  

  (えらいひとってだぁれー?>>203、なんて
   大きな声が歩き出した背に届けば
   ついつい吹き出してしまって、
   慌てて口元を引き締めました。)
   


  雲の上を歩いているようなふわふわとした
  感触を踏みしめながら、受賞者の方々が
  並ぶ場に立ち>>83

  なんだかとても長い距離を来たような
  不思議な気がしました。  ]
 
(286) 2020/09/30(Wed) 14:40:07

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 他の受賞者の方々はとてもご立派で、
  もちろんたくさんいらっしゃる王族の方や
  審査員の皆様にも、自分の傷だらけの顔を
  見せてしまってはきっと失礼だろうし、
  ぎょっとさせてしまうのは申し訳ないなぁと
  思いながらも。
  私は顔を伏せることなく、しっかり前を
  向いて立ちました。

  宮廷楽長様のお声が響きます。>>204

  厳しさを纏うその瞳の中に、幾ばくかの
  優しい笑みを見つけては、逸らすこともせずに
  じっと見つめて、流れる言葉を聞いていました。 ]
 
(287) 2020/09/30(Wed) 14:41:13

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    
(私が、宮廷楽士に…)



[ 先程言い聞かせたばかりなのに、
  お行儀が良いとは言えない様子で、
  こちらにぶんぶんと手を振る子どもたちを
  そっと、見遣り。
  ひとつ息を吐いて、目を閉じました。

  
  
送られる、おめでとう、の言葉。>>206
  決して大きくないその声は、けれど
  今までにないほどまっすぐに私の胸を射抜いて。

  そうして手渡された賞状と、ピンバッジ。>>205
  それから…
  あの日。私の目を焼いた、あの腕章>>0:68
  同じ布の、胸章。

  布の中央に引かれた線は
茜色
……
  あの夕景と同じような色。  ]
 
(288) 2020/09/30(Wed) 14:44:43

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ そっと受け取ると、周囲からまた暖かい
  拍手と歓声が湧き上がり、胸の奥から
  じんと熱いものが込み上げるのを感じます。

  思いもよらず頭上に飾られるティアラ。>>206

  抑えた金色のそれは、美しい草花を模したもの。
  わ、と思う間もなく自分では見えない所へ
  それが飾られた瞬間、周囲の方から送られる
  拍手がひときわ大きく響きました。


  …少しずつ歪み出す視界に、
  私の救いの神様のようなメイレン様の姿を
  捉えれば、その口元が、おめでとう、と
  動いては、にっこり笑って下さっていて。>>208

  それを見て、とうとう堪えきれずに
  堰を越えて、涙が一筋だけ伝い落ちました。 ]
 
(289) 2020/09/30(Wed) 14:47:47

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 係の方が、私たちを元の位置へ誘導して
  下さろうとした時。

  ……私はそっと口を開きます。  ]


    あの、このような身に余る栄誉を頂き、
    本当にありがとうございます。
    心から皆さまと、
    コンセールカリヨンの神様に感謝致します。


[ と頭を深く下げました。
  あ、ティアラ落ちないで、と願って、
  少し頭に手をやりながら、

  いらっしゃるであろう王族の方々、
  宮廷楽士や審査員の方々に、身体を向けて、
  力を込めて、目を逸らさずに。 ]
 
(290) 2020/09/30(Wed) 15:04:38

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    …あの。
    ここでこんなことを言うのは大変
    場違いで…失礼を承知で申し上げます。


    もしかしてご存知の方がいらっしゃる
    かもしれませんが…

    私の
この傷に関わったある方

    僅かでも、温情を賜わりますよう、
    図々しくもお願い申し上げたく…。



    
何故なら私の歌はその方に、
    教えて頂いたものだからです。



 
(291) 2020/09/30(Wed) 15:08:20

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    少しだけ愛し方を、進み行く道を、
    間違えてしまっただけだと思うのです。



[ そう訴えて、また一層深く、頭を下げました。

  
神父様
、と言わなかったのは、
  子どもたちに聞こえているかもしれないと
  思ったから
   
。  ]
 
 
(292) 2020/09/30(Wed) 15:10:23

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    主よ今われらの
罪をゆるし


    足らざるこの身を
清むる

    みわざを
たたえまつる



    平和の露もて
心とかし


    痛みと悩みを
静める

    みこころ
いとうるわし



 
 
(293) 2020/09/30(Wed) 15:12:22

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 腰を折った姿勢のまま。

  小さく、それでも確かに心を込めて、
  歌を歌いました。


  …周りの方々の反応はどうであったか、
  あとからしかられてもかまわない、と、
  頭を上げました。



  だってわたしがいまここにたっている。
  それはたしかに、あのひとのおかげ。




  それは、今私がこの場に立って、
  初めて理解した、事実。


  そうしてきちんと伝えることが出来たなら、
  ようやく係の人について、元いた場所へと
  戻ったことでしょう。  ]**
 
(294) 2020/09/30(Wed) 15:19:02

【人】 教会住みの娘 エヴィ

   *

[ また騒がしい子どもたちに合流すると、
  続いて審査員特別賞の発表が始まりました。

  そのような賞があるのだと、また興味深く
  発表の場を見つめて、そして
   


  審査員特別賞のうちの4賞が同一者に贈られる
  という>>155、会場中が沸き立つ驚きの光景を
  目にすることが出来たのです
  



  その前代未聞の出来事を巻き起こしたのは、
  あの日、橋の上で、どこと無く所在無さげに
  佇んで居られた、あの異国の方を含む皆様で
  いらっしゃいました……!


  私は先程のこともすっかり忘れて、
  子どもたちと同じようにお行儀悪く
  ぴょんぴょんと飛び跳ねながら
  ありったけの拍手を送ります。


  ……そうだ。もし、あの方とお話する機会が
  得られるなら、お伝えしたいことが
  たくさんあって
   
  ]
 
 
(295) 2020/09/30(Wed) 15:48:43

【人】 教会住みの娘 エヴィ



    おめでとうございます、って、

    おかげで音楽祭で会えました、って、

    皆様の音楽を絶対に聴きたいです、って、


    それから、



    
    
もう、川にゴミを
    捨てちゃダメですよ、って
   
 ]**
 
 
(296) 2020/09/30(Wed) 15:50:04

【人】 ヨシュア



  ── epilogue ──



[ とある午後の日。
  仕事の待ち時間。今のうちに一息つこうかと、
  巣に帰る鳥達の声を聞きながら
  窓に近い椅子に腰を掛ける。

  途端、鼻腔を擽る甘い匂いに
  すん、と鼻を鳴らす。
  どうやら、誰かがクッキーを焼いているらしい。
  ドアの隙間から漂う香ばしい焼き菓子の香り。
  それと同時に頭の中に響くのは、かつての自分の声。 ]


