人狼物語 三日月国


45 【R18】雲を泳ぐラッコ

情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


【墓】 二年生 早乙女 菜月

[幸いなことに、図書室はあれからも
 私たちを繋いでくれた。

 友君の文字をなぞる。

 本当、映画みたい。
 2020年とんでもないなって、
 改めて思う。

 今の状況だって十分映画みたいだけど。]
(+0) 2020/10/05(Mon) 22:31:35

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[続く優しい言葉を、何度も読み返す。]


 ……ありがとう


[ぽつん、と落とした言葉は届かない。
 他にももっと言葉があるはずなのに、
 どれだけ友君の言葉が沁みてるか、
 声が、表情が届けば、もっと伝えられるはずなのに。
 私にできることは、ただ友君の言葉を指でなぞるだけで。

 友君の文字がかすれなくたって、
 滲んだ視界では見えにくかった。]
(+1) 2020/10/05(Mon) 22:32:04

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私は友君に何でも話した。

 チアの魅力、息がぴったり合って、
 会場の観客と一緒に演技を作り上げていく達成感。
 だけど、去年は銅賞になってしまったこと。
 リベンジしたくて必死に練習したのに、
 すべてのイベントが消えてしまって。]
(+2) 2020/10/05(Mon) 22:32:28

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[アキナを落としてしまったことも。]
(+3) 2020/10/05(Mon) 22:37:00

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[空気を乱さないか、興ざめじゃないか、
 そう怯えて飲み込んでいた柔らかい心も、
 友君なら受け入れてくれる気がして、
 優しさに甘えて、話してしまう。

 だけど、どれだけ心を寄せても、
 私たちの距離は遠い。]*
(+4) 2020/10/05(Mon) 22:38:53

【墓】 二年生 早乙女 菜月



 ……とも、くん


[友君の影が、私に近づく。手が伸ばされて、耳を撫でた。
 耳にかけてくれた髪は、一本だって動かない。
 いくら筋肉をつけたって、輪郭までは女のままだ。
 その丸い胸と腰を、友君がなぞる。]
(+5) 2020/10/06(Tue) 6:26:27

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[友君の声も、顔も見えないのに、
 気遣うような声が、表情を、感じる気がした。

 嫌じゃなかった。
 ただ、なんの感覚も無い愛撫が悲しかった。]


 ……ふ、


[影に口づけられると、じんと唇が痺れた。
 
 無いはずの感触に戸惑って、
 ほんの少しの期待を込めて友君を見上げる。
 だけど、鼻先に指先をかざされると、
 触れられなくても痒くなることを思い出して、
 そうだよね、これ以上の奇跡は起きないよね……
 なんて、すぐに落胆した。

 友君はそうやって甘い痺れをもたらして、
 私の緊張をほぐしていく。

 だけどやっぱり足りない、
 友君に触れたい。
 友君に触れてほしい。]
(+6) 2020/10/06(Tue) 6:27:06

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[私は友君の手を取る。
その手は、空を掴む。

 そのまま、カーディガンのボタンに導いた。
 ハート形の可愛いボタンを、
 私の、
 友君の 
 指が、
 一つずつ外していく。]


 ……ともくん、見て。
 私をもっと、みて。


[衣擦れの音が図書室に響く。
 私の影は、布の厚み分、小さくなった。
 友君に知ってほしい。
 早鐘のように鳴る鼓動も、
 乱れた息遣いも、
 夕焼けの色に染まった頬も、
 何一つ触れられなくたって。

 そのほんの欠片だけでも伝えたくて、
 友君の手を、裸の心に導いた。]
(+7) 2020/10/06(Tue) 6:27:36

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[窓から吹き込む強い風が、カーテンを引いた。
風は、ヒュー、ヒュー、と
 音を立てて吹いていました。

 うっすらと開いた隙間から、月光が矢のように刺さる。
 いつのまにか、満月が近い。
 
 月明かりに照らされた私たちは、
 確かに繋がっていた。]**
(+8) 2020/10/06(Tue) 6:29:35

【人】 二年生 早乙女 菜月

[家に帰ってからも、私たちはやりとりを続けた。
 スマートフォンと違って、通知も一切なかったけど、
 時々、友君が書いている瞬間に立ち会えた。

 そういう時は、椅子とコップをもう一つずつ。
 一人用の勉強机に二人分並べて、
 頬杖をついて便箋を眺めた。]
(26) 2020/10/07(Wed) 6:16:23

