人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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視点:


バレンタインは、車椅子に揺られている。
(c0) 2022/05/06(Fri) 21:01:02

【墓】 充実 バレンタイン


『───ご飯、今日は……食べられないな』

食堂に瞳を向けて。
数少ない情緒を映し出していた唇は、
堅く、きつく閉じられているというのに。

『中庭に行こう。
 あまりびっくりさせてはいけないから』

どこかしらが、代わりに言葉を紡いでくれる。
ずり落ちかけだった帽子は、
今日はしっかりと頭のてっぺんに乗っかっている。
(+0) 2022/05/06(Fri) 21:05:55
バレンタインは、不安な言葉を溢れさせない。あまりにも、不自然なほどに落ち着いている。
(c1) 2022/05/06(Fri) 21:06:51

【墓】 充実 バレンタイン


『動くのには不便じゃないし、
 こうして喋ることもできる。
 目を使えば文字だって打てるし、
 
 最初はどうなる事かと思ったけど、
 意外と普段通りに生活ができちまうな』

まるで眠っているみたいに、
身体が弛緩していて、呼吸で胸が上下してるだけ。
それでも饒舌な電子音は独り言を垂れ流す。

『ああ、でも本は読めないな、───
 エルナトから借りた本、返すのはいいとして、
 できれば読み切ってからがいいんだけど』

誰かに読んでもらおうかな。
それとも、与えられたタブレットに、
どうにかして入れてもらえないかな。

大人にどんな我儘を言ってやろうか考えながら、
電動の車椅子は少年を乗せてゆったりと進んで行く。

その裏には、ひたすらな不安を隠したまま。
(+1) 2022/05/06(Fri) 21:23:03
充実 バレンタインは、メモを貼った。
(c3) 2022/05/06(Fri) 21:35:45

【墓】 充実 バレンタイン

やはり不安はとめどなく湧いているけれど、
それを表現する方法は今のところ奪われた。

選択肢が無くなってしまったら、
考えることが少なくなって済む。
消極的な、ポジティブ的思考だけを頼りに。

これがもたらされた治療の結果で。
バレンタインに与えられた、
“病と、ギムナジウムに対して最適な形”だ。
(+3) 2022/05/06(Fri) 21:38:00
バレンタインは、僕も自分の何もかもが嫌いなわけじゃなかった。
(c4) 2022/05/06(Fri) 22:07:31

バレンタインは、少なくとも、永遠にこのままなわけじゃないらしいから、それでよしとした。
(c5) 2022/05/06(Fri) 22:08:31

【墓】 充実 バレンタイン


結局、それほどひどいことをされたとは思っていない。
治療の内容に納得してしまっているから。
不安を溢れさせてしまう不出来な容れ物には蓋が必要だ。

ただ、会う人会う人皆なぜか悲しそうな顔をする。
自分を心配性とからかった生徒だって。
自分を寝坊助だと叱った先生だって。

『……』

僕を担当してくれた、あの人だって同じ。

いつものように中庭の木陰で休んでいても、
頭の上に花冠が乗っている、なんてことはない。

ああ、なら早く治らなきゃな。
皆が見たいのは、多分病が完治したバレンタインだ。
(+9) 2022/05/07(Sat) 14:56:13
バレンタインは、眠っているかのようにそこにいる。たまに歌を口遊みながら。
(c8) 2022/05/07(Sat) 18:42:09

【墓】 充実 バレンタイン

>>7 エルナト

『───もちろん、起きてるよ。
 もう眠気に頼らなくてよくなっちまったし』

伸ばした前髪の隙間からは変わらず青い瞳が覗き。
見つめていると、僅かに瞬きのような震えをする。

『本は…… ───
 途中まで読んでたし、最後まで読もうとしてたけど。
 ごめん、暫くはそうできそうにねえや』

僅かに視線を逸らす様子は、
図書室で気まずそうに頭を下げた、
あの時の面影をありありと残していて。

『愛や恋の力で奇跡とか起きるんなら、
 それに越したことはなかったんだけど。

 どうやら僕にはやっぱり、夢みたいな話だったな』

無機質に喋りかける偽りの声は、
それでもどこか皮肉気なニュアンスがこめられていた。
(+10) 2022/05/07(Sat) 19:12:44

【墓】 充実 バレンタイン

>>9 エルナト

『うん…… ───今はそう思う』
『想像して、勝手に鬱屈として、塞ぎ込んでしまうよりは。
 最後まで読んじまった方がいいんだろうな』

『不安は今でさえずっと湧いてくるけれど、───
 希望を持つことだって、今だからこそできるから』

だから、君もそんな顔をするなよ。
渦中の僕が言った所で、どうにもならないんだろうけど。

ここが物語の最後のページではないことは、
いくら自分でも分かっているから。

『あー……その手があった。
 何で思いつかなかったんだか。

 部屋に置いてあるけれど、───うーん……』

『読みかけの本が結構、そこらに置いてあるから。
 エルナトがそれを見て、気をやらないといいが』
(+11) 2022/05/07(Sat) 19:57:00
バレンタインは、小麦の香りを感じた。一度たりとも顔に出したことはないけど、食事は結構好きだったな。
(c9) 2022/05/07(Sat) 19:58:42

