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【見】 こどもの ブラキウム小娘の表情は、みるみるうちに寂しそうに歪んでいく。 きっと貴方と空を飛んで帰ることは、何よりも特別で楽しいのだろうけど。 「アル、あたし、やっぱり……」 浮かぶのは、お母さんの優しい横顔。 それから、お父さんのまっすぐな眼差し。 まんまるの瞳が、 ぐにゃりと歪んで涙をこぼす。 「やっぱりっ、おうちに帰りたいよぉ……!」 ぽた、ぽた、と地面に雫を溢して、貴方への拒絶を示した。 そんなことに今更気付いたって、 ──────もうとっくに遅いのかもしれませんが。 (@1) 2022/01/29(Sat) 13:02:40 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>20 イクリール 「……な、なんだよ……」 気まずげに顔をプイと逸らした。でも絡められる腕は拒否しないし、そもそも"二人きりならいい"と明言も同然だ。「あー!」と叫んでから彼女の頭を髪が手櫛で直せる程度にわしゃわしゃに撫でた。照れ隠しと誤魔化し。 「か、可愛い……?ち、違うタイプじゃね?俺……」 でも、イクリールは自分(32)を指して可愛いと言いそうなのもそうなので何も油断できない。正直、男として複雑ではあるが、褒め言葉もとい肯定の言葉に弱いのでぐらぐらしていた。 「……海、か。いいな。宮があるかはお前ん地の地図みねーとわからんが、探してみるか。あと俺、お前が何度やっても発見されて出られなかった理由、知ってるから。 その爆乳なんとかして俺がいりゃあ幾らでも誤魔化せるさ。何とかして少なくとも故郷の森は出してやれるだろうよ。そっからどうするかとか、路銀とかは……家を出る前に作戦会議だな。……準備に10年かけたっていいんだろ?」 薬の作用で、しかも互いに時間が流れるのが遅いなら。イクリールの家で入念にしっかりと作戦は立てられる。……これからは言われたことだけでなく、一から草案の必要がある。それを想像すると、少しだけ楽しみで思わず笑みが溢れた。 (23) 2022/01/29(Sat) 13:23:03 |
【人】 灯された星 スピカおもむろに左手の薬指を圧迫していた指輪を外す。 それを、何の躊躇いもなく床へ。 4年間付けていたそれを外しても何の感慨も抱かないのだから、やはり自分は最初からどうしたいか決めていたのだ。 「アマノについていくわ」 元の世界に帰ったところで守れるものなどたかが知れている。 きっとやりたかったこと、守りたかったものに一つも触れられずに傀儡として踊って終わりだ。 「……対価、払っちゃったもの」 どこか楽しげに笑って、不器用な男の元へ。 指輪のない指をぐっと握って拳を作り、男を軽く小突くような仕草を見せた。 不器用なのは、きっとお互い様だ。 (25) 2022/01/29(Sat) 16:10:48 |
【人】 なんでも屋 アマノ>>24 >>25 スピカ、アルレシャ 「お前サンを見つけられる人間は、いやしない」 住む世界の違った自分たちのことを探せるものは居ないだろう。 一度も指摘することはなかったその指輪が床に落ちたのを見ると満足そうな笑みを浮かべた。 それは紛れもなく、彼女の意思であり。 その想いはこの手にきちんと手に入れることが出来たから。 (ナァ? 怒っていやしないだろう?) (俺は、またこの生き方を選ぶよ) 遠く遠く空の上から見つめているだろう女にそう語りかけた。 きっと、俺と同じように自分似た子供をその腕に抱いて。 何も答えは返ってきやしないけれど、深く頷いてくれたはずだ。 アイツは、俺をよく知っているから。 ▼ (27) 2022/01/29(Sat) 17:15:02 |
【人】 なんでも屋 アマノ自分たちの間にある対価は。 お互いの一生。 死がふたりを分かつまで、全身全霊で尽くしぬくのだ。 「そういうワケだぁ、チビ。 俺たちァ、一緒に生きていく」 「チビはちゃんと……ママと友達のところに帰るんだぞ?」 (28) 2022/01/29(Sat) 17:15:22 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム 「……しんぱいしないで、ブラキ?」 涙を細い指で一粒受け止め、下から見上げます。小さな両の手で、ブラキウムの頬を包みました。 「なかなくても、 ちゃんとおうちにかえれるよ 」きっとブラキウムは不安なのだろうと思いました。拒絶されたなんて、ちっとも考えません。 ブラキウムのおうちは、アルレシャのおうちです。 二人は同じ家の子なのですから、同じ家に帰るのは当然ではありませんか。 (30) 2022/01/29(Sat) 18:38:39 |