 “  …… お見事です、お二方。
   よければそのクッキーは、メイド達にもあげて下さい。
   お嬢様達に仕事を取られたと、拗ねていましたよ。 ”

(297) 2020/09/30(Wed) 15:53:33

【人】 ヨシュア


[ ─── 嗚呼、そんなこともあったな。>>@33
  窓から差し込む柔らかな陽光を背に、
  懐かしい記憶を偲ぶように、そうっと目を閉じた。 ]
   
(298) 2020/09/30(Wed) 15:53:51

【人】 ヨシュア


[ 程なくしてヨシュア、と呼ぶ声に、
  伏せていた瞼を動かす。
  クッキーを焼いていた誰かの正体は直ぐに知れた。
  階段を上って現れたのは
  狐色に焼き上がった菓子を持った
  同僚の、少し変わった名前を持つ女性。

  眸を細めた悪戯っぽい笑みで、クッキーを勧める姿は、
  如何にも何か企んでいそうだが。
  何のことはない、彼女が愛しい恋人へ贈る手作り菓子。
  その毒味役を申し付けられたのだ。

  …… 多くは知らないが、同僚は複雑な出自を持ち、
  現在も多くの負債を抱えているようだが。
  恋人との出会いは、
  朴念仁である自分にもはっきり分かるほど、
  彼女に良い影響をもたらしたようだった。
  
  断る理由もないので、一つ摘んで。
  バターの香りと、サクッとした歯触りを楽しめば、
  どう?と、評価を求める眼差しに。 ]
   
(299) 2020/09/30(Wed) 15:55:05

【人】 ヨシュア



  ええ、そうですね。
  とても……美味しかったですよ。


[ 何で過去形なわけ?
  訝しげにこちらを見つめる眼差しに詫びると
  慌てて、回らぬ口で感想を伝えた。 ]
  
(300) 2020/09/30(Wed) 15:55:20

【人】 ヨシュア


[ この男は当てにならない。


  彼女は早々に男に見切りをつけたようで。
  椅子を引いて腰かけると、
  自らもクッキーを口に放り込み始めた。

  しかし直ぐに退屈になったらしく。
  胸元の星屑のネックレスを揺らしながら、
  座ったばかりの腰をあげて、窓際のラジオをつける。

  若干のノイズを拾った後。
  古い小さな箱が流すのは、
  生きとし生きる者、その全てを魅了するような、
  穏やかで美しい旋律。

  思わず顔を上げるとぱちり、一つ瞬いた。
  そんな男の様子には気付かず。
  彼女ははしゃいだ声で、最近近隣諸国で有名な
  新進気鋭の歌姫の曲だと教えてくれた。
  そのあと直ぐに何かに気付いたように、
  はっと口を閉ざす。

  …… どうやら以前、
  自分は歌があまり好きではないと告げたことを
  思い出したようだ。

  慌ててラジオを消そうとする後ろ姿に、
  首を横に振る。 ]
 
(301) 2020/09/30(Wed) 15:56:05

【人】 ヨシュア



  そのままで大丈夫ですよ。
  俺もその曲は知っています。
  良い歌ですよね。


[ 本当に〜?と、疑わしい目でこちらを見た後。
  ならばとばかりに、意気揚々と
  仕入れたばかりの情報を披露してくれた。

  その歌姫がどんな境遇から、その栄光を掴んだのか。
  窮地の彼女に手を差し伸べた、
  美しく聡明な貴族の令嬢とは、
  今も身分を超えた友情を結ばれていることを。 ]
 
(302) 2020/09/30(Wed) 15:56:51

【人】 ヨシュア



         “ 稀代の歌姫様と、貴族の御令嬢。
           私達には、縁のない話よね。 ”



   ─── ええ、そうですね。
 
(303) 2020/09/30(Wed) 15:57:06

【人】 ヨシュア


[ 亜麻色の髪を揺らしながら、
  クッキーを頬張る横顔に小さく頷いて。

  ゆっくりと顔を動かし、窓から外を見れば、
  小さな花壇の中で、風にそよぐコスモス達。
  その白い花弁を照らすように、
  いつか見た空に似た、茜色が広がっていた。 ]


  …… ご立派に、なられましたね。


    [ 彼女達なら大丈夫、いつかのクッキーのように。
      二人で力を合わせれば、
      どんな困難でも成し遂げられるだろう。 ]
 
(304) 2020/09/30(Wed) 15:57:30

【人】 ヨシュア


[ 小さく呟いた後。
  夕の陽を受けた鮮やかな
オレンジ色
の空を、
  もう一度見上げて。

          男は口元で笑みを浮かべると、
             眩しそうに眸を細めた。 ]**
 
(305) 2020/09/30(Wed) 15:57:40

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 後片付けまでが調理実習です 
  


[ オーブンから甘い香りが漂えば
  二人で見つめ合っては笑って。
 
  いくらも立たない間に焼き上がった
  クッキーを取り出せば、その見事な焼き色に
  歓声を上げて。
  思わずアメリア様と両手をぱちんと
  合わせてしまったかもしれません。

  お店のものとは違う、少し歪な形の、
  私達の努力の結晶。
  一枚手に取ってそのまま口へと運ばれる
  アメリア様は悪戯をするように
  茶目っ気たっぷりで、とっても可憐。>>@31
  私も真似をして、そっとつまんで
  食べてみましたが驚くほど熱くって、
  目を白黒させていたでしょう。  ]
 

    …おいひぃ…


[ 涙目でそう言って、アメリア様を見て
  また笑って。  ]
 
(306) 2020/09/30(Wed) 16:16:40

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 色とりどりの包み紙やリボンまで、
  準備万端>>@32なアメリア様に
  お礼を言って、そこからはまた楽しい時間。

  あーでもない、こーでもない、と
  ラッピングを進めて行くのはとても新鮮で、
  わくわくする経験で。

  リボンを結ぶアメリア様の指は細く綺麗で、
  流れるような手の動きは、私がいつも通う
  お花屋さんのものと似ているなぁと
  思ったりするのでした。

  
  可愛らしくラッピングされたそれを、
  両手でアメリア様に、差し出そうとして。

  
  
全く同じように、両手に
  今作ったばかりの小さな包みを乗せて、
  私に差し出してくれるアメリア様>>@33。 ]
 
(307) 2020/09/30(Wed) 16:18:15

【人】 教会住みの娘 エヴィ


    あ…



[ ……なんて、偶然。  ]


    あの、私も、これ、
    大切な方に、ってお話だったから、
    出来上がったらアメリア様に、って…



[ そう言って、アメリア様の手のものを
  大事に受け取ってから、次にアメリア様の手に、
  私がラッピングしたクッキーをそっと
  置きました。  ]



    いつも、私を気にかけてくださって、
    本当にありがとうございます。
    これからも、お嫌でなければまた、
    お誘いください。



[ そんな言葉と共に。  ]
 
