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【人】 サーチャー ゼクス[ ネスに風呂の中で受けた耳打ちの後。 普段、どちらかといえば俺がネスを恥ずかしがらせて 可愛がる事が多いというのに なんだか今日はずっと立場が逆転したようだ。 いや、ネスは俺を恥ずかしがらせようなどと 思ってはいないと思うのだが。>>0 毛布の中に埋めた顔をほんの少しだけ出して、 抱きしめられるがままにネスの体温に顔を寄せる。] どんな俺も……… それはそれで複雑になりそ…。 [ どんな俺も好きで居てくれるというのは本来嬉しいのだが。 明日の自分を想像して、 そんな俺を好きだと言うネスを思い浮かべてしまえば どうしようもない気持ちになってまた顔を伏せた。>>0 いつもの俺より良いなんて言われたらどうすれば…。 いつもより寝付けない夜。 それでもネスの穏やかな手付きで撫でられれば、 意識はゆったりと沈んでいった。 ] (5) 2023/11/27(Mon) 15:59:02 |
【人】 サーチャー ゼクス[ そしてネスより少し早く目覚めた朝。>>1 俺にくっついてくるネスの頭を撫でて ] ん、おはよ。 [ と額にキスをしよう。 二人で外着に着替えてコーヒーと朝食をつまんでいれば、 やはり寝て起きても変わらず浮かぶのは今日の予定の事。 どうしたってうかない顔でちらりとネスを見れば、 あまりにも楽しそうなネスがいて。>>2] (あー!!可愛いなちくしょ〜〜〜〜!!!) [ 心の中でどこかに向かって叫んでしまう。 ああ、俺の往生際の悪さよ。 やはり落ち着かない心地で 念入りにダガーと魔導具の手入れを済ませたなら 二人続いて宿を後にした。 ] (6) 2023/11/27(Mon) 16:04:23 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 酒場にはいつも通り、様々なクエストが張り出してあった。 俺達が普段行くようなダンジョンの捜索、 大型の魔物退治から 今日探していた小遣い稼ぎの採取クエストまで。 そのうちの一枚の羊皮紙を取ったネスの手元を、 ひょいっと興味深げに覗き込む。 ] ふーん……? 見つけにくくて見分けにくいか。 まぁ確かに採取クエを好んでやる若手の奴らなんかは そんなもん受けないで、 もっと簡単で少額なヤツで稼ぐだろうし… この辺のが売れ残るのもある話か。 [ 距離としてもここからさして遠くない。 これならまぁ確かに仕事を終わらせて、 その日のうちに帰って買い物する余裕はあるだろう。 花の特徴を頭に入れながら、 目的地周辺の地形を記憶に起こし ] (7) 2023/11/27(Mon) 16:05:29 |
【人】 サーチャー ゼクス[ ここらの草原は街からもそう遠くないせいか、 徒歩での移動が多い初級の冒険者達が狩りにもくる。 おかげでそこまで凶悪な魔物も出ないし、 洞窟までの道中も特に何にも出くわさずに済んだ。 洞窟の周りに生い茂る草や花は、 有用なものはかなり摘み取られたあとに見える。 残ったものの中にも、目的の植物らしきものは見当たらず ] ん〜〜……。 そーだな、多分ない。 見分けにくいったって似てるモンも生えてねえしな。 [ ゴーグル越しに辺りを索敵しつつ、 同時に花にも気を配る。 罠等はおそらくないぶん、気をそちらに割くことはできるが それでも結構集中しなければならなさそうだ。 洞窟の奥へ促そうとするネスに、 こくりと頷いて追従した。>>4 ] (9) 2023/11/27(Mon) 16:06:53 |
【人】 サーチャー ゼクスまぁ入ったほうが話は早いだろうな。 洞窟の傍か中にある…って事は この洞窟の土壌かマナを好んで生える植物だろうし そんなら陽の光よりは、 マナが濃い奥の方があるかもしれない。 [ ネスからライト型の灯りを受け取ると、 洞窟の壁や天井を確認し目を細め 二人で一緒に洞窟の奥へと脚を進めよう。 ] ただ気をつけろよ。 今のところ小さな蝙蝠が奥に居るな…ってくらいだが 洞窟って何かと生物が多いせいで 小さな毒虫なんかは俺も見逃す可能性あるし。 [ 洞窟の奥はいくつかに別れていて、 更に複数の生物が住む気配がある。 