XII『吊された男』 ユグは、メモを貼った。 (a29) 2022/12/11(Sun) 19:07:44 |
[『 力 』 フォルスは、メモを貼った。 (a30) 2022/12/11(Sun) 19:08:46 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[境遇を今まで、何人に語ったことがあっただろう。 話さなくとも、四年より長くこの洋館にいるなら、知っていることかもしれない。 洋館の存在、証持ちの申告のことすら伝わっていない辺境の村で、ただ神に愛されていることをひたに信じ耐え抜いた、栄養不足で小さくて、生きているのが不思議なほどの、『骸骨のような』少年。 無論読み書きもおぼつかないほどだったが、魂の響き合いもあってか『死神』の教えを見る間に吸収し、今や本を好むようにまでなったユグのこれまでを。] (170) 2022/12/11(Sun) 19:44:36 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[魂に紐付けられた不和のざわつきが、ユグにないわけではない。 『悪魔』の一挙手一投足には、いつでも不安が胸の奥渦巻いている。 彼が何をするのか、どう動くのか。 今もこの祈祷室でなく、アリスのいるホール>>152にいたなら、幼い彼女を守りながら、どこか過剰に諌めようとしていただろう。 まだ何もしていない、などという言葉にも、将来的な加害の可能性さえ感じ取って。] (172) 2022/12/11(Sun) 19:46:05 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[奔放であること。自らの魂に逆らわないこと。 それは『吊るされた男』にとって酷く悲しいものに映っていた。 自身がその思いに耐え、諍いを飲み込みさえすれば、この楽園は僕たちにあたたかく微笑んでくれるのに。 たったそれだけで、すべては変わるのに。 どうして僕らはそうしないのか。出来ないのか。] (173) 2022/12/11(Sun) 19:46:38 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[ああ。そんな思いに苛まれて。 自らの非力を悔いてあの日の『吊るされた男』は命を絶った。 残したのは、ただ穏やかな笑みだけだった] (174) 2022/12/11(Sun) 19:47:14 |
【人】 XII『吊された男』 ユグ[だからユグは、『証持ち』の不和によく介入しようとする。 神がかつて箱庭の子を愛したように。 彼は証持ちたちを広く愛し。 その不和に心を痛め。 心通わせ合えば何事も憂うことはないのだと説き続ける。 いつか22人が揃うその日を、幸福に満ち満ちて迎えられるように*] (176) 2022/12/11(Sun) 19:52:31 |
【人】 XIV『節制』 シトラ──あ……っ [ ヒナギクさん、とわたしが呼び掛けるより早く 太陽より眩しいオレンジが、 わたしを通り越して一目散に玄関へと駆けてゆく。>>148 チェレスタさんの声が美しい清流のような音色なら ヒナギクさんの声は、軽快に弾けては咲う花のよう。 はい、そうです。わたしも居ます。居ました ] そ、そう、……ですよね そう、ですか……? (177) 2022/12/11(Sun) 21:09:30 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 彼女の『お手伝い要らないね?』に、おろおろと 返事になりきらない独り言のような声が零れた。 わたしは頭数に要らないかもしれないけれど ヒナギクさんは要るかもしれないし、 それを決めるのは、チェレスタさんだ。 自然と「どうですか……?」と 答えを窺うように彼女を見てしまう ] (178) 2022/12/11(Sun) 21:09:40 |