(308) 2020/09/30(Wed) 16:20:28

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ それから。
  
  猫を象ったつもりだったのに、
  何故か焼き上がったら
  熊のようになっていたクッキーには
  思わず吹き出して。

  上手く行ったものといくつかを小さく纏めて、
  これはヨシュア様に、と小さく付け加えて。


  そんなきらきらした時間は、
  いつだってあっという間に
  過ぎてしまうのだけれど。

  ずっと消えずに色鮮やかに
  事あるごとに私の脳裏に
  すっと浮かんできては、
  私を励ましてくれる、
  大切な思い出となっていたのでした。 ]**
 
(309) 2020/09/30(Wed) 16:22:51

【見】 病弱貴族 アメリア

─ コンペから数日 ─


[ ぱちり、と目を開けば、
  見えるのはシミひとつない天井。

  少しすればメイドがやってきて
  今日の体調を見て着替えさせるのだろう。

  前はメイドがやらなかった体調管理も
  彼が行っていたことは
  今は全て分担されていた。 ]
(@34) 2020/09/30(Wed) 17:43:51

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[    世界は、なくなった歯車があれば
     新しい歯車を取り付けて回っていく。

     こんなにも、喪失感が胸を占めていても
     そんなことは関係ないとばかりに
     皆、日常に戻っていかねばならない。 ]

 
 
(@35) 2020/09/30(Wed) 17:44:17

【見】 病弱貴族 アメリア

 

[ あれから、熱は漸く収まりを見せて
  体調も少しずつ戻ってきていた。
  しかし、起こったことはなくなりはしないもの。

  純潔を奪われたことは内々にしつつ
  それを行ったものが神父ではないと>>2:51
  事情聴取かなにかから伺えたのなら

  犯人探しを宮廷と連絡を取りながら
  伯爵はし始めるだろう。
  見つかるまでは外出禁止と、
  令嬢に言いつけて。 ]
(@36) 2020/09/30(Wed) 17:44:31

【見】 病弱貴族 アメリア

 
[ 外に出られなかろうとも
  そこまで支障はなかった。

  なにぶん、前からあまり外出はしなかったのだ。
  活動範囲が狭まったところで
  変わるものでもない。

  ひとつだけ気にかかるとするのなら
  あれから会っていないエヴィのこと。

  外に出て帰ってきた者に聞いた
  コンペの内容は驚くもので
  喜ばしい気持ちばかりが湧いたものだ。 ]
(@37) 2020/09/30(Wed) 17:44:46

【見】 病弱貴族 アメリア


 
[ 今日の茶請けはクッキー。
  見れば思い出すのは、いつかのこと>>306

  エヴィがいて、ヨシュアがいて、
  皆が笑顔で包まれていた。

  あの時がもしかしたら
  一番幸せだったのかもしれない。
  なんて、そんなことを考えて。

  どうしようも無いことを思ってしまう自身に
  苦い笑みを浮かべれば。

  飲んだ紅茶は、なんだかいつもより
  少し苦かった。 ]
(@38) 2020/09/30(Wed) 17:46:16

【見】 病弱貴族 アメリア

 
 
[ ───令嬢が名を揚げるとするのなら>>303
  きっとそれは友の名に乗っかる形。

  だって自身はなにも
  成し遂げることなんて出来ない>>@7
  やれることなんて、たかが知れている。


  それでもどこかで
  名前を聞くことがあるというのなら。

  友と、古い従者に恥ずかしくない
  そんな人間であろうとしただけのこと。 ]**
 
(@39) 2020/09/30(Wed) 17:46:39

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―表彰式翌日―

  
―コンセールカリヨン滞在最終日―



[ 手紙はすぐにメイレン・シュレグマーの元に
  届けられたようだった。


  ただの褒賞に関する報告と、感謝の言葉を述べた
  だけの手紙に、彼女はいつもの彼女らしく
  驚き、そして愉快そうに、
  手紙を読んでくれたようだった。>>271  ]
(310) 2020/09/30(Wed) 19:02:18

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ リジィ第三王子の一件については>>273
  あまりピンと来なかったらしく。


  リジィがシュレグマーの研究室から音盤を
  借りた(返してないようだが)ことは、
  リジィにとっては忘れもしない出来事だったが、
  彼女にとってはささやかな日常のワンシーン
  だったのかも知れない。


  しかしそんな些細な日常風景が、数奇にも
  今回の一連の出会いに繋がったと思うと
  なかなかに感慨深いものがあった。 



   しかしまさか、彼女が彼の名を見て、
   彼自身が初めて彼女の名を聞いたときと
   全く同じ言葉を漏らすとは。>>276>>10

   ここまで偶然が重なると恐ろしいものだ。
   彼が手紙で触れた"運命"も過言ではないのか。
   >>-262                
]
(311) 2020/09/30(Wed) 19:06:36

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ ……そして、その日の午後には、
  シュレグマーからの返信が届いていた。>>-281


  泊まっていた部屋を…スタッフ含め総勢56人分全て
  …を引き払い、今にも出発するという時に
  宿の者に運良く呼び止められ、渡されたのだ。


  読む時間はないので
  一旦それを内ポケットに仕舞った。]
(312) 2020/09/30(Wed) 19:07:02

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 本日はこの後
  コンペ1日目に使われた会場で、>>35
  メイレン・シュレグマーの演奏が披露される。
  

  
コンペの日、彼の勇み足により
  シュレグマーの今日の演奏を聴くと宣言して
  その後仲間に「積荷の時間がなくなる」と
  怒られた件については、>>68>>69
  結局、帰国船への積荷を全てスタッフ達にお任せ
  するという事で解決した。
  …ノードとディミトリエは平謝りだったが。

  

  昨日、彼女は"普段の彼女らしからぬ"
  挑発的で情熱に満ちた演奏を披露した。>>98>>104
  会場の違う今日、彼女はどのような"計算"をし
  どのように観客を虜にしてみせるのか。  ]
(313) 2020/09/30(Wed) 19:09:33

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ メイレン・シュレグマーとの
  二つ目の約束を果たすために。>>35>>66
  6人が次に向かうは宮廷・屋外庭園。


  彼女の演奏を聴くのは、この滞在中
  これが最後になるだろうか。     ]*
  
(314) 2020/09/30(Wed) 19:10:10

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─表彰式─


[頭を下げるエヴィに、裏方はしっかりと頷き>>286
子供達ににこやかに笑いかけました。


(途中「えらいひとってだぁれー?」>>286の声と
 吹き出してしまった彼女を見遣った裏方が
 『今、あちらにいらっしゃる宮廷楽長様。
  あなた達のお姉さんの才能を、
  一番素晴らしいとお認めになったお方です。』



  苦笑しつつも丁寧に教え、その後も質問があれば
  これまた一つ一つ丁寧に答えてくれたことでしょう。)]
(315) 2020/09/30(Wed) 19:12:23

