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【墓】 人魚姫 透 静朝方少しだけ早く、しかし普段通りに、 学校から歩いてすぐ近くで灰色の高級車が停まった。 「じゃあ、また夕方に迎え来て。今日もありがと、御爺」 前日と同じ車から降りた白髪の青年は、 もう一人降りるのを待ってからドアを閉めて、 走り去っていく車を軽く見送る。 (+0) 2021/11/04(Thu) 21:16:42 |
【墓】 人魚姫 透 静朝方の車送迎からほんの少しだけ経ち。 登校する人が増えてくる頃、 廊下でぼんやりしている青年に、誰かが話しかけている。 「 ? ……うん、楽しかった」「うん、そう。 ……これ、何? 栄養ドリンク?」 無記名のラベルが貼られた小瓶を手渡され、不思議そうに首を傾げた。 中にあるのは無色透明の液体のようにも見える。 「応援? 嬉しい。友達に分けてもいい? ……ん、わかった」 嬉しそうに受け取りつつ、 練習行く、と相手に声をかけてどこかへと歩いていく。 誰かに分けるかもしれないし、そのまま持っているかもしれないが。 "それ"を飲んで部活に向かうまでそう時間はかからない。 (+4) 2021/11/04(Thu) 21:55:47 |
【墓】 人魚姫 透 静――ぱしゃん、こぽ、こぽ、 プールへ着いて水着を纏えば、白く細いシルエットが水中へと沈む。 壁を蹴ると普段よりももっと長く、速く身体が動き、 その不可思議さに無言で首を傾げた。 ちらほらと泳いでいる他人の影を眺めながら、 僅かな息苦しさに呼吸をしようと口を開く。 がぽり、溜め込んでいた吐息だけが吐き出される。 『あれ」 息が吸えない。声が出ている。 水中なのに。 「え、」 当たり前の事が出来ない。脚から細かな泡が出始める。 胸が苦しい。 「くる、し、」 呼吸をしようと口を開けど、只々何かが出るだけで一向に肺へ入らない。 (+5) 2021/11/04(Thu) 21:58:55 |
【墓】 人魚姫 透 静本能で身体が勝手に動いて、 知識のない頭は青年の頭部を水面から飛び出させた。 大きく咳き込み深呼吸を繰り返す異様さ、 明らかに溺れたような様子 に周囲の視線が向く。「ッげほ、は、 ……なん、で……」 未だ水に入ったままの両足からは小さな泡が出続け、 漸くの呼吸に胸が大きく動き続ける。 身体が消えたりはしないけれど、泡になったりはしないけれども。 絵本の最後、それが人魚としては在れなかったように。 人魚姫が水中に居られない、ただの人間に成ったことは、 もしかすると一つの噂程度にはなるのかもしれない。 (+6) 2021/11/04(Thu) 21:59:48 |
人魚姫 透 静は、メモを貼った。 (c9) 2021/11/04(Thu) 22:07:21 |
人魚姫 透 静は、メモを貼った。 (c20) 2021/11/05(Fri) 0:11:48 |
人魚姫 透 静は、メモを貼った。 (c21) 2021/11/05(Fri) 0:12:12 |
透 静は、今だけは何も感じていない。 (c23) 2021/11/05(Fri) 4:51:13 |
透 静は、ビート板を使いつつ、プールで息継ぎの練習をしている。 (c34) 2021/11/06(Sat) 4:05:47 |
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