コツ、コツ、と。杖の先端部分、水晶を手で撫でながら。
少し遅れて処刑室まで歩を進める。

「…… …… …… ……」

キエの歌が始まる直前での到着になるだろうか。
直ぐに部屋に入ることはしない。廊下で待機の姿勢だ。

>>+10　レヴァティ
「……ん？　レヴァティか」

サルガスは廊下で待機中。視野のものだから、遠くに居る君のことも眼に入るだろうか。
君の位置から廊下に居るサルガスの姿が見えるのならば、そちらへ緩く手を振る。

>>+12　レヴァティ
「本日の処刑対象はシャト・フィーだ。
　かなり危険な状態だ、死にたくなければそこに居るといい」

サルガスもこの場からは動かず、聞こえやすいよう声を張り上げつつ伝える。

>>+18　レヴァティ
「……ああ、」

処刑室の扉と君を交互に見。
怖がられなければコツ、コツ、と。君の近くまで歩み寄った所で壁に背を預け直すだろうか。

「君もまだ本調子じゃないだろうからな。
　……大丈夫になるまでは、好きな場所にいるといい」

いつもの元気な様子しか見ていないものだから、今の君に元気がないのは見て取れる。

>>+25　レヴァティ
もごもごにはほんの一瞬、ほんの少しだけ口を緩めた。

いい子だ」

そう告げた後は君から視線を外し、壁に寄り掛かったまま処刑を……君からするとサルガスが壁を見ているようにしか認識できないだろうが、見守る姿勢になるだろうか。

>>+30　レヴァティ
「聞こえてる」

聞こえているらしい。
子供扱いをしているのは間違いではないので否定はしない。


「私は監視が仕事だからな。備えの役割もある。
　全員が戦場に出払ってしまうと……壊滅した時が大変だろう？」

要は、臨機応変に動ける“駒”は常に確保した方がいいという話。
この単純説明で君に伝わるかどうかはわからないが。

>>+33　レヴァティ
徐に視線を君へと戻し……首を傾げた。
本当にわかった？　と言いたげな表情をしてるかも。


「ほら、その……一ヶ所、同じ場所に花を植えていたとして。
　それが燃えたら、全部燃えてなくなってしまうだろう？
　なくなったら、種もできなくて新しい芽が出なくなる」

「だから、少しだけ別の安全な場所に植える……

急に植物に例え始めた。しかもそんなに上手くもない。

>>+35　レヴァティ




そしてなんか
実はサルガスはそこまで口巧者ではないのだ。自覚もある。
子供扱いでなく園児扱いをした方が……いいのか……？

「…… …… …… ……」

自分はどうするのが正解だ？






壁から離れ、甲高い音を立てながら駆け出す。
それと同時、キューブからを取り出して。
そのまま、鎮魂歌が響く処刑室獣の縄張りの中へ飛び込む。

滑り込むように扉を潜り。
被害が拡大しないであろう場所を“見抜き”位置に着く。

その後は　と。
本能のままに動く獣を挑発するようにヒールの音を響かせて。

>>+42　シャト・フィー
　
　
　
　
　

「…… ……、っ」

サルガスは狙撃銃を――

狙撃銃を持っていない片手、左手袋の指先を噛み、引き抜く。
露わになる肌、を貴方へと差し出して。

「ほら、おいで……僕と遊ぼう、シャト・フィー」

跳びつかれる？　食らいつかれる？　望むところだ。
あの時のように足を踏ん張って、絶対に受け止めてやろうと。

>>+44　シャト・フィー


声にならない呻きを漏らす。
ぶちりと食いちぎられる肌、溢れる血が床を、服を汚していく。



逃がさないように、貴方の身体を引き寄せようと。
朦朧とする中、を持ったままの右腕を貴方の身体に回し。
銃口を、貴方の身体の側面に向けて。







己の身体ごと巻き込む形で貴方に強力な電撃を
耐電装備と言えど受けれる電圧に上限はある、そも食いつかれている腕は無防備な状態だ、サルガスにも相応のダメージが入る。



を食いちぎられようと、に身を焼かれようと。
貴方が己に食いついている限りは、逃がさぬように抱え続ける。

>>+47　>>+48　シャト・フィー



強いで意識が再覚醒する。腕の力は強まっていく。





貴方のが流れ込む。小さく口元が緩む。
力の入らない腕で、抗う貴方を何とか抑え込もうとする。


それでも。



これが僕の答えだ。

>>+50　>>+51
くらり、眩暈に飲まれる前に風の刃を身に受ける。
抵抗の動きを抑えきれない。それ故か傷は浅く済んでいて。





その意思の赴く先を送り、届けようと手を放し――