情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【人】 軍医 ルーク[ 外壁の階段を、ぺんぎんと共に降りてゆく。 基地の内部、建物からばらばらと出てくる武装兵たちが 遠目に見えた。 総攻撃に対して、出来る限りの戦力が投入されている。 けれど、基地を完全に手薄にしたわけではない。 基地を守る防衛部隊も、此処には残っているのだ。 一歩足を踏み出せば、 外壁がぐらりと揺れて足を踏み外しかける。 ずるりと足が滑り、そのまま転げ落ちそうになる。 咄嗟に石壁にしがみ付くようにして身体を支え、 一歩、一歩下へと降りてゆく。] (48) 2020/05/27(Wed) 23:53:34 |
【人】 軍医 ルーク[ きゅい! と切羽詰まった鳴き声。 がらがらと落ちてくる何かの音に耳がぴくりと動き、 咄嗟にぺんぎんを抱え込み、壁面に身を寄せれば、 爆ぜ割れ、弾け飛んだ壁面の瓦礫が足元を掠め、 人の頭など砕いてしまいそうな勢いで、 下へと落ちていった。 砲声の向こうから金属の咆哮が響き、大気を揺るがす。 火薬の匂い、煙、破壊音、 そのひとつひとつが、五感に突き刺さり、 白い耳が、ふる、と本能的に震える。 動けなくなる、脚が竦む。 そのまま頭を抱えて屈みこみたくなるのを、 ぶん、と強く首を振って振り払う。] ……、逃げよう、 下に防衛部隊が、いる、 [ ぺんぎんに言い聞かせる声は、 自分にも言い聞かせるように。 以前、この脚が生身であったころは 一息に駆け下りられたに違いない階段を、 時折鳴り響く爆音に追い立てられるように、降りて行った。] (49) 2020/05/27(Wed) 23:56:04 |
【人】 軍医 ルーク[ 外壁を降り、基地の内部――東棟の中へ。 まだこの建物の中にいたぺんぎんたちが、 慌ただしく駆け回りながら、 ぱたぱたと必死で羽をはばたかせ、 窓から首を出して外の様子を見ている。 きゅきゅいと鳴き交わし、跳ねまわる一羽に声をかけた。] 外に三体いる! 昆虫型――形状は蟷螂に似てる、 詳細は確認できなかったけれど、新型だ、 恐らく以前の型から類推するに、 脚部に複数の火器――…! 蟲型の特徴は規格外の脚力と、 触覚による索敵能力、 外壁を飛び越える恐れがある、 奴らの目的は基地だ! [ 早口でそう告げる。 恐らく、あれを見た者は自分だけではない。 司令部では戦況も確認されているはずだ。 それでも、情報はあるに越したことはないだろう。 以前研究所で見た蟲型の装備を頭の中に並べ、 類似点を絞り出す。] (50) 2020/05/27(Wed) 23:57:37 |
【人】 軍医 ルーク司令部――それか、然るべきところに伝えて、 君たちも奥に避難をして! [ ぺんぎんたちにそう告げる。 耳がぴくぴくと動き、 基地内に鳴り響く新たなサイレンを捕える。 襲撃が迫っていること自体は、やはり把握され、 情報が行き届いているらしい。 先程外壁から逃げるときに見えた防衛部隊の動きも、 統率が取れたものだった。 パニックになっていたぺんぎんたちは、 “おてつだい”のお仕事にはっと我に返ったようで、 四方八方に散ってゆく。 中の一羽が、自分と一緒にいる一羽に、 がんばれ! とでもいうようにぱたぱたと羽を動かし、 飛んでいった。 どうすればいい、どこに行けば? 思考は一瞬だった。 いまは基地の奥、非戦闘員の避難区画まで行くべきだ。] (51) 2020/05/27(Wed) 23:59:40 |
