人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

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【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[誰でもいじめられる可能性はあるけど、いじめられやすい人はいる。
 大人しくて、やり返さない優しい人。
 運がいいことに、私はいじめられたことはない。
 だけど、いじめそのものから逃れられなかった。
 ── ありふれた事だから。]
(13) 2020/10/03(Sat) 8:45:02

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[中学生のころ、少しトロい子がいた。
 その子は、体育の時間、あらゆる場面で面白い動作をした。

「なにその動き! へんなのー!」
 私はおかしくて、笑って真似した。他の子たちも寄ってきて、けらけらと盛り上がる。
 傷つけてやろうなんて全く思っていなかった。じゃれることで距離を縮めたかった。
 私自身、そうされることが楽しくて、「ひどーい」と笑って友達を作っていたから。
 その子は真っ赤になって俯いて、その様子がまたおかしくて、体育の時間のちょっとした名物になった。

「でた! ──ちゃんの珍プレー!」「ナツキ、いつものやってよー!」「おっけー任せて!」

 その日もそうやって遊んでいたら、その子はぽろぽろと泣き出してしまった。
「ナツキ、ひっどー」「──ちゃん、泣かせてやんのー」「──ちゃん、だいじょうぶー?」
 私はひどく慌てて、何度も何度も謝って、二度と同じことはやらなかった。
 けど、心の底は不満だった。]
(14) 2020/10/03(Sat) 8:47:24

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月



 なあに、あれぐらいで泣いたりして。
 ちょっとじゃれただけじゃん。
 美味しい役回りあげたのに、なんか嫌な感じ。
 まるで私が悪者みたい。
 私なんかもっとエグいいじり方されても、盛り上げられるのに。
 空気を壊して泣くなんてこと、しなかったのに。
 いいよね、──ちゃんは。可愛い女の子枠にいられてさ。


 
(15) 2020/10/03(Sat) 8:47:59

【人】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ふとした時、あの時のことが蘇って、胸がぎゅっと苦しくなる。
 仲良くなろうとしたはずなのに、なんでああなっちゃったんだろう。
 言い訳をたくさんしてしまう自分が嫌で、誰かに聞いてほしいけど、そんなこと聞かされたら盛り下がることなんてわかってて、だから私の中には汚いどろどろがいつまでも渦巻いていて、

 こんな私のこと、ユウ君には絶対に知られたくない。

 いじめは一対多数。
 つい、自分がいじめられないかばっかり心配するけれど、
 加害者になるほうが、ずっとありえるんだ。]*
(16) 2020/10/03(Sat) 8:48:51
(a6) 2020/10/03(Sat) 9:03:55

【墓】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[カナカナと、ひとりぼっちのひぐらしが鳴いていた。
 いつの間にか薄くなったセミしぐれの代わりに、
 キョ、キョ、とモズが鳴く。
 高くなった秋の空から、オレンジ色の夕日が差し込む。
 眩しい図書室の中に、一人の影が立っていた。
 あの時>>0:60と同じように、だけど逃げ出さずに、
 その人は私を見つめている。
 少し違うか。彼には私は見えていない。私に彼が見えないように。

 ぺこっとお辞儀をすると、私の影が不自然に伸びた。]


 ── ユウ君、だよね。


[呼びかけても、返事はない。
 仕方ないか。声は影にならないし。]
(+4) 2020/10/03(Sat) 19:42:24

【墓】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[吹き込んだ風がカーテンをあおって、
 スカートの中を通り過ぎた。
 裸の腿をなぞるキンモクセイの香りは、ちょっと冷たい。
 スカート下のハーパンを脱いでも、
 前髪が割れないように気を付けても、
 カーディガンのボタンを可愛いハート型に付け替えたって、
 ユウ君には伝わらない。

 何となく予想してはいたけれど、
 いざ何の反応も無いユウ君を見ていると、
 息が苦しくなってしまった。
 
 淋しいけど、泣きそうな顔が見られずに済むのは、助かるかな。

 声も表情も分からない人と、どうやって接すればいいんだろう。
 何も知らないうちなら、思いっきり距離を詰められたけど。
 ユウ君を怖がらせるのが嫌で、お辞儀の後が続かない。]
(+5) 2020/10/03(Sat) 19:42:58

【墓】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[やがてユウ君が動きだした。]


 あ……ねえ、待って!


