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シトゥラは、 座長の影を、宝を守る女を通り抜け一度振り返った。 (t3) 2021/10/27(Wed) 17:42:58 |
【見】 技術指揮 シトゥラ「俺の名前は、シトゥラ」 本当は別の名前が、あったのだろう。 人には"名前"があるらしいから。 だけどもう思い出せない。何処かの国の言語で器という意味。 ただのニンゲンであった事だけしか俺には残っていない。 ジェーンドゥ、ナナシ、アンノウン様々な形容の仕方を聞いた。 俺というものは、知識が詰まったの器でしかない。 「この館であなた達と長く共に過ごし、 そして共にいたいと願うただの人[ヒトゴロシ]。 そして今度こそ、信じられる愛をもらう者だ。 以後お見知りおきを、残りの話は夕食で」 自分でいれたお茶を飲んで、自分で作ったスコーンを食べて。 あなた達の色のジャムを付けて、手に着いたそれを舐め取った。 遠くない夜空が目を閉じたその向こう側に見えた気がして 今離れたばかりのその腕に抱かれることを考えた。 それでも、今だけは。 やっぱり怒っている分はまだ痛い目を見て貰ってもいいだろう。 だから、ほんの少しの距離を置いて。 その手を伸ばして貰うのを待つことにした。 (@56) 2021/10/27(Wed) 17:53:55 |
【置】 夜の一族 チャンドラ自室に戻ったわたしは、ベッド脇に置いた翠と朱の宝石を見る。 その傍らの、紙飛行機を見る。 何も書いてない。 でも、何かの気配は感じることが出来る。 今ならその気配が何なのかわかる気がして、そっと紙飛行機を持ち上げるとわたしは胸に抱いてくすりと笑った。 (L1) 2021/10/27(Wed) 18:53:40 公開: 2021/10/27(Wed) 18:55:00 |
チャンドラは、まるでこどもみたいだけど、この2つの宝石と紙飛行機は大切な宝物だ。 (a6) 2021/10/27(Wed) 18:55:31 |
【人】 夜の一族 チャンドラ>>@52 >>@53 >>@54 シトゥラ 「シトゥラ……?」 額に口付けが落ちれば、わたしは目を丸くしてあなたの顔を見た。 だけど悪い気がしなかったのは、これが親愛の証だと思えたから。 「ええ。今度はちゃんと、あなたの言いつけを守るわ。 これ以上あなたに心配をさせるのは悪いものね」 笑ったわたしはそう言って、続く言葉に再度意気込む。 「ええ。……でも卵って、どうやって割るのかしら?」 そうやって、色んなことを覚えていきたい。 まさか守られているなんて、露ほどもわたしは思っていないけど。 その間は、ノートも大事にしていよう。 これにはわたしの知らないことが沢山記されている。 いろんなことを知っていきたい。 井の中の蛙ではいたくない。 オーブンの音を聞きながら、まずはこれから始まる楽しいことに、心を弾ませた。 (89) 2021/10/27(Wed) 19:08:57 |
【人】 ただの ユピテル>>82 アマノ 「私の力を込めておりますので。これでも科学が発展した国の上に立つ巫女だったのよ、お姉ちゃんは。もう過去系だけどね、っ…… にゃー!?」 頭を鷲掴みにされて、変な声を上げた。 ぴいぴい鳴いてるが、説明はしてくる。 「使い方、簡単よ〜!テレパス位そっちの世界も単語あるでしょ?あれをするイメージでやるだけでいけるわよ! ……適当に何か口を使わないで私に伝えようとしてみて?それ、そのままなんて思ってたか答えてあげるから」 試そうとするならユピテルの言葉通り。 貴方が肉声にしていないことも、ユピテルは聞こえたようにそのまま口にしました。立場を逆にして試しても、同じ結果が得られるでしょう。 「あ、でも今は私がいるから再充心したけど、元の世界に戻ったら2、3回が限度だわ。時間は1回10分程度……終わったらただのお守りよ。使いどころは考えてね。 ……それじゃ、私はこれを渡したかっただけだから。帰ったら妹さんとお話してあげて」 (90) 2021/10/27(Wed) 19:38:14 |
