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![]() | 【人】 軍医 ルーク“葬儀屋”が関わったところで、 迷惑だろうってね。 そのシロップ、ずっと作ってはいたけれど、 きっと渡せないだろうと思ってた。 でも、結局、ダメだった。 関わらないようにするなんて、出来なかった。 [ 通信機を探しに行くときに、 研究班に声をかけるやり方だってあったはずなのだ。 あの研究馬鹿たちなら、捜索に加わる者もいたかもしれない。 そのことに、思い至らなかった理由。 真っ先に思い出したのが彼だった理由。 司令直々に念を押されながら、従うことが出来なかった。 自身の感情を理解するよりも先に、 きっと、心が歩き出していた。] (171) 2020/05/25(Mon) 21:03:11 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク[ 通信機を探しに行ったときのこと。 それを口に出すのは、やはり恐怖もあった。 今はもう、何が引き金になるか分からない状態だ。 それでも、状況も分からず手探りで立ち向かうことと、 自身の状態について何らかの知識を持って臨むこと―― どちらがより安定していられるだろうかと考えた。 何より、他ならない彼自身のことなのだから、と、 そう思って伝えることにしたのだ。 ――重なるような鼓動の音が、 先ほどまでよりも落ち着いて聞こえたことも、 その理由であったかもしれない。 それでも、痛む素振りで頭に当てた手に、 咄嗟に息を呑み、手を伸ばす。 頭に触れた手の上から、そっと添えるように。] (172) 2020/05/25(Mon) 21:04:41 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク そうか、総司令に―― あの通達は、それでか。 あのひとは、多分、目的のために 自分が必要で最適と判断したことは、 きっと、何でもする。 情がないとか感情で動くとか、 そういうことはなくて、 私利私欲で動くということもなくて。 目的はきっと、“前線の死守”。 先の先を考えていることも あるかもしれないけれど、 そうだね、わたしにも、本音は見えない。 [ 総司令と関わる頻度は彼と似たり寄ったりだろうけれど、 ここに来る前から多少の面識はあった。 学問所にいたころの父の後輩だったと聞く。 判断は下していない、というのなら、 きっとその通りなのだろう。 いつかその『判断』が下されたとき、 それが承服できない内容であったなら―― もう、目を閉じて耳を塞ぐようなことはしない。] (173) 2020/05/25(Mon) 21:06:22 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク じゃあ、起こすときは念のために、 とびきり苦い薬も準備しておく? びっくりして飛び起きるくらいの。 シロップかあ。 それで目が覚めるなら、 どれだけ君は甘党だということになるな。 ――考えとく。 [ そのとき何が起こるかということも、 どうすればよいかも分からない。 それでも、“手を握ってくれていれば”と、 そう伝えてくれた言葉が。>>55 今もこの足元に深く広がる、底のない不安と恐怖に、 立ち竦みそうになる足を励ましてくれる。 ひとよりはひどく遅い足だけれど、何処にでも行く。 この手で出来ることは、何だってする。] (174) 2020/05/25(Mon) 21:07:01 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク[ 名前をタブレットで告げたのは、 言葉で話そうとして、少しだけ躊躇ったから。 いざ口に出すのが、どうしてか―― そうだ、これは気恥ずかしいというやつだ。 “大きな秘密”、“宝物”なんて言われて、 実際にその名を口に出してもらったなら、 泣きすぎて赤くなっていた顔が、またすこし、 かっと赤くなってしまう。 咄嗟に俯いたから、 向こうも微かに顔を赤くしていたとは気づかない。 それでも、やっぱり顔を上げて、] うん……、 わたしも、普段通り呼ばれる方が慣れてるな。 ありがとう、シュゼット。 [ 名前一つ呼んだり呼ばれたりするのに、 どうしてこんなに心臓がうるさい。 すこしだけ緊張したように、 けれども嬉しそうに笑い返した。] (175) 2020/05/25(Mon) 21:08:07 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク[ ――記憶のこと。 彼が考えていた内容は、自分も心の何処かで あるいはと思っていたことだった。>>120 一番新しい日記に記されていた内容。 零れた写真へと手を伸ばす、その姿は、 他ならない“彼”のものであるように、見えたのだ。 旅の中、朽ち果てた亡骸が握りしめていた一枚の写真。 それを“大事な宝物”として持ち続けていたのは。] 