【人】 XIV『節制』 シトラ[ 政府の広告塔として活動に励んでいる ヒナギクさんのお仕事の一端は、 わたしも、洋館の広間のテレビで見たことがある。 聴き慣れた声でくるくると表情を変えながら 笑顔で証持ちについて語るヒナギクさんは 薄い板越しにもやっぱり眩しくて、 一挙手一投足がキラキラと輝いて見えた。 ただそこに在るだけで場を暖め照らす『太陽』 洋館でも、ヒナギクさんが居るところには 楽しげな明るい空気が流れるように感じる。 直接の会話を交わすことは少なくとも、居心地の良さゆえに そっと日常の一幕の隅に身を置こうと試みる そんなひとときは多々あったでしょう。 その天真爛漫な煌々としたまばゆさに 時折、ほんのすこし、目が眩むけれど ]* (179) 2022/12/11(Sun) 21:10:03 |
XIV『節制』 シトラは、メモを貼った。 (a31) 2022/12/11(Sun) 21:14:41 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 回想:売店の主 ―― 薬を? どうかしたんです、フォル [ どうしてそう呼ぶのか? 本人がそう呼んでほしそうにしているからだ。 だから『悪魔』のことは『悪魔』と呼ぶし、 クリスタベルの名を略そうとすることもない。 ともかく、掛けられた声に首を傾げれば>>165 必要なのは彼自身ではなくご家族の友人であるらしい ] …… [ 証持ちにも様々な境遇がある。 不遇な者から恵まれた者まで、本当に様々に。 思い知らされるように思うのは内心でだけだ。 特別声や表情として表すことはきっとない。 ] (180) 2022/12/11(Sun) 21:33:36 |
【人】 IX『隠者』 アリアどうぞ。 ひとまずは眠りに対するものだけお渡ししますが。 他に悩ましい症状があるのでしたら、 また詳しく聞かせてもらえるようお伝えください。 [ 助けを求める者がいれば惜しまない。 たとえ『彼女』であったとしても、 薬師として求められるなら私は躊躇わず応じるだろう。 だから、それはきっと「あっさり」に分類されるはず。 本当に。そんなこともありましたね、くらいの。 であるから、後に丁重な返礼が来ていたく驚いた。>>166 確かに一般的にも役に立つ力ではあろうが、 そう肯定的な反応を返されるということは慣れてなくて ] 丁寧にありがとうございます、と 機会があればお伝えください。 [ 面映ゆい心地だった。 いささか珍しい表情をしていたかもしれない。し、 カヌレはいくつか詰めていただけていたから、 持ち帰ってシトラと一緒に食べた…かもしれない。 ] (181) 2022/12/11(Sun) 21:34:45 |
【人】 IX『隠者』 アリア量産するには限界がありますし、 効果は確かでも、証持ちのこと、 ゆえに商品をも受け入れられない層はあるでしょう? 広く流通させるのは問題があるのではないかと。 ですが、フォルの売店に並ぶ商品のひとつとして 汎用性のあるものをいくつか並べるくらいなら 規模も現実的ですし、悪くないと思います。 [ そのうえ想像だにしなかった提案も出れば、 少しばかり考えたのち、そう返しただろう。 結局はどうなったのだっけか。 売店にちょっとした頭痛薬などが並んだかもしれない。 もう少し踏み込んだ症状にお悩みならどうぞ本人まで。 なお、その売店のお手伝いについて。>>37 どうせ暇なので他にいなければ手伝わないこともない。 くらいのスタンス。つまり気分とタイミングである。 *] (182) 2022/12/11(Sun) 21:35:25 |
【人】 U『女教皇』 キュリアわたくしは、ほとんどなにもしらないままここに来たのです。 ここに来る前から知っていたのは、 定期的に聞こえて来た言葉の音と部屋に置かれた本の言葉。 思い出せるのは、 物心がつくほんの少し前に誰かに世話をされていたことと、 あとは、 ** (183) 2022/12/11(Sun) 22:07:08 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[証持ちが虐待を受けるという話は事実だ。 それは身を持って知っている。 生まれた時に両親に泣かれ、嘆かれ、 この世に生まれてきたことを罪であるかのように 蔑まされる。……血の繋がった実の両親に。 小さな身体で両親の拳を足を、受け止めることは難しく。 食べた口から吐き出した。 やがて、食べ物すら与えられずに水だけで過ごし、 水を与えることすら惜しいと、 棄てられた。 ] (185) 2022/12/11(Sun) 22:08:32 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[愛される子ではなかったのだ、私は。 