【人】 ただの ユピテル>>@51 トラヴィス 「ううん。信じてくれるようになったのなら、それが一番の報酬だわ。私にとっても、……今までトラヴィスの傍にいた人たちにとっても、きっと」 シトゥラとプルーの事を思い浮かべながらそう告げます。きっと彼らは前のままのトラヴィスでもずっと傍に居たでしょう。それでも、信じてくれるようになる事を嬉しいと思うのは別と思ったからです。 「……それが聞けて安心したわ。 苦しい事は悪くはないし、他の感情も全部あって、その上で最初に出てくるのが『楽しい』なら、もう言うことはないの」 擦り寄せられる頬を少し指で撫でたりしながら、(やっぱり貴方も寂しがりやさんなのね)と内心思う。私も、貴方も。あの人も。 「そのことなんだけど、」 「私、館に残るわ。ミズガネが残ってやりたい事があるって言うの。そして詩人復帰するなら、彼のことを誰も知らないここ程、練習に向いた場所もないと思うの。だから付いていく……と結果的にここに残る事になったわ」 「あ、でもいつかは出ていくつもりよ。ミズガネが自信を持てて、彼の国に言ってもいいと思える日があるなら、その日踏み出そうと思うの。外へ」 「……だから、これからも暫くはいっぱいまた明日、しよう?よろしくね、トラヴィス!」 (93) 2021/10/27(Wed) 20:40:57 |
【人】 夜の一族 チャンドラ>>キエ 重力から解放されたあなた。 色んな人に所在を聞くと、浮いているからすぐ分かる、と教えてもらった。 あなた、浮かぶこともできたのね。わたしと同じ。 「───キエ!」 あなたと同じで重力から解放されたわたしは、そうした聞き込みの上であなたの姿をようやく見つける。 こうするとまるで探偵みたいね。楽しいわ。 「 こんばんは 、キエ」月明かりを身に纏ったわたしは、あなたと同じでその身体を宙に浮かせている。 弾む声は、ハロウィンパーティーを楽しんでいたあの時と、きっと何ら変わりはない。 ただ挨拶が、あの時と少し違うだけ。 (94) 2021/10/27(Wed) 20:58:43 |
【人】 悪食 キエ>>94 チャンドラ 彼処は 果て だろう。喧騒から離れた夜空に揺蕩いながら、月を見上げていた時だった。 「……今晩は、チャンドラ君」 思っていたよりも間近で声がしたものだから、キエは一度瞬きをした。 しかし夜の一族というくらいなのだから、此方が本来の貴方なのだろう。そんな軽い認識をして向き直った。 「課題の方は順調かね。短い間ではあったが……きっと今まででは考えられない程、様々なものを見聞きできた筈だ。 予想くらいはできた頃合いかな?」 声をかけられた理由で想定されるものは、課題の答えか、別れの挨拶か、若しくは両方か。 キエはどれでも良かった。どうでも良い、ではなくどれでも良い。 (95) 2021/10/27(Wed) 21:18:02 |
【人】 夜の一族 チャンドラ>>95 キエ こんなところに1人でいるあなたに、わたしの方こそ瞬きをした。 折角だから、もっといろんなところへ行けばいいのに。 だけどすぐにそれは自分の理なのだと思い出す。 夜になって空を飛んだからって、夜にならないと空を飛べないわけじゃない。 「ええ、そうね。……順調、かしら。 少なくともひとつ、新しい答えを見つけたわ」 『止める』か『許す』。それ以外の選択肢。 これまで生きてきた上でわたしの身の回りに巡っていた理や道徳では思いつきもしなかったものを、わたしはひとつ見つけていた。 「それが、答えになるかは分からないけど。 