最初の機獣を君が倒したというのは、 確かに、事実だと思う。 公的な記録がそうなっているというだけじゃない、 わたしの参照した残骸の記録とも、 矛盾なく一致するから。 君は、機獣とともに降りてきたのに、 下にいたひとたちを殺そうとすることはなかったと、 わたしも、そう信じたい――… ううん、信じている。 [ “信じたい” それは、“下にいたひとたち”を―― 父を殺したのが彼だったと、思いたくないから? もし万が一そうだったとしたら、 自分はきっと、ひどく葛藤もするし、苦しみを感じる。 それは否定が出来ないことだ。 けれど、信じていると言った理由はそうじゃない。] (176) 2020/05/25(Mon) 21:10:13 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク[ あの日記に綴られていた言葉たちが、 いまも強く語りかけてくる。 感情がなかった彼が、はじめて強く感情を感じた、 その瞬間の記憶。 その記述を読んだ時に、貫くように胸を打った何かを、 言葉で言い表すことなんて、できやしない。 だから――信じている。] そうだね、きっと―― 君は、君だ。 [ 自分を信じてみる、と彼は言う。 怖れを知らない勇敢さではないだろう。 それどころか、怖がりなところもあって、 苦手な薬にぷるぷると怯えてしまうこともあるくらい。 自分が自分ではなくなるかもしれない恐怖だって、 想像してもしきれないものだろう。 怖さを知っていて、感じていて、 それでも立ち向かう。 ―― それは、本当の意味で勇敢ということだと思う。 その真っ直ぐな眼差しに、目を細めた。 だから、自分ももう、逃げない。 この先へと、歩みを進めてゆく。] (177) 2020/05/25(Mon) 21:13:17 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク 連絡手段か。 うん、わたしも一応自室はあるけれど、 あまり戻らないしな。 どうしようか。 [ 首を傾げていると、ぺんぎんがくいくい、と 彼の服の裾を引っ張る。 まかせて、と胸を張った。 胸を張る――というか、 どこまで胸でどこからおなかなのか微妙な丸さであるから、 おなかをぺんっと突き出したような体勢ではあるけれど。] ああ、どうか。 基地の中ならぺんぎんに頼むといいんだ。 こいつら、何かこう、 独自のネットワークがあるから。 手近なぺんぎんに聞けば、 どこにこのぺんぎんがいるか、 そう待たないうちに分かるはず。 [ 本当は、次にいつ会えるか分からないのは、 ひどく不安でもあった。 次に眠ればどうなるか分からないと、 そう聞いてしまえば猶更だ。 けれど、此処が前線基地で、 互いにしなければならないことがある以上、 ずっとこうしていることは出来ない。] (178) 2020/05/25(Mon) 21:15:00 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク[ 何かあったならすぐに駆け付けると、 そう心に決めて。 医務室を去る後姿が、角を曲がって見えなくなるまで、 扉を閉めずにそこに立っていた。] [ 敵の総攻撃の情報が、 *前線基地の総員に伝えられたのは、翌朝の事。 攻撃の日は、 ] (179) 2020/05/25(Mon) 21:16:14 |
軍医 ルークは、メモを貼った。 ![]() (a12) 2020/05/25(Mon) 21:18:11 |
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![]() | 【人】 軍医 ルーク『ああ、探した探した! そこの兎君、えーと、ゼット!』 [ 皆がせわしなく動きまわる前線基地を、 ぱたぱたと走る人影がある。 一斉攻撃の情報が齎されて後、基地内の空気は一変した。 当初は絶望に近いものでもあっただろう。 一度の降下で一体の機獣を倒すにあたり、 犠牲を出さずに済むこともあったけれど、 これまでどれ程の死傷者、損害を重ねてきたことか。 けれど、此処は最前線にして最後の砦であるという認識は、 否応なしに、基地にいる者皆が感じていることでもある。 廊下で第一攻撃部隊隊長に声をかけてきたのは、 技術班長、ジルベール。 賑やかに両手をぶんぶん振って、駆け寄って来る。] (181) 2020/05/25(Mon) 21:48:46 |
![]() | 【人】 ミアあの時 怒ってたの。 [ 肯定されたい訳でも、否定されたい訳でも無くって。 貧民街の落書きにちょっと近い気がした。 スラングなんかじゃあなくたって、 ……何だろうか。気分のようなものだろうか。 難しいことは、わからない。 薔薇の香が また、夢に招く。 遠くからの声は、何時も以上に次々届く。 ] (182) 2020/05/25(Mon) 21:49:12 |