今のところ脅威となる気配ではないものの、 敵意の有無と実際の脅威度は別の話だ。 ] (10) 2023/11/27(Mon) 16:07:15 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 特に俺の索敵は、此方に明確に敵意がある敵だったり、 ダンジョンに仕込まれた罠には強いが 流石に全ての生物を補足する事はできない。 小型すぎれば見えても気に留めて居られないし、 魔力を遮る装備をつけるような上級の相手には 反応が少し遅れたりする。 まぁこんな洞窟に、そうそうそんなモノ出ないとは 予想して来ているわけだけど。 ] なんか変なもん見つけたらすぐ教えろよ。 …流石にこんな所に罠なんてないだろうけど それでも… そもそも殆ど人も入ってないみたいだしな。 [ そうして、ネスの足元を照らして見せる。 柔らかな苔や泥に人の足跡はない。 しかし”何か”が居た痕跡は、 そこに足跡としてしっかりと残っていた。** ] (11) 2023/11/27(Mon) 16:10:00 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 目的地である洞窟は、草原の難易度に比べて 一段高く見積もられているせいか、 入り口までの雰囲気とは違い 奥の方までは人の手は入っていないようだった。 むしろ草原に人が多いからこそ、 魔物や小型の生物の隠れ家になっている可能性もある。 ゴーグルで生物の動きを細かく捉えつつ、 空いた目で植生をみやる。 通常陽の光が当たらない奥に行けば行くほど 植物などは減っていくはずなのだが この洞窟はマナの力もあってか、 普通の洞窟よりはかなり植生が豊かなようだった。 しかしそれでも、奥に行けば行くほど植物の数は減っていく。 殆ど何もない岩肌の影に 更に隠れるように時々花があるせいで、 なにもないとも判断することは出来ず 俺とネスはどんどん奥へと歩いて行くことになった。 ] (22) 2023/11/27(Mon) 22:14:09 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 途中、ネスに蝙蝠の存在を告げれば 感心したように言われて。 ] 聞こえる…っつーか見える? 天井近くに所々固まって生体反応あるのと、 時々不自然に飛ぶような動きしてるから蝙蝠だな。 コレつけてると多少は生物の動きが追えるんだよ。 あんま分厚すぎる壁隔ててたり遠すぎるとわかんねえけど。 [ 種明かしをするように笑って、ゴーグルを指差した。 目も耳も鼻も敏感な自覚はあれど、 流石に自力だけじゃあ全ては感じ取れるわけじゃない。 虫よけがあると言われれば、 さんきゅ。と言って全身にかけてもらうことだろう。 こういう時変に匂いが強いものを選ばないのが、 ネスの頼れる所だ。>>15 ] (23) 2023/11/27(Mon) 22:14:36 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 人の居た痕跡もなければ、細工の後もない暗い洞窟。 罠がなさそうなことを告げつつ、 それでも全く何も居ないわけではない事はわかっていたから 気をつけるように改めてネスに声をかけた… そんなところだった。] … うお… …ッ!?[ 湿気で濡れた苔に足を取られたネスが、 転びそうになって俺にしがみつき ボス!と胴に体重がかかるのをそのまま抱きとめる。>>16 ] ──っと、大丈夫か? 普通の地面よりずっと滑るから、気をつけてな。 [ ぽすぽすと優しく背を撫でて、心配そうに顔を覗き込む。 すぐには腕を離さない。 ちょっとしたアクシデントから得られたチャンスをいい事に 俺はそのままネスの体をしっかり抱きしめた。 ] (24) 2023/11/27(Mon) 22:15:06 |
【人】 サーチャー ゼクス………。 (……触ってるだけで元気出るな……。) [ そして、抱きしめたついでとばかりに、 ネスの耳にちゅ、と口付ける。 そんな小さな音も、 洞窟という場所のせいかやけに大きく響いて 思わずクックッと口元を緩ませた。 ] ここでセックスしたらすげー声響くだろうな。 [ 冗談めかして囁いてから、 ネスの体は大丈夫かを改めて確認して。 問題なさそうな事がわかったら、 そのまままた探索を再開しよう。 ] (25) 2023/11/27(Mon) 22:15:33 |