【墓】 二年生 早乙女 菜月

[あはは、ごめんね。
 お客さんに上の子見てもらうために頑張ってたのに。
 ちょっとすねすねモードはいってた。

 そんなことを、返事に書こうかな。]
(+9) 2020/10/07(Wed) 6:17:14

【人】 二年生 早乙女 菜月

[青インクと黒炭の染み込んだ便箋に、
 赤いハートが浮かび上がる。>>22
 可愛いの。見ちゃった。
 すぐに消そうとするのも可笑しくて、
 くすっと笑いが漏れる。

 自分のもろさをさらけ出す私に、
 友君はたくさん寄り添ってくれる。
 友君との会話が楽しすぎて、永遠に続いてほしくて。
 だから便箋はぼろぼろで、
 いつか破れてしまうことは分かっていたのに、
 目を逸らし続けてしまった。]
(27) 2020/10/07(Wed) 6:17:42

【人】 二年生 早乙女 菜月



[終わりの時間は、唐突で。]


 
(28) 2020/10/07(Wed) 6:18:40

【人】 二年生 早乙女 菜月

[世界の破ける音がした。]


 ……あ!?


[友君、破っちゃったのか。
 便箋、薄くなってるもんね。
 分かっていても、大きな裂け目がメッセージを破くのは、
 ショックな光景だ。

 ちぎれた断面を合わせると、
 もう一度、びり、と破けた。]


 え、うそうそ、 やだ、


[びり、びり、紙がひとりでに破けていく。
 便箋を押さえつけると、手と机の間から、
 一羽の蝶が飛び立った。
 青いはねを一心に動かして、
 透き通った美しい翅脈が見えるほど近くを通り過ぎる。]
(29) 2020/10/07(Wed) 6:20:42

【人】 二年生 早乙女 菜月

[もう一羽。もう一羽。
 するり、するりと手のひらの下から、
 蝶の群れがあふれ出す。
 友君と私の言葉を含んだ蝶は、
 青い翅をきらめかせ、
 銀の鱗粉を振りまきながら、
 窓から空へを昇っていく。

 月が二つに分かれた。違う、涙でぼやけているだけだ。

 ねえ、待って。
 もう一度だけ時間が欲しい。

 だって私まだ、好きってことさえ言えてない。

 そう蝶に訴えても、一羽だって振り向いてくれなくて、
 
 私達は、ちゃんとお別れさえできなかった。]**
(30) 2020/10/07(Wed) 6:21:25

【人】 二年生 早乙女 菜月


「せーの!」「あ、い、う、え、お!」「せーの!」「か、き、く、け、こ!」……

[グラウンドに響く声は大きい。
 ちなみに体育館では発声練習禁止です。つば飛んじゃうから屋内はちょっと。
 肺一杯に空気を詰め込んで、おなかの底から声を出していると、頭がぼうっとかすんでくる。華やかさとは裏腹に、チアは地味な反復練習が多い。頭で考えなくても動けるように、ひたすら体に覚え込ませる。何十分も同じ動きをしていると、頭が白く溶けていく。
 そういう時間が、今の私には必要だった。]

「菜月、笑顔! みんなを元気にするのがチアなんだから!」

[指摘されて、にっと口角を上げる。
 笑ったんじゃなくて、口角を、上げた。

 皆を元気に、なんて、私にできるはずがない。
 友君に勇気づけられてばっかりだったんだから。

 細くなった筋肉に、必要以上に負荷をかける。
 生まれたての小鹿みたいに、歩くたびに膝が折れる。]
(41) 2020/10/08(Thu) 5:58:07

【人】 二年生 早乙女 菜月

「ナツキ……戻ってきたのは良いけど、正直、怖いよ。
 前はもっと、休憩時間も騒いでたのに。
 今のナツキは、練習だけしに来てるみたい」


心配してくれるのはわかるけど……ってこと
  俺もよくあるよ。

 友君の言葉がいつも、頭をよぎる。

 なにそれー私すんごい熱心じゃん! なんてはやし立てる。
 笑い飛ばして、無かったことにしようとする。]

