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【墓】 木峰 夏生[ 背中に感じる硬い爪の感触。 皮膚に突き刺さりぴりつく痛みを産むけれど 髪の毛ほどもどうでもよかった。 自分でさえそんなに触れることがないであろう 場所を晒し、解され、穿たれる。 誰にも触れられたことがない(と思う)そこは、 きっと言いようのない苦痛を伴っているはずで、 それを思えば背中の傷などなんでもない。 なんなら腕の一本や二本、 肋骨の二、三本くらいなら引き換えに どうぞと笑って納めたいくらい。 ] (+0) 2021/07/10(Sat) 6:24:57 |
【墓】 木峰 夏生[ 苦悶に歪む顔を見ればこちらも苦しくて、 罪悪感に苛まれて、早く楽にしてやりたいと思う。 けれど一方で酷く嗜虐心が煽られてしまってもいて どうしても口元が弧を描く。 濁った濁音が漏れる唇をキスで塞いで、 舌を懐柔しながら腰を進めて。 前は萎えていなかったか、ともかく 苦痛だけでなくなるように、快感を拾えるように、 手で上下に優しく扱く動きを続けていた。 たぶん異物感と圧迫感に苛まれているはずの 海斗は、幼いころを思い出させる あどけない顔でへにゃりと笑う。 健気で、可愛くて、愛しくて。 汗が滲む前髪をそっと払って、瞼に唇を落とした。] (+1) 2021/07/10(Sat) 6:26:47 |
【墓】 木峰 夏生[ とりあえず屹立のほとんどを埋めたとはいえ、 中は変わらずキツくて、 ぎゅうぎゅうとしめつける力に 気を抜けば持っていかれてしまいそうで。 せめて海斗が落ち着くまで、と 動かずいることはなかなか大変だった。 大丈夫だから、と小さな声が聞こえて息を吐いた。 耳元に寄せられる唇が動く。 足が絡められて、辿々しい動きで腰が揺れる。] ……煽るなぁ、俺の可愛い弟はよぉ。 [ 両手をベッドについて身体を少し起こして、笑う。] (+2) 2021/07/10(Sat) 6:28:08 |
【墓】 木峰 夏生じゃあ、動くけど、 きつかったらちゃんと言えよ。 [ 僅かだけ、ゆっくり腰を引いてまた挿れる。 それだけで、腸壁の襞が粘状の膜を纏わせて 屹立を包み込むように感じて、 ぎり、と奥歯をかみしめた。 薄いゴム越しでも伝わる、中の体温。 ずっと前から共にいて、 同じ血が通っているはずなのに 一番遠かった温もりが、いま、ひどく近くて。] ……ッ、海斗の中、めちゃくちゃ、きもちい、 熱くて、ぐちゅぐちゅで、 しがみついて、離してくれ、ないん、だけどッ (+3) 2021/07/10(Sat) 6:30:21 |
【墓】 木峰 夏生[ また少し腰を引いて、戻す。 様子を見ながらその動きを何度か繰り返して。 シーツを握っていた手で、髪を撫でて、 頬に触れる。 ] ……ッは、ァッ…… やべぇ、あんまもたねェ、かも [ 噛み付いてしまった喉を癒すように舐めて、 ぢゅ、と吸い付いて、紅い花を咲かせる。 下腹の奥から、湧き上がるのは支配欲。 ] あの、さ、 海斗お前、こんなマッチングしてさ、 俺以外のやつに、 触れさせるつもりだったのかよ、 (+4) 2021/07/10(Sat) 6:32:28 |
【墓】 木峰 夏生[ だんだんと抽送のスピードを上げて、 より深く奥を抉る。 胸の頂を食んで、歯を立てて。 ] ……俺以外のやつに こんな声、聞かせて、 こんな顔、見せて、 [ ギリギリまで引き抜いて、一気に穿つ。 ] (+5) 2021/07/10(Sat) 6:33:09 |
【墓】 木峰 夏生[ ぐじゅり、と淫らな音を響かせて。 海斗の身体のすぐ横に肘をついて、閉じ込めて。] 好きだよ、海斗 やっと、てにいれた、 ───── おれの [ 耳元で囁いて、破顔う。 ] はじめてなのに、 あんま、気遣って、やれなくて悪い、 ……っ、余裕ねェわ [ 動きのスピードが上がる。 ] (+6) 2021/07/10(Sat) 6:35:18 |
