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夜長は、小指を絡めた。 (t5) 2021/08/21(Sat) 1:05:41 |
夜長は、何度でも約束し、何度でもそれを果たす。 (t6) 2021/08/21(Sat) 1:05:47 |
【置】 いつかの 清和──清和 瑠夏『不発弾 <タイムカプセル> 』の主な中身『一枚の写真』 中学生の頃の三人が写っている。 清和が思う、三人が最も"三人"だった頃の写真のようだ。 『オイルライター』 "火遊び"に使っていたもの。 "ワル"との決別のために過去に置いてきた。 『キーホルダー』 "相棒"であるバイクに付けていたもの。 懐かしいデザインのそれも、決別のために過去に置いてきた。 『手紙』 "10年後のカケルとアキラへ"と書かれた封筒に入っている。 (L7) 2021/08/21(Sat) 1:07:58 公開: 2021/08/21(Sat) 1:10:00 |
【置】 いつかの 清和俺の親友たちへ。 お前らがこの手紙を読んでいるということは、 俺はそのタイムカプセルの回収に失敗したということなのだろう。 もしくは、何らかの事情でそちらに行けなくなってしまったのか。 ともあれ、先に手紙に辿り着いたお前らに向けて俺は筆を取っている。 何も言わずに出て行ってしまったこと、お前らは恨んでいるだろうか。 この手紙を書いているときから、そうすることは決めていた。 俺たちの田舎がなくなってしまう以上、誰かがしなければならない。 その役割をする悪者は、俺であるべきだろうと、カッコつけていた。 本当は、俺もお前らと離れるのは寂しいと思う。 だけど、お前らを守るためにはいつまでも田舎にはいられなかった。 俺は必ず警察官になると決めた。みんなを守れるようになるために。 ハーフだろうが、金髪だろうが、誰にも文句を言わせるつもりはない。 だから、お前らにもちゃんと夢を叶えて欲しいと願ってる。 俺は、お前らの音楽や料理が、みんなを笑顔にできるように、 この世界の平和と安全を守れるような人間になってやるから。 カケル、アキラ。 俺は、何処に行ってしまってもお前らの幸せをずっと願い続けてる。 お前らが幸せに笑って生きていてくれることが、俺の幸せだ。 だから、どうか笑ってやってくれ。 こんな手紙を残してやる、バカな清和瑠夏って男のことを。 お前らの親友より。 (L8) 2021/08/21(Sat) 1:18:05 公開: 2021/08/21(Sat) 1:30:00 |
【人】 夢のその先 百千鳥>>@5 >>@6 夜長 【祭りの終わり】 置いてけぼりになった小指に、一瞬だけ ああ、やっぱり皆は自分が思うほどには、なんて 後ろ向きな考えが首を擡げて けれどそれはすぐに散り失せる事になった。 「……そうだね。 砂が落ちて積もる場所は、一つだけ。 そこには当然良くない思い出もあって、 他のものと混ざり合っているから、よけておくのは難しい」 「だから、掬い取ってよそへやってしまうのも良くない。 全部が混ざり合って、それでやっと今の僕があるから。 たとえたった一掬いだけでも、それを失くしてしまったら きっとそれは、今の僕とは違う人になってしまうのかも」 さんざん人に取り落とすな、なんて言っておいて その実、自身を省みる事もできていなかった。 はは、と息を吐くようにも笑いを零す。 夢を見るのに疲れてしまった今のそれは弱々しいものだけど 決して、後ろ向きなものだけではない。 「…うん。 それがいつになるかは僕にもわからない、それでもよければ いつか会いに来て、晴臣くん。 それで会えたらその時は、もう一度"またいつか"を約束しよう」 (37) 2021/08/21(Sat) 4:55:09 |
百千鳥は、「ゆびきった。」 (a13) 2021/08/21(Sat) 4:55:59 |
【置】 涼風拝啓 ひぐらしの声を聞いて胸に寂寥感が芽生え始めて参りました。残暑厳しき折ですが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 手紙を書き始め、次で十通目になります。 月日が経つのも早いものです。私の周りも、私の立場も、昔と比べると変わったものが随分増えました。 それでも変わることのないものがあります。どれだけ経っても、決して色褪せないものたちが。 (中略) 手紙は勿論書きますが、来年はようやく時間が取れそうですからきちんと貴方にお会いして挨拶をしようかと思います。 それに、見せたいものもありますから。ようやく夢が形になったんです。 (中略) 略儀ながら、書中をもちましてお見舞い申し上げます。 敬具 20××年 8月××日 涼風薫 (L9) 2021/08/21(Sat) 14:40:39 公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00 |