「ろくに食べてないよね。
 いくらトレーニングしても、食べなきゃ意味ないでしょう。本当にやる気あるの?」

[そう言ってきた先輩もいた。さすが上級生、よく見ている。
 ウス、先輩ご馳走してくれるんスか? ありがとうございます、なんてへらへら笑ったら、もっと怒られた。
 あーあ、失敗しちゃった。]
(42) 2020/10/08(Thu) 6:00:17

【人】 二年生 早乙女 菜月

[柔軟体操をしていると、アキナと目が合った。
 アキナは一瞬、なんとも言えない表情を浮かべると、何かを言いかける。
 けど、その言葉が出てくる前に、他の部員に話しかけて、結局何も話さなかった。
 復帰しても結局、こんな感じだ。
 あれからうまく話せていない。
 ペアも外されてしまった。

もしかしたら自分の中に
汚い気持ちがあるかもしれない、って
菜月は言うけれどもさ
少なくとも「今」の菜月は
そんなことしないだろ。


「今」の私はどうだろう。
 優しい老夫婦が人魚を売ったように、表と裏はくるくる変わる。
 きっと私もたやすく、良くも悪くも転ぶ。

 チアリーディングはスポーツだ。
 グラウンドの外の花じゃない。技を競う真剣勝負。
 勝利の証は、会場に溢れる笑顔。
 誰かを応援するために、競い、高め合う。

 だから、応援したい人を失ったら、強くなれないのは当然のことで。]
(43) 2020/10/08(Thu) 6:01:13

【人】 二年生 早乙女 菜月

[そんなことは分かっていても、私は必死にチアに打ち込む。
 そうしていないと、友君のことを思い出してしまうから。
 線路や、紅葉や、月や。
 何気ない風景を見るたびに、友君の言葉が思い浮かぶ。

俺も、絵があるのも好き。
  けど、この本は写実的っていうか……
  読んでるうちに頭の中に風景が浮かぶんだ。


 そうだね、友君。
 世界にはこんなにも、友君と拾い集めた風景が散らばっていて。
 何もしないでいると、空を眺めるだけで泣いてしまう。

 自分の体を苛め抜いて、泥のように眠る。
 だけど夢の中では、いつもあの図書室にいて。
 目を覚ませば、友君ともう会えないことを思い出して、べそべそと泣いた。]
(44) 2020/10/08(Thu) 6:02:06

【人】 二年生 早乙女 菜月

「また延長ですか」

[司書の先生が呆れたように言う。
 あれから、図書室と友君の世界は断ち切れてしまった。それでも二週間に一度は足を運ぶ。
 小川未明童話集、「赤いろうそくと人魚」。私が唯一借りた本を、何度も延長する。
 「何か月借りるつもりですか」「卒業する時に買います」「これ備品だから高いよ。アマゾンの本が安いですよ」「この本が良いんです」「もう読み飽きたでしょう」「まだ読み終わってません」
 そう、まだ私はこの本を読み終えていない。
 友君と一緒に読もうと思っていたから。

 きっと、この本を読み終えることは、無い。]**
(45) 2020/10/08(Thu) 6:03:03
 




情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新

視点:


トップページに戻る


←↓■□フィルタ

注目:早乙女 菜月 解除する

生存者 (8)

シャーリエ
3回 残 たくさん

萌黄色越しの世界

リフル
0回 残 たくさん

彼女の使徒

小林 友
15回 残 たくさん

金の輪

早乙女 菜月
17回 残 たくさん

を分かつ

アクスル
11回 残 たくさん

貴方と幸せな籠城

在原 治人
15回 残 たくさん

貴方と幸せな籠城

志隈
13回 残 たくさん

 

アジダル
35回 残 たくさん

いますいます

犠牲者 (1)

エニシダ(2d)
0回 残 たくさん

 

処刑者 (1)