【墓】 木峰 夏生ッ……ぁっ……やば、イキそ、 ……っう、 かいとは、どうよ、─── [ ゾクゾクと痺れる快感に神経を嬲られて、 込み上げる吐精感を必死に抑えながら 果てるなら一緒に、と思って、 穿つ動きに合わせて前も上下に扱いて、 瞳を覗き込む。 弟を労わる兄の感情と、獲物を喰らう獣の殺意と、 惚れた人に向ける情愛が、 見事なくらい綯交ぜになった熱っぽい視線で。 ]* (+7) 2021/07/10(Sat) 6:36:30 |
【墓】 木峰 夏生[ ほんの数十分前、腕の中に閉じ込めた時と 同じ角度で、違う体勢で、 受け入れられて、 隔たりを超えて、繋がって。 どれだけ他人と重ねても埋まることのなかった 心の渇きがじわりじわりと潤いを得て、 満たされていく。 鼓膜を響かせる嬌声に止め処なく襲い来る 甘い熱の波。 涙と涎で濡れている海斗の顔を拭う手は震えて、 上手く言うことを聞かないから あきらめて、唇を這わせた。 涙の跡も、飲み込めず溢れる唾液も、 情愛を弾けさせる犬のように舐めとって。 ] (+15) 2021/07/10(Sat) 15:38:24 |
【墓】 木峰 夏生[ 優しいだけの兄のものでは決してない 俺の視線を真っ向から受け止めて、唇が音を紡ぐ。 絡みつく足に腰がびくりと跳ねる。 あぶねぇ。 ] 締め付け、すぎだろ、……ッ、はぁっ、 ……かい、と、 [ 手の中でびくびくと生き物のように蠢く 屹立を握って、括れをぐり、と刺激しながら 一層深く、スピードを上げて責め立てた。 ] (+16) 2021/07/10(Sat) 15:39:35 |
【墓】 木峰 夏生[ すぐそこにある吐精感に身体をあけわたしながら 耳朶に唇をつけて囁けば、 ごりごりと抉る奥、中の締め付けが、 俺を搾り取るように収縮して、誘う。 ] イっ、く、……ん、っは、かいと、 一緒に、イケる、か……っ、 おれ、もう、 っ う゛…ッ!!─── [ 乱れ暴れる身体をがっちり抱きこんで がつんと貫いた最奥で、 どくりと拍動が感じられるほど白濁を吐き出した。 一瞬、視界が明滅して、ぎゅ、と目を閉じて 息と唾液を飲み込んだ。 ] (+17) 2021/07/10(Sat) 15:41:49 |
【墓】 木峰 夏生……っはぁ、やべ、 かいと、大丈夫か、…… [ 全身の神経が一斉に立ち上がり、 波のようにざっと引いていく。 腕の中の海斗に声をかけて、様子を窺った。 腹の上に白が飛び散っているのが見られたなら ほ、と一息ついて眉尻を下げて微笑んで。 ずるりと引き抜いて、吐き出した欲を処理する。 サイドテーブルのティッシュを取って 腹の上を拭いてやる時に、指で掬って 舐め取りたい衝動に襲われたけれど、 また口をすすげと怒られるのが見えたので 仕方なく我慢した。 ] (+18) 2021/07/10(Sat) 15:43:06 |
【墓】 木峰 夏生海斗、大丈夫か、 ごめんな、制御できなかった あんまり気持ちよくて、 幸せで。 [ 汗で張り付いた前髪をそっと撫でて払って、 額に、それから唇に口付ける。 返事はあるだろうか、どちらにしてもタオルでざっと 汗を拭ってやって、水を取りに行く。 飲めるか、と聞いて、必要なら飲ませてやって。 ] お前さ、……はじめてだよな。 [ と、どうしても聞きたかったことをようやく 口にすれば、ぶわ、と込み上げる愛しさと幸福感に 溺れてしまいそうだった。 口元はきっと、だらしなく緩んでいたと思う。 ]* (+19) 2021/07/10(Sat) 15:44:50 |
【墓】 木峰 夏生[ はじめて呼ばれた名前は、甘美な 毒 鼓膜から脳を直接握って余計なものを全部潰して、 愉悦だけを搾り取られて濾されて濃縮されて。 繋がりをずるりと引き抜けば漏れ出る切なげな声。 自分の腹にも飛び散って咲いた白も拭って。 蚊の鳴くような、きもちよかった、に ふ、と嬉しさが込み上げて笑った。 ] そーか、よかった。 二回目なのに、まだ濃いのな。 [ 若いっていいわね、なんてふざけて、水を渡す。 ] (+26) 2021/07/11(Sun) 7:06:44 |