聞いてもらえるかしら? キエ」 (96) 2021/10/27(Wed) 21:39:47 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 貴方から紡がれる言葉を聞いて、ひとつひとつに頷く。 「君は素敵な人だね。」 頬を包む温度が心地よくて、暫くは成すがまま。 けれども今後の話を聞けば、 おや、と声を漏らして瞬きをひとつ。 素敵な貴方の心を あの詩人が射止めたのだと、察する事は容易だった。 貴方の瞳が、声が、何よりも愛おしげに動くものだから。 男は、他人同士のそれには敏感であった。 「そう、………君が決めたのなら、 そのように過ごすと良い。 けれども──ここは夢の楽園であり、危険な箱庭だ。 いつか君を害そうとする者だって、訪れるかもしれない。」 勿論、あくまで可能性の話。 「その時に、必ず信じられる誰かへ助けを求めて。 些細な事でも、一人で背負わないで。 私も勿論、君を気にかけるけどね。 残ると決めたなら…… 私の言葉を、ユピテルの心の片隅へ置いてくれないか?」 → (@57) 2021/10/27(Wed) 21:57:56 |
【見】 座長 トラヴィス>>93 ユピテル 「そんな事は、既に覚悟しているとは思うけどね。 一度、言葉にさせて欲しかったんだ。」 こんな場所に居てはいけないよ、と 貴方へ向ける感情は心配一色。 言葉を伝える事に意味があると知ったから、 こうして貴方へ余計な言葉をかける。 自分が守る、と主張しないのは 貴方を誰よりも大切に考える誰かの領域を害さない為。 館に残る間、 ひと匙だけ、貴方の心に居場所を貰おうと言うのは、少しの悪戯心。 それから、芽生えた事に気付かぬまま消えた、小さな嫉妬心。 「それにしても……悔しいな。 私のどこが、彼よりも劣っていたんだい?」 くすくす、貴方の腰へ手を伸ばし 自然に抱き寄せて、貴方の唇へ人差し指を触れさせる。 自分にも貴方にも、特別な人が居る事は明白。 ──故に、戯れだ。貴方の反応を伺おうとする、野次馬心。 (@58) 2021/10/27(Wed) 21:59:56 |
【人】 悪食 キエ>>96 チャンドラ 「勿論だとも。 ……其れに答えは決して変わらぬもの、という訳でもない。 時と場所、そして立場によって変わるだろう。 たったひとつの冴えたやりかたなど存在しないからねェ」 正義とは幾つも存在し、また真相は幾つも隠れ潜んでいるとキエは考える。 どんな答えであろうと、キエは頷きをひとつ返し満足するだろう。 「どんな答えでも──……自身で考え、思い、見つけ、選ぶ。 此れ自体が、僕が人に望む事だからね」 停滞は何も産まない。希望どころか絶望さえも産み出さない。 だから。 キエは、進む事を促す。 何方へ向かおうと、其の歩みが誰かの心を良くも悪くも動かすのだ。 (97) 2021/10/27(Wed) 22:02:54 |
【人】 夜の一族 チャンドラ>>97 キエ 「ふふ、そうね。 あなたに教わったんだもの。ちゃんと覚えているわ」 考えること。他人の気持ちを思うこと。 この 篝火 を育むこと。忘れないこと。そうすることできっとわたしは、誰かを温める 篝火 になれる。「……想像してみたの。 本当にそうなったとき、本当のわたしはどうしたいのか。 やっぱりわたしは否定はしたくないわ。 でも、諦めながら待つのだって、嫌だもの」 わたしはやっぱり小鳥のことは責められない。 でも小鳥が月を目指したのを知って、悲嘆に暮れてあげるのもごめんだった。 なら、どうすればいいのかと思ったとき、浮かんだ答えはきっと『わたしらしい』ものなのでしょう。 「 わたしも一緒に行くわ 。だってひとりではどうしようもないことも、誰かが一緒なら立ち向かえるかもしれないもの。 挫けそうな時、力を貸すことが出来るかもしれないもの。 それに何よりどうしても、ひとりになんてさせたくないんだもの」 添い遂げるという言葉がある。 誰かと添い遂げることは、誰かを選ばないということでもある。 それでもわたしはその道を選びたかった。 選ばれなかった人はもしかしたら、そんな選択をするわたしに失望するのかもしれないけど、それでも。 (98) 2021/10/27(Wed) 22:28:37 |