【置】 涼風 家か、或いは関係者に渡したのか。 手触りのいい和紙の便箋がとある人宛に送られた。 『優くん元気?私だよ。涼風です。 こうして手紙を君に送るなんて、昔を思い出してしまうね。 久しぶりに話がしたいな。アイスでも食べてさ。ところで、おすすめのアイスとか知らない?折角だし一緒に買おうよ。お墓参りが終わった後にでも。 追伸 なんとなく昔を思い出したからお墓参りも自転車で行きたくなっちゃった。まだ自転車はある?』 ほっそりとした字で、ありとあらゆる無茶振りが書かれている。 そんなマイペース極めた手紙を貴方が読み終えた頃── (L10) 2021/08/21(Sat) 14:44:09 公開: 2021/08/21(Sat) 14:45:00 |
【置】 再点火 花守>>添木 【乾杯】 おつかれさまヒサシ、ホントに警察になっちゃってまあ、よくがんばったな。 久しぶりに会って、あんたの家に行って、ご飯したり酒飲んだりして、"オトナ"になったくせに昔っから変わらない所もあって、楽しかった、でも、それが逆に寂しいやらでさ…… 結局、言い出せなかったけど、私は『約束』守れなかったよ。 あんたと同じか、それ以上に努力してきたつもりだったけど、現実はいつも私に厳しくって、それでも次こそはって頑張ってきたけれど……あれから10年経って私は医学部にも入れず8浪だよ。 8年、『約束』も果たせず、"オトナ"にもなりきれないで停滞してた時間が8年間、親に呆れられて、毎日毎日生活費と学費を稼いで、隙間の時間で勉強した時間が8年間、振り返っても空虚しかないこの時間の重さ。 それに気が付いちゃったから、もうダメだって諦めてた。 だからだろうね、私がここにきたのは。 この村の大人たちはそんな好きじゃなかったけど、私の人生で一番充実してた青春が、確かに此処にあったから。 嘘つきは嘘を隠したまま、幻想の中のあの頃をもう一度望んで、あんたや私の事を知ってても知らなくても、良くしてくれた皆に会いたくて………… でもさあ、会っちゃったら、やっぱ悔しかったわ。 昔っから『対等』だって思ってたあんたが成功して、私はそのままって、惨めで悔しかったわ。 だから待ってな、今度こそ果たせなかった『約束』を果たして、ついたウソを告白して、あんたは呆れるかな、それとも昔通りでいてくれるかな、ともかく── ──果しにいくよ。 (L11) 2021/08/21(Sat) 18:09:37 公開: 2021/08/21(Sat) 18:30:00 |
【置】 再点火 花守>>清和 【約束】 『約束』、うん『約束』するよ、センパイ。 今度こそ、ウソをホントにする為の、私の人生を、この10年を。 いや、この人生が無駄じゃなかったと、私が私であると胸を張って言える様にする為に、もう一度『約束』する。 だから、貰ったメモにはしばらく頼らない、ここに連絡するのは私が合格した時だって決めた。 すぐ連絡できるかも知れないし、もしかしたらまた永く待たせちゃうかもしれないけど、これはケジメ。 そうしたら、よくやったって、褒めて。 きっとそれで、それまでの苦労が報われるから。 あと、合格したら、一緒に両親に会って欲しい、散々試験に落ちた私をみかねて、もう諦めたらと心配してくれてた二人。 意地っ張りで、見栄っ張りな私は、それに反発して喧嘩して、もう何年も会ってないから、今更顔を合わせるのが怖くて、謝りに行くのに、一人じゃちょっと難しいから、一緒に来て欲しい。 まだまだ、こんな歳になっても"コドモ"のままの私に、もう一度歩き出す勇気をありがとう。 それに報いれるように、今度こそ"オトナ"になった私をみせられるように頑張るから、きっと、必ず、いい知らせを届ける、だから私を信じて、見守ってて、いつか"コドモ"を── ──卒業できるように。 (L12) 2021/08/21(Sat) 18:11:07 公開: 2021/08/21(Sat) 18:30:00 |
【人】 再点火 花守>>4:41 「ホント、こなくてもよかったな。 甘い夢を見に来たのに、辛くて重ーい現実と向き合う勇気、貰っちゃう事になるなんて、思いもしなかった。 あーあ、諦めようと思ってたのに、これじゃ仕方無いかね」 立ち上がって、土埃を払って、大きく伸びをする。 「それに……」 ハウリングするくらい目一杯の叫びがスピーカーからきこえる。 小さい方のアキラくんの、青春生放送。 「また集まるんだったら、顔向け出来るようにしとかないとね」 夏の終わりに産まれた彼女の誕生花はシロツメクサ。 この"花"に込められた言葉を、きっと彼女は"守り"果たすだろう。 (38) 2021/08/21(Sat) 18:12:08 |