【墓】 木峰 夏生[ ある程度確信はあったけれど、 やはり図星、だったのだろう。 焦ったように身体を起こして背中を向ける 海斗の顔は、こちらから見ても耳まで赤い。 ] ─── かわいーなぁ、もう。 [ その背中にそっと近づいて、ベッドに上がる。 さっきの海斗のように膝立ちになって、 後ろから頭をくしゃくしゃと撫でた。 ] はじめてなのに、俺で良かったの? (+27) 2021/07/11(Sun) 7:09:18 |
【墓】 木峰 夏生ねぇ、男とやるのは初めて、って 女とはしたことあんの? [ そのまま背後から抱きしめて、 髪に口付けを落としてそんなことを口にして。 ] お兄ちゃん妬いちゃうじゃん。 海斗のはじめてはぜんぶ俺が欲しいのに。 [ ふざけた口調でくすくす笑いながら、 耳朶を唇で食んだ。 軽い物言いとは裏腹に、低く、甘い声が また、自分の知らない腹底から響く。 ] (+28) 2021/07/11(Sun) 7:11:04 |
【墓】 木峰 夏生海斗のバージンもらえてめちゃくちゃ 幸せなんだけど、それならもういっそ 童貞も奪っときゃよかったな。 [ 耳の中に舌を突っ込んで、耳殻の形を なぞるように這わせる。 そこから首筋に伝わせて、頸の下にまた、 ぢゅ、と音を立てて所有の証をひとつ。 焦らして、誘って、ふと空気を変える。 なんでもなかったように。 ] (+29) 2021/07/11(Sun) 7:12:20 |
【墓】 木峰 夏生なに、素直じゃん。 [ 男とするのは兄貴とだけで充分、なんて。 忘れていましたこの弟が無自覚天使なことを。 胸の奥にふわりと灯が灯るように、じんわり火照る。] モテてるのはなんとなく知ってたからな。 連れから 『お前の弟が綺麗な女とパンケーキ食ってたぞ』 って言われた時の俺の気持ち知らねぇだろ。 [ くすくす笑いながら、すっかり簡単に 腕の中に収まってくれる身体を抱く力を込めた。 ] (+38) 2021/07/11(Sun) 12:42:28 |
【墓】 木峰 夏生[ 耳朶に唇を寄せればさっきよりずっと容易く 漏れ出る甘い吐息混じりの声に、 また下腹部に熱が走る。 はじめてが欲しかった。 そんな俺と同じこと、返されると 思っていなかったから、ちょっと眉を上げて 思わず執着心のあらわれを咲かせてしまう。 いい歳して猿だな、と我ながら呆れて笑う。 ] だから言ったろ、 俺は、 惚れたやつとこーゆーことすんの 初めてなんだよ。 (+39) 2021/07/11(Sun) 12:44:27 |
【墓】 木峰 夏生[ 腕の中で身を捩り振り返る海斗が 俺の瞳を掴んで離さない。 ─── お、と思った。 ぎらりと潜む光は、確かな欲望。 猫のようにしなやかに身体をくねらせて、 顎に、胸に肌を擦り寄せる。 猫というよりはより高貴で、気高く美しい。 そう、やっぱり彪を思わせるその動きで 唇が耳の裏を捉える。 覚束ないキスをしていたその舌が紡ぐ言葉は 一丁前に、捕食者の色を携えて。 ぞくりと期待と欲望が背を駆ける。 ] (+40) 2021/07/11(Sun) 12:45:52 |
【墓】 木峰 夏生へぇ、いいなその顔。 ─── ぞくぞくする [ こちらも挑むような欲情を瞳の中に煌めかせて 見下ろして、低く、甘く、囁き返した。 胸元にぐ、と力が込められて抵抗もせず受け止める。 さっき散々海斗を受け止めて乱れたシーツが 今度は俺の背中の下でさり、と音を立てた。 ] それも、さっき言った お前が抱きたいなら好きにしていいって、な (+41) 2021/07/11(Sun) 12:47:19 |
