人狼物語 三日月国


82 【身内】裏切りと駆け引きのカッサンドラ【R18G】

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


飢えた狗 ムルイジは、メモを貼った。
(c22) 2021/07/07(Wed) 21:45:41

【墓】 飢えた狗 ムルイジ

チャリ、と鎖が擦れる音がして。
また今日も始まったかと薄く目を開ける。
ここで繋がれて毎日ショーに出されて、
心も摩耗してきたころに、冷や水を差し込まれる感覚があった。

「なっ……!?」

少年が。裸で壁に繋がれたオレに覆いかぶさってきている。
手足の拘束は普段よりきつくなっており、身動きが取れない。
少年は切羽詰まった顔で爪で傷を残すような無遠慮さで、
俺の胸板を、腹筋を、首筋を欲望のままに這わせる。

予想外の『客』の襲来に、流石に顔が歪む。
相手の意を探ろうとその表情を見ようとして、
少年の向こう側に強化ガラス越しの肥客が居るのを見つけた。
好色満面の顔でこちらを見てくるその欲には覚えがある。

成程、そういう趣向かと、吐き気を催した。
(+7) 2021/07/08(Thu) 0:51:43

【墓】 飢えた狗 ムルイジ

――少年はこれを、やらされているわけではない。
ただ全てが自分の意思でもないのだろう。
欲の吐き出し先を、下卑た大人たちに差し出されて、
行き場のない若さが抑えきれないだけだ。

その若い欲の暴走を、それに成す術がないオレを見て、
楽しむ者たちが、この行為の"意思決定者"だ。

吐き気がする。反吐が出る。
この先、この経験が齎す人生の陰を考えると、
金を持つ者の傍に生まれる者も、
金を持たない者と同じくらいに不幸であると思った。

少年が、どう発散していいか分からない己の欲に戸惑い、
初めての経験にオレの身体を切り傷や噛み疵だらけにしていく。
初の褥に作法なんてないのは当たり前だが、
それが鎖で繋がれた相手なら、こうもなる。
征服欲と独占欲と性欲のない交ぜになった感情を向けられ、
必死なその少年の形相に大きくため息を吐いた。
(+8) 2021/07/08(Thu) 0:55:54

【墓】 飢えた狗 ムルイジ

「そのままでいい……聞こえてねェフリしろ。
 焦んじゃねェよ。逃げやしねえ」

後ろの大人たちに聞こえない声で言うと、
それでも貪りの対象から声を掛けられたことで戸惑いが混じる。
歳の頃は15くらいの餓鬼に、無理な話かと息を吐いた。

……馬鹿野郎が。本当に。

「……ゆっくりでいい。
 したいようにしろ。今から少し声出すがビビんじゃねえぞ。
 俺が目をつぶったら思い切り顔面を殴れ。手加減すんなよ」

言って、大きく息を吸い込み。

「テッメッ!! 離せこのクソガキ!!
 オレを誰だと思ってやがる、天下のムルイ――」

目を瞑る。戸惑いが感じられるが、頬に走る衝撃。
……いい子だ。笑いが出る。
(+9) 2021/07/08(Thu) 1:01:23

【墓】 飢えた狗 ムルイジ

興を載せた。悪くない。

少年がぎこちなくも乱暴に、躰を貪り始める。
下手糞な愛撫に、躰が反応しやがるのは癪だったが、
相手に痛みを与えるよりは100倍マシだった。
挿入れる場所を探りやがったのは殺してやろうかと思ったが、
無事接合すると腰の辺りが互いに震える。……最悪の気分だよ。

「っ……っ……」

乱暴で、己の快楽しか考えていない腰の動き。
少しは分かって来たのか、指先も撫でるような動きになってきた。

オレは痛みと異物感に吐き気を抑えながら、
ただ揺らされるがままになっていた。

その少年の必死な顔が。
――金に踊らされ、狂わされたかつての自分と重なり。
貫かれながらも、俺は大人に見えない角度で微笑んでいた。

「………ごめんな。
 ………救って、やれなくて」

それは、誰に対しての言葉かは分からない。
少年も急にそんなことを囁かれて、困惑した顔でオレを見る。
(+10) 2021/07/08(Thu) 1:07:06

【墓】 飢えた狗 ムルイジ

そこに愛情はなくとも、身体の刺激で男は容易に果てる。
限界が近いようで、少年の動きにも余裕がなくなってきた。

きっとこの経験は、この少年の人生を歪める。
金が人の人生を狂わせて、誰もが正しくなんて生きられない。
勝つ奴が居れば同じ数負ける奴が居て、
そのたくさんの屍の上に立てるのは一部だけだ。

「っ……でもな。狂っちまった人生の先も
 ………案外っ、悪く、っねェからよ。
 真っ当にっ、誰か好きっ、になって、"お前は"っ、
 ……幸せになれよ」

褥には似合わないセリフだが、
この奈落に居るオレが言ってこそ、意味がある。
一つ亡くせば、全てが終わるわけじゃねェ。
一度負けがつけば、這い上がれないのが人生じゃねェ。
その果てに、こんな船の上で逢える奴だっている。

だから。
――自分に賭けることだけはやめんじゃねェぞ。    。

最後に、強く"締める"と。
少年はあっさりと絶頂に導かれた。
(+11) 2021/07/08(Thu) 1:19:31