【人】 酔いが醒め、宵が来て ミズガネ>>キンウ 「キンウ!!お前との約束を果たすぞ!どこにいる!出てこい!」 死んでから色々後ろ向きに前向きになった男が太陽のような子を探している。大変にやかましい。 (99) 2021/10/27(Wed) 22:47:49 |
【人】 悪食 キエ>>98 チャンドラ 「……そうか。 共に立つ事で見える景色もあるだろう。 隣にいなければ聞こえない音もあるだろう」 キエは満足そうに頷いた。遮蔽物の無い月明かりが瞳へ刺さっても、キエの視線はしかと貴方を捉えている。 「自分の本当の気持ちさえ、人は案外気付かないものだ。 其れに気付き言葉にできた君は、今確かに成長したのさ。 どうか今抱く想いを忘れずに。 選ぶ事のできる君は、誰かの標に成れる」 キエは其れが地獄への道である事を望んでいるけれど。 現を変える事ができるのは、生きて夢を見る貴方達だけであるから。 どんな歴史が編まれようと、夢の浮橋からは何の手出しもできない。 「いつか答えが変わる日が来るかもしれない。 もし上手く言葉にできず悩んだら、眠る前に僕を思い出すといい。 ……きっと会いに行くよ」 (101) 2021/10/27(Wed) 23:26:51 |
【人】 夜の一族 チャンドラ>>101 キエ 月の明かりに照らされて、同じ灯りを纏う今のわたしはただの月。 あなたが教えてくれた 篝火 は、あなたにはきっと必要のないものだと漠然と思っている。あなたに 篝火 を分け与えることよりこの篝火 を大切にする方が、あなたに報いることに繋がると信じている。「嬉しいわ。あなたにそう言ってもらえると」 だから、お話はこれで終わり。 あなたがこれからどうするのか気になるけれど。 もしいなくなったとしても、不思議と寂しい気持ちにはならない気がした。 だってあなたは不思議な人だもの。 またひょいと姿を見せてくれる、そんな夢さえ見せてくれる。 「またお話しましょうね、キエ」 だからわたしはそう告げてあなたに手を振った。 星屑の尾を描きながら、また夜の空を駆けていく。 白い鴉がいなくても、今のわたしはこうやって、1人で夜を駆けることができる。 (102) 2021/10/28(Thu) 0:03:46 |
【人】 ただの ユピテル>>@57 トラヴィス 「ええ、勿論よ。どんな所に居ても常に何かしらの危険とは隣り合わせな事は忘れないわ。 ……と言っても、私の故郷よりは正直、遥かに安全とは思うけれど…… でもお酒や性行為に溺れるのだって、溺れるから危ないのであって節度を保って用いるなら良い事でしょう?ここが楽園で箱庭なのも、それに近いと思ってる」 結局のところ、どのようなものも、人も、存在も。使い方と、在り方で大きく左右されることを、今回で実感しました。 「でも、今貴方の言葉、しっかり覚えておくわ。 貴方が私との約束を正しく守ってくれた通り、ずっと。 今の巫女ではない私はみんなの言葉で形作られてるの。『素敵な人』と先ほど言ってくれたなら、それは私を作ってくれた皆が『素敵』だったの。……貴方もよ」 大事にそうにその言葉を添えてから、手をゆっくりと放しました。巫女を止めると伝えたのも初めてでしょう。でも今は詳しく説明しません。だってこれから幾らでもその話をする時間だってあるのですから。 「……でも、私に言うからにはトラヴィスもちゃんと自分でそうしてね?人には優しくできるのに、自分に優しくできないのは駄目よ?」 ▼ (104) 2021/10/28(Thu) 1:53:52 |
