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![]() | 【墓】 瑞野 那岐[それでも、口に含まれたら、また。 だめ、と言ってしまうのだけど。 柔らかい口腔に含まれて、腰が抜けそうになる。 思わず、背を丸めて、くしゃりと彼の髪を乱して。] ……ッ、ぁ、 ……は、ぅッ…… [躊躇いもなく口に含まれて、追い立てるように 上下に揺らされたら、まるで身体の中に入っているような 錯覚すら覚えて、くらくらする。] ンッ、ぅ…… ら 、めッ ……ぁッ、ぁッ、[呂律の回らなくなった口をなんとか、回して。 何度も、弱く首を振っても、彼の口が追い立てて。] (+143) 2023/04/02(Sun) 12:40:29 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[眼を細めて、出して、なんていうから。 ぶる、とまた快楽の波が押し寄せてくる。 ぼろ、とまた大きな粒が目尻から零れて。 つらいのではなく、感じ入って出てくる生理的な涙。 片手は髪を掻き混ぜながら、もう片方の手で。 再び自身の口元に手の甲を押し付ける。] は、ぅ……っン、んぅっ……、ぁ、 [腰元から這い上がってくる何かを堪えようと、 しても。促すみたいに喉で締め付けられ、 舌で溢れ出す汁を絡め取られていく。] (+144) 2023/04/02(Sun) 12:40:50 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[髪を撫でていた手を取られて、重ねられ。 あやすように、握り込まれ。 こわくないと、伝えるみたいに強く訴えられたなら。] ……アッ、 ……クるッ……ぅ…ッ、 だ、 め、 くち……、はなして、ッ …… ……ゃッ、 も、 でちゃ、……ッ [中に吐き出してしまうから、と。 首を振り揺らしたまま、手の甲を薄く噛んで。 堪らえようとするのに、喉奥が絞るみたいに、 窄まれば、堪えきれるはずもなく。] (+145) 2023/04/02(Sun) 12:41:37 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ これからずっと、この先もずっと。 一緒にいたい。 一つでも多く、知り、 一つでも多く、理解し合いたい、 そのうちの一つとして、今日の日もあればいい。 肌を重ね合う中でもそれは変わらない。 これは良い、これは痛い、これは怖いと 伝え合う中に、責めるよう言葉一つくらい あっても一向に構わない。 君に関してのこと、特に、我慢ならずに 口にしてしまうことが多いことだし。 ] (+146) 2023/04/02(Sun) 15:03:18 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 恋するにあたっての、酸いも甘いも、 苦痛も快楽も、君から知りたいから。 背を丸めることで、心理学的には 快楽に怯えていると取る事ができるらしい。 良くそうしているのを見るから、 今日もすこし、怯えているのかもしれない。 ] ん、 いいよ、 [ 口をついて出てしまう言葉の裏側は、 知っている。どうしても出てしまうだけで、 本当は駄目でも、いや、でもないことを。 駄目と言われる度、良い、と返してきた これまでも。そして今日も。 ] (+147) 2023/04/02(Sun) 15:03:42 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ ぼろ、と零れた涙が頬を伝って 顎先に落ちて、まだあたたかいまま、 自分の手に落ちてくる。 泣いちゃうくらい、良くなって その願いが通じたような気になって 尚更、恍惚とした表情を浮かべたまま とくとくと脈打つ愛しい熱を、 口内で抱きしめるように、口を窄ませて。 ] (+148) 2023/04/02(Sun) 15:03:57 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ ゆるりと手を握りこんだなら。 くちをはなして、と彼が言う。 に、と微笑って、一度だけ静かに 首を振るようにして。 ――前にも言っただろう。 そんな寂しいこと、言わないでと。 それについさっきも、中にと。 それでもまだ、遠慮があるようだから、 つい、意地になるみたいに、窄めたままで 吸い上げてしまう。 ] (+149) 2023/04/02(Sun) 15:04:35 |