![]() | 【人】 ミア─── そんなものだよ。 あとさ、あんまり、…… [ 読み違える なんて、 そもそも先の読めないだけの奴はそう言う他無い。 もっともらしい返事をした、と思えど、 まったく 回ってるようで、回ってないような舌だった。 インクの跡をなぞったゆびさきは、 もう、本を閉じてしまったし、 真白の寝床を借りる勢いで もうひとつ、 枕を抱いている。ねむたい。 ] (183) 2020/05/25(Mon) 21:50:32 |
![]() | 【人】 ミア…… あんまり、そんなに、 大事に扱わなくたっていいのに。 [ たったひとつ そのあたりの女と、違うことはあるとはいえ。 ─── 卑下、では、無かった。 割り切り、でもなく。 見えなかっただろう偶々の巡り合わせを、 そこまで抱えるのも よく分かっていないから。 ……抱えられるのも、よく分かっていないけれど、 さあ 拾われた義理とでも言うのか。 ] (184) 2020/05/25(Mon) 21:51:32 |
![]() | 【人】 ミア……、 ねむいんだけど、私の夢には、出ないで。 出たら 一生 ゆるさない。 [ ぽん、と シーツをかるぅく叩いた。 うらがわを、語ることも無いままに それきり。 ] (185) 2020/05/25(Mon) 21:53:04 |
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![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也 [ 非日常が日常を上書きする瞬間を 当たり前がそうじゃなくなる瞬間を だれがそんなん 望んだいうねん ―――そんなもん (187) 2020/05/25(Mon) 21:58:08 |
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![]() | 【人】 軍医 ルーク 『君に渡したいものがある、 暇かい? あはは、愚問だったね、 いまこの基地は、年中行事を袋詰めして振り回して ごちゃまぜにしたような有様だ、 窓を開けたら年始の祭りの飾りが仮装して 菓子を強請り始めたっておかしくない。 けれど、いくら暇じゃなくたって、 これは来てもらわなきゃいけない』 [ そう言った彼女は、彼をぐいぐいと 武器倉庫に引っ張ってゆくだろう。 天井が高い堅牢な倉庫には、 整備された通常の装備に加え、 新たに運び込まれているものがある。] 『実戦への投入はまだ先の予定だったのだけれどね、 “いま使わずにいつ使う!”っていうやつさ。 技術班総出で、徹夜突貫で整備した。 機獣から回収された装備を元に開発したものだ。 各部隊長に支給して回っているところだったんだが、 実際、今この基地の最大戦力は君と言っていい。 最大の戦力に出来るだけ火力を集中するのは、 理にかなったことだよ、うん』 [ 一画にある金属製の筒を、ずるずると引きずって来る。 彼女の腕力でぎりぎり動かせるくらいの重みのようだ。] (189) 2020/05/25(Mon) 21:58:54 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク 『それに、こういうのを軽々持ち運べるのは、 馬鹿力の連中のなかでも そう多くはないだろうからね。 携帯式対機銃弾発射器といったところか、 反動はかなりのものだが、君のそれと違って、 物理的な反動だけだ。 つまり一言で言うと、筋肉でなんとかなる!』 [ 義手の解析に携わったこともある彼女は、 彼の義手の性質もある程度は心得ているようだった。>>2:65] 『それからこっちは、対機獣の手榴弾。 爆発の威力は前方にだけ収束するわけじゃなくて、 周囲にも爆風が来るから、 離れたところから投げるんだ。 機体に吸着して爆発する。 立ち回りによっては中々の効力を発揮するだろう。 それから――』 [ 部隊長のみならず、 部隊全体への一通りの追加装備について説明をした後、 彼女は顔を上げる。] (190) 2020/05/25(Mon) 21:59:38 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也[ 隣にすんでるからって いつでも一緒なわけでもなく 雨音が買い物へ行ってることなんて 把握してるわけでもない。 近くのコンビニにいくには 公園を通り抜けないといけないし そのためには横断歩道を渡らないといけない。 それはきっと誰にとっても普通の日常で 横断歩道を渡り切った俺にとっても 渡るために向こう側にいた女の子にとっても なんでもない 一日の行動だったはず ] (191) 2020/05/25(Mon) 21:59:46 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク『ルースに頼まれた。 通信機を運んできてくれたときにね。 君のその義手の代わりになる、 身を守れる武器が何かないかと。 