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【墓】 エウロパそう信じて、手元で調合するのは回復薬。 あれほどの魔力暴走を起こしたのなら きっとエウロパの魔力は枯渇寸前。 魔力の回復を早める薬を作らなければ。 学校の医務室に常備されているものでは 彼女に使うには効き目が足りない。 あれは、一般の生徒に使う事を 想定した物だと知っている。 彼女ほどの魔力の持ち主なら 効果を10倍して足りるかどうか。 (+52) 2023/10/05(Thu) 17:49:32 |
【墓】 エウロパ効き目が弱すぎても強すぎてもいけない。 難しい調整を終え、魔法薬を作り終えた シトゥラは、出来上がったものを瓶に詰める。 同時に作っていた怪我の治癒薬も持つと 向かうのは医務室。 絶対に彼は私の友人を連れて帰ってくる。 だから、先回りして待つだけ。 (+53) 2023/10/05(Thu) 17:50:19 |
【墓】 エウロパ*** 薬学だけは常に成績トップを取り続けている。 シトゥラはそんな生徒だった。 周りからは頭がいいと言われることは多くとも 本人は苦笑いしては 「本物には勝てないよ、残念なことにね。」 と受け流していた。 彼ほど正確な魔法の扱いは自分には出来ない。 シトゥラはそれが分かっているから、 救出は彼に任せることにして 自分の得意な分野で友人を助けたかったのだ。 (+66) 2023/10/07(Sat) 1:30:25 |
【墓】 エウロパベッドに寝かされたエウロパを見れば 状況は説明されずとも分かる。 いくら彼女が魔法の制御が苦手とは言っても 無意味に嵐を呼び出すような愚か者じゃないのは よく知っているつもりだった。 酷く心を乱されなければ、 あれほどの災害は起きなかったはず。 (+68) 2023/10/07(Sat) 1:32:10 |
【墓】 エウロパ「 ………原因なら、推測できるかもしれない。 ユスティ、君に一つ聞きたいことがあってね。 君は昼休みにどこにいた? 実はさ、昼休みに君らしき人影を見かけたんだ。 君は休み時間も惜しみなく鍛錬に当ててるから ちょっと不思議に思って引っかかってた。」 (+69) 2023/10/07(Sat) 1:32:38 |
【墓】 エウロパ 薬を与えられたエウロパの容態は 医務室に来た直後より多少安定したように見える。 勿論、まだ面会謝絶だと言われても おかしくない状況ではあるが。 彼女からユスティへと視線を戻して シトゥラは話の続きを促す。 (+72) 2023/10/07(Sat) 1:34:03 |
【墓】 エウロパそして語られるのは 秀才の心の奥、かつて何を思っていたのか。 魔法を極めたいと思えば思うほど そこには才能という壁が立ちはだかる。 どれほど頑張っても、生まれ持った資質からは 逃れることが出来ず、苦悩する。 エウロパは類まれなる魔力の持ち主。 シトゥラだって 羨ましいと思わなかったとは言わない。 彼女を目にすれば誰だってそう思う。 理論を無視した力業で魔法を成功させる天才。 技を覚えた彼女はきっとすごい魔法使いになれる。 (+74) 2023/10/07(Sat) 1:35:09 |
【墓】 エウロパユスティが逃げるとは思っていないが 行き先だけは聞いておきたかったのと 彼の状態を確かめておきたくて。 シトゥラは手を掴んで引き止める。 目に映るのは、彼女を助けた代償だった。 (+78) 2023/10/07(Sat) 1:37:46 |
【墓】 エウロパ「今から一時間以内になんとかしておいて。 それ以上はお姫様を大人しく 寝かせておける自信がないからね。」 医務室の薬棚からユスティの症状を緩和する 薬を拝借して手渡しながら、 シトゥラは無茶な要求をする。 薬の方は彼に合わせて調合した物ではないし 気休めくらいにしかならないかもしれないけれど。 別に完治させなくとも 彼女の目に触れないような方法はあるはずだから。 (+79) 2023/10/07(Sat) 1:38:08 |
【墓】 エウロパ屋上へ向かう彼を見送ってしばらくしてから シトゥラはエウロパへと声をかける。 「……ということで。 どこまで聞いてたか知らないけど 一時間はここで寝ててもらうから。 本当は一週間は寝てなきゃいけないような 酷い状態だってことを忘れないように。」 (+80) 2023/10/07(Sat) 1:39:45 |
【墓】 エウロパ途中から起きて話を聞いてたのが シトゥラにはお見通しだったみたいで しっかり釘を刺されちゃった。 本当はすぐにでもユスティの元へ行きたい。 会って、話がしたいのに。 好きな女の子、って聞こえたの、 聞き間違いじゃないよね、とか どうしてきてくれたのか、とか。 話したいことは沢山あるのに 身体を起こすことさえ今は出来なくて。 (+81) 2023/10/07(Sat) 1:40:34 |
【墓】 エウロパ「一時間たったら起こしてくれるの?」 傍に居てくれる友達に甘えるように聞けば シトゥラは優しく笑ってくれた。 「応急処置が適切だったし 君に作った薬が上手く働いてくれれば 起きる頃には多少は動けるようになってるよ。 魔法は全く使えないだろうけど。 だから今はゆっくり休んで。」 その言葉を聞いて、 私は暫くの間、体を休めるために目を閉じた。* (+82) 2023/10/07(Sat) 1:41:17 |
【墓】 エウロパ一時間と少し経った頃。 目を覚ました私は、医務室を抜け出して 屋上へと向かう。 身体はまだ重い。 本調子とはいかないし、 シトゥラの言葉通り魔法は全く使えない。 それでも、私は君に会いたくて。 (+83) 2023/10/07(Sat) 1:41:59 |
【墓】 エウロパ君の姿を見つけて、名前を呼ぶと。 ふらふらと、君の方へと歩いていって。 大好きな人に抱きつくんだ。 色々聞きたくて来たはずなのに、なんでかな。 君の姿を見たら言葉が出なくなっちゃった。 (+84) 2023/10/07(Sat) 1:43:09 |
【墓】 エウロパ ユスティの返答を聞いて、 誰かが化けていたらしいと推測を立てれば シトゥラは嫌そうに顔を顰めてしまう。 変身薬を作るのはそう簡単ではない。 となれば、誰かに頼んだのでない限り 作った人など限られてくる。 そして、変身薬を使う目的なんて ろくでもない物の方が圧倒的に多い。 (+96) 2023/10/07(Sat) 20:04:31 |
【墓】 エウロパとはいえ、今大事なのはエウロパのこと。 苦笑するユスティにかける言葉はそう多くはない。 エウロパならきっと許してくれるだろう。 でも、言いだしにくい気持ちも分かる。 自分が悪いのだと分かっているなら余計に。 「大事な人が離れようとすればするほど 彼女は傷ついていくんだと思うけど。」 自分は離れるつもりはない。 ただ、本当にいて欲しい相手は自分ではない。 シトゥラはそう思っていたから 少し困ったように笑って。 (+98) 2023/10/07(Sat) 20:05:42 |
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