【人】 軍医 ルーク[ 此処に奴らが押し寄せてきたなら、 どこにいたって逃げ場なんてない。 どれほど基地の奥、堅牢な一画に身を寄せようと同じこと。 けれど――… 敵は近づけさせないと、そう彼は言ってくれた。 外壁から見えた敵の数がどれ程多く、 その一体一体が、どれだけの力を有していたとしても、 その言葉を、何よりも、強く信じている。 歩き出そうとした、そのとき。 ぴしり 、と、乾いた音を立て、 足元の床を、 銃弾 が穿った。] (52) 2020/05/28(Thu) 0:01:31 |
【人】 軍医 ルーク『何処に行くつもりだ?』 [ その声に、振り向く。 開いた扉の前、銃口を真っすぐに此方に突き付け、 戸口を塞ぐように佇んでいる人影がある。 ――覚えのある犬耳が、逆光の中、揺れた。] (53) 2020/05/28(Thu) 0:01:53 |
【人】 軍医 ルーク[ ぺんぎんを後ろに庇い、男を睨みつける。] そんなことをしている場合か? 外に何がいるか、分かっているだろう、 確か防衛部隊の所属だったな、 何故いま、こんなところにいる? 『その言葉、そっくりそのまま返そうか? お前が外壁から降りてくるのが見えたんでね。 ああ、やっぱりそうか。 そういうことなら、 もう答えを聞く必要も、ないよなあ』 [ こつり、軍靴が鳴る。 一歩の距離が近づく。 自然と後ずさろうとする足を、 “動くな!”と吼えるような恫喝と、 かちゃりと鳴らされた銃が遮る。] (54) 2020/05/28(Thu) 0:02:49 |
【人】 軍医 ルーク・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『またお前があれを呼び込んだんだろう? 第二研究所がああなったのは、 機獣の武装が暴走したから―― そんなことは大嘘だ。 お前が、スパイを呼び込んだ。 あの研究所には“何か”がいた、そうだろう?』 [ なにを、と聞き返そうとして――… 思考が奔る。 いま漸く、この男の耳まで届いた『噂』が どのように捻じれていたかを、察する。 何処から嗅ぎ付けたか、この男は上が想定しているよりも、 真実に近づいているのだろう。 けれど、それは違う。 また、一歩。 逆光の帳から踏み出した男の顔が、露になる。 其処に深く、昏くぎらついているものは―― 焦燥と、“恨み”] (55) 2020/05/28(Thu) 0:03:58 |
【人】 軍医 ルーク違う。 [ これまで何を言われても、否定することはしなかった。 “天の向こうには、機獣を送り込んでくる者たちがいる” その真実を、人に知らせてはならないと、 そう言われていたからだ。 上は恐らく、彼らの目的をいくらかは察しているのだろう。 ――“彼女”から、血肉と命ごと毟り取った情報で。 探ろうとする相手に何をされたところでどうでもよいと、 踏みつけられる人形を他人事の目で見るように、 そう思っていたからだ。 けれど、いまはもう、駄目だ。 明確に否定の声を上げ、男に向き直り、睨みつける。] (56) 2020/05/28(Thu) 0:06:00 |
【人】 軍医 ルーク『警告は終わりだと言ったはずだ』 [ 男はそう言って、引き金に指をかける。 怒りに煮えながら、それゆえにどこか平坦な口調で。 そうして、引き金をひとつ、引いた。]* (57) 2020/05/28(Thu) 0:06:17 |
【人】 軍医 ルーク[ 脚部に走る強い衝撃に、痛みはない。 けれども、武装でもなければ機能にも劣る義足の何処かが、 ばきりと嫌な音を立て、何かが砕ける感触が伝わる。 片足からかくりと力が抜け、揺らぎかけた身体を、 咄嗟に手近なドアの枠に手をついて支えた。] 少し考えれば分かるだろう、 もしわたしが天の向こうとの内通者で、 そのせいで研究所の事故が起こったとするなら、 上が放っておくはずがない。 前線送りで済むどころか 即処刑がいいところだ。 [ そう、男が疑っているのはそういうことだろう。 “自分が機獣から回収された部品の扱いを誤り、 事故を起こしたという噂” ――真相を隠すため、意図的に広められたそれではなく。 どこからか、カイキリアの存在を嗅ぎ付けて。 自分が彼女とかかわりがあったことを知り、 爆破事故に結びつけたに違いない。] (65) 2020/05/28(Thu) 1:37:57 |