[帰っちゃうのかと思ったけど、ユウ君は椅子に腰かけた。
 腕が隣の椅子に伸びて、影だけを引っ張り出す。
 のっぺりした椅子の実体と、ユウ君の影を見比べて、
 私はゆっくり近づいた。

 椅子を正しく影に合わせて、ユウ君の隣に座る。
 誰かの隣に座るなんて、どれぐらいぶりだろう。
 本棚に映る影は、二人並んでいるのに、隣を見ても誰もいない。

 その間にユウ君は鞄らしきものから何かを取り出した。
 見えなくたって分かる。
 私たちを繋いでくれた、紙一枚分だけ重い本。
 それを机に広げて、何かを書いている。
 だけど机の上を見ても、黄色い木目しか見えない。

 私も鞄から本を取り出す。
 机の上に本を置いて、傷んでしまった便箋を広げると、
 見つめている間にもコバルトブルーが引かれていく。
 その線は複雑に組み合って、言葉になって私に届く。
 リアルタイムで紡がれる言葉。
 ふと思い立って、その便箋をユウ君の手元に置いた。
 ちょうどユウ君が書いてるだろう場所に合わせて。]
(+6) 2020/10/03(Sat) 19:44:07

【墓】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[ぽんぽんと喋っても、
 おーい、と呼び掛けてみても、
 耳のあたりにふって息を吹き込んでも、
 筆の速度は変わらない。
 ああ、本当に聞こえないんだね。

 本棚に映る私と、友君。
 友君は何かを書いていて、
 私はその手元をのぞき込んで、
 影だけ見たら仲良しの恋人たちみたいだ。
 実際はこんなに遠いのに。

 まだ濡れたコバルトブルーを、そっと人差指でなぞる。
 私の肌に引きずられて、インクだまりが線を引いた。
 指についた青い色。
 今、確かに友君は私に向けてメッセージを送っているのに、
 それはどこの世界なんだろう。

 目を閉じて、ここにいるはずのユウ君を思い浮かべる。
 同い年の男の子が、紙面に思いを綴る様を想像する。
 私はそれを覗きこんで、時々つついてからかったり、
 甘えるみたいに顔を窺ったりして──

 再び開いた時には、机の上に紙は無かった。]
(+7) 2020/10/03(Sat) 19:46:23

【墓】 HNアキナ 本名は 早乙女 菜月

[一冊だけの童話集のページをめくる。
 さっきまで机上にあった便箋は、
 トモ君が挟んだだろう場所にあった。]
(+8) 2020/10/03(Sat) 19:48:30

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私が書いている間、トモ君は本を読む。
 音のない読書が寂しくて、
「ぺら、ぺらり……なんてね」って、
 ときどき効果音をつける。
 シャーペンを走らせるさりさりという音は、
 さっきまでは聞こえなかった。]
(+9) 2020/10/03(Sat) 19:50:05

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[トモ君が言ってた>>0:L6ように、この本は明るい話が少ない。
 童話集のくせに。]
(+10) 2020/10/03(Sat) 19:51:58

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[ニュースを見るたびに、チョコの包みをはがすたびに、
 本を思い出す。
 トモ君のことを思い出す。
 トモ君もそうだったら嬉しいな……なんて、
 トモ君の感情を確認したがって、
 他愛のない話題に逃げた。
 トモ君は「話す前に逃げ出したくない」って言ってくれたのに。

 だって、こんなに楽しくおしゃべりできてるんだもん。
 どこにいるのか、はっきり確認するのが怖いんだもん。
 だけど知りたくて、探りを入れるようなやり方で、
 トモ君の世界を知ろうとする。

 時間は有限なのに。

 少しずつ、日が沈んでいく。
 私たちの影の、輪郭が曖昧になる。
 真っ暗になっちゃったら、トモ君を見つける術はない。

 マツムシが、夜の帳を連れてきた。]**
(+11) 2020/10/03(Sat) 19:55:02

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[書きかけた言葉は、心の中にしまったまま。
 口やSNSだと勢いで言ってしまっても、
 手書きの文字だと考えこめる。