【置】 あの頃の 宵闇すこし古ぼけてかすんでいる楽譜、かろうじて読めるくらいの。 まだ音楽への知識が浅い時にはじめて創作したもの。 その曲のタイトルは『再会』 あの頃の少年が細い指でギターをかき鳴らす。 ──ふわりと、頬を風が撫ぜた 前奏、それはそよ風のように優雅に 爽やかな空気の流れるはずんだ音 雲ひとつない青空広がるすっきりとした空。 ──僕らは繋がっている ──きっと同じ空を見上げている 間奏、転調、雨が降ったように、ぽつりぽつりと。 しっとりとした、音が紡がれる。 それは恵みの雨、悲しみを流す清らかな水だ ──晴れた夕焼け空にカラスが鳴く ──帰ろう、僕らの道へ 後奏、夜が訪れるように 宵闇は光へと続くしずかな夜だ。 ──朝は必ずやってくる ──それまでは安らかな夢を (L13) 2021/08/21(Sat) 18:19:17 公開: 2021/08/21(Sat) 18:20:00 |
【置】 あの頃の 宵闇 "未来"の宵闇 翔へ 元気ですか? ちゃんとメシ食ってますか? 彼女はできましたか? 夢は叶えましたか? 俺は小さい頃、なんとなく母さんが喜んでくれるからって 理由でピアノをやってたけど、今ではすごく楽しんでる。 都会の音楽に触れられるようになったのはルカのおかげだし。 俺もなにか夢を持ってみたいと思ったのはアキラのおかげだ。 未来の俺はどうですか? もし、挫折してたりつまんねえなって思ってたら いっそ音楽なんてやめちまえばいいと思います。 それもいやなら、一緒に入れた楽譜を見て思い出してくれ。 これはアイツらには今はナイショだけど、曲をつくったんだ。 練習もしたから今の俺は歌えるし、思い出すはずだ。 まだうまくできないけど、未来の俺がアイツらと再会したら 歌ってくれよな。絶対はずかしいと思うけど。 過去の宵闇 翔 (L14) 2021/08/21(Sat) 18:21:01 公開: 2021/08/21(Sat) 18:25:00 |
夜長は、 夢から覚めた後、モモチに会うのが少し照れくさいかもしれない。 (t7) 2021/08/21(Sat) 20:28:41 |
夜長は、早く大人になりたい。夢に来る前と、理由は変わった。 (t8) 2021/08/21(Sat) 20:28:52 |
夜長は、来年中にはお兄ちゃんになっています。 (t9) 2021/08/21(Sat) 20:29:41 |
【置】 夢のその先 百千鳥「さようなら、慈姑さん。 ずっとを望むくらいには、ここは良い夢だったよ。 あなたにとってもそうであったらいいんだけど。 ──待っててね、きっといつか、また皆で会いに行くから。」 皆を見送る老婆に挨拶を終えて、 爽やかな風の吹き抜けるあぜ道を歩く。 夢から覚めたら、現実を生きていかなければならないから。 だから夢と現の狭間、微睡の中にある今の内に これからの事を考えよう。 皆を守る、"正義の味方"を守るのは誰? 誰もなれないのなら、今は何にもなれない自分がそうなろう。 いつも皆の背を追ってばかりのあの人は、 今や自分も追われる側なのだといつ気付くだろう? 物語を、夢を紡ぐ事を今尚捨てなかった人々に "みんな"の居る長閑な村を、物語の中に創ってもらうのもいい。 水鉄砲の、最後の一発は"またいつか"のその時までとっておこう この村に来た時に、自身の慕う兄がそうしたように "再会の挨拶"を叩き付けてやるのだ。 自分と同じように、抱えきれないほど多くを欲しがって 同じ夢を見て、そしてこれからも同じ夢を見続ける 大人になりきれなかった誰かさんに。 (L15) 2021/08/21(Sat) 20:40:29 公開: 2021/08/21(Sat) 20:50:00 |
天狼の子 夜長(匿名)は、メモを貼った。 2021/08/21(Sat) 20:42:58 |
【置】 君ぞ来まさぬ 百千鳥わが門の 榎の実 もり食む 百千鳥 千鳥は来れど 君ぞ来まさぬ ──作者未詳 『万葉集』 巻16-3872 雑歌 我が家の門前の榎の実を啄みにくるたくさんの鳥たち、 鳥は来るのですが、あなたは来てくださらないのですね。 (L16) 2021/08/21(Sat) 20:43:33 公開: 2021/08/21(Sat) 20:50:00 |
【人】 音楽家 宵闇ここにずっといたら取り戻せそうだった心があった。 今の自分にはなくて、過去に置いてきてしまったものがあった。 思い出せそうだった、すこしだけ思い出した。 それは『好き』という、身近にあって大事もの。 この村で培ってきたものが、音楽が好きだった。 男はきっと、この夢の事を一曲にするだろう。 ひとりの老人が、皆が愛した村。 ──時数えの田舎村。 (39) 2021/08/21(Sat) 20:55:31 |
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