【人】 サーチャー ゼクス[ そうして二人で分かれ道などを一緒に探索し 少しずつ洞窟の中を虱潰しにマッピングしていく。 ちなみに二手に分かれるという選択肢は 俺の中にもなかった。 どちらもが戦闘職ならともかく、 俺達は二人で居たほうが圧倒的に安全だったし… なによりネスと二人でのクエストなんて、 然程危険がないならなおさら一緒に居たいじゃないか。 蝙蝠の傍を通ったり、光る苔が生えた壁を見てみたり。 少しばかり時間をかけて探索したのち見つけたのは、 酒場で見た依頼書に書かれたものとそっくりの草花だった。 おお…。とついつい声をあげつつ、 ネスの手元にあるそれに顔を寄せて匂いを嗅ぐ。 数度鼻を鳴らして匂いを覚えておいて、 それから同じようなものを周囲から探した。 ] やらしいな〜。 茎と花が同じ色なの結構見辛い。 フツー花ってもっと目立つもんだろうに。 [ ぶつぶつ言いながら、探してはネスに手渡して。 雌しべを取る等の作業は彼に任せていけば、 集まったのは9個ほど。>>17 ] (26) 2023/11/27(Mon) 22:16:22 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 敵が居ないと、罠もないと気が緩んでいた。 目的の達成と今の状況に浮かれて、 ネスの近場にある危険に意識が向いていなかった!] そんな… ネス!!!返事をしてくれ!!! [ 顔を真っ青にしつつ、 俺は索敵の魔力を穴の奥へと集中させる。 ネスの魔力はすぐに追える。 幸い垂直の穴ではないらしく、 スピードもあまり出ていない。 ネスの装備からいって、 落下によるダメージは然程無いだろう。 だが。 ] …………………… [ 穴の先、部屋のように広い空間があるのがわかる。 流石に詳しくはわからない。 しかしそこに、ネス以外の気配があるのもわかった。>>20 ] (29) 2023/11/27(Mon) 22:18:32 |
【人】 サーチャー ゼクスクソが…… (……ゴブリンか? 穴の先に居るとなれば、ここから追うと正面…。 ここはおそらく偶然繋がっただけの穴… ということは他に出入り口があるはず…。) [ 時間にして、 ネスが穴へ落ちてから1分も経っていないだろう。 深く息を吸い、目を見開く。 わずかに地面を蹴る音だけを残して、 俺はその場から姿を消した。 ] (30) 2023/11/27(Mon) 22:19:22 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 焦燥感に蓋をしてしまえば、 目的がクリアになった俺は驚くほどに冷静だった。 空気の流れ、察知した魔物の魔力の痕跡。 地面の凹みと折れた草。 それらを見て迷いなく道を駆けていく。 小さく漏れ聞こえるネスの声。 腹から湧き上がる怒気を押し殺し、 俺はゴブリン達がネスを取り囲む 小部屋の入り口に辿り着いた。 ] (31) 2023/11/27(Mon) 22:19:46 |
【人】 サーチャー ゼクス[ ゴブリン達が取り囲むネスは、 ローブが引き裂かれ 衣服を奪われている。 怪我をさせるでもなく、脚を掴まれ、 あちこちを検分するように触れられて。 ネスの綺麗な肌が、 クソみてえな奴らの手で触れられている。] (臭い。 ) [ あいつらから感じる淫らな気配に、 吐き気がするほどの殺意を覚えた。 ] (32) 2023/11/27(Mon) 22:20:54 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 手に持ったタガーの血を袖で拭うと、 物音に気づいたゴブリンが此方に漸く気づいた事だろう。 転がった仲間の首に驚いてこちらへ向かってくるそいつに 自分の腕を掻っ切って俺の血を浴びせる。 両目が潰れて怯んだ所に、 そいつの頭に両手を当てて 俺の血越しに魔力を注ぎ込んだ。 ] 行って来い [ ゴブリンは魔力耐性に弱い。 俺の力に中てられたように ふらふらと部屋から出ていくのを見送ると、 ネスに跨って最後まで残っていたゴミに目をやった。 