ラッコ(4d)
0回 残 たくさん

沢山の▼に囲れて

突然死者 (0)

舞台 (0)

発言種別

通常発言
独り言
内緒話
囁き系
死者のうめき
舞台
置き手紙

一括操作




発言種別注目






















(0.14 CPUs)
運営 moonpupa
人狼物語 by あず/asbntby
人狼議事 by ななころび
トップバナー画像 by naomyplum
人狼物語画像 by Momoko Takatori
Schwarzwald(黒い森) by hagios
トロイカ TYPE:А / 哀愁のタタロチカ by かえるぴょこぴょこ/あさくら
ようちえんせんき かりんか / ハロリンカ / 凍れる水車 by かえるぴょこぴょこ/あさくら
霧雨降る街 / 少し大きな霧雨降る街 / 蒸気満ちる宴 by きりのれいん
メトロポリス / バビロン / ギルガメッシュ / Valhalla by すむろ水
ひなだん by hinaki
壱番街 / 壱番高校 by 壱猫[onecat]
外道大戦 by mtmt
都道府県キャラセット by kairi(企画代表)
繋<つなたま>魂 / 班帝家の一族 / H)SOCIUS(A by めいあ
もふぁんたじぃ / もふぉれすと by ほのゆる
Cathedral / 学園Cathedral / Grand Cathedral / 学園Grand Cathedral by Izuya
夜月町 by 夜月けい
南区 / 古今東西 by 南
IRO-COLORE(いろころる) by Izuya, 南
お茶会 / 演奏会 / 花見会 by ゆひろ
GNL / GNL+ by guiter-man
ジランドール / イルミネーション by may-co
シキメグリ by afinter
-汝人狼也-人物画 by 878, かんこ
closure / closure' by 閉
Emoricu / Cumorie / 黎明街 by milk_sugar
ワンダーズ言戯団 by pike
宝石箱《Jewel Box》 by 宝石箱制作委員会
文明開化 by sin
カティサーク by apricot with y_hyuga
月狼学園 / 人狼署 / 狼達の軍歌 by apricot
花一匁 / 桃酔郷 by さね
po!son / Girl's Talk by pure_g
madparty by シロクマ
rhizome by CH3COOH
曲芸会 / 曲芸会Hello! by otokasa
AtoZ by 築
瑞洋館 by ういろ
LastSunday / HeaVen by 志摩
かくりよ by plmi
桃色concerto by 桃昆布
狼兎 by クロマ
人狼ヶ谷学園の放課後 by 竜山明日佳
bAroQue / tradimento by souya
Bokuyume. by 卜部
FGOキャラセット by 有志一同
魔法少女は眠らない by 魔法少女チップ企画
Liberte by みぃな
噛志野医院 by manamiz
メギド人狼 by メギドチップ企画
absolventi by ぶんちゃん
歳時抄 by 小由流
文アルセット by 文アルセット企画
荘園パック by ARC(企画代表)
Friends by 真知
城下町の酒場 / 大神学園 by じっぷ
エッグ by 朧恩
ぐれすけ・ぷらす by 純
ニューホライズン by youden
バーバチカ / プトロレ by たべ
ユメツナギ by 天瀬春日
StarGazer / LittleStar by CONBE
御常紀学園 by HS_29
オハナシノクニ by オハナシノクニ制作委員会
Fragment of Jewels by 粉海月
花園女学院 / 他種族孤児院 by はこみ
xxxx組 by サイコ瓦
おりふし学園 by めんるい
Fairytale Syndrome by hTuT
Salute by むくっこ
Le parterre by イヌバラ
Troopers by 人類管理連合
お野菜キャラセット画像 by 無料素材倶楽部
Siuil a Run by 匈歌ハトリ
紫煙をくゆらせ by 空砂
RocketPencil by 山本羅刹
エトリエ / エトリエ・戦国 by とり
ボワボンボン by あとらそふと
古の迷宮 by とり夫
JEX Online by katarazu
煌夜の決闘 by ジュエルセイバーFREE
こだわりアイコン by fatcow
トランプ画像 by しろま空間
リンソン by moonpupa