 勢いで、伝えちゃえればよかったのに。]
(+15) 2020/10/04(Sun) 9:57:53

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 クラスメイトに声をかけたの、頑張ったね……


[聞こえないのは分かっていても、自分の声も使う。


 多分、私は友君にとって、苦手な人種。

 クラスに一人や二人いる、物静かな子たち。
 そういう子から、私は怖がられる。
 話しかけても目を逸らされて、
 一刻も早く会話を切り上げたい、
 そんな意志をひしひしと感じる。

 だから、友君がクラスメイトに話しかけるとき、
 どれだけ勇気を振り絞ったかは、
 想像できる気がした。]
(+16) 2020/10/04(Sun) 10:23:20

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君の言葉は、どんなに温かい言葉も、
 消
えてしまう。
 
 フリクションのコバルトブルーを、
 黒板みたいに書いては消してを繰り返したから、
 紙面はすっかり毛羽だって、よれよれで、
 青いインクは染み込んで、少しずつ消えなくなっていく。

 SNSだったら履歴が残るのに。
 便箋がたくさんあったら、本だってできるのに。
 神様が与えてくれたのは、たった一枚のダサい便箋で、
 友君からもらった言葉がどんなにうれしくても、
 形には残らない。

 せめて黒板みたいに頑丈だったら、
 ずっとやりとりができたのに、

 本当に、神様は残酷だ。

 それでも、限られた条件の中でも、
 私が臨む景色を、見せてあげられてたかな。]
(+17) 2020/10/04(Sun) 10:26:02

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 ── あはっ!
 なあにそれ、

 
(+18) 2020/10/04(Sun) 10:26:42

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私はわざと大げさに口元を抑えて、
 笑顔を伝えようとする。
 表情が見えなくたって、ボディランゲージなら見えるよね。]
(+19) 2020/10/04(Sun) 10:28:20

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私たちも夜に塗られて、
 一つの大きな闇になった。]
(+20) 2020/10/04(Sun) 10:30:49

【人】 二年生 早乙女 菜月



「うわ!?」

[パチっと音がして、図書室の中が明るくなる。
 文庫本を胸に抱いたまま振り返ると、ドン引きした司書の先生と目が合う。
「電気もつけずに何してんだ早乙女。もう下校時刻過ぎてるぞ、帰れ帰れ。あとそこ座るの禁止の椅子だから」]


 あ……はい


[感染症対策で、座れる場所はかなり減った。椅子の半分には赤いテープでバッテンが貼られているし、机も同じ。
 さっきまでこんなのなかったのに。

 延長手続きを済ませて廊下に出る。
 廊下から外を見たら、チア部の横断幕>>0:23がはためいていた。
 中庭の明かりに照らされて、かろうじて読める。
 銅賞の文字が一瞬霞んで、優賞、と書かれているように見えたのは>>1:43、暗さで目がバグったんだろう。]*
(25) 2020/10/04(Sun) 10:33:58

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[次の日も、その次の日も、私は図書室へ通い詰めた。
 少しずつ、私たちの世界の差に目を向ける。
 目をそらしていた溝の、絶望的な深さを知る。]
(+21) 2020/10/04(Sun) 10:36:50

【人】 二年生 早乙女 菜月



「ナツキ、」

[と心配そうに友達が言う。]
「どうしたのここんとこ。図書室で見かけた時、ずっとぼうっと壁を眺めてたから、怖すぎて声かけられなかったよ。しかも、次の瞬間ふらっと消えちゃったし……どこ行ってたの?」


 どこ? ……デートかな〜〜〜〜?
 あんま無粋なこと聞かないでよね!


[私は笑ってごまかす。

 紙はすっかり傷んでしまったから、裏面を丁寧に補強した。
 一面に、縦にも横にも張り付けたセロハンテープ。
 パッと見ると市松模様みたいで、ああ、そういえば、オリンピックもどうなるんだろう。
 あれだけ大騒ぎしてたのに、今年もどうなるか怪しいや。

 筋トレとランニングの時間が減って、少し、体重が落ちた。]**
(26) 2020/10/04(Sun) 10:39:03
二年生 早乙女 菜月は、メモを貼った。
(a9) 2020/10/04(Sun) 10:40:16

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君が私の手を取ろうとする。>>+25
 重ねられる瞬間に、私は手のひらを上に向けた。

 絡めたかった五本の指が、空を掴む。

 ああ、私、
 友君がどんな声で「菜月」って呼ぶかさえ、
 知らないんだ。]*
(+28) 2020/10/05(Mon) 5:58:32
 




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