流石に異常事態からか気が立っていて、 俺に牙と爪を剥き出して飛びかかってくる。 ] (35) 2023/11/27(Mon) 22:22:55 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 俺だけしか見てない敵の、なんと御しやすい事か。 まだ血が流れる腕ごとゴブリンの口に突っ込むと、 そのまま壁に頭を叩きつけた。 即座にもう片方の手でゴブリンの首にダガーを滑らせ、 その生命を断ち切る。 ビクビクと痙攣して動かなくなったゴブリンから ずるりと腕を引き抜くと、 長く息を吐いてネスに近寄った。 膝をついてその体を見下ろし、 怪我がないかとあちこちに触れる。 体についたゴミ共の気を拭うように、 袖で肌を拭ってから ローブを脱いでネスに羽織らせて。 ] …悪い、遅くなった……。 [ そうして彼の無事を確認できたなら、漸く安心したように その体を強く抱きしめよう。 僅かに震える声を、誤魔化すように強く。* ] (36) 2023/11/27(Mon) 22:29:11 |
【人】 サーチャー ゼクス[ 穴に転げ落ちていくネスの体。 気付くのに遅れて、彼を危険に晒してしまった。>>40 気を緩めてはならない所で油断して、 何よりも守るべき人物を手放してしまった事実に 今までで一番自分を殴りたくなった。 聞きたくない場所からネスの声がする。 流石ゼクスさん、なんて 穏やかな声をかけてくれていた先程とは>>39 比べ物にもならないような 悲痛な声でまた俺の名が呼ばれる。>>41 悲しいだとか、怖いだとか そういう感情を持つ余裕すらなかった。 そんなものに心を明け渡すくらいなら、 1秒でも早くネスを救って再び抱きしめたかった。 ] (45) 2023/11/28(Tue) 16:21:37 |
【人】 サーチャー ゼクス[ ゴブリンは単独ではなく群れで行動し、 不定形の奴らに比べて知恵もあるぶん 初心者には厄介な相手だ。 小柄な割に力もあるし、 野蛮で好戦的だからこそ ろくな装備も持たなければ平気で殺されてしまう。 けれど、今回ばかりは この不幸な出来事の中、 ヤツらが人の形をしていた事は、 俺にとって非常に都合が良いことだった。 加えて俺が奴らの意識の外にいた事。 群れと言えど処理しきれる数であった事。 弾き出された予想図の通り、 俺は冷静に奴らの命を刈り取っていった。 ] (46) 2023/11/28(Tue) 16:22:18 |
【人】 サーチャー ゼクス[ きっとこれがスライムであったり、 急所が分かりづらい構造の魔物だったら こうはいかなかっただろう。 俺の魔力だってどこまで効くかわからない。 そもそも魔物相手には殆ど使わないし、 使えないものだ。 全ての処理が終わり、ネスに駆け寄って。 その無事がきちんと確認できるまで、 自分で切った腕の痛みすら感じなかった。 こんな場所でネスの肌を晒していなく無くて、 俺のローブを羽織らせて抱く。 また俺を呼んでくれるネスの声。>>42 何よりも大切なものを守れたことに安堵すれば、 同時に押し込んでいた感情も戻ってきて。 ] (47) 2023/11/28(Tue) 16:22:45 |
【人】 サーチャー ゼクス……よかった……無事で…。 [ 撫でられる背中が温かい。 自分の不甲斐なさだとか、後悔だとか 色々なものが押し寄せてくるけれど どうしたって一番に来るのは安堵で。 へら、と力が抜けたように笑った。 ] (48) 2023/11/28(Tue) 16:23:25 |
【人】 サーチャー ゼクス──え。 [ けれど。 少し顔を離してネスを見れば、 ぽろぽろと涙を零しているから。] は?え、悪い、どっか痛かったか? ……あ、ローブが臭かったとかか!? [ 一瞬で慌てたように、ネスの体を確かめる。 ローブを羽織らせたけど、 切り裂かれただけのネスのローブに比べて 俺の血なんかも跳ねちまったぶん、 もしかしたら臭いかも知れない。 そう思って、腕をネスに添えようとして。 ] (49) 2023/11/28(Tue) 16:23:46 |
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