【人】 軍医 ルーク『だったら説明をしてもらおうか? 研究班の奴らが言っていたな、 お前は、誰も知らない、知りようがない 機獣の通信機を、一度の捜索で見つけてきたと。 それにな、見張り台で不審な動きをしていたお前を 見かけた見張りがいるんだよ。 大穴の調査? 確認したが、お前にそんな任務はないはずだ。 そのとき、一体何をしていた?』 [ その問いに―― 一瞬のこと、口を噤む。 通信機を見つけることが出来たのは、 嘗て研究所で同じ部品を見たことがあったと、 そう話すことも出来ただろう。 けれどもその一瞬のうちに、どうしても、 それを本当に見つけたのが“誰”であるかを このような男に知られてはならないと、そう過ったから。 見張り台でのことを問われたなら、 懐に大事に抱えたままの赤い袋に、指が伸びる。 その一瞬の沈黙をどう捕らえたか、 男が再び引き金に指をかけようとした、そのとき。] (66) 2020/05/28(Thu) 1:38:35 |
【人】 軍医 ルーク[ そして、外壁の“もう一か所” 三体の前方からの進撃に紛れるように、 周りこんで後方へと迫っていた “もう一体” が遂に行動を開始する。>>3:298 迷彩を施した鱗に覆われたその体躯は、 例えるなら蛇に似ているだろう。 それは基地の側面に迫り、鎌首を擡げ、 蟲型が破壊されると同時に、その巨大な口を開く。 放たれた砲弾が、外壁の一画へと直撃した。 外壁の上部、見張り台が傾ぐ。 がらがらと崩れ落ちてゆく石壁、 ひとなど容易く押しつぶしてしまう程に巨大な瓦礫が、 中庭に雨のように降り注ぐ。 最後に、ずん、と音を立て、 見張り台の残骸が、地に突き立った。 そして、間を置かずに次の攻撃が放たれる。 基地内部の建物へと砲撃が撃ちだされるその寸前、 防衛部隊の反撃が蛇の横腹に突き立ち、 その軌道が逸らされた。] (68) 2020/05/28(Thu) 1:41:35 |
【人】 軍医 ルーク [ 砲弾が、炸裂する ] [ 音も、視界も、すべてが真っ白に染まる。 すべての瞬間が、ひどく引き伸ばされるようだった。 目の前にいた男が振りむこうとしている、 その動きがひどくゆっくりと見える。 ぱきり、と、 砕け散る窓ガラスの最初の罅すら、 見えるほどの一瞬だった。 咄嗟に、身体が動いた。 まだ動く片足、両腕、その全部を使って、 ぺんぎんを掻っ攫うように抱きしめ、 手をついていたドアの枠の内側へと滑り込む。 全てが飲み込まれて行くような、真っ白い一瞬の中で、 全身で抗いながら、手を伸ばしてくる死から逃れようと。] (69) 2020/05/28(Thu) 1:42:40 |
【人】 軍医 ルーク[ 考えていたことは、ひとつだけ。 絶対に死なない、死ぬものか、 ここで待ってるって約束したんだ、 これから何が起こるとしても、何処に行くとしても、 決して離れない、君の手を離さないって。 そうだ、わたしは――… ] (70) 2020/05/28(Thu) 1:43:20 |
【人】 軍医 ルーク[ 銃を突き付けられ、兵士たちに拘束され、その少女は] 『――、 あーあ、ばれちゃったか。 折角上手く行くと思ってたのに』 [ くすり、あざ笑うように笑った。] 『本当にね、“案内ご苦労”―― わたしも、もう少し警戒するべきだったかなあ。 こんな甘い子を一人で担当にして、 泳がされてるに違いない、って』 [ 彼女は、別人のような眼差しを向ける。 その視線に、ぞくりと背筋が泡立つ。 まるで機械のように、虫のように、 感情のないまなざし。 上司の男は彼女を見下ろす。] (72) 2020/05/28(Thu) 1:44:45 |