痛みに堪え切れず涙を流せば、 煩いと怒鳴られて口を塞がれる。 『ヒナギクがなくからおこるの?』 そうして、両親の前では嫌われないようにと 笑顔を絶やさずにいれば、、 両親にとっては逆にそれが気味が悪かったようだ。 殴られても、蹴られても笑う子供。 そうして、結局、手放された。 笑うことも泣くことも許されることはなかった。 そう知れば笑うことも、泣くことすらしなくなった。] (186) 2022/12/11(Sun) 22:09:44 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[やがて、不憫に思った親切な老夫婦に 預けられることになったが、 子は老夫婦が話しかけてもろくに笑わず。 観光業が有名な地を気晴らし紛れに連れて行っても、 八つの子供は感情が既に死んでいた。 老夫婦の家には災いが居る。 まことしやかに噂も流れ出す。 『証持ちが居るらしいぞ』 ――――証持ち。それの何がいけないの? 八つの子供に大人の言うことは分からない。 ううん、同じ頃の歳の子ですら、 証持ちは咎人だといい、当然のように蔑んでいく。] (187) 2022/12/11(Sun) 22:10:53 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[老夫婦は噂が流れても、 子供が傷だらけで帰ってきても。 子供が一切笑わず、泣かなくとも。 十三の歳になるまで面倒を見てくれた。 そうして、子供が十三の祝を迎えた日。 老夫婦の家に、一人の男が訪れた。 少女を、他の証持ちの子どもたちが居る場所に 連れて行ってくれるという。] (189) 2022/12/11(Sun) 22:12:23 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[自分以外の証持ちに出逢ったことは、なかった。 だから、訪ねてきた男に少女は問うた。] 『証持ちの人って、ほんとうにいるの?』 [どんな人達だろう。 同じ証持ちの人たちであるなら、 殴ったり、蹴られたりしないで仲良くなれるだろうか。] (190) 2022/12/11(Sun) 22:13:44 |
【人】 XIX『太陽』 ヒナギク[少女が訪ねた言葉に、 迎えに来たという男はどう応えただろう。 少女は、その言葉をきっかけに。 男の手を取ったのだ。*] (191) 2022/12/11(Sun) 22:14:46 |
U『女教皇』 キュリアは、メモを貼った。 (a32) 2022/12/11(Sun) 22:15:59 |
XIX『太陽』 ヒナギクは、メモを貼った。 (a33) 2022/12/11(Sun) 22:19:46 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a34) 2022/12/11(Sun) 22:47:31 |
【人】 ]X『悪魔』 ゼロ[四年前、俺がここに来てから一年くらい。 新しく来た証持ちがいると見に行った時。 顔を見た瞬間身体が動いた。 誰かに止められなければ、 ── 恐らくそのまま殴っていた。 湧きあがったのは激しくどうしようもない憎悪。] (193) 2022/12/11(Sun) 23:05:31 |
]X『悪魔』 ゼロは、メモを貼った。 (a35) 2022/12/11(Sun) 23:10:52 |
【人】 XI『正義』 マドカ[それこそ、僕に与えられた罰なのだと。 焼け落ちた家を呆然と眺め、 ただただ座り込んでいたあの日。 詳しいことは覚えていない。 ただ、焼けた木材の、 どこか甘いような酸っぱいような、 独特な香りに包まれて。 腕の中で冷たくなった小さな体の、 くったりとした重さだけを、 今日も今も覚えている。] (195) 2022/12/11(Sun) 23:18:33 |
【人】 XI『正義』 マドカ[忘れようはずもない。 僕の背中に刻まれた、焼けた十字は 生涯決して消えることはない。 ちりちり、ひりひり。 今日も、今も、いつまでも。] (196) 2022/12/11(Sun) 23:18:45 |
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