【人】 ただの ユピテル>>@58 トラヴィス 「劣っている、とかじゃないのよ。 トラヴィスとミズガネは全くの別人で比較しようもないわ。 勿論それは全員に言える事だけれど──わ、トラヴィス?」 抱き寄せられて触れられて、この館の当時なら真っ赤になっていた場面。勿論驚きで多少赤くはなっていますが、それでも随分落ち着いたもので、どちらかと言うと親愛の友人にダンスを誘われた感覚に近いもの。 ただ、貴方の問いに真っ直ぐ応えようと、そのままの体勢で言葉を紡ぎます。貴方がそれ以上深い事をしない、という信頼もここには含まれているのでしょう。 「一番は、私を巫女でなくしてくれたから、かしら。 “ただのユピテル”を求めてくれた。互いに傷があって、共感して。その上で、“互いに支え合おう”と伝えてくれた。 求めて、求められる事も。どちらも可能と教えてくれたの」 「……ふふ。言葉にすると、本当にストレートね。でも、その当たり前の普通が、私もミズガネもなかったから」 ただ、求められる事なら幾らでも経験はあります。 それも“巫女のユピテル”がほとんどで、そうでなくても、求められるだけでその先はありませんでした。けれど、与えたいと。支え合いたいと言ってくれる人が居たから。 「私、きっとヤキモチ焼きだったんだわ。 ひとりの“私だけ”を見て欲しかったの。その感情も、教えて貰った。だから……私も、“あの人だけ”を愛するわ」 (105) 2021/10/28(Thu) 1:55:42 |
ポルクスは、チャンドラの手を取った。 (a7) 2021/10/28(Thu) 2:17:30 |
【見】 座長 トラヴィス>>104 ユピテル 「はは、耳が痛いな。」 丁度何かに浸っては 逃避していた男だ。返す言葉もない。 「お節介だとは思うけどね、 言葉にして、伝えたかったんだ。 君に何かあれば、私も悲しい──とね。」 語られる言葉に、貴方の変化を知っていく。 この数日間は貴方にとっても 深く意味のある日々であったのだ、と。 ときどき貴方から物騒な話が出るが それらもいずれ、ゆっくりと聞く時間がある。 「自分に優しく……か。善処するよ、 時間は掛かるだろうけれど、 必ず振り向かせたい相手が居るんだ。」 その頃には、 胸を張れる『素敵な人」を自負出来ると良い。 そんなことを考えて、続く貴方の言葉へ楽しげに耳を傾ける。 → (@59) 2021/10/28(Thu) 3:02:55 |
【見】 座長 トラヴィス>>105 ユピテル ……嗚呼、貴方はやっぱり眩しい人だ。 愛する人の話をする貴方の瞳は、どんな宝石よりも輝いているし、 紡がれる言葉のひとつひとつには、ひたむきな愛情が込められている。 他人の為に身を削れる貴方の隣で 支え合い、傷を理解し合い、包み込み、守ることができるのは ただ一人しか居ないんだと、深く理解しながら。 そこには喜びや憧憬、親愛……そんな美しい感情しか芽生え無かった。 「眩しいな。 けれども、いつか辿り着きたい目標だ。」 貴方の顎へ手を出して、 此方へ向けるとそっと顔を近付けて 唇の端───頬へと唇を落とす。 遠くからならば、逢瀬を重ねる男女のようにも見えるかもしれない。 『それ以上深い事をしない』との信頼を、ほんの少しだけ裏切りつつ。 ……ここはきっと館内、どこかの廊下。 貴方が一人で何処かへ向かっていたか、その帰路のこと。 ちら、と廊下の更に向こう側を一瞥し、 貴方を腕の中から解放した。 (@60) 2021/10/28(Thu) 3:05:19 |
トラヴィスは、「また明日」、くるりと背を向けた。 (t4) 2021/10/28(Thu) 3:05:36 |