【墓】 木峰 夏生[ 明らかに雄の表情を浮かべて 見下ろしてくる海斗の頬に手を伸ばす。 触れられれは、色を込めてじっとりと撫でて。 ] それともあれか、さっき好すぎて忘れたか。 [ にやりと挑戦的な笑みを浮かべて、煽る。 心の中が沸き立つ。 はやく、はやく食えよ、と嗤う。 ] (+42) 2021/07/11(Sun) 12:49:05 |
【墓】 木峰 夏生[ 好きだよと言って 俺も好きだよと返ってくるなんて これっぽっちも思っていない。 そんな簡単に手懐けられるなら苦労しないし、 楽しくもないだろ? ……いや、それはそれでかわいくて良いな、うん。 知ってるよ、と小生意気な口調とは違って、 顔には嬉しさが滲み出たような笑みが浮かんでいる。 そうだな、返してくれなくて、いい いまは、まだ─── ] (+49) 2021/07/11(Sun) 22:15:46 |
【墓】 木峰 夏生[ 視線を受け止めていた表情を緩めて瞼を伏せる。 啄むような口付けが落ちてきて。 俺のより少し細くて綺麗な指が、耳を擽り 顎から首筋を伝い、鎖骨を撫で擦っていく。] ……ッふ、 そうでもねぇよ、稚拙なやつも好き、 お前がしてくれるんならさ─── [ ふと緩く笑えば、優しくしてたんだ、と 言い訳じみたセリフが落ちてきて、 口付けが深く、激しくなる。 ] (+50) 2021/07/11(Sun) 22:16:52 |
【墓】 木峰 夏生[ 歯列をなぞり、舌を絡めて吸って、 呑み込みがいいですね、ちゃんと歯まで立ててくれて。 さっきより幾分遠慮の無くなった動きに目を閉じて 腔内の感覚を研ぎ澄ませてキスに酔った。 口蓋をざらりと舐められるとぞくりと背が粟立つ。 そっちから吹っかけてきておいて、 先に荒む呼吸と吐息を聞かせられるのは 計算だったら末恐ろしい。 けれど多分、素なんだろうなと思う。 キスするの、好きだって言ってたもんな。 ] (+51) 2021/07/11(Sun) 22:17:48 |
【墓】 木峰 夏生[ 唇が離れる瞬間には引き留めるように唇を食んだ。 目を細めて、口端を緩く持ち上げる。 後頭部に手を差し入れて、強請るように 引き寄せる俺の顔は、年上の兄貴というには 少し、甘ったるいかもしれない。 被さるように上から降るキスは深く、激しく。 口付けを交わすごとに、海斗の唾液が流れ込んでくる。 自分のものと合わさって、だんだんと口腔内を 粘性の水分が満たしていく。 仰向けのままだとうまく飲み込めなくなって、 唇の端から溢れて、頬を伝う。 喉を動かしたらごふ、と小さくむせて息が詰まった。 多少苦しくて、くらりとしながらも 無理矢理飲まされてるようで ついつい被虐心に火がついてしまう。 無意識にやってんだろな、とは思うのだけれど なかなかやっぱり舐めてかかると火傷しそうだ。 ] (+52) 2021/07/11(Sun) 22:19:30 |
【墓】 木峰 夏生っ……はッ、 んう、…… [ げほ、と咳き込みながら、腔内の唾液を胃へ送る。 ごく、と動く自分の喉の音にさえ、欲情した。 荒々しい吐息と共に、其処彼処に降るキスの雨。 ] …… 余裕、なんて、ねぇよ、 [ 掠れた声でそう言えばまた口を塞がれる。 飲み込めないほど注がれるのは、唾液だけじゃない。 海斗の想いが、際限なく注がれるようで。 ] (+53) 2021/07/11(Sun) 22:21:11 |
【墓】 木峰 夏生─── っ、 ! [ 胸の頂を摘まれて背が撓る。 きつい刺激だったけれど痛い、なんて言わない。 びりびりと神経が騒ついて、 さっき達したばかりの下半身がもう、 熱くなるのがわかる。 ] ……ッは、ァッ……きもちい、それ [ 眉を顰めながら、そう口にした。 海斗の下腹部に触れようと手を伸ばす。 もうすでに二回出したそこが、 俺を攻めていてそれでもちゃんと兆しているのか どうしても知りたくて。 ]* (+54) 2021/07/11(Sun) 22:22:47 |
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