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[宮廷楽長は、傷だらけの顔を見ても>>287
眉毛一つ動かしませんでした。
宮廷楽士となった様々な経緯に出会ってきた方です。]



  (え、あの子の傷……)



[平台で演奏した時は恐らく距離のせいで
看破出来なかった顔の傷。>>190
むしろ内心動揺したのは私の方でした。


一部からも「あの傷、痛そうだわ……」「大丈夫か……?」と
気遣わしげな声が聞こえてきます。
他の審査員達も心なしか心配そうな様子で見つめています。]
(316) 2020/09/30(Wed) 19:12:39

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[宮廷楽長様が胸章を授与し>>287>>288
彼女の頭上に掲げたティアラ。>>289

それが頭上へと飾られた瞬間、
ひときわ大きくなる拍手。
裏方も子供達の面倒を見ながらも
惜しみない拍手を送ります。]



  (嗚呼、いいのよ。幾らでも泣いて……。
   おめでとう。この国はあなたを見つけ、
   そして選んだ。)



[一筋伝い落ちた雫を見て、>>289
笑みを絶やさず私は彼女を慈しみながら見つめます。]
(317) 2020/09/30(Wed) 19:13:01

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[こうして係の裏方が彼女を誘導しようと
近づいた時のことでした。>>290]


 『周囲への感謝の気持を持てるのは良いことだな。
  ……これは君が実力で勝ち取った結果だ。
  存分に誇ると良い。』



[彼女の言葉を聞き、学長は満足したように笑うと>>290
私達や王族の方々に彼女が体を向けました。
その視線は逸らされることなく、
まるで射抜くようにも見えました。]
(318) 2020/09/30(Wed) 19:13:14

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[ですが、次の言葉を耳にした瞬間。>>291]


   (──────!?)


[周囲がどういうことだ?と言いたげに
少しばかりどよめきます。>>291]


  (あなたに歌を教えた人間は、
   あなたに傷を与えた人間なの……!?)


[彼女の才能を開かせた者が同時に、
彼女を傷付けた者だというような物言いに
学長はおろか、審査員達の顔色も一気に変わります。
>>291>>292]


     (何ということ、私は。私達は。)
(319) 2020/09/30(Wed) 19:13:41

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[でも、彼女は自分なりの結論らしき言葉を告げると
一層深く頭を下げました。>>292]


   『……あなた達のお姉さんは、
    ご立派な方ですね。』



[裏方が無意識に子供達へ呟きます。]


   『────君の強さと勇気も
    追加で賞賛されるべきだな。』



[楽長の言葉に、私含め審査員全員が一斉に頷きます。]
(320) 2020/09/30(Wed) 19:14:00

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  (この歌は…………)



[ふと、彼女の歌声が小さくとも
確かにホールへと響き渡りました。>>293
1日目の歌声を知る者、知らぬ者もその歌声に魅了され
ため息をつく声が聞こえてきます。



   咎めるものは、誰もいませんでした。




楽長は歌う姿をじっと見つめておりましたが、
やがて一つ頷くと]
(321) 2020/09/30(Wed) 19:14:20

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ

回想:とある酒場にて


[ 今までは素敵な出会いを探しなさい
と言う老人の言葉を理由に
旅をしてきたと思っていた

けれど、楽器工房の女性から
後悔と聞かれて思い出すのはやはり
あの時のことで

本当は素晴らしい出会いそれを理由に
彼女を…教会を探すために
幸せだった過去を探すために
旅をしてきたのかもしれない


初めて自分の過去を話した
そして、本当はこの幸せな国に
少なからず嫉妬したことも全て話した
それだけで少し前に進める気がしてきた

黙って聞いていてくれた彼女は
(322) 2020/09/30(Wed) 19:14:31

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  『俺にその人物へどうこうする権限は無いが、
   俺個人として心に留めておこう。

   君の訴えが此処に控える方々へ
   届くことを願う。』



[楽長はそう口にして、元いた場所に戻ろうとする
あなたを見送ったことでしょう。]
(323) 2020/09/30(Wed) 19:14:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[環境と周囲が一人の才能を押しつぶすことは
決してあってはならないこと。>>0:48


ですが、彼女に傷を負わせたらしき人物は
彼女の才能を此処に立つまで確立させた。
彼女の言葉を信じるなら、
そういうことなのでしょう。>>294


私は、この場でどんな顔をすれば良いのか
全く分かりませんでした。]
  
(324) 2020/09/30(Wed) 19:14:52

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[でも、これだけは思いました。


  
  あなたの道のりがどうであれ、
  あなたの歩みが何であれ、
  この国はあなたを見つけ、そして選んだ。




彼女の勇気と感銘を受けた言葉に。>>291>>292
彼女の才能を讃える他の審査員と全ての人々に。
そんな彼女の言葉と心自身も賞賛すべきだと
言葉を発した楽長に誇りと感謝の気持を持って。



そして、願いました。]
(325) 2020/09/30(Wed) 19:15:42

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ


「この街には幸せな音が沢山あるよね。
そのヴァイオリンの音色も綺麗だった
もし思うように弾けなくなったら
またうちの工房に来てほしい 」

やっぱり、この国に来てよかった
音の溢れるこの世界で彼女を探すのは
とても大変でどこか心も疲れてきていた

教会も彼女も諦める気はないけれど

でも、素晴らしい出会いと
思うままにヴァイオリンと
音を奏で響かせるのも良いかもしれない
と思えた
(326) 2020/09/30(Wed) 19:15:51

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[あなたの痛みと苦しみを補って、
余りある程の幸福の到来を。



その才能が国だけでなく、
自身を幸福へ導いてくれますようにと。



そして、この才能のために出来ることがあれば

出来る限り尽力しようと。]
(327) 2020/09/30(Wed) 19:16:28

【人】 旅のヴァイオリン弾き ニコロ


花屋でもらった花は綺麗な
紫色
を中心とした美しいバラの花で >>243
色んな国を旅してきて色んな花を見てきたが
どこか花が話しかけてくるかのように
ここまで元気に綺麗に咲いた花は会っただろうか?