【人】 軍医 ルーク『機獣とともに此奴が回収されたのは僥倖だったな、 戦闘要員というよりは、情報を集めるために 人に取り入る術を叩きこまれた諜報員だろう。 病原菌のようなものだよ、 放っておいては酷い被害が出ていたに違いない。 さて、君らの処分はまた考えねばならないとして―― これが通信機か? 記録が残っているなら、これは役に立つな、 十分な成果だ』 [ 次の瞬間だった。 彼女――カイキリアが、息を呑む。 顔色を失い、目を見開き、 自分に銃を突きつける兵士たちの“向こう側”にある ひとつの部品を凝視して。 彼女の視線を追い、気づく。 その部品に、赤いランプが灯っている。 ちか、ちか、と規則正しく点滅しながら。] (73) 2020/05/28(Thu) 1:46:03 |
【人】 軍医 ルーク『……嘘、どうして?』 [ 彼女の口から零れたその声は、 先ほどまでとは打って変わって、 凍り付いたような恐怖を露にしている。 彼女はもがき、兵士たちから逃れようとする。 がつりと殴りつけられ、顔を上げ、叫んだ。] 『爆発する…!! いやだ、やだ、 此処から逃がして、逃げないと…!!』 [ 僅かな間のこと――奇妙な静寂が、その場を支配する。 そのような馬鹿な、と、口にしかけた上司の口が、 言葉を発せず噤まれる。 ひい、と引きつるような息をしたのは、 自分たちを抑えていた兵士だ。 彼らは顔を見合わせ、銃を放り投げ、 ばらばらと勝手な方向に駆けだしてゆく。 そして、最後まで残った上司の男もまた、 彼らの後を追って走り出す。] (74) 2020/05/28(Thu) 1:46:48 |
【人】 軍医 ルーク――、 逃げるよ! [ 茫然と立ちすくむ彼女の手を取り、駆け出す。 どれだけの時間があるかは分からない、 一分? 数十秒? それとも―― 格納庫を駆けだし、あたりを見回す。 どこまで余裕があるだろう、 視線で問うた彼女の目を見て、 もう本当に猶予がないのだと知る。 背後から迫って来るそれは、確実な死だ。 限界まで足を動かして駆け抜け、 手近な部屋へと駆けこんだ。 倉庫のようだった。 少しでも奥へと、彼女の手を引いて、 物陰へと身を潜め、身体を丸める。 がたがたと指が震える。 耳も、尾も、何一つ現実味のない圧倒的な恐怖の中で、 破裂しそうに早鐘を打つ鼓動の音を聞きながら、どくどくと。] (75) 2020/05/28(Thu) 1:47:36 |
【人】 軍医 ルーク『……きらいだった、 あんたたちなんか、大っ嫌いだった、 笑ったり、怒ったりしてもいい、 悲しんだり、楽しんだり、なんでも持ってる、 当たり前みたいに、“感情”があって、 わたしに酷いことをする、あんたたちが』 [ そう言いながら、彼女は、 ――… この手を離そうとは、しなかった。 強く、固く、互いの手を握りしめる。 この手もまた、震えていた。 彼女の言葉のすべてを受け止めるように、頷く。 その憎しみは、きっと、わたしの中にもあるものだ。 天の穴の向こうに居る者たちと会ったなら、 どうして父を殺したのかと、 一片も思わずにいることが、できるだろうか。 彼女にその影を重ねようとは、思わなかったけれど。 それでもどうしても、自分たちは、 世界の外と内で殺し合う場所に立ってしまっていたのだ。] (76) 2020/05/28(Thu) 1:49:30 |
