人狼物語 三日月国


212 【身内村】桜色のエピローグ✿

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視点:


【人】 水面 禎光

 

 僕は、半ば強引に瀬名から薄水色の傘を借り受けると
 押し込むように瀬名を七瀬の傘の中に入れようと。
 
 ふたりでひとつの傘 ───
 
 ああ、そうだね。
 同じがいいのか、個々がいいのか。
 相合傘に押し込んだり、別々のお返しを用意したり
 僕だって、答えなんか持ち合わせていなかった。**
 
 
(58) 2023/05/06(Sat) 5:26:32

【人】 火澄 七瀬





 「 大丈夫ですよ、瀬名。

   何があっても。
   お姉ちゃんが貴女を守りますから。 」


 禎光に出会い、私と瀬名が別々の人間だと知って。
 それと時を同じくしてでしょうか。
 自分が姉だと気付いたのは。


 私にとって当然となる言葉を繰り返せば、
 貴女はやはり、
 納得のいかない表情を浮かべたのでしょうか。>>54



(59) 2023/05/06(Sat) 10:40:46

【人】 火澄 七瀬




 お父さんとお母さんが死んだときも、きっと。


(60) 2023/05/06(Sat) 10:40:50

【人】 火澄 七瀬




 「 …… そうですか。 」


 怪しげな店には出入りしてほしくないし、
 自宅へはひとりで行けてほしい。
 
 そんな思いは飲み込むしかなかったでしょう。
 最初に手を離したのは私なのですから。>>0:30
 
 
 
(61) 2023/05/06(Sat) 10:40:59

【人】 火澄 七瀬




 全身を濡らすには及ばない雨。
 それでも互いに傘を開いた分、
 私達の距離を開かせるのには十分で。


 「 …… 禎光?
   ああ、それは。 仕方がないですね。

   禎光は ─── 身体が弱いのですから。 」
 
 
 だから、瀬名の手から傘が離れて、
 唐突に彼女が私の隣へと飛び込んでくれば。
 縮んだ距離に、思わず心臓を跳ねさせました。
 
 
 
(62) 2023/05/06(Sat) 10:41:42

【人】 火澄 七瀬




 不意に思い出したことがあります。
 確かあの日もこんな風に、
 今にも落ちてきそうな曇天の下でした。

 瀬名と禎光の遊びのこと。>>50
 知ってはいましたが、自ら参加はしていませんでした。
 微笑ましいと、少し呆れた表情で見守ること。
 それが姉の役割だと思っていましたから。
 
 不意にむくりと沸いた悪戯心だったのです。
 
 
 
(63) 2023/05/06(Sat) 10:42:22

【人】 火澄 七瀬




 「 禎光、今帰り?
   雨降りそうだけど、傘は持ってきた? 」


 ある日の放課後の昇降口。
 たまたま瀬名が隣にいない帰り道でした。
 私はそっと、自らの装飾品を外してみたのです。**>>24
 
 
 
(64) 2023/05/06(Sat) 10:45:44