ニコロはコンペ閉会後
何日間か滞在したあと

ヴァイオリンと花束を持ち
この国の王都の門に立っていた

素晴らしい出会いに感謝を
そう言うとニコロは門をくぐると
空気に解けるように消えていた

・・・・・・・

ニコロは孤児院出身で
正確な年齢はわからない
そして、自分が《何十年何百年》孤児院で
生活していたのかも定かではない

ただ、ニコロが孤児院を出てから
ニコロが外見年齢20を超えるまで
外の時と同じように歳を重ねた

しかし、最近どこか歳をとるのが
どこか遅くなってきているような?*
(328) 2020/09/30(Wed) 19:16:54

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[いつかどこかで、
誰かに語られるようになるかもしれない未来のお話。
>>301>>302>>303>>304>>305


胸に秘められた、それでいて私の生涯に対し
確かな礎の一つとなったきっかけが
今この瞬間誕生したことを知る人は
────果たして居たことでしょうか]*
(329) 2020/09/30(Wed) 19:16:54

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

─後日談─


[コンペの後、私は以前よりも精力的に
才能を掘り出すのと同時に、才能を見いだす者達の
人材育成にも力を入れ始めました。



  それと同時に最優秀者のエディの支援と
  異国の6人組による国内巡業も。
  巡業地は東西南北希望があった地や
  新たな土壌が育ちやすい土地を選びました。
  最終的な判断は彼らにお任せしましたが。



中には楽器修理の娘の工房がある地や、
エヴィの教会近くの会場もあったことでしょう。
後は彼らの希望も全面的に聞き入れて。
勿論私はその巡業をバックアップいたします。]
(330) 2020/09/30(Wed) 19:55:59

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[彼らが国内で巡業を果たしてくれるということ、
音盤の普及の褒賞も相まって
新たな分野はまだ荒削りではありますが
この国に根ざし、定着し始めていくことでしょう。

まだまだ妨害の手が来るやもしれません。
何が起こるかなんて私だって分かりません。]




  ご安心を、私の目に光が宿る内は
  全て才能や学ぶ者達を虐げられぬよう
  全精力を以って守り抜く所存ですわ。



[楽長の油断するなよ、という声に
私は不敵に笑いながらも力強く頷きます。]
(331) 2020/09/30(Wed) 19:56:35

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  ねえ、宮廷楽長様。
  私がやっていることは
  地道で時間が掛かると仰いましたわね?


[かつて告げられた言葉を思い出し、
私は楽長へ語りかけます。]


  逆ですわ、
こちらのほうが
  長期的に見て1番の近道ですの。
(332) 2020/09/30(Wed) 19:56:59

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[いつになく真剣な私の声に
楽長は作業の手を止め、耳を傾けます。]


  特定の分野を嫌い、弾圧するもののように
  私達も迫害の道を選べば
  彼らは余計に反発します。
  その結果、巻き添えになる者も
  数の大小問わず出て来ることでしょう。


[暖かな紅茶が湯気を立て、
楽長の研究室にその香りを広げます。
メイドのファラリスが私達を見つめる目も
いつしか真剣なものに。]
(333) 2020/09/30(Wed) 19:57:17

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  ですが、彼らに対抗せず
  後続のものを次々と育成していけば。
  固定概念を持った者達の声は小さくなり、
  それが世論を変えていきましょう。


[それが何を示すかなんて、
賢い貴方ならもうお分かりね?]



  ────かさぶたの治し方と同じことですわ。
  古い傷の組織を排除すれば、
  下にある新しい組織も巻き込んで  
  余計に傷を悪化させてしまいますが
(334) 2020/09/30(Wed) 19:58:10

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

  逆に古い傷の組織へと手をかけず、
  新たな組織の修復と循環に着手すれば
  古いかさぶたは新たな組織に押し上げられ、
  やがて綺麗に剥がれてしまいますもの。


[紅茶に口をつけながら、私はニヤリと
悪だくらみをするような面持ちで。]


  今、私がやろうとしているのは
  ────そういうことですわ。


[そう告げると「紅茶、ご馳走様でした」と
ファラリスとともにその場を後にするのでした。]
(335) 2020/09/30(Wed) 19:59:28

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[どこかいつかの未来。
あの6人組の1人である編集者の元に、
一通の手紙が届くことでしょう。


内容は、私があなた方の国へ訪れること。
あなた方と私の演奏で共演という名の
対決をしないかという企画の持ちかけ。]
(336) 2020/09/30(Wed) 19:59:49

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

『やはり直接仕合う方が楽しくありませんこと?>>-209




[手紙の中の一文には、
かつて送った手紙にも同じ文言。


この言葉を向けた主な相手が、
恐らく根が似た者同士の>>10
アレキシ・イングヴァル・ベルイマン当人と>>-263


本人及び周囲が気付いた可能性は
────果たしてどうでしたでしょうね?
(337) 2020/09/30(Wed) 20:00:27

【人】 平台の宮廷楽士 メイレン

[そしてこの持ちかけが実現したかどうかは、




────皆様のご想像にお任せいたしますわ。]*
(338) 2020/09/30(Wed) 20:01:15

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―回想・表彰式―




[ 表彰式の序盤、
  まだ審査員特別賞が発表される前のこと。


  総合4位という結果を知らされ、
  打ちひしがれているその横で。>>118


  コンペ前日に出会った教会の娘は
  彼とはまた逆の意味で言葉を失っていた
  ようだった。>>143>>144


  あの日、『音楽祭で会おう』と
  やっとの思いで言葉をかけた彼女。>>0:93


  負けた、とは思わなかった。
  彼女を音楽会にと声を掛けたことも、
  後悔はしなかった。


  元々埋もれていた天性がこの世に存在した。
  自分がそれを偶然見つけ、
  音楽祭がそれを正当に評価した。
  それだけのこと。  ]
(339) 2020/09/30(Wed) 20:05:01

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 表彰を受け、最優秀者の証である
  ティアラを頭に戴いた彼女は、
  ある人間の寛恕を請う。>>291>>292


  それは知らないことだった。
  しかし、彼女にとってどんな立場の人間の事を
  言っているのかは、
  何となく"分かった"。>>0:92>>1:165


  続いて口ずさまれる賛美歌は
  同じ入賞者として前方で並んでいた
  彼の耳にも聞こえただろうか。   ]
   
(340) 2020/09/30(Wed) 20:05:15

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ あの時、娘を呼び止めた理由。>>0:93
  そのなかには、自身が勝手に過去の自分と
  娘を重ね合わせていた、ということも
  多分にあったが。


  教会から逃げ、謗り、代わりに音楽を拠り所と
  しつつも、その影から逃れられず>>2:152
  過去を色濃く残した楽曲を作り続けている自分より


  彼女自身が最も光り輝ける場で、あえて
  自分に傷を付けた人間の許しを請う娘は
  ずっとずっと強く。


  自身がずっと手に入れられなかった
  過去を打ち破る術を、
  彼女は既に持っているように思えた。 ]
  
(341) 2020/09/30(Wed) 20:06:24

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ きっと彼女は、自分が声を掛けずとも
  遅かれ速かれ誰かにその才を認められ、
  このような場に立っていたのだろう。
  そう確信して、


  宮廷楽士になって国中を、海外を
  渡り歩いている彼女の姿を思い描き。


  さながら眩しい存在を見るかのように
  つと目を細めるのだった。]*
  
(342) 2020/09/30(Wed) 20:06:55

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

[ 最優秀賞受賞者の発言を聞いた貴賓席は、
  一瞬だけどよめいた。

  特に、男性陣。
  舞台の上に立つ
女性
は、
  慈悲を請うのだった、自分を虐げた者への。  ]

「最終的には、話し合って決めるだろうけど……」

“考え方としては間違ってないけど、
神職にある人間としては、間違ってるんだ。”

‘ある種、手遅れ状態に近い気…………
フィオーレ、怒るなって’

“ムーティ様、よろしいですか?
簡単にそういう風に見ず知らずの方のことを
決めつけるのは良くないことですよ?”