【人】 軍医 ルーク[ 視界のすべてが赤かった。 炎は消し止められたようだ。 耳音で滴る水の音に、 ああ、流れている血だなと――そう思った。 辺り一面の瓦礫の山、 吹き飛んだ天井の向こうは、一面の闇だ。 誰かの声が聞こえる、誰かの動き回る音、 瓦礫をかき分ける音。 彼らの声が、ひとつも意味を為さない。 頭の中はぐらぐらと揺さぶられて、 目に飛び込んでくる景色も一秒後には捻じれ、 水にぬれて絞られる布のような心地がした。 身をよじり、身体を動かそうとする。 けれど、からり、と手元の破片が音を立てた、それだけで。 そうだ、繋いでいた手が、あったはずだった。] (78) 2020/05/28(Thu) 1:50:36 |
【人】 軍医 ルーク[ 首を傾ける。 小さな傷だらけの手は、確かにそこにあった。 自分の右手と、つないだままだった。 ――その手“だけ”が、あった。 動いた視界の先に、大きな瓦礫がある。 その下にあるものは――ああ、位置的にはわたしの脚か、と、 他人事のように、思う。 音のすべてが遠ざかる。 けれど、鼓膜は大丈夫。 視界に問題はない、赤いのは、血が入っているから。 そんな風に淡々と分析しながら、 駆け寄ってくる誰かの足音を聞きながら、 まるで、ピアノを弾いている指の上に 蓋を思い切り閉められたように、 自分の中に『何か』が致命的に断ち切れたということに、 気づいては、いた。 そのときは、それは両脚のことだと思った。 切れてしまった糸はそれだけではなかったということを、 病室で自分を診察した医師のカルテを盗み見て、知る。 ―― そのときも、もう、何も感じなかった。] (79) 2020/05/28(Thu) 1:51:11 |
【人】 軍医 ルーク[ ――… ] [ 身を起こす。 起こそうとする。 意識なんて、あるかないかすらもう分からないけれど。 自分が確かに『生きている』ということだけは、 はっきりと、分かっている。] ……死ぬもんか、 [ そうだ、絶対にだ。 わたしは、待ってる。 君が帰って来るのを、君にまた会うのを、 そして――… これからもずっと、一緒に、いるんだ。] (80) 2020/05/28(Thu) 1:52:15 |
【人】 軍医 ルーク[ きゅいきゅいと、腕の中で声を上げる温もりがある。 額が割れ、血が流れ込んだ右目の視界が、 赤く覆われていく。 ぽたり、血が頬を伝い、床へと滴り落ちる。 少し離れた場所に、あの男がいる。 銃を落とし、意識はないが―― 見たところ、生きている、大丈夫だ。 どうやら砲撃の直撃は避けられたらしい、 だとしたら、逃げないと。少しでも遠くへ。 足に力を込めたそのとき、 がくり、引っ張られるように身体が床へと落ちる。 義足の片方――先ほど撃ちぬかれた足を、 倒れた棚が押しつぶしているのに気づいたのは、その時だ。 ぺんぎんが腕を抜け出し、必死で持ち上げようとするが、 到底動く重さではない。] (81) 2020/05/28(Thu) 1:53:21 |
【人】 軍医 ルーク――、っ。 [ 切り離してでも抜け出そう、 此処から逃げないと。 何か使えるものはないかと、 身を起こし、辺りを見渡す。] [ 建物の壁面が崩れ、中庭が見える。 ず るり、と、ひどく重い何かが、土を這う音がした。 蛇型の機獣の巨大な目が、 真っ直ぐに此方を見ていた。] (82) 2020/05/28(Thu) 1:54:59 |
【人】 軍医 ルークあ……、 [ 機獣が、口を開ける。 外壁を砕いた砲撃だ、 放たれたなら、建物はひとたまりもない、 自分たちもまた、骨一つ残さず消し飛ぶだろう。] [ 脚にどれほど力を入れて瓦礫から引き抜こうとしても、 瓦礫も、脚も、動かない、動けない。 機獣の口の中に、あかい光が灯るのが見える。 ――指先が、懐に触れる。 こつり、触れた感触は、 そうだ、此処に来る前に彼から渡された――] (83) 2020/05/28(Thu) 1:55:47 |
[1] [2] [3] [4] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新