[ハイウェストの黒のスカートに、大きめの長袖ニット。
ポーチを肩から掛けて、時間をかけて巻いた髪の毛を指先で弄る。
駅前の待ち合わせということで
分かりやすい銅像の前で暇を潰している。

本来ならまぁ、彼は待ち合わせより前に来るけど
今日は仕事終わり、それが定時退社であっても
私の方が先に待ち合わせ場所に着いただろう。

もともとデートの約束も
待ち合わせ時間を少し早めに設定したのも
私が単に彼の慌てて待ち合わせ場所に来る姿を見たいが為である。]

　
　　かわいい人ですからね。

[ふふ、と笑いながら暇を潰している。
彼、というのはサモエド……ではなくて
ビリー……圭汰、まぁ、ビリーと呼んでいますが
その男の人が私の今の彼氏である。

犬みたい、に可愛い人。
別に悪い意味でもなく、そもそも犬は可愛いし。
親愛表現たっぷりで甘えてくるので可愛い人と言うことだ。
まぁ彼の方が年上なのだけど。

そんな彼をおちょくってしまうのは
焦った顔を見てみたいからかもだし
久しぶりに会うので、寂しがってましたよ？という
アピールも兼ねている。

銅像前で待ってると、案の定ナンパされるので
のらりくらり適当に躱して。
流石に他の男と遊んで、待ち合わせ場所から居なくなるのは
可哀想だからね、とやはり楽しそうに笑っていた]*