【人】 不眠症 アマノ>>92 ユピテル 「………なるほど…。 あの男も似たようなことを言っていたな」 むすっと不機嫌な面のままだが、効果が実証されて感心している。 自分の世界もかなり科学が進んでいる方だと思っていたが、異世界はやはりこちらの常識は通用しないらしい。 「使い方は理解した。 コレの構造を含めたお前の世界の話を聞いてみたい所だが、そんな時間はねぇようだな」 頭を掴んでいた手でわしゃわしゃと頭を撫で繰り回して離す。 「…………ありがとな」 小さく呟くように礼を言って、足元のペットボトルを拾い上げた。 「じゃあ“また”な」 顔を見せないようすぐに背を向けて立ち去って行く。 帰ればもう二度と会うことはないかもしれないが、それでも“また”といったのは、また会ってもいい、という意思表示かもしれない。 (107) 2021/10/28(Thu) 3:55:29 |
【人】 ただの ユピテル>>85 >>86 ミズガネ 「……い、今おかしいって思ったでしょ」 嫉妬が初めてなので思い切り今言葉にして伝えましたが、相手の反応を見ているとどうにもこれは“恥ずかしいもの”ではないのかと、じわじわ実感が湧いてきました。 とは言え手遅れです。今私は拗ねていますと言わんばかりに口を尖らせていましたが、髪を掻き分けられる相手の手の感触も、額への口付けも、そしてその先の言葉も。全部聞き終えた頃にはもう、 嗚呼もう!これじゃあ本当にポーズじゃなくなっちゃうわ! 「……問題はない、けど。 ……急に格好良くなるのは、 ずるいのよ。……拗ねちゃうわ、私」 今までが格好いいと思ってない訳では当然ありません。 言葉にしたのはかわいいの方が多かったかもしれません。 勿論、かわいいも『愛しい』の表現なのですが、今まで励まし励まされてきて、“私の唯一のコトハ”と愛しいと思っていた所に、突然新たに“格好いい男性”の一面を詰められたようなものですから。脳が混乱するのだって、おかしくはない。はず。 ▼ (108) 2021/10/28(Thu) 4:05:00 |
【人】 ただの ユピテル>>85 >>86 ミズガネ 「──私でよければ、喜んでお受けします。 “私”を見つけてくれてありがとう、同時に“貴方”を見つけられてよかった。貴方の夢を叶える瞬間を、私の夢を叶える瞬間を。互いに特等席で、見つめて行きましょう?」 「貴方が何度自分を見失っても、何度でも、貴方を見つけるわ。 ……お転婆なお嫁さんでも、許してね? 旦那様 ?」──今まで私が死んで悲しむ“人”はいなかったから。 正確には幾らでもいたけどそれは巫女だから。巫女の役目を放棄すると宣言したらそれは全部逆に変わる程度のものだったわね。 嗚呼、今やっと“私”、ここに立ってる。 大切な存在である大地ではないけれど、 ここに、立ててるよ。貴方と同じで違う大地を歩き出すわ。 ──見ていてね、 大切な“ ” 。私と大切な人 とのこれからを。 (109) 2021/10/28(Thu) 4:09:16 |
【人】 ただの ユピテル>>107 アマノ 「あの男?……わっ」 一体誰の事を言っているのだろう。想像がつかないなんて考えていたら──鷲掴みだった時から突如撫でられて、頭に手を置いて思わず「???」と混乱しています。嬉しい、という感情が来る前に、相手の手は離れてペットボトルを拾い上げていました。 「……うん!」 「次に会ったら、私の世界のお話を今度はちゃんと聞かせるから──貴方の妹のお話も、聞かせてね。だから、」 「“またね”」 貴方の小さな小さな礼も、この状況での「また」という言葉も。それがどれほど重みがあるかはユピテルは知っています。だから嬉しさのまま、再開を信じて大きく手を振って見送りました。 ──貴方と妹さんが幸せであるように。また会えるように。 私はいつでも、願っているわ、レンジ。 だから貴方も願ってくれるならきっといつか“また”は来る。 (110) 2021/10/28(Thu) 4:24:08 |
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