バレンタインは、読みかけの本をあらぬところに置く悪癖がある。その先を読めなくても、忘れないために。
(c10) 2022/05/07(Sat) 20:16:28

バレンタインは、君から渡された本は、きっと、ベッドの上に置いてあるだろう。
(c11) 2022/05/07(Sat) 20:37:07

【墓】 充実 バレンタイン


『124ページ目、「太陽には烏、月には兎───
 ……“センセイ”もそうだったのかな』

少し考え事をすれば、
独り言みたいに頭のてっぺんから声が出る。
これだけは余計なお世話だな、とさらに独り言ちて。

さらに遡り、自分の両親のことも考える。
彼らだっていつか愛のもとに集まったはずなのに、
傷だらけになったり、いなくなったりするものだから。

『…… ─── ───』

バレンタインは、睡眠そのものはあまり好きじゃない。
けれど、夢を見るのは好きだった。
大抵は叶わないものだということを知っているからこそ、
それを不安に思う必要も、何も無いから。
(+12) 2022/05/07(Sat) 21:05:29
バレンタインは、でも、叶うかもしれない、と信じることくらいはしてみようと思った。
(c12) 2022/05/07(Sat) 21:08:41

バレンタインは、それで不安になっても、表現するものがないから、いっそ。
(c13) 2022/05/07(Sat) 21:08:53

【墓】 充実 バレンタイン

>>14 エルナト

『124と125ページの間……
 の、どこかまでは忘れちまったから、
 その頭から読んでくれたら大丈夫。──ありがとう』

君が離れてから身体は微動だもしていない。
肉声も、表情すらもないけれど、
内側には気持ちが色々、沢山籠っている。
それを伝える手段がないのが心惜しいだけ。

『動けるようになったら……すぐに、──
 いやすぐには保証できないな。ともかく、

 ずっとこのままなわけじゃねえし。
 筋肉が衰えないようにと起こされた時に、
 身体が大丈夫そうだったら戻しに行くよ』

車椅子を進めて、ちょっとだけ距離を詰める。
『あ』と短く声をあげれば、少しの沈黙が挟まれて。

『……読み切ったら、でいいかな。
 もっと時間がかかるかもしれないけど』
(+13) 2022/05/07(Sat) 21:48:42
バレンタインは、反応を返すことはできないが。目はずっと本の文字を追っていた。
(c14) 2022/05/07(Sat) 22:21:22

【墓】 充実 バレンタイン


夕暮れ。物語を反芻する。
特別なものはなにもない、
愛が成就する、普通の結末を。

きっとそういうものだ。
夢みたいなものなのは、愛それ自体であって、
普通の幸せを得ることはそれほど難しいことじゃない。

不安の病を患っていても、同じことだ。

ましてやどんでん返しで不幸になることなんて、
そうそうあるはずもない。なるべくしてなるもの。
僕のこの身体も、彼の語った恋の結末も。

『僕たちは、──望み過ぎたんですよ。
 もっと普通でいいんです、センセイ。

 身の丈に合った幸せと向き合わなくちゃ───
 それ以上は手に入らないだけだったんだ』

誰かに話しかけるように。
手紙もまた認めなくっちゃな。
(+15) 2022/05/08(Sun) 0:04:06

【墓】 充実 バレンタイン

>>16 エルナト

『あ、いや───独り言だ。
 こうなってから心の声が、
 だいたい筒抜けになって困るんだよな』

隠し事のひとつもできやしない、と、
喉が機能していればため息のひとつでも吐いていたところ。

『……ずっと姿を見せてねえと、
 それこそ心配されるだろうし、行くか。

 食事は……食べることもそうだけど、
 生活の空気をみんなで共有するのが、好きだし』

眠気の奥に、不安と一緒に隠れてた好みを放り出して。
自分で行けるのにな、とか言いつつも、
厚意に甘えて食堂まで押して行ってもらおうか。
(+16) 2022/05/08(Sun) 0:35:13
バレンタインは、冗談言うなよ……とげんなりした。それが本気であるとは露知らず。
(c17) 2022/05/08(Sun) 2:01:33