[ フィオーレが、自分の婚約者の発言を
  きっと目を向けてやめさせた。
  彼女とて、女性の発言を肯定するわけではなく、
  ただ、自分の婚約者が視野を狭めていることが、
  嫌だっただけ。
  それを知ってか知らずか、
  ムーティは悪かった、と呟いて彼女の手の甲へ
  謝罪の口づけを落としていた。        ]
(343) 2020/09/30(Wed) 20:08:37

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

どうしよっか。


慈悲をと言われているのであれば、
極刑はやめてさしあげて。

そうだねぇ。でも、神職を続けてもらうのは
ぼくとしても困るんだよなぁ。


[ また違うところで聞いていた2人。
  口元が見えないように、扇子で口元を押さえ
  隣の人間とひっそりと話した。

  大切な話。それは彼女がぼかした人物の処遇。
  彼女と話して決めたいと思って、
  離れる前にミュシカは大切な話がある、と
  伝えていたのだ。
  そうして彼女の願いは、大々的に伝えられた。
  それを、表情も変えずに聞き取った2人。   ]


後からでいいかな。


異論なし。
望むことは、出来る限り叶えてあげましょう。

彼女も、ぼくたちが慈しむべき可愛い子供
国民
なんだしね。


[ 舞台を眺める2人の表情は、すぐに戻っただろう。
  叶えられるものは叶える。
  それが、彼らが望むことでもあるから。    ]*
(344) 2020/09/30(Wed) 20:22:46

【人】 花屋の主 メルーシュ

【花屋も知らない、先代について】

先代がコンセールカリヨンで開いた花屋が、ようやく、少しだけ軌道に乗ってきたという頃。

ある日、ひとりの女性から注文を受けた。

「娘を育てていただきたいのです」と。

その女性(もしかしたら、女性ではなかったかもしれない)が差し出したのは、まだ小さなカエデの木だった。

先代には、時折そういう来訪者が訪れることがあった。

だからさほど驚きはしなかったし、実を言えばそのままお引き取り願う可能性もあった。

そうしなかったのはただ、その女性が急に店をきょろきょろと見まわしたあと、
「きゃーーっっ!!!!!!!!」
と悲鳴を上げたから。
(345) 2020/09/30(Wed) 21:40:14

【人】 花屋の主 メルーシュ

その、あまりの大きな声に目をぱちくりとさせたまま、その女性を見つめる。

彼女の視線は、店の片隅に置いてある年代物のソファに注がれ、くぎ付けになっていた。
(346) 2020/09/30(Wed) 21:41:34

【人】 花屋の主 メルーシュ

やがて、
大騒ぎする彼女が落ち着くのを待って聞いたところ、そのソファは、彼女が【心から幸せを願った人】のものだったという。

カエデの木を抱えたまま、その古めかしい革張りのソファの横に膝まづくと、彼女はそうっと、そのソファを撫でた。

「ほら、ちゃんとお会いできましたよ」

というわけで。
先代は、そのカエデの木を育てることを引き受けた。

そのカエデの木が長い時をかけて育ち、やがて自分が大切に育てた花屋を引き継いでくれるまでは、恐らく長い長い時間がかかったことだろう。

その木を育て始めてから、自身の体の齢のとりかたがかわったことには気づいていた。
でもそんなことは意に介さず、
カエデの木であった愛しい存在、メルーシュという名をつけたその者が、どうかどうか、しあわせであってほしいと。

この街で、コンセールカリヨンで、
長く長く人々とともにあってほしいと、ただ願うばかりだった。

*
(347) 2020/09/30(Wed) 21:45:43

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

―船着き場―

  
―コンセールカリヨン滞在最終日―




[ 潮風に目を細め、
  既に離れ小さくなった宮廷を仰ぐ。


  音楽祭にて史上初の6冠を達成した
  6人組は、5日間の旅を終え
  自国に帰る船に乗り込んでいた。


  といっても、
  このコンセールカリヨンと今生の別れをする
  訳ではない。


  メイレン・シュレグマーら審査員から
  受けた4つの褒賞を叶えるべく
  近々この国に戻ってくる予定だった。 ]
(348) 2020/09/30(Wed) 21:51:51

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ むしろこの帰国は、
  この先しばらくは目白押しのスケジュールに
  対応するために必要なものを、
  一旦あっちで準備するための
  一時帰国という意味合いが強い。


  まずは、地方中心の国内巡回公演。
  そして、音盤流通のための各種打ち合わせ。
  まだ選べていないい褒賞も残っている。


  メイレン・シュレグマーと手紙で交わした
  あの約束も果たさねばなるまい。    ]
(349) 2020/09/30(Wed) 21:52:02

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


 
 『やはり直接仕合う方が
    楽しくありませんこと?』
 >>-209


  彼女の手紙に書かれた台詞は、
  そのまま彼女の声となって再生されるかの
  ようにリアルだ。
  ついでにニヤリと微笑む彼女の様子も
  容易に思い描けそうだ。  

 
  彼女は、これからも
  宮廷楽士で…革新的な審査員の一人でいて
  くれるだろうか。


  シュレグマーへの手紙で、
  リジィを手助けしてくれと頼んだ。
  そこでレイズという曲者との対立はあるかも知れず
  もしかすると既に目を付けられていたかもしれない

  それでも、彼女は
  『私はやってみせるわ!』などと言って>>275
  そして完璧にリジィを、音楽界を、
  導いて行くのではないか。>>331>>335

  理由はないが、そんな気がした。 ]
  
(350) 2020/09/30(Wed) 21:53:02

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 今日届けられたほうの手紙は>>312
  まだポケットの中に入ったままだ。
  出航したら開封しよう。


  
 …その中に綴られてるのは、彼女も彼同様
  田舎出身であるという事実。>>-283

  互いを知れば知るほど増えていく共通点は
  数奇を超えて、もはや似たもの同士であるが故の
  自然の摂理、という気もしてくるが、
  これはまだ彼の知らない話。 ]
   
(351) 2020/09/30(Wed) 21:53:59

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 唯一気がかりだったのは、
  コンペの夜以降、ついに会うことの叶わなかった
  リペアマンの彼女のこと。>>1>>2>>3
  