![]() | 【墓】 高野 景斗 あ。 [ 舌で追いかけそこねたそれを指の先で 拭って口の中へ戻すと、いつかと同じように 名残惜しげに、先端にちう、と吸い付いて 解放し、ごく自然に、喉を鳴らして。 ] (+150) 2023/04/02(Sun) 15:05:20 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 背を丸めてしまうのは、強すぎる快楽に 怯えてしまうから、らしく。 背を逸らすのは、 より深く感じ入るため らしい。 聞きかじった話を思い出して、ひとり 小さく笑うと、 ] 良かった? (+151) 2023/04/02(Sun) 15:05:41 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 聞いて、両腕を組んで、君の膝の上に 乗せて。落ち着くまではそうしていただろう。 冷える前にもう一度湯に浸かるように促してから 洗い場に向かい、髪と体、顔を洗って、 自分ももう一度湯船に浸かって。 星空と、君とを交互に眺めていたけれど ] 湯あたりする前に、あがろう。 [ ただでさえ燃え上がってしまったから ゆっくり浸かるどころではなかったの かもしれないな。 抱き上げるつもりで、膝の裏へ 片手を入れたけど、素直に甘えて くれただろうか。* ] (+152) 2023/04/02(Sun) 15:05:57 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[零れた涙が彼に落ちて、濡らしても。 気づくことができないくらい余韻が酷くて、 射精後の脱力感が一気に襲ってくる。 彼が口から溢れさせたそれも、 視界の端に留めてはいたけれど。] ……飲、……っ、 …… [溢れたものまで、指で掬い上げ口に含むのは、 少し、いやかなり恥ずかしかった。 何度その光景を見ていたとしても。 ただ、上がった息を肩で呼吸しているぐらい、 口を挟める程の余裕もなかったから。 小さく呻くだけになってしまって、 その反抗は、彼には通じないだろう。] (+153) 2023/04/02(Sun) 18:31:00 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いくら湯に浸かっていたとしても、 濡れた肌を長い時間、夜風に晒していれば寒気も伴う。 自分も彼も吐き出したものを手で掻き出したとはいえ、 すぐにまた浸かるのはさすがに抵抗があったけど。 冷えた空気には抗えずに、少しだけ身を浸した。 肩口まで温もれば、外の温度に合わせて、 少し高めに設定されたお湯が心地いい。 温もってから身体を二度目の身体を洗い流して、 丁寧に彼が指で掻き出した場所は、 少しだけ、シャワーで洗い流していれば、 彼からもまた、手伝う声が上がったかもしれない。 少しだけ、また触れ合って。じゃれあって。 逆上せてしまう前に身体を冷ます。 彼に逆上せた頭と表情だけは、残ったまま。 ] (+154) 2023/04/02(Sun) 18:35:09 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[身体を気遣うように差し伸べてくれた手は、 気怠さを残した身体には、ありがたかったけれど。 足元が濡れた場所で寄りかかるには、気になってしまって。 やんわりと首を振って申し出を断った。 甘い雰囲気を壊したかった訳じゃないけれど、 二人して滑ってしまったら、元も子もないので。 手だけを借りて、脱衣所まで戻り、 水気を取り払った後、宿の据え置きの浴衣に身を包んで。] (+155) 2023/04/02(Sun) 18:35:28 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐…………けいと、さん [つんと彼の浴衣の袖を引っ張ってから、 ン、と甘えるように両手を伸ばしたら、 さっきの誘いのお返しだと気づいてもらえるだろうか。 ドライヤーは部屋にも持ち運べるはず。 髪はまだしっとりと濡れたままだけど、 後で、彼に乾かしてもらうとして。 今は、先程断った彼の腕の中に甘えるように身を寄せた。*] (+156) 2023/04/02(Sun) 18:35:56 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 問いに、言葉をつまらせるのを見て。 ――問うべきではなかったのだろうかと僅か 不安になる。 軽い気持ちで問うたのを、後悔するより 少し早く、控えめに頷いてくれただろうか。 見上げる視線に不安が少しだけ、混じったのを 続く言葉が、ふわりとかき消していったから 反応は示さないまま、撫でられる手に 促されるように、目を伏せて。 ] (+157) 2023/04/02(Sun) 21:05:09 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 内風呂に移動する気も起きず、 湯から身を上げれば、甘い香りのボディソープ で体を洗って。髪を洗って、嗅ぎ慣れぬ匂いへの 違和感を感じつつ、 彼もシャワーで洗い流すようなら 手伝いを申し出て。 遠慮しないでだとかじゃれ合いながら 洗い場を後にして。 抱き上げるつもりだった腕は、支えるだけに 留めたが。 ] (+158) 2023/04/02(Sun) 21:05:23 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 浴衣に身を包んで、濡れた髪を拭っていると つんと袖を引かれて。 タオルを首掛け、微笑むと、 背中に手を回し、一度ぎゅうと抱き締めたあとで 抱き上げて、部屋まで向かい 座椅子の上にそっとおろして。 これではどちらが甘えているか、わからないなと 声を上げて、笑い ドライヤーを手に戻ると、短い君の髪に 先に温風を当てていく。 さほど時間もかからずに、乾ききって しまったなら、自分の髪も乾かして。 ] (+159) 2023/04/02(Sun) 21:06:08 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 冷えたお茶で喉を潤して、 窓の外を眺めた後に、スマホに目をやって。 ――夕食からこちら、結構な時間が経っていることに 少し驚きながら。 眠るまで、飽きもせず、腕の中の ぬくもりを抱き締め、やさしく撫でているうちに 眠りについてしまったのだったか――。 ] (+160) 2023/04/02(Sun) 21:06:36 |
![]() | 【墓】 高野 景斗 ………ん…ぁ………? [ 明け方近く一度目が覚めた時にはまだ、 窓の外は暗かったはずだが。 次に目覚めたときにはすっかり 部屋の中は明るくなっていて。 普段以上に長く眠ってしまったことに ぼんやりとしたままで、驚きつつ 旅館の布団って寝心地が良いものだから そのせいにしてしまいつつ、ごろりと 寝返りを打つ。 朝は弱い、と自称する恋人はどうして いたか。引き寄せたスマホのアラームは まだ、鳴らないし、朝食まではまだ余裕はある。 ] うーん、 [ 二度寝の誘惑も捨てがたいが、朝風呂の 贅沢もまた……そんな風に悩んでいると、 カーテンの隙間から差した光が目に入って。* ] (+161) 2023/04/02(Sun) 21:06:48 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[袖を引いて、少し高い位置にある彼を覗いて、 笑みを深くされて、腕の中に閉じ込められたら、 肩口に、ぽてんと頭を寄せて甘えた。 両腕に抱き込まれる大きさを覚えてしまったなら、 もう、抜け出せない。忘れられない。 着慣れていない浴衣は少し生地が薄く、 風呂上がりの温もった温度を伝えている。 其処に居ることを確かめるようにゆっくり瞬いてから。 名残惜しそうに、身体を離して。 膝裏に差し込まれた腕に身を預けて、 首裏に両腕を回せば、慣れた様子で運ばれていく。 ……なんだか、出会った時よりも、 運び方が慣れてきたような、不安がないような。 彼がもし知らぬところでそれを意識していたとしても、 まだ、それは知ることのない、話。] (+162) 2023/04/02(Sun) 21:50:28 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[窓際の座椅子に降ろされて、はふ、と。 風呂上がりの開放感にほっとした息をついて。 どちらが甘えているのかは分からずとも、 互いに触れ合い、離れがたいのは事実。 傍に居たい理由を付けて、隣を望む。 そういう時間が、付き合い始めた頃は、 もう少し、たどだどしかったように感じるから。 その頃に比べたら、甘え方は上手くなったと、思う。 少し、腰は重かったか。気怠さが纏わりついていて。 出されたままだった茶碗を取り、水分を補給して、 すっかり乾いていた喉を潤した。 姿を一度消した彼が、ドライヤーを手に戻るのに 気づいたら、座椅子に座り直して。 頭を垂らして、乾かしてもらっただろうか。 温風が心地よくて、無言になれば。 うつらうつらと眠気が襲ってきて、かくりと船を漕いで。] (+163) 2023/04/02(Sun) 21:50:40 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[いつの間にか、ドライヤーが終わっていた。 一瞬手放した意識が、戻ってきて。 傍らで聞こえるドライヤーの音に、ごし、と瞼を擦る。] 変わる。 [と、申し出て、受け入れられれば。 動けない分、座椅子の前に俯いてもらって、 温風を当てて乾かしていっただろうか。 濡れていた髪をぱさぱさと揺らせば、水気が抜けていく。 正面から乾かしている分、視線が合いやすく、 手持ち無沙汰にした彼と目が合えば、微笑んで。 もう少し、と口パクで伝えて。 長い髪を、後ろに流して、乾かしていく。] (+164) 2023/04/02(Sun) 21:50:52 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[大きかった一房が、さらりと流れるようになれば。 温風を切って、見上げ。 いつもの表情が覗いたら。] うん、格好いい。 [……と、満足気に仕上がりに頷いただろう。] (+165) 2023/04/02(Sun) 21:51:09 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[そんな穏やかな時間を過ごして、どちらともなく。 布団に入り込んだ。 二つ並んだ布団を、隙間なくくっつけて。 枕を隣り合わせ直して、床に入り。 待っていたように伸ばされた腕に、身じろぎ。 腕の中に身を収めると、閉じ込められる。 睡魔が訪れるのは思いの外、早く。 数度背中を叩かれるだけで、うと、と瞼が落ち始め。 ぬくもりに包まれながら、船は眠りへと旅立っていく。] (+166) 2023/04/02(Sun) 21:51:32 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[疲れ果てた身体は、睡眠を求めていたのか、 朝まで目覚める気配もないまま、ぐっすりと眠っていた。 瞼の向こうが少し、明るくなったような気がするけれど、 瞼はまだくっついていたいと、言うから。 逆らえないまま、言うことを聞いていた。 ただ、眠る前にあった温もりが、無いような気がして。 少しだけ、重い瞼を持ち上げて、姿を探し。 その背中を見つけたら、もぞ、と身動いで。] …………んぅ、……、 [ぬくもりを求めるように、 ぴと、と両手と額を彼の背中に擦り寄せた。 夏が近づいているとは言え、まだ朝は春眠暁を覚えない。 要するに、もう少し寝ていたい。] (+167) 2023/04/02(Sun) 21:52:38 |
![]() | 【墓】 瑞野 那岐[無くしたものが確かに埋められて、 とろ、とまた瞼が落ちてくる。微睡みに落ちるのは早い。 寝乱れて浴衣が肩から少し下がり落ちている分、 ぬくもりと求めてしまうのは仕方がない。 腿まで覗いている脚も、 冷えた足先を温めるように、足首をすり、と絡めて。*] (+168) 2023/04/02(Sun) 21:53:14 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ 出会った頃よりすんなりと抱きかかえることが 出来るのは、多分、抱えられる側に心得が 出来たから、と思う。 協力的だと自分よりも大きな体であっても 持ち上がることがあるのだから。 信頼して首に手を回してくれるなら 前よりずっと手慣れた風になっても、おかしくはない。 温風を浴びて眠たげにする君が変わる、というから ドライヤーを渡して、前から乾かしてもらうことにした。 世話を焼かれるっていうの、とても心地よかったから。 ――弟妹はおらずとも、門下生は多く。 どちらかといえば兄の顔をしている期間のほうが、 長かったから。 髪が乾いて告げられた言葉には、 僅かに照れて、頷いただろう。 ] (+169) 2023/04/02(Sun) 22:50:25 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ そうして溶けるように眠ったため、 夢を見ることはなかったかな。 起きるか起きまいか、悩んでいると 側に在ったぬくもりが離れたことに、 気づいたのか、僅か数センチの隙間を 埋めるように、ぴたりと擦り寄ってくる君は、 ] ん?起きる? [ まだもう少し、眠っていたいようで。 体を起こすどころか、微睡みのなかへ 落ちていきそうだが。一応声を掛けて、 振り返ると――。 うわ、絶景。 声なき声で呟いた。 ] (+170) 2023/04/02(Sun) 22:51:19 |
![]() | 【墓】 高野 景斗 そうだね、もう少し寝よう。 こっちおいで。 [ 浴衣で寝ると、そうなるだろうと昨晩 予測はしていたけれど。 寝乱れて肩からずり落ち、緩んだ合わせから 腿まで露出していて。 実際目にすると、大変悩ましいお姿で。 眠たげな姿もまた、あどけなさの他に、 壮絶な色気を感じて、長いため息をついた。 ――これ以上見ていると、昨晩の反省すら 吹っ飛んでしまいそうなので。 あと三秒、と決めて、眺め終われば 布団の中に招き入れるように寄り添って。 ] (+171) 2023/04/02(Sun) 22:51:52 |
![]() | 【墓】 高野 景斗[ ――それが間違いだったと気づくのは 慌ただしく、着替えを済ませた朝食の直前。 布団の中に招き入れて、擦り寄ってくる ぬくもりに、僅かな眠気が勝てるはずもなく。 と、いうか――、自分の節操の無さに、 呆れてしまわれても、致し方なく思う。 触るだけ、一回だけ。 それを遵守はしたけれど、今までにはない 起こし方をしてしまったことは、否めない。 朝の光を浴びて、浴衣の合わせから覗く 赤が鮮やかで、とは言い訳に違いないだろう。 ] (+172) 2023/04/02(Sun) 22:52:16 |
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