【人】 こどもの アルレシャ>>@0 >>@1 ブラキウム ブラキウムは、この城で出会ったみんなとのお別れが寂しいのかもしれません。アルレシャだって、勿論それは寂しいです。 しかしまたお家に帰れば、たくさんのお友達と素敵な国で暮らせます。その方が、ずっと楽しい筈です。 「ねぇ、ブラキウム」 ────ですから、 「おもいだして」 ────善意で、 (31) 2022/01/29(Sat) 18:39:38 |
アルレシャは、ブラキウムの記憶に手を伸ばしました。 (a6) 2022/01/29(Sat) 18:41:11 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ 最初こそ目を丸くしていました。しかし、直ぐにその瞳は輝きます。 「え……じゃあ、じゃあ、 けっこんするの!? 」アルレシャは、自分のことのように喜びました。 好きな人と好きな人が、共に生きることを誓い合ったのです。嬉しくて思わず踊り出してしまいそうでした。 「ふふ、ふふふ! えーと、こういうときは……『すえながく、おしあわせに』だよねっ」 きっとふたりは、絵本のように幸せな家庭を築くのでしょう。アルレシャは、そう信じています。 (33) 2022/01/29(Sat) 19:33:33 |
【人】 こどもの アルレシャ>>24 >>25 スピカ >>27 >>28 アマノ アマノに問われれば、笑顔で頷きます。答えは決まりきっていますから。 「もっちろん。 アルも、ちゃーんとおうちにかえるよ!」 床に下ろしてもらうと、二人の手を両の手で握りました。まるで親子が並んで歩くように。 「さよなら、アマノ、スピカ。 ……すてきなパパとママになってね?」 小さな祈りをこめて、そう呟きました。 (34) 2022/01/29(Sat) 19:34:10 |
【見】 こどもの ブラキウム>>30 >>31 アルレシャ 「ほんと?」 優しい言葉、眼差し、手の温もり。 貴方から齎されるものが心地よくて、瞼を伏せる。 「おうちに、帰れるの?」 貴方の声が、届く。 耳から鼓膜へ──そうして 頭の中へと。 「あたしの、」 優しい横顔は誰のもの? まっすぐな眼差しは誰のもの? 「……あたしのおうちは」 → (@2) 2022/01/29(Sat) 20:30:21 |
【見】 こどもの ブラキウム「ねぇねぇアル、 早く帰らないとママが心配しちゃう!」 頬に触れる貴方の手を取って、 湖畔の方へ駆け出します。 「ママのご飯、何かな? ここのご馳走も美味しかったけど あたしはやっぱり、ママのハンバーグが大好き!」 頭の片隅が、少しだけ痛みました。 けれどもそんな事はどうでも良いのです。 だって、もうすぐ大好きなママに会えますから。 世界に一人だけの、大切なママなのですから。 こうして小娘は、 大好きな家族と末長く幸せに暮らしましたとさ。 (@3) 2022/01/29(Sat) 20:31:59 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>32 イクリール 「もしかして、お前の母親も 爆乳族 だったのか……?」イクリールは経緯によって魔女と呼ばれ出したのであって、最低でも昔から閉じ込められていただとか、母親を見た事も無い訳でもないので比較できるのでは…?と思っていたのですが、 母も爆乳だった場合確かにわからないのかもしれない…… なぜこのタイミングで俺はこんな事を考えてるんだ? とにかく、自分より常識がないのだけはわかった気がする。 「そうだな。じゃ、行くか」 素っ気ない台詞。 自分から手を繋ぐのはまだできないけれど。 いつかこれも気の利いたものになっていくのか。 或いは、こんな人だと貴方が理解して微笑んでくれるのか。 さて、どっちが変わるのか。 ▽ (35) 2022/01/29(Sat) 20:53:21 |
【人】 酔吟 ミズガネ>>32 イクリール 「まあ、」 結局投げ捨てなかった竪琴を握る。 実は自分のこれをもう『楽器』とは見ていない。 理由を貴方に話すと、怒るだろうか? でも、出来ない物にし続けるよりは、出来る事にして大事な物を守る方がよほどいいだろ。 魂が腐ってる?捨てられない?ならもう仕方ない。 それなら俺は、これを『捧げる』ものじゃなくて、 大事な人を『守る』ために、『与える』武器にするだけだ。 「なんでも変わっていくんだろうな。俺もお前も、全部。 ……それも、悪い事じゃないんだろう」 ──隣の貴方ならきっといつか、 今のこれを “強がり” からではなく、本心 からの言葉にしてくれると、信じている。 ▽ (36) 2022/01/29(Sat) 20:54:54 |
2022/01/29(Sat) 20:58:14 |
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