  
  あの日彼女が涙を流した理由を
  今やもう想像することしか出来ず、
  そして考えても、結論は出なかった。


  この国に戻ったら、まず楽器工房を訪ねよう。
  もしかすると電子六弦の部品をもっと沢山
  仕入れているかも知れない。
  ……というのは奢りだろうか?   ]

(352) 2020/09/30(Wed) 21:54:17

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン


[ 後方で汽笛が鳴る。

  沈みかけていた夕日は、
  いまや西の方に少しばかりの残滓を残し
  迫りくる夜闇に覆われようとしていた。
  

  日が暮れるのが早くなったな、と独り言ち
  黒いアシンメトリーの襟をかき合わせる。

  この国に来たときは暑かったこの格好も
  そろそろ過ごしやすくなる季節だ。>>0:26]
  
(353) 2020/09/30(Wed) 21:54:42

【人】 鋼鉄の六弦奏者 エリクソン

[ 天空を覆う夜闇はやがて
  遠くの宮廷を、街を、
  そしてコンセールカリヨン全土を包む。]


 
────『辺りが闇に沈む頃。』  



    それは、俺達にとっての
"夜明け"。

    >>2:213


[ 汽笛がもう一度鳴り、
  もう揺れることのない決意を固めた男と、
  仲間達を乗せ────  ]


────船は今、出航する。  




fin**
(354) 2020/09/30(Wed) 21:59:57

【人】 教会住みの娘 エヴィ

  
 それから 
  


[ 3ヶ月の猶予期間を待つ事なく、
  私はお返事を致しました。

  たくさんの提案を頂いたことでしょう。
  そのどれもが暖かく、私や私の兄弟たちの
  ことまでを案じて下さるもので、
  その度にあぁやはり神様は
  いらっしゃるのねなんて都合良く思うのでした。


  
   
けれど結局、
  今も私はあの教会にいて。

  随分と古くなっていたところは、
  ご好意によって改修、補修がなされました。
  その時、ついでにあの地下室は塞いで貰いました。

  忘れることなど出来ないけれど、
  前を向いて進むべき時に、
  仄暗い記憶は埋めてしまったほうがいい、
  とおっしゃってくださったのは
  新しく教会に来られたシスター。

  …ちょっと食いしん坊で可愛くて、
  とっても素敵な明るい御人柄は、
  私の大好きな方に少し、似ているかしら。 ]
 
(355) 2020/09/30(Wed) 22:09:55

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私には、以前の神父様があれから
  どうなったか、詳しく知る術はありません。

  ただ、どうやら私の願いは
  聞き届けられたようで、その生涯は
  どこか名も知らぬ小さな島で、
  一から神の為に祈りを捧げて
  過ごされることになりそうだ、
  と風の噂で耳にしました。


  子どもたちと共に寝起きし、生活をする
  変わらぬ日々の中、変化したことがたくさん。

  それらを、内から、外から問わず、
  全力をあげて支援してくださったのは、
  言わずと知れた名家の、誇り高き
  お嬢様と聞いた時には、今すぐにでも
  駆けて飛んであの方に会いたいと
  願ったものでした。  ]
 
(356) 2020/09/30(Wed) 22:12:44

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ そうそう。変わったことですね。

  以前から居る兄弟たち以外に、
  たくさんの子どもたちがわいわいと
  集う教会になったこと。

  それは、この国の子どもたちの為に、
  宮廷楽士の方々が、代わる代わる楽器や
  声楽を教えに来てくださるからだ、
  >>1:144と言うこと。


  その中には、演奏だけでなく、この国には
  欠かせない存在である、
  楽器のクラフトマンの方や、
  リペアマンの方>>0:22
  いらっしゃったでしょうか。

  子どもたちの中には、演奏そっちのけで
  楽器の構造や修復の仕方に夢中になる子も
  実は多かったのです。 

  あ、時折ひょっこり顔を出してくださる
  旅のヴァイオリニストの方も
  いらっしゃったかしら。>>0:17
 
(357) 2020/09/30(Wed) 22:15:23

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あぁ、もちろん大人気なのは、
  荘厳な教会にぴったりの(!)
  電子音楽を演奏される、あの前代未聞の
  審査員特別賞を4人から集めた皆様です。

  メイレン様がそっとしのばせてくださった
  音源を教会で流した時には、周辺の皆様が
  驚いて教会へ走ってこられたっけ。
  お忙しい国内巡回公演の合間を縫って
  いつかここへ来てくださる日を、
  子どもたちとずっと待っています。
  ええ、灰皿は用意しています。


  あの頃とは打って変わって賑やかな教会を
  彩るお花はいつだって、季節に沿って
  その色を鮮やかに変える、
  魔法使いのようなお花屋さんの手で
  それは美しく飾られて。>>0:12
 
(358) 2020/09/30(Wed) 22:17:48

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ 私はといえば、週のうち何度かは
  宮廷へ参じる仕事が増えました。


  
“奏者たる者、常に求道者であれ”
>>0:49


  その指針の元、たくさんの新しいことを学ぶ
  機会が私には与えられたでしょう。

  支給された、控えめな銀の革張りに
  国の紋章が施された小さな手帳。>>0:45

  分厚めの頁は同色の革張りバンドで括られていて、
  宮廷楽士に必要なことは全てこの中に
  記されているそれを抱えて、
  時にはマナーやトレーニング法などの学習。
  時には他の楽士の皆様と慰問や公演へ。

  大好きなメイレン様とご一緒出来るときは
  いつだって嬉しくて、ついついぴょんぴょんと
  飛び跳ねてしまって、あ、と顔を赤くしては
  咳払いひとつ。  ]
 
(359) 2020/09/30(Wed) 22:20:41

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ とまぁ、なんだか相変わらずバタバタと
  した日々の中。
  一言では言い表せない程の充実感と、
  幸福と、感謝。

  
  それでも時々月を見上げて一息つけば、
  何処かでお元気にしていると信じて止まない、
  優しい従者さんのことをちょっと思い出したり、
  アメリア様のお身体がずっと長くお変わりなく、
  お元気でお過ごし下さるよう祈ったりして、
  少し感傷的になったりもするのですけれど。

  そんな時には、あの日頂いたティアラを眺めて。
  決まってクッキーをぼりぼりと頬張って、
  また前を向きましょう。  ]
 
(360) 2020/09/30(Wed) 22:23:27

【人】 教会住みの娘 エヴィ


[ あ、そうだ。

  その門外不出の手帳、その中の1ページ…
  私には、特にお気に入りのページがあるのです。

  今日は、そっと、教えて差し上げましょうか…

  内緒、ですよ?  ]
 