わたしもその考え方には賛同する。 最大戦力が行動不能になるような武器は、 実に非効率的だから』 [ 自分たちの発明品を嬉々として解説する彼女の様子は、 状況分かってるのかこのひと、と、 装備の確認に訪れた他の部隊の兵士たちの 胡乱な視線を受けていたけれど。 気にせず、にやりと笑う。] (192) 2020/05/25(Mon) 22:00:11 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也[ ―――轟音。 ] 『 なんや?! 』 [ 振りかえったそこには 電柱に突っ込んでる軽トラと ] 『 事故……?! うそやろ 』 [ 少し離れた場所に倒れた おなじ年頃らしき女の子と 俺の足元までふきとばされたらしき 鞄には 見覚えのある マンボウがくっついてた ] (193) 2020/05/25(Mon) 22:00:58 |
![]() | 【人】 軍医 ルーク『我々は技術者で、非戦闘員で、後衛だ。 でも、我々なりの戦闘というものがある。 この世界の技術は、どこかで唐突に始まっている。 遺失技術だって、どこからともなくもたらされたものだ。 そのことについて話し出すと 三日三晩かかるから割愛するとして―― けれど、そこから積み上げた我々の技術と 生きるための知識は、我々のもの。 成果の多寡じゃない、 わたしたちは、 先人の成果の上に自分たちの石を詰むのさ。 その石の一つに、この基地が調査拠点であった頃、 命を落とした学者たちの成果もある。 君は、何があったか覚えてないそうだけれど―― 機獣を退けたのは君なのだろう? そう聞いている。>>1:213 だとしたら、そのおかげで、 彼らの研究はごく一部なりとも此処に残っていたんだ。 彼らに代わり、一度礼を言いたかった』 [ そうまくし立て、部隊長の兎の肩をばしんと叩き、 また次の部隊へと、装備品の支給に走り出した。]* (194) 2020/05/25(Mon) 22:01:13 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也『 ……え 』 [ ちっとも動かない女の子。 頭から血が流れて、目を閉じてるその子は 見覚えのある服装と よく似た髪の長さ そんなわけないやん。 あいつなはず あるわけが ] (195) 2020/05/25(Mon) 22:01:53 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也『 ……え 』 「 女の子が轢かれた! 」 [ 自分以外に目撃者はいたらしく 近寄る大人たち 叫ぶ人 その中に紛れて 音がなくなったように 俺と女の子の間に風が流れて ひろいあげた鞄の中には 偶然なのか、それとも。 星柄マスクが まだ入ってた ] (196) 2020/05/25(Mon) 22:03:34 |
![]() | 【人】 楊 宇静[送った文を見て、穂村が何か言いたげにこちらへ視線を寄越す。 不誠実なことをしたつもりはないが、何かしてしまったのだろうか。と、不安になって。 じっ。と断罪の時を待つような気持ちでもって待ったけれど、彼の意識は再び、手元に向かったらしい。] ……? [何だろう。と、胸がざわつくが、再びこちらのスマホが震えるまでは、そんなに時間の掛からなかったようで。 見下ろせばその中身が。] ……うーん、うーん? [難し過ぎて、唸ってしまった。] (197) 2020/05/25(Mon) 22:03:51 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也『 雨音!!! 』 [ 処置をする大人の側で うるさいとか友達やったら見るないう 静止の声が聞こえんくて 救急車きて、離されるまで なんもできん無力なこどものまんま 俺と雨音の距離は またあいてく ] (198) 2020/05/25(Mon) 22:04:14 |
![]() | 【人】 楊 宇静[助けを求めようと視線を上げれば、えもいわれぬ雰囲気の穂村がそこにあって。 話し掛けるのを躊躇えば、また続き。] だったらわたしが謝ることよ やっぱりホムラが謝るのは違うでしょ? [見て、言おうとしていたら、先に付け加えられてしまったけれど。それでもやはり。と、自分を曲げずに固辞した。] ……え? [ら、追加でまた、文が画面に増えて。 困惑しながら穂村を見れば、悪戯っ子の笑みを浮かべていた。] (199) 2020/05/25(Mon) 22:04:32 |
![]() | 【人】 ☆中学生☆ 相星 雪也[ 予断を許さない状況が続く。 家族でもなんでもないから、 雨音には会えないまま。 期間にしたらどれくらいだったか わからないけれど ずっとずっと永い時にも思えた ] (200) 2020/05/25(Mon) 22:04:41 |
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