(361) 2020/09/30(Wed) 22:24:42

【人】 教会住みの娘 エヴィ




    『メニュレー男爵令嬢が目を輝かせて
     才能に関する話を熱く語り出したら
     そっと話の矛先を逸らすか
     上手くして席を立つこと。
  
     逃げ遅れると最長2時間は
     聞かせられるので要注意』>>0:-26




 
(362) 2020/09/30(Wed) 22:25:46
鋼鉄の六弦奏者 エリクソンは、メモを貼った。
(a10) 2020/09/30(Wed) 22:26:35

【人】 教会住みの娘 エヴィ


   アメージング・グレース
   何と美しい響きであろうか
   私のような者までも救ってくださる
   道を踏み外しさまよっていた私を
   神は救い上げてくださり
   今まで見えなかった神の恵みを
   今は見出すことができる

   神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し
   その恐れから心を解き放ち給う
   信じる事を始めたその時の
   神の恵みのなんと尊いことか

   これまで数多くの危機や苦しみ、誘惑があったが
   私を救い導きたもうたのは
   他でもない神の恵みであった

   何万年経とうとも
   太陽のように光り輝き
   最初に歌い始めたとき以上に
   神の恵みを歌い讃え続けることだろう



  **
(363) 2020/09/30(Wed) 22:28:29

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  ―― どこかの橋の上 ――



  ふう。


[ 煙草の煙は
  高く澄んだ青い空に消えた。

  橋の欄干に背を預ける。

  ふと袖を引っ張られた気がして
  そちらを見ると誰もいない。  ]
  
(364) 2020/09/30(Wed) 22:35:25

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
  
[  「おねえさん。」

  
  声のする方に視線を落とすと
  丸襟に花びらのようなフリルをあしらった
  紺の上品なワンピースを着た
  小さい女の子。

  それはうちの工房で
  父親にヴァイオリンを買ってもらった
  女の子だ。>>1:91>>1:93


  「このヴァイオリン、
  音の調子がおかしいの。」


  そういう彼女のヴァイオリンを受け取り
  音を少し調整する。

  はい、と返すと
  彼女は姿勢よくヴァイオリンを構え

  それはそれはテンポよく
  楽しげな音を奏でた。 ]
  
  
(365) 2020/09/30(Wed) 22:38:35

【人】 楽器リペアマン ティグレ


[ 格好からするに
  お淑やかなお嬢様のイメージが意外だな。
  ふっと笑う。

  相変わらず子供は苦手だけど
  この音は悪くない。 ]
  
(366) 2020/09/30(Wed) 22:40:40

【人】 楽器リペアマン ティグレ

  
[ 近くの教会からは
  幸福に満ちた音が聴こえる。


  女の子のヴァイオリンの音が
  そして、どこかで今日もまた鳴る音が


  これからどんな風に変化してくか
  アタシはずっとリペアマンとして
  身守り続けるだろう。]*


 ─Fin.─
  
(367) 2020/09/30(Wed) 22:47:36

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

−暫くして

元気そう?


えぇ。元気に暮らしているようですよ。
わたくしの知るところではございません。

ふふ、ぼくの女神がそういうのなら気にしないでおこうかな。
今度こっそりお出かけしようね。


そう言っていつも………ユウェル様たちにも、色々と教えたようですね?

ん………?
さぁ、なんのことかな。
ぼくは、何も教えていないよ。


[ はぁ、とため息をつきながら
  2人でそっと教会のある方を眺めていたことだろう。

  新しく送り届けたシスターは、
  2人が認める神職者であるから、
  以前のような恐怖はもう訪れないはず。
  
  神父の処遇は、結局彼女の願いを聞き受けて
  流刑で済ませることにした。
  監視の目がないわけではない。
  神職者として、もう1度立ち直らせるため。

  教会に関しては、シスターの件以外では
  何も関与していない。故に、終わった話。  ]
(368) 2020/09/30(Wed) 23:00:04

【人】 心配性の王妃 ミュシカ

さぁ仕事をしようか、マイレディ?


……ふふふ、お仕事はたっぷりありますから、1週間は屋敷から出られないと思っていてくださいませ?

うげ。……でも、君が癒しだから頑張っちゃうぞ〜!!


わたくしは、暫くいませんよ?
シュネーヴェに行かなければならない用事がありますので。

えっ、ぼく置いていくの?泣いていい?


……ふふ、いけませんわ。
しっかり、働いてくださいませ?
戻ってきたら、フィオーレ様から
教えていただいたお料理をお出ししますから、ね?

[ そう言うと、嘘泣きをする本人をクスッと笑って、
  身支度を整えるために彼から離れるのだった。
  自分のための宴が終わりを迎えれば、
  次は自分が祝うターン。
  ならば、と彼女は楽しみにしてシュネーヴェへと
  向かうのだろう。たとえ、1人だったとしても。 ]*
(369) 2020/09/30(Wed) 23:11:35

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

−あれからそれから

 [

    結局、エヴィは宮廷楽士になることはなかった。
    その代わり、学ぶ人間になったらしい。
    あまり会うことはないけれど、
    もし会う時があるのなら、
    少しずつ、少しずつ話したかもしれない。

    勿論、彼女の住む教会へは足繁く通った。

                        ]

   ははっ、上手になったな。
   次は、こういう曲をやっていこう。
   少しだけ、練習が必要になるけれど、
   ゆっくりと覚えてほしい。

 [

    子供たちに教える時間は楽しい。
    とはいえ、
    絶対にどこかの男爵令嬢とは
    時間が被らないようにしていた。
    あの方は元々忙しくしているから、
    あまり会うことはないけれど、
    捕まると逃げられないと言われているからだ。

                          ]
(370) 2020/09/30(Wed) 23:20:36

【人】 宮廷楽士 ウェールズ

    まぁ、悪い人ではないんだけど。
    熱が入りすぎて周りが見えなくなる人に
    多い感じだよな。

 [

    ふっと笑いながら、空を見上げるだろう。
    そして、たまに教会で出会うリペア職人に
    出会うことがあるなら、
    リペアをお願いすることもあっただろう。

                        ]


    いつか、気持ちを伝えられるかな。


 [ 

    今はまだ言うことができない。
    彼女を知らなすぎるから。
    でも、彼はあのときから

    
彼女が好き。


    ひっそりと思われているなんて、
    気づかれていないといいな、と
    今日もまた思っていた。

                    ]*
(371) 2020/09/30(Wed) 23:36:59
 




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エリクソン
74回 残----pt

完成。

エヴィ
67回 残----pt

21時過〆を

メルーシュ
12回 残----pt

 

ニコロ
13回 残----pt

無職は笑いました

ティグレ
18回 残----pt

 

ヨシュア
33回 残----pt

 

ウェールズ
13回 残----pt

多分寝

メイレン
132回 残----pt

お疲れ様ですわ

犠牲者 (1)

オーランジュ(2d)
0回 残----pt

 

処刑者 (1)

ミュシカ(3d)
10回 残----pt

管理用ダミー

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舞台 (1)

アメリア
40回 残----pt

楽しかったです。

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